87.続エルフ族?
「つ~か!こいつ誰だよ!」
「へなちょこ!エルフ!」
「略して。」
「「へなちょルフ!」」
「何だそのロシア人っぽい名は……。」
「正臣くん、エルフってどれ位のDPなるかしら?」
「この~線の細さだと~試し~切り~いいかも~。」
「こっちの二人は物騒だよ……。」
俺達の会話、黙って聞き続けているガルバルさんが口を開く。
「なあ、藤堂さん!ワシ等、ストレンジ評議国入りして本当に良かったと思ったよ……。」
「あれ?前に誰かもそんな事言ってたな……。誰だったっけ?」
「「ストレンジ評議国内の元領主達!」」
「ああ、そうだった!」
「その元領主達と仲良くなれそうだよ……。」
「良い奴等だよ……多分……。」
「何でそんな自信なさげ何ですか!」
「いや俺あんまり話しないし、元領主の対応は、ラウル?ええ~っと、付き人任せだしな……。」
「ん?ラウル……。もしやロストニア王国のラウル・ジ・キリフトスですか?」
「そうなのか?そういやそんな名だったような……。」
「聖剣使いで!あの”蓮華”だぞ!知らないのか?」
「う~ん?別人だよきっと……。聖剣なんて持ってないし……。」
「「にぃ、ラウルの聖剣折った!」」
「………………。あっ!そういや彼奴の聖剣だったな!そうか、確かに聖剣持ってた!」
「「にぃ、剣折り過ぎだから……。」」
「なっ!聖剣を折っただと……。」
ガルバルさんが俺の方を掴み詰め寄る……。
そんな近寄られると怖いって……。
「なんて事を……。」
「別にいいだろ……。あんな紙切れみたいな剣……。何なら木の棒で折って見せるか?」
「「私達も持出来る!」」
「何で……。折るんだ!」
「「「対抗意識?」」」
「そこで、疑問形かよ……。」
「何でそんなに聖剣に拘る!多分、忍の玩具の方が、強いぞ……。」
忍には俺が作った玩具を渡してある。
今は、使っていないが大事に収納に仕舞っている。
「忍、ちょっと出して貰えないか?」
「ん~、しょ~が無い~。」
忍が収納より玩具を出し、ガルバルに渡す……。
「えっ?」
何を驚いているかと言えば、その重さだろう……。
簡単に言えば、ただの木刀なのだから……。
まあ外見はメッキ処理しているため、金属にも見えなくはない。
この世界にまだメッキ技術は無いが……。
「この金属は?」
「外をクロムの膜で覆った木刀だよ。」
「嘘だろ……おい……。」
ガルバルさんは鞘から出し、刀身を指で弾いて見たりしている。
「これは藤堂さんが作ったのか?」
「そうだが……。中々の玩具だろ?強度もミスリルより上だ!貧弱な聖剣なら技術によっては折る事も可能だな。」
「藤堂さん……。いや、師匠ぜひこの技術を私めにお教えください……。」
ガルバルさんが俺の前で土下座する……。
「こんな玩具で良いのか?別に隠すつもりは無いが、ここで種明かしは出来ないな……。ジストでなら別に師匠とかでなくても教えてるぞ。」
「へっ?秘伝とかでないのか?」
「当たり前だろ?玩具だぞ玩具!遊具だ!遊び道具!」
「マジか……。アーティファクト級の道具だぞこれ!」
「あっ!」
「「「「あっ!」」」」
俺が気付き、周りの4人が気付いた……。
俺が作るものが、全てアーティファクトになっている事実に……。
「ガ、ガルバルさん!ちょっとこれ見て貰えるか?」
俺は収納より、忍に渡した刀と同系統の俺用の刀をガルバルさんに渡す……。
「なっ!」
「どうですか?」
「こっ、これを何処で……。これは、神器だ!この光沢、神の金属ヒヒイロカネ……。」
「あっ!アーティファクト越えちゃいましたか……。」
ある程度は予想していたが……神器と来たか……。
「「にぃは神になった。」」
「正臣さ~ん、凄いです~。」
「正臣くん、やっちゃったね~。」
「やはり!藤堂さんが作ったのか?これじゃ~、聖剣要らないな……。」
ラウルの聖剣を折ったのは、確か母さんの作った六尺棒での筈だ……。
「それはそうと……。ラウルの”蓮華”も気になるんだが……。」
「ロストニア王国でもあれ程の剣の使い手は居ない筈だぞ?」
「「にぃが瞬殺した。」」
「相当弱かったが……、今は剣すら持たせてない……。ただの付き人だな。」
