修羅場!
裕也は若干呆然としていた、何故かと言うと……。
「ヘイシ……如何言う事かしら?」
「いや……お前の考えてる様な事なんてないからな?」
「………じゃあ何で、あんたに似た男がここに来るのよ!」
そう……ヘイシとその奥さん?の修羅場を見せられて居るからだ。
事の発端はヘイシがぶっ飛ばされた所から始まる…
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ヘイシが、ぶっ飛ばされた後頭を少し撫りながら戻って来た。
「あたた……おい、お前手加減知らないのか?」
「……私を置いて仕事に行ったあんたに言われたくないわよ」
「え?もしかして、怒ってんの?」
そうヘイシが言うと、女性は慌てだした。
「べ、別にあんたが如何なろうとも私は関係ないじゃない……攻撃の選択肢が減るから!そう、それが理由よ!!わかった!?」
「いや何で、少し怒鳴る風なんだよ……あ、そうだ。お前にコイツを紹介するよ」
そう言うと、ヘイシは裕也の手を掴んで女性の前に連れて行き、裕也の肩に手を回した。
それを軽く煩わしそうにみる裕也。
「こいつはユウヤ、一時的にコンビを組んだ奴だ」
「いや、フルネームで言えよ……結川 裕也……よろしく」
「そう……ユウヤって呼ばせて貰うわね」
「何でお前達は俺の名前をユウヤで統一してんだ……」
「まぁ、俺たちだしな」
「そうそう……ん?あんた達ちょっと並んでみて?」
「あ?別に良いが……」
そう言うとヘイシは、裕也の肩に手を回すのをやめて、真っ直ぐ立った。
そうして、女性は裕也とヘイシを見比べた。
そして、少し涙目になって、ぷるぷる震えだした。
その女性を見たヘイシは慌てだした。
「え?如何した?え??何が起きたんだ?!」
「……あんた……」
「何だ?」
少しオロオロしだしたヘイシを、少し情けなさそうだな〜と言う裕也の視線が向う。
そんな事は気にせずに、女性は声を上げた。
「……あんた、私に何も言わずに浮気してたの!?」
「……は?何言ってんだ?」
「うっさい、バカ!どっかに行く日が多いと前々から思ってたら、他の女の所に行ってたのね!!」
裕也は少しだけ距離を置いた。
「何で俺が、そんな事しないといけないんだよ!」
「だって、ユウヤを見たらそんな事を考えるわよ!」
「……え?俺?」
そう言って、裕也は雲行きが怪しくなって来たな……と思っていた。
まぁ、元から話が始まった時点で怪しかったが。
「あんたとユウヤの顔は似てるのよ!!ユウヤ!貴方今年でいくつ!?」
「あ〜……16だな」
「ユウヤとあんたの年齢的に兄弟の線は無さそうね……て事はやっぱり浮気してたんじゃないの!?」
「じゃあ、何で此処にユウヤを連れて来たんだよ……」
そう言われると女性は悩む仕草をして、言い始めた。
「……浮気相手に何かあって、仕方なく連れてきたとか?」
「意味わかんねぇよ……」
浮気って言ってる時点で、ヘイシとこの女性は結婚してると考えて良いだろう。
しかし、何故俺が喧嘩の発端の様な物になっているのだろうか……そう裕也は考えながら、冒頭に繋がる。
かれこれ、外で十分辺り言い争っている。
そんな時に、裕也はふと思い出した。
「……あ、そう言えば」
「何!!」
「いや……大した事ないが、ギルドに居た時おっさんに絡まれた時に『ヘイシとメイリの子供か……顔付きがそっくりだな』って言われたんだが……」
「……は?ちょっと、お前とユウヤ並んで見てくれ…」
「う、うん……わかった……」
そう言って、女性は裕也の隣に立つ。
そして、ヘイシは裕也と女性を見比べる。
「……ユウヤ……俺とメイリの子供だったのか……?」
「……は?」
「……え?……ユウヤは私とヘイシの子供……?」
そうして、若干三人は慌てだした。
「いやいやいや、俺あんた達みたいな親持った覚えないぞ!?」
「俺だってしらねぇよ?!メイリとの子供なんて!」
「冷静になりましょう、先ずは近くの井戸に身を浸けに行きましょう」
「「メイリが(あんたが)冷静になれよ!」」
取り敢えずと言って、裕也を家に連れ込み大きな鏡の前で全員の顔を、見える様に立ってホントだ……と三人の言葉が一緒になったのを此処に示す。




