異世界に出発……の前段階
プロローグから抜け出しましたとさ〜
「では、貴方には特殊な力を与えましょう……そして、時間を授けましょう」
「時間……」
これで俺ももっと生きれる……この願いは間違えなかった筈だ……。
「と言っても、私の言う時間は力をつける時間です。決して寿命が伸びるという意味ではありません」
「力をつける……?それって経験みたいな意味でか?」
「はい」
そう言うと、新たな紙をレジに置いた。
「森林コースと海コースがありますが、どちらにします?森林コースは露天風呂で自然を楽しみながらの入浴ができ、海コースは海の眺めが素晴らしい入浴が出来ます」
「え、そんな旅行プランみたいなので良いのか?!力付けるんだよな!?と言うか入浴が凄いしか伝らねぇよ!」
「力をつけるのに、場所など関係ないと思いますよ…」
「じゃあ、なんでこの二つのコースを提示して来た?!」
「あ、両方気に入らないのであれば、地獄コースと言うのも「森林コースでお願いします」はい、承りました」
店員らしき人が悪魔に見えて仕方ない裕也であった。
そうこうしていると長々しい、修行?プランが提示される。
「お食事は朝昼晩の三食となっておりまして……自動的に配膳させて貰います」
「もう突っ込まない……」
「朝はフルーツ味のプロテイン、昼はコーヒー味のプロテイン「いや、待て待て待て!」はい?問題ありましたか?」
「なんでプロテイン尽くしなんだよ!と言うかそんなのあんのかよ!」
「え……よく言うじゃないですか………無ければ作れば良いじゃないと」
至極真っ当な事のように言う、店員らしき人が訳のわからないものに見える、裕也だった。
「それでは、順調な異世界ライフを……あ、貴方の特典の人達は三年後に送ります」
………は?
「はぁぁぁ!?何で三年後!?」
「貴方の修行期間終了が三年後です。ほら、レッツトライ」
「………三年も一人でやるのか……」
「あ、言い忘れてましたけど、修行期間中に異世界で過ごすのもありです。しっかり揉まれて来てください」
「………何も言うまい……」
そう言って裕也はトボトボと店の外に………。
「いや、どこ向かえば良いんだよ!?異世界に行く方法なんて俺は知らないぞ!」
「そこは気合で」
「出来るか?!」
やれやれ仕方ないですね〜と言わんばかりの仕草をする店員らしき人に、イラっとくる裕也。
もはや、少し怖がっていた事を忘れている。
そして、店員らしき人が地面の方に手を向けると、魔法陣が出た。
「ほら、ここから行けます……あ、言い忘れてました」
「今度は何だよ……」
「もし、貴方が呼び寄せた特典の人達に、貴方が異世界に連れて来た犯人だってバレた場合。その人達から離れて貰います」
「……は?それってつまり……」
「貴方が居なくなった時の為に、連携する力を身に付けさせないと行けないと言う事です……ほら、私の言いたい事は終わりなので早く行ってください」
そう言って、裕也が移動する事を急かす店員らしき人。
そして、裕也は移動前に言った。
「……絶対プロテインじゃなくて、食料送れよ」
「……」
「なんか言えよ!!じゃあな!」
そう言って移動する裕也……そして、店員らしき人は暖簾の奥に戻って行ったのだった…。