「はぁ~、先程の立ち回りと言い、血統は分かるが……、あんた等、ほんと何者なんだ?」
「えっと?言って無かったが、異世界人だ……。勇者や神の使徒、ダンジョンマスターと言った部類だな……。」
「はっ?」
ガルバルさんが口をあんぐり開け、茫然としている。
「まあ、それだけだし、特別と言った事も無い……この世界に転生者とか結構来てたんだろ?」
「あっ、ああ……。」
「まあ、そう言う事にしてくれ面倒事になるからな……。」
そんな感じに話してると……またもやドワーフ少女がエルフ族を連れてやって来た。
「早いな……。」
今回も多人数出来ている、金髪エルフの男女合わせて30名!外交団で来いと言ったから当たり前か……。
まずはストレンジ評議国と戦争中だと分からせなければならない。
「エルフ族の諸君、そなた達が先に寄越した部隊の者は全て捕虜奴隷にしてある。ここに来たのは降伏と言う事でいいな!」」
「ちょ、ちょっと待ってくだされ!」
金髪エルフの中に、白髪の髭を蓄えたエルフがいる、エルフの長老の認識で間違いはないだろう。
「誰です、あなたは?」
「わしは、エルフ族の長老じゃよ……。」
「代表者と言う事でいいか。私は藤堂正臣、ここストレンジ評議国で相談役の様な事をしている。今回は、そちらのエルフ族が友好を装い、ストレンジ評議国に侵入、あろう事か宣戦布告し暴れたと言う事で、現在はエルフ族とストレンジ評議国は戦時下と言う事になっている。ここまでは問題ないな!」
「問題ばかりじゃよ!」
「ん?何が問題だ?」
「宣戦布告とはどういう事じゃ!」
「ん?知らないのか?エルフ族の代表らしき者が、ストレンジ評議国の代表に喧嘩を売った……。それぞれ国、一族の代表同士、責任が伴う……。戦争に発展するのが当たり前だろ?まさか……知らないとは言わないよな……。まあ言った所で戦争に発展してしまっているから、もう遅いがな……。」
「くっ!屁理屈を……。」
「で、どうするんだ?戦争続ける?それとも降伏する?」
「なぜその2択しかない!そもそも何故戦争と言う事になっている!ここにエルフ族を引き取りに来ただけだろ!ガルバル説明せい!」
「俺の説明でいいのか……?国の代表でも何でもないぞ……。」
「はっ?どういうことじゃ!お前はドワーフ族の頭領じゃろ!」
「ドワーフ族はストレンジ評議国の保護下に入ったんだよ!簡単な話だろ……。」
「なっ!人族の国にか……。」
「勘違いしては困る!我々ストレンジ評議国は多種族国家だ!」
「多種族国家だと……。ドワーフ族が入ったと言う事はピグミー族もか?」
「ああそうだ……。さっき話を付けて来た……。で、この村の周りで帝国兵がウロチョロと魔族狩りをしていた。」
「はっ?あんた達じゃないのか?」
「当たり前だ!ストレンジ評議国は犯罪奴隷しかいない!なぜ好き好んで自分が犯罪者にならねばならない。先に来たエルフ族はストレンジ評議国内で暴れた為、捕虜兼犯罪奴隷が確定している。」
「それとエルフの長老よ。帝国兵の魔族狩りから解放してくれたのは、藤堂さん達だからな!それにケチを付け、警告したにもかかわらず絡んできたのは、先に来たエルフ族16人だ。そこの解放された皆が証人だな。」
「なっ!何と言う事を……。」
「ところで、まだ降伏する気にならないのか?」
「馬鹿にしておるのか?我らは誇りあるエルフ族じゃぞ!降伏なぞ……。」
エルフ族の言葉を遮る様に、彩香さんが話す。
「そうね……。馬鹿にしているわよ……。無知も良い所ね……。」
「誇りで~腹は~ふくれない~。」
「あなた達はそもそも、何様なの?恩人に感謝の言葉も無い!喧嘩を売る!状況判断も出来ない!誰を相手にしてるかも分からない!それを誇ってるの?」
「礼儀知らず!」
「恩知らず!」
「「それこそ蛮族!」」
「きっ!貴様ら!」
「本当の事を言われて怒る辺りがな~……。いいよ来いよ!降伏しないんだろ!徹底抗戦で俺達は問題ないぞ……。!今なら5対31だ。人数的にはお前らエルフ族が有利だぞ!それとも怖いか……。コミュ障エルフ!」
俺達はエルフ達を煽りに煽る……。
もうこんな話し合いも面倒だ!戦闘して屈服させた方が早い!
