プロローグ4
一番最初からの文を少し変えたので良ければ見てください
「……可笑しい……此処まで歩いて家に着く気配ないってどういうことだ……?俺方向音痴だっけな…」
裕也が言うように、どこに行っても家に着く気配がない。
そして、かれこれ10分間彷徨っている。
「……ここさっき通らなかったか?あ~だめだ分からん」
通ってる道をグルグル周っている気がして困惑する裕也。
そのまま、来た道を戻ろうとしても、行方不明の人の顔が貼られた掲示板にたどり着けない。
それどころか、また別の掲示板を見つける始末である。
「……ん?こんな近くに同じような掲示板がポンポンあるもんか…?」
そんな疑問と共に新しい景色が見えた……駄菓子屋が見えたというだけだが。
「こんな時間帯に人ひとり会わないとは奇跡だな……何の音もしないのは普通だが、子供が遊んでてもいい時間帯なのに」
そう、裕也は行方不明の掲示板を見てから人ひとり見かけていないのだ。
車に乗った人すら見ていない。
しかし、駄菓子屋には人がいるだろうと思って、駄菓子屋に入っていった。
_____
「すいませーん、誰かいませんかー?」
「はいはーい、少々お待ちを~」
駄菓子屋は案外綺麗でちゃんと整理されていた。
お菓子の棚とか、飲み物らしきものが入った冷蔵庫?のようなものとかがあった。
そして、レジの向こうには暖簾の様なものがあり、その奥から若い男の声がした。
そして、日本人とは思えないような藍色の髪で真っ白な肌の色をした人間が現れた。
(………は、一瞬思考停止してしまった。まさか外国人が駄菓子屋を経営しているとは……いや、髪を染めている可能性が……でもあの肌の白さは日本人では、あんま居ないよな…いや、彩花と美亜がいたな)
そんな事を考えながら、店員らしき人を見た。
服装は和服という、店員には合わなそうな服を着ていた。
しかし、その店員らしき人は着こなし方をしっかり知っているのか、違和感などは一切ない。
「……お客さん?どうしました?」
「……あ、すいません。少し考え事してまして……」
「あ、もしかしてこの髪と肌の事考えてました?」
「……はい、少し失礼ながら……」
そう言って、裕也は申し訳なさそうにしながら答え、店員らしき人は軽快に笑った。
「あっはははは~、この髪実は地毛でして~ここに来る人に外国人が経営してる!!って言われるんですよ~」
「あれ?もしかして日本人なんですか?」
「いえ、普通に外国人ですよ」
本当に楽しそうに笑う姿を見て、楽しそうに生きてるんだな~と思う反面、よさそうな店なのになんで繁盛してないんだ?と思う裕也だった。
しかし、その理由はすぐに明らかになった。
「お客さん、何様ですかね~?商品持ってきてないから、うちの駄菓子を求めてきたわけじゃないだろうし…」
「あ、実は無蛇高校に行きたいんですけど、どう行けばいいですかね?」
そう聞いた後、店員らしき人から驚くべき発言が発せられた。
「無蛇高校?その高校にはここからだと向かえないよ?」
「……はい?」
一瞬、裕也の思考が停止した。
此処まで歩いてきたのに、なぜ向かえないのか。
そこまで、距離が遠いわけでもない筈だった。
いや違う、この店員らしき人は行けないとは言わず、向かえないと言った。
ここには歩いてこれた、しかしこの店員らしき人物は向かえないと言った。
なら、ここは夢の中で裕也は途中で倒れてしまったのか?
確かに、それならつじつまが合う、そしてこの店員らしき人物は裕也の夢の中に生きる住人であって、現実には存在しない……そう裕也は考えた。
いや違う、そう信じたかった。
「あなたは夢の中の人物で、現実には存在しない。って事でいいですか…?」
____もうわかってるんじゃないのか?そんな言葉が聞こえる。
黙れと裕也は心の中で呟く。
「ああ、確かに現実とは違いますね……」
ほら、この人だって現実じゃないって言ってる。これは夢なんだ。
そう、心の中で呟く。
______夢ならなんで夢と指摘した時点で覚めない?
その声が聞こえた時、店員らしき人物が言った。
「だってここは、死後の世界ですから」
その瞬間、頭が真っ白になった。