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恥かしい夜

序盤リソエールsideです

目が覚めると、月の光が差し込む部屋に居た。

私は、ユウヤにこの町の良い所を案内してた筈……?

それに何故か、少しだけ肌寒いと言うか……服を着ている感触が無いというか……?

鉄の冷たい感触が無いのは何故…?

いつもなら、鉄の塊が胸を締め付ける痛みで起きる筈……。

そう考え、私は自分の体を見た。

そこには何も着ていない、体が……。


「…え?」


思わず声が出てしまった。

何故?どうして?なんで何も着て無いの!?

そんな時に脳裏に浮かんだのは、ユウヤの姿だった。

見下した目線を向けても、如何でも良さそうな顔をするユウヤの姿。

しかし、あれが嘘だとしたら?

もし、あれが嘘で私に怨みを持っていたとしたら?

そう考えると、背筋が凍る。

何度か、こう言う目には会ってきた。

もう少しで大変な目に会うことがあった。

だからこそ、あの制約を作った。

弱味を見せない為に…もしも、何かが起きたとしても色々な武術は嗜んだ。

だから、今まで対処は出来た。

身に付けている物を全て脱がされる事は無かった。

だけど……今回は違う、全て脱がされてしまった。

その事実に涙が出てしまう。

純潔が散らされてしまった。

その思いが胸を占める。

だから、その時に近くに居た男の人を蹴り飛ばすのは仕方ない事だと思う。


「痛てぇ!」

______________

裕也は誰かに蹴り起こされた。

誰かって?

そんなのはリソエールに決まっている。

涙を流して、体を毛布で隠すように此方をキッと睨んでくるリソエール。

その様子に思考停止した。

そして、思い出し言った。


「リソエール……お前女だったんだな」

「今言う事じゃないよね!!」


そう言って、リソエールは裕也がリソエールの体を拭く為に使っていたタオルを投げて来た。

裕也はそれを普通に手で掴む。

そして軽く折り畳んで、自分の隣に置く。

裕也は上半身が裸な事を思い出し、上の服を着てリソエールの近くに行く。

それを見たリソエールは目を思いっきりつむる。

その様子を見た裕也は、リソエールの頭を軽く撫でる。

すると、キョトンとした様子のリソエール。

そのリソエールに、向かって裕也は言った。


「……服着ろよ」


顔を赤くし、裕也にビンタしたリソエールを責めるものは誰も居ないはずである。

______________

「……それで君は……私の……純潔を奪ったの…?」


そう言ったリソエールは少し怯えた様子だった。

そんなリソエールに向かって裕也は笑った。


「そんなふざけた事言えるなら、大丈夫だな」

「ふざけて無いよ!!私にとっては重要な事だよ!!」


興奮するリソエールを見て、溜息をつく裕也。

そして答えた。


「んなもん、奪ってねぇよ……どうしてその発想に至った…」


その事を聞いて、嘘だと言う様な視線を向けるリソエール。

どう証明するか悩む裕也。

そして、言った。


「もし、嘘ついてたとしたら俺は自殺しても良いぞ?ついでに言うとお前覚えてないのか?」


何を?と言う様な表情のリソエールを見て、裕也は答えた。


「お前、船着場みたいな所行って気絶して溺れたんだぞ?」

「……あ」


気が動転して、忘れていたのであろう。

そして裕也は続けて言った。


「そんで、俺が助けて風邪引いたらダメだから服を脱がせて、体拭いただけだ」


それで話は終わりと言う様な雰囲気を出す裕也。

そして、此処から本題と言わんばかりにリソエールと向き合う。

リソエールは緊張した雰囲気を出す。

そして裕也は言った。


「……お前服ねぇの?」

「……うん」


まだリソエールは生まれた姿のままだった。

その理由はリソエールは替えの服を持って居なかったからだ。

それを聞いて、裕也は自分用に買っていたローブをリソエールに渡した。


「これでも着とけ……気休め程度にはなるだろ?」


そう言うとベッドに寝転ぶ裕也。

完全に寝る気である。

そんな裕也を顔を赤くしたリソエールが見ていた。


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