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背徳の異世界家族計画  作者: carel
魔国領探索計画編
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79.再会?


 彩香さん達と別行動をとった俺はキリフの町で町長ウィルと魔闘部隊キリフ隊長ゼファードと会っていた。


 「……と言う事で、1階層を拡張して駐屯魔闘部隊の訓練施設を作ろうと思うんだが……。当面はそれでDP(ダンジョンポイント)を稼ごうと思う。」


 「そして最終的に地下通路か……よく考え付くな……。」


 「元の世界じゃ、網の目のように地下を走っていたからな……。それに通路が完成すればダンジョンコアの管理もまとめて出来る。」


 「何だかんだでジスト中心の国だから、こっちとしても移動時間の短縮は助かるな。」


 「専用の魔導車を造れば、それだけ時間短縮かつ安全に移動が可能だ……。定期運行する予定だからジストから通いで働けるぞ……。」


 「それは良いな……。」


 「それで藤堂様!私達、キリフ隊はどうすればいいでしょう?」


 「取りあえず、宿舎地下をダンジョンにする。生活スペースを地下にしてくれ……それだけでDP(ダンジョンポイント)が稼げるだろうし、訓練施設出来るまで頼む。」


 「それでしたら、町全体をダンジョンにしてはどうですか?藤堂様がダンジョンを管理なされると言う事は、氾濫の危険も無いのでしょうし……。」 


 駅の地下街みたいな感じか……?


 「悪くないな……考えて置こう。」


 「それでどうするんだ、トウド―さん……?」


 「1人が通れる通路ぐらいなら今のDP(ダンジョンポイント)でもジストまで行けるかもしれない、宿舎の地下をダンジョン化したらジストに繋げてみる。その間、ゼファード達は地下の生活環境など整えてくれ……。ウィルは町の構想でも練ってくれ……。ダンジョンでの食材確保に関しては、程々で頼む。ジストから食糧支援も行うから大丈夫だろう……。」


 直ぐに対処って案件でも無いから、こんな所か……。


 まだダンジョンの仕組みとか分からない所がある……腰を据えて弄るのも面白そうだ……。


 その後、宿舎地下をダンジョン化し、そこから一気にジストに向けダンジョン通路を真っ直ぐ伸ばした……。


 評議国全体地図を見ながらの拡張の為、間違いなくジストに到着することが出来、ジスト鉱物ダンジョンに横穴を開ける事に成功した。 

 

 俺は、後の事をウィル、ゼファードに頼みジストに転移した。


 



 会議堂、執務室……。


 「正臣さんお疲れ様……。」


 安奈が出迎えてくれる。


 「ただいま。」


 「皆さん、ダンジョンで保護した女性の所へ行ってますよ……。」


 「そうか……客室は足りてるのか?」


 「夢魔族交流団の方達に迎賓館へ移って貰う事にしました。健常の方は使用人の契約を結び、使用人の寮へ行ってます。部位欠損以外の怪我の方達は病院へ、ここに残っているのは部位欠損の女性だけですね。先程、使用人契約した方々に回復までの間、世話を任せようかと思います。」


 「さすが安奈……。対応が的確だな……。」


 「いえ、彩香先生が一通り流れを作ってくれましたので対応するだけでした。」


 「それじゃ、後は任せてても大丈夫だな。」


 「再生医療の準備が出来るまで大丈夫です。」


 「そうか……。所で母さんは帰って来てるか?」


 「ええ……、帰って来てるのですが……。まずは琴音さん、鈴音さんと合流する事をお薦めします。」

 

 「何かあったのか?」


 「いえ、神の使徒ユウキさん、魔王レミさんも来ていますので……。」


 「二人はまだ会っていないのか?」


 「それもそうなんですが……。親御さんへの挨拶と言いますか……。そう言うものが必要かと思いまして……。」


 「そうなんだろうが……。うちの両親も含めてあいつ等、親らしい事してないぞ……。」


 「はぁ~……、そうなんですよね……。私も正臣さん達の事少なからず見てきましたが、琴音さん、鈴音さんの保護者って正臣さんでしたからね……。」


 安奈が首を下げ嘆息する……。


 「取りあえず、屋敷に居ますので、琴音さん鈴音さんを連れて会いに行って来て下さい……。」


 安奈の仕草から何かあったのかと推測は出来るが……。


 面倒そうな感じがするが、会わない訳には行かないか……。


 そうして俺は琴音、鈴音を探しに行く……二人は夢魔族リミュ教育の為、訓練所に居る事が予想された……。


 「お~い!琴音、鈴音!」


 「「にぃ、お帰り!」」


 「ああ、ただいま。」


 「どうした、にぃ!」


 「会いたくなったの?」


 「「寂しいと死んじゃうの?」」


 「兎じゃないから……。それよりお前達の実親来てるだろ、まだ会って無いんだろ……。」


 「別に会わなくても平気!」


 「顔も覚えてない……。」


 「「他人と変わらない……。」」


 「お前らまたそんな事言って……。」


 「「事実!」」


 「母さん(コハク)父さん(ラクト)は辛うじて家族……の様な物?。」


 「今まで私達を守ってくれたのは?」


 「今まで私達を育ててくれたのは?」


 「今まで私達に愛をくれたのは?」


 「今まで私達を導いてくれたのは?」 


 「「故に!私達の親、兄、恋人、旦那は藤堂正臣、ただ一人!」」


 「お前等……。」


 何だろう凄く嬉しい事を言ってくれる……俺泣いていい……? 


