謎の家の探索
裕也は切り株の上で目を覚ました。
そこは自然の匂いがするのどかなところで………。
「………なんでここにいるんだ俺…?あ、異世界に送るとか言ってたな……。あれ夢じゃないのか」
そう言って切り株から立ち上がり、周りを見渡した。
周りには森が生い茂っていた…。
辺りには、木、木、木、家、木、木…ん?
「…近くに家あるならそこに寝かせとけよ…」
そう愚痴をこぼして、裕也は家の中に入っていった。
家の中は、普通にきれいで住みやすそうな場所だった。
入ってすぐのところに、階段がありその右の方にドアが一つ、左の方にまたドアが一つあるが、左側には長い廊下が続いている。
右のドアを開けるとリビングのような場所だった。
リビングには、テレビなどの電化製品などはないが戸棚のような物があった。
何気なしに、そこを開くとプロテインが……。
裕也はそのプロテインの入った戸棚の開閉口を、壊して開かなくした。
他の戸棚をあけてみると、調味料などが置いてあった。
そして、調理器具のようなものとガスボンベのない、ガスコンロが置いてあった。
「……ガスがないとコンロ使えねぇじゃん…」
そう、愚痴をこぼしてしまった裕也を責める者は居ないだろう。
リビングから離れて、別の部屋に行った。
リビングの向かい側の部屋は本棚が大量に敷き詰められている部屋だった。
真ん中と思われる場所には机が置いてあり、引き出しを開けると筆記用具が大量に置いてあった。
そして、本棚が置いてある近くにまた扉があり、その扉を開けるとサンドバックや射撃場、格闘場があった。
「練習場か……ってことは」
裕也は本棚の置かれている部屋に戻り、本棚から本を一冊取り出し、流し読む。
そこには魔法と思われる物が、書かれていた。
「……やっぱり、此処は訓練場って訳か……んで、此処で魔法の勉強ができると」
そう呟いて、魔法の本を一冊を抱えて部屋を出た。
そうして、次に向かったのは長い廊下だった。
長い廊下を進んでる途中に何部屋かあったが、扉が開かなかった。
そして、長い廊下の先にはドアがあり、脱衣所のような場所で、その向こうには温泉があった。
「…混浴か……?それともただの手抜きか」
裕也の頭に店員らしき人物の、やれやれというような姿がよぎる…その姿にイラっと来る裕也だった。
そして、裕也は来た道を上り、階段を登って行った。
2階には5つほどの部屋があり、3部屋は鍵がかかっていて開かなかった。
開けれた1部屋は道具のようなものがたくさん置いてあり、倉庫のような印象を受けた。
(そういや、温泉とリビング以外の部屋には鍵を掛けれる筈なんだが…その鍵はどこ行った?)
そして最後の部屋を開けた。
そこは、きれいに整えてあるベッド、クローゼット、そして勉強机のようなものが置いてある部屋だった。
そして、勉強机の上には手紙と丸い水晶玉のような物が置いてあった。
机に本を置いて、裕也は何となく水晶玉に触れた……すると意識が遠のいた。
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(ん?此処は?)
裕也が次に目を覚ましたのは、上も下もわからない、自分が立っているのか座っているのかもわからない場所だった。
(汝に力を与える……解析、気配察知、魔力消費軽減……この力を与える。汝、力を得たその力で……わ……た……く……れ……た……ぞ)
そんな声が聞こえ、また意識が遠のいた。
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「……はっ、ん?俺……何してた……?確か水晶に触れて……ってあれ?水晶なんてないな」
裕也はぼ~っと立っていた。
そして意識を取り戻した時には、机の上には本と手紙しか置いてなかった。
「……この手紙の差し出し主はあいつだろうな…」
若干の嫌な予感しながら、手紙を読む裕也だった。




