90.大人?
戦後処理も終了してから3日……。
俺、彩香さん、東条くんはロストニア王都拠点に来ている。
東条くんのデートの為だ……。
王都ギルドに居るアイリスに連絡を取り、互いの都合が合ったのが今日と言う訳だ。
元親衛隊の保護、そして性犯罪者の確保も目的なのだが……。
「東条くん!間もなく時間だ……。」
「あれだけ綿密に作戦を練ったので、抜かりは有りません!」
「油断は禁物だよ……。時は常に動いている、予定外の事は常に起こり得るのだよ!」
「肝に銘じておきます!」
「それでは、出発してくれ!健闘を祈る!」
「では行ってきます!」
と、まあ、王国軍戦以上に気合が入った面持ちで東条くんが、デートに向かった。
「ねえ、正臣くん。彼気負いすぎじゃないかしら……。」
「ん?あれぐらいの方が、初々しくて好感が持たれ易いんじゃないか?」
「まあ、それはそれで、好感が持てるけど……。ちょっと面倒くさい感じもするわよ。」
彩香さんが言うにはそう言う事らしいが、こればっかりは当人次第だし……。
「まあ何とかなるだろ……。」
「それもそうね……。結果楽しみにしてましょう。」
「それじゃ!俺達も仕事に行きますか!」
そして俺達は、元親衛隊の保護に向かう……。
場所は、確認済みで兵舎の一室に纏まって貰っている。
全て段取り済みである。
と言う事で、兵舎一室……。
「お待ちして下りました……。」
「あれ……?人数増えてないか?」
「ええ、図々しいとは思いましたが、元親衛隊の仲間に声を掛けました。彼女達も保護お願いします。私達と同じ処遇にされる可能性が有りますので…
…。」
「まあ、被害が少ない方が良いが……。家族はどうするんだ?」
「私達は、親衛隊に入る時に、実家から独立した形になっていますが……出来れば……その……。」
「う~ん……。今だと時間掛かりそうだな。生活が安定したら、迎えに行くって事でどうだ?」
「それでお願いします!」
そして俺達はジストに転移する。
ジストではクレア達が待っていた。
元親衛隊の面々をクレアに預け、魔闘部隊長アイシャを誘い、王都へ戻って来た。
アイシャを連れてきたのは王国兵の中にいる性犯罪者を確保する為だ。
アイシャであれば実力的に危険な任務もこなせるので申し分ないし、性犯罪者と多少の面識もあり、取りこぼしも少ないだろうとの判断からだ。
と言う事で、俺達は光学迷彩付きの外套を羽織り、兵舎へ向かう。
兵舎及び練兵場は、敗戦後の為、広い敷地に数名と言った感じに閑散としていた。
あらかじめ、元親衛隊にチェックして貰っていた捕虜の名簿を、参考にアイシャに性犯罪者を確認して貰う。
「あの人とあの人。それとあそこにいる人です……。」
「それじゃ、ちょっと確保してくる。」
俺と彩香さんが、隠れながら性犯罪者を拉致して行く……。
後ろから近づき、麻痺、睡眠と言った魔術、もしくは首筋に一撃……。
アイシャに指示された性犯罪者をドンドン拘束!
