閑話 現実世界と開発チーム1
「ふうっ疲れた」
VRギアを外して周りを確認するといつもの部屋とパソコンが目に飛び込んできた。
時計を見ると22時を5分ほど過ぎていた。
「やっぱりアラーム機能は必要だったな」
「嵌まりすぎると徹夜してしまいそうで少しヤバかったな」
とりあえず宿題を済ませてから寝ることにした。
「明日学校で巧のやつに幾つか聞いてみたい事ができたな」
そう呟きながらメモに内容を記していった。
******************
次の日、学校の教室にてゲームの内容を確認する2人がいた。
龍生:「とりあえずキャラエディットをして1日分だけテストしてみたよ」
「あの某歌姫キャラはヤバイから変更な」
「あとキャラバリエーションは豊富でグラフィックも良いから最高なんだけど、ちょっと良すぎて嵌まりすぎるユーザーが出るかも知れないから何か対策しといた方が良いかな」
「それとあの5択の分岐は何だよ。普通なら皆引っ掛かるような選択肢があったぞ」
「パラメータの上下幅もよく分からないし…」
巧:「おお、とりあえずそこまで進めたのか」
「オートキャラデザインは遊んでなんぼと思ってたがやっぱりマズイか(笑)」
「で、結局定番の美少女系ヒロインにしただろ?」
龍生:「なぜ知ってるんだ?」
巧:「それは俺がお前の趣味を知ってるからだよ(笑)」
「少し小柄で黒髪ロングストレートの美少女系」
「あと絶対巨乳だろ(笑)」
龍生:「ぐはっ」
「ひっ否定はしないが作ったキャラは普通サイズだぞ(汗)」
「このゲームは恋愛シミュレーションRPGであってそっち系のあだるてぃなゲームでは無いんだからな」
巧:「まあな、一応R15指定にしてるけどそっちの方向に向かおうとするとすぐにパラメータがダダ下がりしてゲームオーバーになるから大丈夫だぞ」
「あっ。今はテストプレイだから試しにやってみてもいいぞ(笑)」
「どんな展開になるか興味あるだろ?巧様謹製の特別シナリオにご招待だがな(笑)」
龍生:「そうだなテストプレイだからゲームオーバーも体験しとくのもアリだな」
「時間戻しのスキルもあるし、試しにやってみるよ」
巧:「おう、感想を頼むわ」
「後は、嵌まり対策かぁ。そうだな、一定時間たったら一時中断モードが発動して強制的に休憩を取らせるようにするかな」
「分岐点はその時の相性によって難易度が変わるように設定してるから、相性が高くなるほど選択肢の数と設問難易度が上がるぞ(笑)」
巧:「そう言えば特殊スキルは何にした?」
龍生:「Time Reverseだよ」
巧:「やっぱりお前が好きそうなそれを選んだか」
「重度のゲーマーが選ぶ確率が高いスキルの1つだからな」
「たがコイツは結構癖があるスキルだから良く使い方を確認しとくと良いよ」
龍生:「なんだよ、何か含みのある言い方だな。注意点があるなら教えておけよ」
巧:「いやいや、それも含めてのデバッグプレイだろ?」
「想定外の事がないとテストにならないよ」
龍生:「ちぇ。まあいいや」
「今のところの気づきはそのくらいかな」
「納期の関係もあるけど宿題もあるからとりあえずゲーム内時間の1日ずつ進めるよ」
巧:「おう、頼むわ」
「学生はつらいよな(笑)」
放課後になり一度部室に顔を出した俺は家でテストプレイの続きをする事を伝えて帰宅する事にした。