第六話~勃発~
私は何も出来ない...月日が経つのは早いものであれから一ヶ月程経った。しかしあの事件の後も美月に対する誰かの嫌がらせは続いていた。例えば美月の靴箱の中にゴミが入っていたり、授業ノートが数ページ破られていたりと、悪質だ。そしてその場には私の犯行に見せかけるかのように何らかの私の所有物が置かれたりしている。名札だったりハンカチだったり。さらには何故かその場には大抵千鶴と吉田がいる。「なんでいるの?」と聞いても「別に。」としか答えない。しかし千鶴達が犯人なんだろうか...その真相はまだ分からない。しかしこのままでは美月があまりに可哀想だ。最近美月は早退したり休む事が多い。無理もない。こんな目にあっているのだから。昔、いじめられてた事を思い出したからなのかもしれない。とにかく私は早く犯人を見つけたい。もしかすると先生の内の誰かなのか...!?いやそんなことはないだろう。しかしじゃあ誰が...そんな事を考えている時久美子が来た。「凛〜どうしたの?暗い顔して。」「うん。あのね、美月にこんな嫌がらせをする人。つまり犯人は誰なんだろうって考えてたの。」「なるほど...でも千鶴達は違うと思うな。」「どうして?」と聞いたが私も違うと思っている。「んー、なんかそんな気がするだけ〜。」やれやれ久美子は人が悩んでる時も楽観的に済ますなぁ。まあ、そこがいい所なんだけど。
今日も犯人らしき人物は見当たらなかった。そういえば最近久美子と帰れない時に一緒に薫ちゃんとも帰っている。これまた不思議な事で薫ちゃんも久美子と同じバスケ部なのだ。おそらく久美子に言われたのだろう。「私が帰れない時は一緒に帰ってあげてくれ。」みたいなことを。やれやれそこまで気を使わなくてもいいのに。しかしこの薫ちゃんはいい子で私の悩み事を素直に聞いてくれる。そしてその悩みに対し的確なアドバイスをくれる。時折薫ちゃんの姉の葵先輩とも帰る事もある。とにかく私は皆が優しく接してくれてとても嬉しい。
その晩、私は久しぶりに弘樹に一緒に学校に行かないかと誘った。弘樹は嬉しそうに「いいよ!」と言ってくれた。私は一人じゃない。そう思った。でも美月は...ダメだ。あれから自分と美月を比べてしまう。
翌日。私は弘樹と学校に行った。しかし何故か不思議な気持ちになっている。今までは隣に美月がいた。でもその前はずっと弘樹と一緒だった。私はどっちが大切なんだろう。帰りは久美子もいるし薫ちゃん達もいる。私にとって一番大切な物って一体何...?「お姉ちゃん。大丈夫?やっぱり美月さんが居ないと寂しい?」と弘樹が言う。「そんな訳ないじゃない。弘樹が居るだけでとっても幸せよ。」「じゃあ良かった!ありがとう!」「うふふ。さ、ちょっと急ごうか。遅れそうだし。」「うん!」私はバカだ。弘樹にまで心配かけて。久美子や弘樹、薫ちゃん達や両親。沢山の人に私一人の事で迷惑をかけている。私が強くならなきゃなにもかも変わらない!私は決心した。今日こそ美月と話そう。そしてもう一度あの頃のように!
しかし学校に行くと美月は居なかった。何かを決めた時に限ってこういう事になる。
また暗い気持ちになっていた。私はぼーっとしている。ふと気付くとグランドが騒がしい。特にする事もなかったのでグランドに行ってみた。すると私はその光景を見て息が止まったような気分になった...




