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ヲタ村ダンジョン  作者: KOJHIRO
EPISODE 2 After
13/24

ダンジョン旅館

 転送陣でフロアに帰ってきたら屋台の前に並べられたテーブルで遅い夕食を摂ることにした。

 アイテムボックスに保温しているのでなく,ここはやっぱり外食でしょうということで,こんどこそと屋台をじっくり物色する。

 まず因縁のたこ焼きはキープした。


(むはははは。吾は〝ハスター〟なり。〝クトゥルー〟など喰らってやるわい)

 はい,あ見苦しい姿を晒してしまい面目ない。対タコの出来心です。


 テントで野営も出来るし村に近いから帰ることもできる。しかし明日『困難』に挑むなら近場で休みたい気持ちでいっぱいだった。


 で,結論から言おう。わしらは宿を取ることになった。

 明日に備えて情報収集にジムさんからポンが訊いていたのだ。


 ジムさんも説明が面倒だし,利用カードを手に入れたモノだけにしか言わないのだとか。確かに見えないモノを説明されたって信じるか信じないかはわしら次第だから。

 『適度』を終えてカードを持つわしらには,コレまで壁にしか見えなかった屋台群の後ろに『五分利 旅館』の看板が見えている。どんな仕掛けか知らんがな。

 〝利〟と〝旅〟の間に小さい〝ん〟がうすく書かれているのをわしは見逃さなかった。あぁ他の3人も気づいたみたい。


 片側に寄せられた少し大きめな格子引戸の左右に1.2メータぐらいの全身タイツか数体,プラカードぽい看板を頭上に掲げて客引きをしている。

 隠しているつもりなんだろうけど中はアレだな。ダンジョンの中にある休憩所で働いていたのも〝五分利ん〟たちだったっけ。w


 宿泊料は現金か魔石で支払う。夕と翌朝の2食付きが基本セットだ。チェックイン時間にも寄るがな。

 ポン○が代表して宿帳を4人分記入したりしている間,わしらはだらだらしていていると部屋番号の印字された腕にするベルトを持ったポン○がこれから部屋に案内してくれると言ってきたので矢絣を着た全身タイツな女中さんの後をついて行くことになった。

 女中さんを後ろから見ると大きなタブレットを背中に掛けていて,要所要所で合成された音声が流れる。大浴場,遊戯室,カフェなどが終日利用できるそだ。

 すこし前屈みで身長はわしと変わんなくて,中はゴブだなと決めつけたが問題ある?


 8人キャパに4人いっしょの和室部屋に着くと食事のタイミングを訊かれたので,部屋風呂もあるけど先に風呂へ行くことにした。大きな風呂は気持ちいいからね。その間に食事を運んでもらう。

 たいてい,少し休憩で食事を摂り,風呂に言っている間に寝間を準備に運びだが,人生イロイロ。十人十色だ。


 部屋に備え付けの浴衣に着替えて,タオルを肩に掛け4人は部屋を後にした。カギの係はポン○に決定。

 勿論,入浴に備えて茶とお菓子を頂いてからだ。


 わしとミィの浴衣は子供用として用意してくれていたようだが,それでもまだ大きくて裾が床に着いてしまう。茶道を習ってて和装経験があるミィがわしの腰帯辺りで調整してくれた。


 地下にある大浴場は,ダンジョンの火山フィールドからお湯を引いているとかで,源泉掛け流しだとゴブ女中が自慢していた。

 千人入れる大宴会場もあり,そこでは海洋フィールドで水上げた魚の解体ショーもやっているとか。


 EVですーっと地下深くまで降りると待合用の長椅子とか卓球台などがあり,その向こうに漢字で男と女と中に別れた暖簾がある。下地色の配置はどこぞの国の交通信号機か。

「「「「中ってナニ?」」」」


 ああ少なくともわしとポン○は言った後,ああアレかと気づいてしまった。


 つまりだ。ポン○は〝男〟,ナナ○は〝女〟,見た目は幼女だが心はオッサンのわしとミィは〝中〟ってことだな。

 各々暖簾をくぐった。


 はい,〝中〟に入ろうとしたところを抵抗虚しくドナドナされました。


 入浴シーンを望まれた方には申し訳ありませんがね。

 その後の記憶は床しか,ございません。

 食事?

 ふっ。食べたかどうかもわかんないぜ。


 気がつくと,朝だつた。



<SideChange name = "Pon" >


 暖簾をくぐると他の宿泊客は少なく3人ほどで,更衣室で浴衣を脱ぎ男湯にはいるとあわせても10人はいない。旅館利用は少なくても『適度』を攻略してからだしまだ周知されていないのだろうな。

 しばらくして,男湯と中湯を隔てる高い塀の更に向こうからカコーンとナニかを弾く音と子供の悲鳴につづき水面を叩く音がした。


 それ以降はしーんと静まったのだが,疑問は残るが触らぬ神に祟りなしだろう。


 更衣室で首振り扇風機の前で,右へ行ったり左へ動いたりと風を堪能してウォーターサーバーの冷えた水でのどを潤してから,外のソファーに腰掛けた。


 女性の湯は時間が長い。


 リアルから持ち込んだスマホで,読みかけのWeb小説をリーダーで開いた。


 何度目かのスワイプを終えた頃,着替えを抱えたミィちゃんとナナ○に背負われたウィちゃんが出てきた。


「某が代わるでござるよ」

「かたじけない」

 ウィちゃんを抱き上げると,額に真新しくて大きなタンコブが出来ている。


 疑問を口にすると我が身にも降りかかるのだろうか。危機回避のため方針はスルーで。


</SideChange>



 そそり立つ煙突とお別れしてから,どんくらいの日々が過ぎていったのだろう。

 わしの頬に何かが流れた。


 ここまでお読みいただき,ありがとうございます。


 さてウィになにが起こったのかは……ご想像にお任せします。

 [Episode 5]とも関係するので調整のため、しばらくお休みします。


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