すると入り口から、声が掛かる。
「あら?騒がしいと思って来てみたら、正くん達だけ面白い事してるわね。」
「おお~エルフ達が相手か。」
「保護したエルフの返還じゃ無かったのか?」
「ふ~ん……。僕の見た感じでは、喧嘩売って来たのはエルフ族かな……。へ~、久しぶりじゃないか、ログワーズ……!」
名前を呼ばれたエルフ族長老が振り向く。
「何者だ!」
「おや、忘れたのかい?もう150年も前だからな……。年を取ったね~。」
「なっ、何だと~!………………、レッ、レミ様!」
「相手はこっちなんだけどな!」
「くっ!きっ、貴様なんかに構っとれんわ!」
「何を言ってるんだ?ログワーズ!正臣くんと敵対したんだろ?違うのか?」
「いかにも、こやつは人族、敵でございます!」
「レミさん!昔のお知り合いの様ですけど、エルフ族はストレンジ評議国の敵に回りました。」
「そう……、なら覚悟するんだね!ログワーズ!」
「何を言っております。レミ様!こやつは人族ですぞ!人族!騙されておるのです!」
「ほう~……。ログワーズは正臣くん……、いや、撲の義理の息子が騙してると言いたいわけだね。僕の身内が信用ならない……つまり僕を信用できないと……。確かに僕は魔族の裏切り者扱いだから仕方ないが、エルフ族が妖魔族と繋がってるとわね~。」
「そんな訳で、レミさん!こいつ等は敵なんですよ……。」
「いっ、いや、ちょっと待って!貴様がレミ様の身内だと……。」
「その問答はどうでも良いんだよ!もう開戦しちまってるんだ。今さら無かった事にはならないんだよ!」
俺はゆっくりとした足取りでエルフ族に向かう。
「くっ!」
エルフ族は身構える!
それに合わせ、俺達は一斉に動き出した……。
ほんの数分でエルフ族31人を拘束!
「ガルバルさん!手紙はちゃんと書いたんだよな?」
「当たり前だ!どう考えても悪いのは、エルフ族の馬鹿どもだろ……。」
「まあそうなんだが……。」
「それで、正臣くん?ログワーズ達どうするんだい?」
「う~ん……。どうしよう取りあえず犯罪奴隷にするけど……。俺が思ってたのと違って、こんなに頭悪いとね~……。」
「ふ~ん……。ログワーズ!まだ村には誰かいるのかい?」
「いっ、村には戦闘できない者だけです!どうかご慈悲を!手を出さないで下さい!」
「何言ってるんだ?本当に頭悪いな!終戦するのに代表者と話さなきゃいけないだろ!捕虜の引取もあるし、まさか自分が交渉の席に就けると思ってるのか?それこそ自惚れが過ぎるだろ……。」
「まあ、これで賠償金が払えなければエルフ族は2分化されるだろうね。ストレンジ評議国民と敵対者って感じにね……。」
「そ、そんな~、レミ様が相手だとは……。」
「情報も無いまま自分達の力を過信して、安易に敵対したのが……。エルフ族の愚かさを物語ってるし……。現在の状況はその結果って事だな。」
「長寿の種族の癖に、何も考えてない証拠だね……。」
「時が止まってる!」
「常に時代は動いてる!」
「明日で王国も滅ぶ!」
「エルフ族も滅ぶ!」
「「次は帝国、はたまた教国!」」
「もしくは妖魔族かな!僕に敵対してるし、ストレンジ評議国にチマチマ間者送ろうとして失敗してるしね……。もうそれが敵対行動だと気付かないのかな?」
「そんな事になってるなんて……。」
エルフ族長老ログワーズは、最近の世界情勢を知り唖然としている。
その考えの中心は、ストレンジ評議国の偏った情報だが……、多分今言ったような形で世界情勢が変化して行く……。
なぜなら、俺達がその予定を組みこんでしまっているのだから……。
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