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背徳の異世界家族計画  作者: carel
奴隷解放計画編
95/95

94.奴隷保護施設?


 奴隷の大量入手から1週間後……。


 帝都ではワイバーン素材の武装をした者がちらほら見受けられるようになった。


 もちろん俺達の仕業だが、装備品をレジスタンスへ流したからだ。


 これにより他レジスタンスとの交流がしやすくなる。


 それにレジスタンス毎に、装備箇所が違い、どのレジスタンス所属かも分かりやすい。


 まあ、奴隷を餌に何てことはせずに、ワイバーンを狩って来て流しただけなんだが……。


 不良品奴隷はストレンジ評議国へ送っている。


 余りにも衰弱が酷いため、早急な処置が必要だったからだ。


 俺達の行動の偽装も考えていたが、よくよく考えれば仮面をしており、目立つには目立つが俺達が捕まらなければ、どうと言う事も無い。


 奴隷商ナハルに矢面に立って貰う事で問題が解決する。


 と言う事で、ナハル奴隷店に来ていた。


 「お客様……、買って頂いた奴隷をもう消費なされたのですか?」


 「ああ……、意外と消費するものだな……。」


 「では、今回も不良品をお求めで……?」


 「そうだ。」


 「そうですか……。ですが、まだ数が8人ほどしか揃っておりません。」


 「今回はそれで十分だ。で、聞きたい事もあるんだが?」


 「なんでございましょう?」


 「この帝都には奴隷商は、どの位有る?」 


 「足りない分はそっちで補おうと思ってな。」


 「えっ?それは困ります……。私の所にお任せください……。」


 「やはりそうか……。不良品処理もなかなか儲かるようだな。」


 「……はい……、お客様が居ればこそなんですが……。」


 「別に、稼ぎについて文句を言うつもりは無い……、ただ、私等をマネて狩りをする輩が出ては困るからな、取りあえず独占しようと思っただけだ。」


 「そうでしたか……。なら、気兼ねなく大量に仕入れておきます。」


 「そうしてくれ……。それと、死亡してなければ良いと言って、手荒に扱うなよ。移動中に死なれては、こっちも損だからな……。」


 「その点は、お任せください。これでも奴隷を商品として扱っておりますので、お客様のご要望に応えたものをご用意させていただきます。」


 「そうか……。それとあれだ……。どうせ消耗品だ奴隷契約も解除だけで良い……、後はこの首輪でも付けてくれ……。」


 俺はアイテムポーチからワイバーン素材の首輪を出す。


 「でも帝国の奴隷法では……。」


 「どうせ逃げられんだろ?お前の労力になるだけだ。それと……、これで、集めれるだけ集めてくれ。」


 ナハルの前に、ロストニア王国、白金貨10枚を出す。 


 「こっ、これは……、白金貨?良いんですか……不良品ですよ……。」


 「多いか?なら、奴隷の医療費と食事代だ。さっきも言った通り、死なれては困る。俺達もすぐに来れるって訳じゃ無い。これで、養っていてくれ。」


 「それでもこれは多すぎます。」


 「なら、他の奴隷も集めてくれ。何なら使えそうなのでも良いが……。素行の悪い犯罪奴隷以外だ……。」


 「よろしいので?」


 「ああ、頼む。」


 「了解しました。では今日の分の納品となります。」


 そうして不良品奴隷を馬車に入れ、ナハル奴隷店を後にした。


 「正臣さん、あれで良いの?」


 「ああ、問題無い筈だ……、これから高級奴隷店に行く。」


 「なぜです?」


 「ちょっと価格操作でもしようかと……。」


 「どう言う事です?」


 「うん?帝都でこれから低価格帯の奴隷が少なくなる。つまり、奴隷自体希少価値が付くって事だ……。高価格帯の奴隷はさらに高騰する。その前に、上を買ってしまえば、同一レベルで価格競争を起こす……。強い奴隷商は生き残れるだろうがそれ以外は薄利となり、奴隷商から撤退、市場は大混乱に……となればいいな……。」

 

 「希望的観測で動かないで下さい!」


 「でも、安奈ちゃん!正臣くんの言う事も一理あるわ、やって見るべきよ。いずれ奴隷解放するけど、現段階で奴隷の生活向上、いいえ商品の品質向上に動くと思うわ。」


 「でも、それだとお金が幾ら有っても足りませんよね?」

 

 「まあそうだな……。でも……、無ければ奪えばいいだろ?」


 「そうですね……、怪盗が二人もいるんですからね!」


 「「アレはしない!」」


 俺と彩香さんが同時に声を発する。


 琴音と鈴音に任せた計画、コスプレ怪盗企画!あんな物二度とやりたくない、俺と彩香さんの叫びだった!


 「え~!私、見たかったんだけど……。」 


 「誰がするか!」


 「それじゃ、どうするんですか?」


 「単純に頭を潰すだけだ!」


 「挿げ替えですか?」


 「う~ん……。いや、頭の奴隷化だな……。」


 「まあ、単純で良いですけど……。それだけで大丈夫ですか?」


 「数件、締めれば何とかなるだろ……。ナハルの所も最終的に締める予定だし……。」


 帝都に数多くある奴隷商、まずはここを無力化し一般への供給を止めてしまう。


 国からの払い下げもここに集約している。


 一般には人攫いも横行している……、こっちは最終的にここに持ち込まれるだろうから、そいつらを捕まえて犯罪奴隷として売り出してやろう……。


 と言う事で、高級奴隷商の制圧へ向かった。


 高級奴隷商の制圧は簡単だった……。


 普通に客として入店、その後見せ金として白金貨を出し、奴隷を見せてもらう。


 契約前に当主と握手、そのまま隷属魔術の行使……終了~!


