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背徳の異世界家族計画  作者: carel
魔国領探索計画編
87/95

86.エルフ族?


 捕獲作戦が開始され、早2時間……。


 既に、486名の帝国兵が確保された。


 まあ、約9割強が物言わぬ有機物となっているが……。


 保護された魔族も、150名に登っている。


 もしかして、亜人大陸でもこんな事してるのか……。


 これは早々にケモミミ勇者とのコンタクトを、取らないといけないかもしれない。


 「と言う事で、敵の確保は終了だな……。魔族の保護は上々のようだし……。」 


 「「にぃ、どうする?」」 


 「どうしようか……。俺達が返しに行くと、多分攻撃されるだろうし……。夢魔族の砦に保護しようか……。こっちのドワーフの村は帝国とか人族の中継点になってる様だから、この村は破棄する方向で……。」


 「破棄か……。」


 「ガルバルさん!そう落ち込まないで……。これから思う存分創作活動が出来るんだから……。」


 「そっ、そうだったな!よしっ!引っ越し準備だ!」


 「いや、だから、早いって!」


 そんなツッコミをしつつ、俺達はフィリップの元へ向かった。


 「フィリップ!死人に口無しとなりそうだな……。」


 「くっ!何者だ!貴様!」


 「だから、賢者だって!」


 「賢者って納得いくか!騎士団壊滅じゃないか!」


 「だからとある国の相談役もしてるって言ってたじゃないか……。」

 

 「くっ!」


 「ああ、もう一つ言って置く。このドワーフ族の村はとある国の管轄領だから、お前は不法侵入者って事でもあるからな……。それととある国は、魔族であろう亜人であろうとも対等な扱いだ、人族至上主義な帝国とは一線を画す事になるのは当然だな!まあ、俺達が何者か知る由も無くお前等は全滅する事になるがな……。」


 「それじゃ、王国、教国とも……。」


 「王国はすでに崩壊が確定している。次は教国か帝国かで迷ってたが、フィリップのお蔭で決心がついたよ。お前は帝国の崩壊を招いた張本人として、語り継いでやるから安心して逝け……。」


 「はっ、はははは~……。」


 眼から光が消えた……。


 うん、上々な感じ……。


 「藤堂さん……。容赦ないな……。」


 「うん?だってこいつ等が他種族にやってた事だろ?覚悟無く他人こんな事する筈無いよ。フィリップ含め帝国兵達も喜んで受け入れているさ……。」


 「そりゃそうだろうが……。えげつないなぁ~。」


 因果応報、巡り巡って自分の元に帰って来る。


 魔族を奴隷狩りしてたんだから、こんな事で精神崩壊してほしくは無いんだがな……。


 本当は奴隷の首輪でも付けて、騎士団の死体を全て帝都皇城へ送り返したい所だが……。


 死体の有効活用はダンジョンの餌と決まっている。


 帝国騎士団でどれ位のDP(ダンジョンポイント)が獲得できるだろう……。


 そして帝国兵は中々の武装をしている、これはドワーフ族に譲るとしよう。 


 「良いのか?藤堂さん!ミスリルとか結構あるぞ……。」


 「う~ん……。ミスリルは俺にとってそんなに価値がある訳じゃ無いんだ……なんならガルバルさんの立ってる所から、ミスリル錬成してみようか?」


 「そんな簡単にできるのか?何だよ錬金術師って……。」


 「何だろうな?俺も分からんし、いつの間にか何でも有になって来ている……。」 


 「………………。」 


 俺は、死た…安置所で物言わぬ有機物の武装を剥ぎ、収納に突っ込んでいく……。

 

 まあ、生きてる者は収納に入らないから、選別の意味でやっているのだが……。 


 随分、俺も感情が動かなくなった……。


 この世界に染まってきた証拠だろう……。


 と言うか、人族至上主義をゴミとしか思っていないのが正確な所の筈……。


 一通り処理し、生きている者がフィリップ含め53人……。


 彩香さんに、スキル搾取して貰ってから、有効活用するとしよう……。


 エルフ族の交渉とかにも使えるかもしれん……。


 そうして俺は、生者を隷属魔術で拘束し、ガルバルさんと一緒に保護された魔族と彩香さんの居る所へ向かった。


 「彩香さん、忍!そっちはどうだ?」 


 「取りあえず、種族ごとに分かれて貰ったけど、子供ばかりじゃ無いみたい。それとエルフ族が一番多いわね……。」


 「げっ!ネレイドもいるのか……。」


 「何かあったの?ネレイドに……。」


 「何も無いが……。プロスから聞いた話じゃ、夢魔族以上に性的な意味で厄介な種族だそうだ……。俺としては近づきたくはないな……。」


 「それじゃ正臣くんは近づかない様に……。」 


 「ところでガルバルさん、これ対処できますか?」


 「無理だ!」  


 「でしょうね……。」


 150名以上いる、多種多様な魔族……。


 帰すにしろ、食料の問題、護衛の問題、帰還場所の問題等々の問題がある。


 「取りあえず、現魔王に報告!って事か……。」


 「いや、あいつ等も対処できないぞ多分……。」


 「ガルバルさんは、全魔族の村、把握してますか?」

 

