最終話~愛~
そんな...私は魂が抜けたような気持ちだ。「さて、とりあえずとりあえず一発殴らせろ。なあ!戸塚...弘樹!」「な、何言ってんですか杉田さん。僕はただ朝練の為に着替えようと...」「見苦しいぜ。なんでここで着替える必要があんだ?それにその体操着は女もんだ。もう少しマシな言い訳を考えとくべきだったな。」「くっ...!」なんで弘樹が...?それに今日は弘樹より早く出たはず...あっ!でもそういえば以前美月と会う為に早く家を出て待ち合わせ場所にいたのに結局美月は来なくて学校に行ったら美月がいた事があったな...弘樹もそれと同じ方法で...?「お前はおそらく凛達に朝練と称し学校に早く来る。そして長澤への嫌がらせをする。そしてその後凛の所有物をその場に残し、俺の靴箱に金を入れ、部活に出る。そうすりゃ全てに辻褄が合う。それにお前なら凛の所有物なんざ簡単に持ち出せるしな。」「確かに凄い推理だ。で、でも証拠は?証拠無しに僕を疑うなんて...」「ああ。確かにそうだな。だがお前には共犯者がいた。そいつに吐いてもらうのが一番手っ取り早い。なあ...そうだろ!吉田!」え?「千鶴ー!待たせたなぁ!連れて来たぜ!」なんだ...千鶴は吉田を呼んだだけか...呼ぶタイミング悪いな。共犯者が吉田かと思っちゃった。しかし、いないと思ってたら別の所にいたのか。ん?吉田の後ろにいるのって...「まあ、共犯者って言い方は少し悪かった。だがお前はこいつの犯行現場を見て見ぬふりをした。それどころかそれを面白がった。お前もこいつと同じ動機だろうがな。そうだろ?久美子...!」う、嘘...久美子も...?「あらら、バレちゃったかぁ。そうだよ。私は弘樹君が美月ちゃんの机に落書きしてるのを見た。だけどそれを私は見なかった事にして、そのままにした。それからも私はちょっと弘樹君に協力した。まあ、私の事は弘樹君は知らなかったようだけどね。そして千鶴の言う通り、私は弘樹君と同じ動機よ。」「そ、そうだったんだ...高木さん...」「おいおい!感謝してる場合かって!お前、自分のした事分かってんのか?!そんな卑怯なことするとは...!」「まて健太。感情的になるな。おそらくこいつらの動機は凛だ。」え?私?「ああ。そうだよ。あの美月ってのが来てからお姉ちゃんは僕にあまり構ってくれなくなった。挙句の果てには一緒に学校に行ってくれなくもなった。だから僕は復讐しようと思ったんだ。一度でいいと思ってた。だけどお姉ちゃんはあいつの事を諦めなかった。だから諦めるまで僕は続けようと思ったんだ!」「バカ野郎!!!てめぇの勝手な欲望で凛も長澤も心底悲しんだんだぞ!復讐だと?そんなくだらねえ事すんなら面と面向かって話し合え!」千鶴...「おいおい...結局お前が感情的になってんじゃん...」「私...間違ってた。凛に謝らなきゃ...」「僕も...」「やっとその気になったか...おい凛!出てこい!」え?ここで?いや、出にくいんですけど、もうちょいいいムードになってから呼んでくんないかな。まあいいか。「よいしょっと。」「お姉ちゃん!」「凛!」「まったく...二人とも...ありがとう!そしてごめんなさい!」「あ?なんでお前が謝ってんだよ。」「そうだぜ。お前が謝る必要はないじゃねえか。」「いや、だって二人は私が原因でこんな事しちゃったんでしょ?だったら私も謝らなきゃ。」「ごめんね!!」二人は声を揃えて言う。「まって。謝る相手は私じゃないでしょ?」「う、うんそうだね。」「うん分かった。美月ちゃんにちゃんと謝るわ。」「良かった。美月は優しいから許してくれるとは思うけど、自分達のした事を反省しなさいね。もう五分程で美月は来るよ。」「分かった!」「玄関で待ってる!」そう言って二人は玄関へ向かった。私もすぐ向かおうとしたが、その前に...「ありがとね。千鶴。」「けっ、礼を言われる筋合いはねえよ。」「戸塚、千鶴は珍しく必死に犯人探ししてたんだぜ?」「お、おい健太!」「え?そうなの?」「ああ。必死に考えてたんだ。あと聞き込みもしてたな。他のクラスのやつとかテニス部のやつとかに。」「へぇ〜、可愛いとこあるじゃない!」「うるせえよ。」「おいおい〜千鶴〜言っちゃえよぉ。素直になってさぁ。」「ばっ、ばか野郎!何言ってんだ...!」「んー?なになに?」「いやー、これは俺の口からは言えねえな。な!千鶴!」「アホか。言わねえよ。」「えぇ〜素直になっちゃえって。」「いいからさっさと行くぞ!」「へーい。」「待って!千鶴。」「あ?」「ありがとう!」「はいはい。んじゃあな。」「あばよ!」「(言わねえよ。言える訳ねえよ。ま、まだ。だけどな。)」
はあ、まったく、かわいげのないやつ。私は返事は決まってたのに。ま、いつかは言ってくれる...かな?
そして、それから一週間経った。弘樹と久美子はあの後美月に謝った。美月は複雑な気持ちだっただろうけど許した。反省の証として二人(特に弘樹)は今まで台無しにしてきた美月の物の弁償をした。他にも色々と変わった。まず教頭が新しくなり、なんと外国人の先生だ。名をヴィラス・アウトガート。日本語ペラペラだ。さらに私は登校する時、美月と弘樹、久美子と一緒に行くことになった。そして理事長は別の所ではなく、今後はこの学校自体にいることになった。最後に私は大学に進む事にした。さらに沢山の物に出会う為に...
こうして私は心から信じあえる「親友」という存在ができた。それは偶然の出会いからだった。人生はいつどこで何が起こるか分からない。人生とはそういう物だ。何が起こるか分からない。だからこそ楽しいのだ。「親友」という存在が君達に出来るのはいつの日か...そんなものは分からない。だけど楽しく生きていれば必ず出会えるそんな存在に...