 全奴隷が俺の支配下になった。


 「単純ね!」


 「単純だわ!」


 「単純だな!」


 ついでに当主から従業員たちを呼んで貰い、奴隷契約……。


 俺達は奴隷商を手に入れた……。


 ちなみに、隷属魔術の使える闇属性持ちは彩香さんにより剥奪された……。 


 「「「次!行ってみよ~!」」」


 俺達は次なる奴隷商を目指した。


 その後、主だった奴隷商を危なげなく支配下に置く……。


 そして支配下の奴隷商に箝口令を出し、情報統制とした。


 「う~ん……。こんな物か……。」


 「あまり、人数が増えても面倒ですし、こんなものでしょう。」


 「そうね……。明日は奴隷ギルドかしら?」


 「それも良いが……、奴隷を一番保有してるのは国だろうから、そっちも見てみたいな。」


 「そうは言ってもね……。それだと、正臣くんが一人で動くのと変わらないじゃない……。今回は帝国の自主性を優先するんでしょ!程々にしないと駄目よ。」


 「そうです。正臣さんはやり過ぎます!」


 「つい、な……。」


 二人から注意され俺は帝都拠点へ戻る事にした。


 帝都拠点、そこではデナリスが待っていた。

 

 「お帰りなさいませ、藤堂様。」


 「ああ、今帰った。」


 「お疲れ様でございます。首尾は如何でしたでしょうか?」  

    

 「今日の成果だ……。」


 後から彩香さんと安奈が、8人の不良品奴隷を連れて来る。


 「8人だけでしたか……。」


 デナリスは奴隷の少なさに落胆の表情をした。


 「ああ、現物は8人だけだ。」


 「現物?」


 「今日は奴隷商5つを支配下に置いて来た。」


 「えっ!だっ、大丈夫なんですか?目を付けられますよ!」


 「問題無いだろ。奴隷が経営している奴隷店になっただけだ、商品はそのままだしな。問題があるとすれば、契約内容の変更が出来なくなったぐらいだ!それに口止めもしているし、奴隷の生活改善を指示してる。」


 「奴隷の契約変更が出来ない奴隷商なんてありませんよ。それに生活改善なんてするなら、タダの奴隷保護施設じゃないですか!」


 「上手い事言うな~。もう売る気も無いから丁度良いだろ。奴隷保護施設に決定だな!」


 「何で!命名した!みたいになってるんですか。」


 「なんだ?デナリスの望みじゃないのか?」


 「そう言う訳では……。」


 「なら問題ない!取りあえずの処置だと思って、我慢してくれ。」


 「はい……、分かりました。ですが……、私が心配したのは藤堂様です!」


 「んっ、俺か?」  


 「心配無用よ!」


 「そうですよ、正臣さんをどうこう出来るのは、私達だけです。」


 「そうですね……。私の様な者が、心配するなどおこがましかった様ですね。」


 「いや心遣いは感謝する。が、俺の心配より、奴隷達を心配してくれ……。」


 「そうよ……、帝都が火の海にならないよう、心配した方が良いわ!」


 「正臣さん……、しないで下さいよ……。」


 「えっ!藤堂様!それだけはご勘弁を!ここにはまだ不遇な奴隷も多くいます!何卒(なにとぞ)……、何卒(なにとぞ)……。」


 「しね~よ!」


 こいつら~!俺を何だと思ってる!


 そんな事する筈無いだろ!多分……。


 ………………。


 うん!多分しない……。


 「それはそうと、この8人も評議国で治療だな……。」 


 取りあえず、話を変えておこう。


 「そうね……。それにしても、どこの国でも奴隷は消耗品って考えなのね……。」


 「そうです。レジスタンスの様な者もいますが、人族至上国なんかは殆どですね……。まあ元はレイシス教の教えが悪いんでしょうが……。帝国はその教えを曲解し利用して大きくなっていますね。」


 「大きくなった所為で、レジスタンス組織が暗躍できる。内部崩壊を増長するようなものだな。」


 「貴族とかはどうしてるのかしら?そこでも消耗品?」


 「まあ、王国と同じならそうじゃ無いか?」


 「どうでしょう、帝国は奴隷を使って大きくなった国、一応は奴隷法と言うものが有ります。奴隷法により奴隷は守られているので……。」


 「表には出てこないか……。」


 「出て来た所で握りつぶしそうね。」


 「それは、王国と同じと言う事だな。」


 「ですが……、レジスタンスの中に貴族と繋がりが有る者もいます。一概に貴族と括らない方が……。」


 「奴隷の環境に憂いている貴族もいるんだろうけど……。」   


 「ただ、住民の下に奴隷を置く事で、貴族達が住民を支配しやすいのは事実です。」


 「優占意識を持たせる為にか……。政策としては悪くは無い考えだが……。奴隷あっての政策だな……。」


 奴隷がいなくなり、屋台骨が無くなった帝国がどうなるか、安易に想像できる……。


 生産力と軍事力の低下……、特に生産力の失った国が国として体裁を保つことが出来る筈も無く崩壊するだろう。 


 「帝国がしてきたことを考えると、これからの事は因果応報って事で。そんな事より、彼らの治療に行きましょう。」


 安奈は不良品奴隷達の方が気になった様だ……。


 「そうだな。それじゃ、一旦俺達は帰る、直ぐに戻っては来るが、デナリス後の事は頼むぞ……。」 


 「了解しました。」


 そうして、不良品奴隷を連れ評議国へ帰った……。


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