 「してる訳ないだろ!特にネレイドなんて、生活環境が違い過ぎる。海にいる位しか知らんぞ!それと鬼神族だが、時折、ここに来ることはあるが、滅多に顔を見せない種族だ!どこにいるかさえ把握出来ん!」


 「困ったもんだ……。取りあえず、種族の代表者でも決めて貰って、会議するか……。」


 「藤堂さん!何時までもここに置いておけないぞ!150名の大所帯養うほどこの村に食糧が有る訳でも無いからな……。」


 「「にぃ、帝国に責任取って貰う!」」


 「怪盗再び!」


 「颯爽登場!」


 「「却下!」」


 俺と彩香さんが速攻否定する!


 この前見たステータスに称号すらついている……。


 あれは、とても恥ずかしい物だ!


 「とは言っても、背に腹は代えられないか……。」


 「正臣くん、ストレンジ評議国で補償は?」


 「それは勿論するが……。ただ、帝国の尻拭いをするのが気に入らないだろ……?爆弾送り込むか……。」


 「えっ!それって……。」


 「母さん達……。」


 「藤堂さん……。レミ様は分かるけど……。他の3人は誰なんだい?二人はまだ年端のいかない子供にも見えるが……。」

 

 「そうだな、紹介まだだな……。年端のいかない子供が俺の両親……。ホムンクルスの身体に乗り移っている状態だ……。」


 「ホッ、ホムンクルスだと!」


 「ああ本人が作ったからな……。」


 「藤堂さんじゃないのか?」


 「ああ、俺じゃない……。母がかの大錬金術師、美食勇者コハク、父が大賢者ラクトだ。」


 「まっ、マジか!厄災じゃないか!」


 「ん?厄災、ここではそう呼ばれてるのか……。母さんの称号もヤバそうだな……。」


 「それと賢者様か……。藤堂さんの事も納得がいくよ……。」


 「で、もう一人の男が、神の使徒、反逆の勇者ユウキだな。」


 「げっ!ロリ勇者もいるのか……。」


 ユウキさんはそうなってるのか……可哀想に……。  


 その理屈で行くと、親父に変態ヒキニートストーカーって称号が付いている筈だな……。


 「で、この双子、琴音と鈴音がレミさんとユウキさんの娘、こっちが彩香さんと忍、俺の嫁達だ……。」    


 「この美人、4人とも嫁だと……!」

 

 「ああ、まだ本国にも嫁達が居るぞ……。」


 「くっ!このハーレム野郎が!裏切りやがって!ギギギギ……。」


 ガルバルが歯ぎしりを始めている……。


 「なんなら、紹介しようか夢魔族……。」


 「ほっ、本当か!って夢魔族か……。」


 「ダメなのか?」

 

 「ダメじゃない……。ダメじゃないが……。」


 ガルバルの眼から光が消え、死んだ魚の目に変貌を遂げている……。


 過去に何があったのだろう……。


 「おい!ガルバルさん!戻って来い!戻って来い!」

 