32人の人の山が出来上がった……。
「ここに書かれているのは、これで終わりですね。」
「そうか。呆気なかったな……。後は元親衛隊の隊長だな。」
「ええ、そうですね……。ですが、どこにいるか分かりかねます。」
「戦争前は何してたんだ?」
「え~っと……。確か、騎士団の副長に就任してる筈ですね。」
「う~ん……。捕虜で居なかったところを見ると……待機組か……。」
「そうかもしれませんね……。騎士団長の所にでもいるかもしれません。」
「それじゃ、行ってみるか……。」
俺達は騎士団長が居るであろう……団長室へ向かう……。
団長室の前……。
扉の向こうから、中の声が色々と聞こえて来る……。
「なあ……。」
俺は、彩香さん、アイシャに顔を向ける……。
「お盛んですね……。」
「まだ昼前ですのに……。」
そう……、女性の喘ぎ声が聞こえて来る……。
「騎士団長ってどこもこうなのか?」
「違いますよ!ゼファードさんは剣術馬鹿です。実力が有るのに、融通が利かず地方に飛ばされたんですが……。」
「正臣くん?中にいるのは騎士団長と……。」
「多分、元親衛隊長かな?」
「ええ、そうだと思います。元親衛隊長が仲間を売り、挙句に自分の身も騎士団長に売ったと言う噂は有りましたから……。まさかそこまでして、地位に
執着するとは……。」
「と言う事は、公爵夫人なのか?」
「いいえ、側室相当の扱いと言う事の筈です。まだ輿入れはしてないと思います。ですが……騎士団内では、誰も口が出すことが出来ないでいます。」
「で、どうするの?」
「う~ん……。睡眠魔術掛けるよ……。」
そう言い、俺は廊下から室内に向かい、魔術行使する。
喘ぎ声が聞こえなくなった……そろそろ大丈夫だろう……。
俺は取っ手に手を掛け……室内に入ろうとするが、鍵がかかっている。
錬金でドアノブを変形、鍵を解錠し室内に侵入……。
中には裸の男女が女性が覆い被さる様に仲良く寝ている。
男性は間違いなく騎士団長の様だが……。
俺が女性を足蹴にし仰向けにする。
「アイシャ!元親衛隊長か?」
「鎧着ていない分、印象が多少違いますが、その黒子の位置から間違いないと思われます。」
「正臣くん……。何かこの人エロいわね……。」
目元の泣き黒子がエロさを醸し出している……。
「黒子の位置がだろ……。それに比べて……騎士団長小さいな……。」
「元気なのは分かるけど……これで最大って事かしら?」
アイシャも、会話に混ざって来る。
「正臣さんが大きすぎるんです……。」
「そんな事無いわ……。元の世界では、平均より多少大きいかなってくらいで……。」
「そっ、そうなんですか……。私のお父さんもこれよりは有りますけど、正臣さんと比べると小さいってはっきりわかりますし……。」
「う~ん……。この世界の人って総じて、被り物の短小かしら……。」
何か……、会話に混ざり辛くなっているが……。
「そうであれば、東条くんとアイリスは上手く行きそうだな。」
「それはまだ早いでしょ!そこまで行く過程が飛んでいるわよ……。」
「まあ、あれだ……。見せれば食い付くって事で……。」
「それじゃ、ただの変質者になるわ……。」
「そんな事より、この惨状どうします……。」
「まあ、もう抜けてしまってるし……。元親衛隊長は水でも、ぶっ掛けて連れて行けばいいだろ。」
「騎士団長は?私触りたくないわ……。」
「そうだな……。」
俺は嫌がらせと餞別を閃く!
取りあえず、横になっている二人に麻痺!
これで感覚も無くなるだろうから……元親衛隊長は二人に預け水魔術で洗って貰う。
さて……、騎士団長の方だが……。
余り触りたくないので箸を準備……、一物を摘まむ、そして皮を剥き糊付け……。
錬金で根元からカリまでを、筒状の金属で覆いサイズ調整と感覚強化の魔術を付与……。
こんな感じか……。
「正臣くん、何してるの?」
「騎士団長に大人になって貰おうかと、矯正器具を作った所だ……。」
「矯正って……。ああそうか……彼は真性なのね……。」
「真性?」
「こっちの世界では、知られていないのか……。」
「アイシャさん!男性は3種類存在するの真性、仮性、そして……覚醒!正臣くんは仮性ね!」
「おいっ!」
「その通りなんだからしょうがないじゃない!大丈夫、いずれ覚醒に至るわ!何てったって、ハーレム持ってるんだから。」
