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どう思う?

「どう思う?」


 アルテ達はイルと別れ、宿の一室に集っていた。イルとは明日の朝、魔王城に続く洞窟前で同行するか否かの判断をすると伝えている。


「アタシは連れていきたいな、偽物だったら今日のうちにもっと信用を稼いできてもよくなくない?」

デルミーが一番に声をあげた。


「俺は反対だ。敵か味方かも分からん奴を仲間に迎えるのは気が進まない。いざというときに、はい敵でしたでは話にならん。」

ハオは不確定要素を嫌っていた。


「私は条件付きでならいいと思いました。」

ナナは折衷した案を提示する。

「例えば、洞窟に入ってすぐに、何度か来たことがある方でなければわからない質問を幾つか投げ掛けます。それで正確な回答を得られれば信用し、そうでなければ捨て去るのがいいのでは。」


「はじめは信用させておいて、致命的なところで嘘をつかれたら?」


「基本的に嘘と一旦咀嚼して、安全な方法でそれを真と判定する方法を都度考えましょう。時間の余裕はあるでしょう。」


「重要な事項をもし黙っていたらどうすんの?」


「それは元々イルさんを連れていかない事と同義になるので、この件では考えないことにしましょう。」


「嘘を嘘と判定できない、または判定するために代償が必要な嘘をつかれたら?」


「それもイルさんなんていなかったとしてこちらで状況を見て判断しましょう。聞かない、という選択肢もあります。」


 案内人が例え悪魔であろうとも切り伏せてしまえばよし、善き案内人であればそれでよし。アルテはそう判断してまとめに入った。

「よし、概ね連れていく方向で問題ないようだね。」

一同は頷く。


 しかし、イルの話が本当だとすれば難儀な呪いをかけられたものだ。恐らく魔王を殺すまでその呪いを解くことはできないだろう。そして、魔王城を攻略するために今まで何度死んだのだろう。


 『死に戻り』なるアイテムは噂では聞いたことがあったが、まさか魔王城に存在していたとは。否、それはイルが嘘をついているの可能性がある。だが仮にイルが魔物側のものであったとして目的は何なのだろうか。ラストダンジョンに人を呼ぶため?そんなことをしなくても日々命知らずたちが挑んでいるからそれは無いか。


 そんなことはどうでもいい、魔王を殺すためどれほど今まで血反吐を吐いて這いずり回ってきたか。旅の成果、とくと見るがいい魔王よ。


アルテ達はラストダンジョン攻略に備え、早めの就寝についた。


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