 俺はガルバルさんの両肩を揺すり、覚醒を促す……。


 「はっ!いったい俺は何を……。」


 「詳しい事は聞きません……。話を戻しますね……。」


 「保護した魔族なんですが……。エルフ族は連絡付きますか……?」


 「エルフ族は大丈夫だ……。もう、連絡を飛ばしてる……。」


 「飛ばす?」


 「ああ、伝書鳥がいる。それを飛ばしてある、申し訳ないかとも思ったが。計画前に連絡だけは入れて置いた……。」


 「中々、対処が早いな……。」


 「魔族狩りとなったら真っ先に狙われるのが、エルフ族だからな……。」


 「そんなものか?ドワーフは狩られないのか?」


 「昔はそう言うのは有ったが、今ではドワーフと鉱山がセットでないと、意味が無いと言う事に落ち着いたようだな……。」   


 「一応は、狙われているんだ……。」


 「まあな……。だけど鉱山を持ってく事は出来ないからな。ガハハハッ!」


 「その情報は何処から?」


 「帝国の奴隷商人だな……。」


 「そうか……奴隷商も潰さないとな……。」


 「潰してくれるのか?」


 「決してガルバルの為じゃないが、ストレンジ評議国の敵だな!」


 「何かあったのか?」


 「ぶっちゃけ言うとストレンジ評議国の首脳陣は奴隷経験者だな……。まあ、制約魔術でだけども、俺の認識は隷属魔術と一緒だから、奴隷商は敵と言う事になる。」


 「藤堂さんもか?」


 「俺、琴音、鈴音は難を逃れた。故に仲間の解放が出来たんだ……。」


 「そうなんだ……。」


 そんな話をしていると、ドワーフ少女がエルフ族15名を連れてやった来た。


 「おお、来たか?」


 ガルバルが声を掛ける。


 「ちっ!」


 エルフ族の男性は舌打ちする。


 あっ!こいつはダメな奴だ……。


 「我が同胞を助けてくれて感謝する……。」


 ガルバルさんに頭を下げるが……。


 「だが、我が同胞であれば、そなたらの助け等必要無かった筈、余計な事をする……。そして何故ここに人種がいる。こいつ等が襲ったのであろう!」


 「前から思っていたが、その口調改めた方が良い……。早死にするぞ。」


 ガルバルさんは警告した。


 これで俺が動いても良いって事だな……。 


 「ふん!そんな事するか!我は聞いているのだ!敵である人種が何故ここに居るのかを……。」


 「なあ、あんた!そんなに俺と敵対したいのか……?」


 「ふん!敵と話すことは無い!」


 「敵ね……。」


 琴音、鈴音を見ると、”もうやっちゃっていい?”的な視線を感じる。


 「それじゃ、エルフ族はストレンジ評議国に宣戦布告したと言う事で……。」


 「何を言っておる!」


 「皆、やっちゃって!」


 それと同時に俺、琴音、鈴音、彩香さん、忍が一斉に動く……。


 ここには、保護された魔族が揃っている。


 その中で、助けた俺達に向かい宣戦布告したのだ……。


 どちらが狼藉者か明らかだろう……。


 そして、俺達が動くと同時に反応したエルフもいた……。


 偉そうな態度を取っていたエルフである。


 俺が正面から、そのエルフに向かって行くと同時に俺を躱し、俺が元居た場所に行き振り返り、何やら魔術の詠唱を始める。


 俺はそれを無視……。


 最初から相手にしていない……その偉そうにしているエルフの後ろに居た奴らが狙いだ。


 俺達5人がそれぞれ速攻で2,3人を拘束すれば、終わるのだから……。


 無拍子のタイミングを後ろのエルフに設定しただけなので、前に居たエルフからは丸見えだった。


 故に躱し後ろを取ったように見えたのだろう。


 ドヤ顔をしていたエルフの顔色が変わる。


 その場所はガルバルの隣……。


 「だから……警告したんだよ!」


 ガルバルが、ドヤ顔エルフに向かい話す。


 俺達は、既に15人を無効化、エルフ達は床に伏している。


 「なっ、何者だ!」


 「敵だよ!」


 そう言い放ち、今度はそのドヤ顔エルフの拍子をとる。 


 あら不思議……、もう目の前だよ……。


 魔術を放とうと突き出していた手を掴み、ドヤ顔エルフを投げ、背中から落とす。


 「フグッ!」


 ドヤ顔エルフは鼻から青っぱなを垂らす……。


 美形でそれはアウトです!


 何か鼻水が、鼻から耳に掛け、いかれたヤンキーのピアスみたいになってる……。


 笑ってしまいそうになるのを堪え、ドヤ顔エルフに向け話す。


 「あなた方、エルフ族はストレンジ評議国内で、狼藉を働き拘束されました。エルフ族にはそれ相応の賠償責任が発生します。帝国兵と共にあなた方は、我々ストレンジ評議国の法に乗っ取った罰を受けて頂く事になりますが、現行犯逮捕となりますので、奴隷にします。以上!」


 「ゲホッ、ゲホッ!」


 何か反論したかったのだろう……ドヤ顔エルフがむせかえる。 


 「ガルバルさん、奴隷しちゃいますね……。」


 「ああ、構わんよ……。これだけ証人もいるし問題ないだろ……。」


 「と言う事で、もう一度エルフ族に連絡して貰えます?今度は犯罪者、寄越さない様にくれぐれも注意してくれと書き添えもお願いします。」


 「そうだな……速達で出すよ……。長老自ら出向けと!ストレンジ評議国へ外交使節団を送るつもりで、それに見合った人材で来いと……。」 


 そうして、もう一度エルフ族の村に、伝書鳥を送って貰った……。



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