「それで……。真性とは?」
「あれよ……。」
彩香さんが騎士団長を指差す……。
「さっき正臣くんが無理無理剥いたの……。今は首が閉まってるは、先が紫色に充血している……。あのままにして置くと性病の可能性があるわ……。」
「騎士団長は性病を患っていると……。」
「まだ大丈夫かも知れないけど……。つまり性病キャリアとでも言っておきましょう……。性行為をする事で伝染する可能性もあるわ。」
「伝染病……。」
「近いわね……。でも綺麗にしておけば問題ない筈……。私達の所には町中にお風呂が有るから、伝染の可能性は極めて低いけど……。」
「他の地域に行く時には、注意が必要と言う事ですか……。」
下ネタかと思ったら、まともな話になって来ている。
確かにジストにはお風呂が有る……ただ無精にも入らない人が多いのも事実、徹底させないとな……。
「それで、お風呂の他の対処法が、正臣さんが騎士団長に施した矯正と言う訳ですか……。」
「他にもあるわ……、確か……皮を剥いてお湯と冷水を交互に掛けて鍛えるとかだったかしら……。正臣くんがお風呂でしてたって、琴音ちゃんと鈴音ち
ゃんが言ってたわ!」
「おいっ!」
「あっ!ごめん!内緒だっけ……。」
「何処まで聞いてんだ、彩香さん!」
「正臣くんの事は隅々まで聞いているわ……。」
「その情報は公にしないで……。」
「分かったは、ここだけの秘密ね。」
「正臣さんも鍛えてるんですね……。でも騎士団長の事嫌いなんじゃ無かったんですか?病気治すなんてしなくても良かったんじゃ……。」
あれはあれで地獄の苦しみなんだが……。
「違うわよ、アイシャさん!あれは大人になる為の儀式の様な物、この国全体が子供って事よ……多分……。」
「まあそう捉えて貰っても構わないが……。元の世界では女性は膜を切り、男性は皮を切って成人の儀式としている所もあったくらいだからな。だけど、
騎士団長にしたのはただの嫌がらせだ。ちなみに感覚強化を施した魔道具だ……。擦れるだけで、倒れるんじゃないか……。取り外そうものなら、失神す
るかもな……。」
「「あっ、悪魔だ……。」」
そうして元親衛隊長の確保を終え、室内から出てから騎士団長の麻痺を解除する。
室内からは悲鳴が聞こえてきたが、それを無視し、性犯罪者が山積みの部屋に戻って来た。
そして犯罪者をジストに転移させ、アイシャも最後に転移する。
性犯罪者の処遇をアイシャに任せ、俺と彩香さんは王都拠点に戻った。
こっちの用事が終わったのは、昼も過ぎ大体15時頃だろう……。
用事が済んだら、一旦東条くんと合流する事になっている。
二人で東条くん達を探しながら、王都をぶらぶらとしている。
グレインガルドに来てから、彩香さんと二人でゆっくりとした事が無かった為、ちょっとしたデート気分だ……。
東条くんの為にアサギやクレア達から聞いていた、デートスポットを巡る。
一通りリサーチした所を探し終えるが、東条くん達がいない……。
「う~ん……。どこ行ったんだ?」
「魔力感知使ったら、東条くんも結構魔力在るわよ……。見つかるんじゃないかしら。」
「分かった、ちょっと探してみるよ……。」
俺は魔力感知を王都全体に張り巡らせる……。
「うん?これかな……。」
割と大きめの魔力保持者が引っ掛かった……。
俺達はその感覚に従いその場所まで来る……。
ピンク色の看板……。
ちょっとした宿屋なんだが……これはあれだ……。
「これ……、ラブホテルよね……。」
「東条くんも大人になったか……。」
「私達もホテルに入る?」
「いや……今さら安ホテルってのも、ちょっと……。だったら王都拠点の方が綺麗だと思うし……。」
「そっ、そうよね……。衛生状態を考えると、ロストニア王国内だと、ちょっとね……。」
そうなのだ……、既にジストの町には全過程に洗濯機を完備……。
下水処理も施し、衛生状態がこの世界トップと自負している。
何も小汚い所ですることも無い。
だが東条くんは若いのだろう……欲求には勝てなっかった様だ……。
俺達は王都拠点に戻り、東条くんの帰りを待つ……。
東条くんが帰ってきたのは、日が沈んでからだった……。
何回戦してきた事やら……。
まあ俺も彩香さんと4回戦しているのだが……。
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