魔法の研究2
魔力を身に纏う事に、成功した裕也は次の段階の準備をしていた。
「あ〜、魔力を身に纏った男の文献見ながら勉強した方が良いか……それとも、普通の魔法書を見て勉強するか……如何するか……」
悩みに悩んだ裕也は………。
「この鍵を、投げてどっちの本を刺すかで良いか」
……自分の部屋の鍵を使って決めようとしていた。
鍵に回転を掛けながら、投げると鍵は見事に一冊の本を刺した。
「……ふむ……物理系魔法全書……選択外じゃないか……まぁ、やってみるか」
見事に第三の選択肢を選ばれた。
尚、物理系の魔法の多くは比較的簡単で、魔法陣を使わないタイプの魔法だったので、楽だったと記述しよう。
それから、裕也と本との戦いが始まる。
選んだ本ではなく、第三、第四の選択肢が出て、魔法陣の勉強は出来なかった。
しかし、空間、回復、物理系の魔法を扱う事が出来た。
尚、その最中に身体能力上昇の魔法を手に入れ、戦闘能力は格段に上がっていた。
しかし、自然系の魔法などの物は全く使えず(記述はあるが、〜〜の書参照などと書かれていた)明らかに、魔法を習得する順序間違ってんだろ!と言われるような魔法道を極めていた。
此処でちゃんと説明しよう、空間魔法はストレージと言うのが主流で、道具などを収納できる。
商人向けと言われればそうなのだが、最近では冒険者も持っている人が増えて来ているそう……まぁ、あのプロテインを勧めてくる悪魔からの情報だが。
プロテインを勧めてくる悪魔からは、異世界の職業を教えられたが、これはまた別の時に語ろう。
回復系は言わずもがな、傷を治したり病気を治したりする事が出来る。
聖女などが、使う魔法……まぁ、これは言わずもがなって気もするが。
物理系魔法……これは見たとき驚いたが、使う人が全くいない魔法だ。
何故かと言うと、物理系は魔力を色んなものに変質させる事が出来る。
しかし、その変質した物は所詮と言うかなんと言うか、魔力の塊な訳で変質した魔力は見えない、その為……チームプレイには向いてない訳だ。
そんな事は如何でも良い、今は自然系魔法だ。
普通に何もせずに、本を読む。
そして、気がついた……。
「……他のやつ見た後、これ読むと一番簡単だな…」
そうしみじみしながら、本を読んで勉強した。
しかし、問題が発生した。
「……魔法陣覚えれねぇ……」
そう、複雑過ぎて魔法陣の形を完璧に覚える事が出来ないのだ。
そして、新たな魔法を作る事でそれを完璧にした。
その名は、上書き魔法、書き込み魔法だ。
魔法陣を自動で書き込む事が出来る魔法だ。
その魔法を何の為に作ったか……それは……。
「……頭の方に魔法陣を大量に重ねるって壮観だな」
……頭に直接魔法陣を書き込む事にする為だ。
そして、魔法を起動した。
その時に起こった事は、いつまで経っても忘れる事は無いだろう……。
「……イテェ?!」
書き込む事で頭を鋭い鈍器のようなもので、殴られているように、痛い思いをしていた。
床で転げ回り、痛みを紛らわそうとする。
回復魔法で痛みを抑えようとするが、色んな魔法陣が頭に入る度に、痙攣し体が跳ね、死ぬ程の思いをした。
何度も何度も何度も何度も何度も抑えては痛くなり、抑えては痛くなり………永遠にも思える程の思いをした。
そして………。
「……終わった……何か物凄く疲れた」
そう、床の上で呟き意識を無くした。