 「これからも一緒……。」 


 「生涯の伴侶……。」


 「……そうだな……。今までもこれからも一緒だ。」


 俺の言葉に二人が目を見開きこっちを見つめる。


 「「に、にぃがデレた!」」


 「………………。」


 恥ずかしいんだけど……これは、あなたの為にやったんじゃないわよ的な事言わなきゃダメなのか?

 

 「「………………。」」


 二人も無言になる……。


 「何、期待してるんだ!何も出ねぇ~よ!」


 「「ちっ!」」


 「舌打ちかよ!こっちはさっきまで感動してたのに!」


 「「それは本心!」」


 「おっ、おう!」


 「”おっ、おう!”って、にぃ焦らない!」


 「恥ずかしくないから!」


 「「”ツン”やって!」」

 

 「しねぇ~よ!」


 そんないつものやり取りに安心感を覚え、俺は琴音、鈴音を連れ、母さん達の居る屋敷地下へ向かった……。

 

 「お~い!母さ~ん!」


 「正くん、来たのね。ユウキとレミもいるわよ……、あっちのダンジョン潰して、こっちに移住するって言ってるわ。」


 「それは別に構わないよ……。それより琴音、鈴音も連れてきた。」 


 「ええ、向こうでテツヤを(いじ)って遊んでいるわ……。」


 ああそうか……一応ここに専大勇者が3人揃ってるのか。


 後はケモミミ勇者を誘えばいいのかな……。


 俺はそんな事を考え奥に入って行った。


 「こんにちは!正臣です。」


 「おお、正臣くんか!ずいぶん大きくなって……。琴音、鈴音を育ててくれたんだってね、感謝するよ……。」


 「その琴音と鈴音も来ていますよ……。」


 俺の後に続き、琴音、鈴音が入って来る。


 「「お父さん、お母さん?初めまして……。」」

 

 「琴音です。」


 「鈴音です。」


 琴音、鈴音……その挨拶はまずいだろ……。 


 「…………そうなるのか…………。」


 「しょうがないよ……。改めまして、撲があなた達の実母のレミ、よろしくね……。」


 「ユウキだ!琴音、鈴音も元気だったか……。」


 「「はい……。お父さん、お母さんもお元気そうで何よりです。」」


 「………………。」


 「………………。」


 「………………。」


 「………………。」


 会話、終了かよ!


 琴音と鈴音にしては、初対面の人に対して喋った方か……。


 そして突如、空気の読めない男ラクトが、奥の部屋からやって来て会話に入って来る。


 「ようユウキ、レミ。正臣来たんだろ、琴音ちゃんと鈴音ちゃんとは会えたか?」


 「………………。」


 「………………。」


 「………………。」


 「………………。」

  

 「何、湿気た面してるんだ?折角会えたんだから、もっとこう話す事あるだろ?今何してるとか……。」

 

 親父はこの空気に耐えられないのだろう……。


 一応は取り持ってやろうとしているのだろうが……。


 そして勇気が言葉を発す。


 「そう言えば、二人とも結婚したんだってな?」


 いきなりそれですか……。


 「あなた、いきなりそれは失礼ですよ……。僕たちの子供と言っても、ほぼ初対面です。」


 「良いだろ、別に……。」


 「「ええ、結婚してます。」」


 ユウキの言葉を遮る様に、琴音と鈴音が話し出す。


 「なッ何~、やっぱり本当か……。パパは許してないぞ!」


 「「………………。」」


 琴音と鈴音が”ボコっていい”と訴えかける視線を俺に向ける……。


 久々に会っていきなりそれも無いだろう……。


 俺は抑えろと視線を送る……。


 だが、ユウキの口が止まらない。


 「何処のどいつだ!俺の可愛い娘達に手を出したのは……。俺が鉄槌を喰らわせてやる!」


 いやあんたさっき会ったばかりだよね……。


 「「あなたに関係ない事……。」」

 

 「いきなり、パパ?」


 「ほぼ初対面……。」


 「そんな事、言う資格ない……。」


 「その喧嘩、買った……。」


 「旦那の侮蔑、許さない!」


 「私達の旦那、強い!」


 「「神の使徒ごときでは勝てない!」」


 琴音、鈴音が切れるのは分かるが……。


 ユウキさんが、切れるのは意味不明。


 人生初親子喧嘩?になるのか……。

 

 って、俺が矢面……。


 「ちょっと、あなた!娘達とは、ほぼ初対面なんだよ……。いきなり旦那の事、悪く言ったらダメだよ!」


 「だって、久々に会ったら、結婚してたんだぞ!俺達の娘が……。」


 「二人も言ってたでしょ、僕達には言う資格が無いんだよ!既に二人は成人しているんだから……。」

 

 「だってよ……。」


 ユウキさんはどうしても納得がいかない様だ……。


 「「魔王レミ!いやお母さん!」」


 「もう喧嘩は買ってる!」


 「そっちが引いても、私達が許さない!」


 そして琴音、鈴音ももう引く気が無いようだ……。


 そこにラクトが入って来る……。


 「で、結局やるのか?なら思う存分、殺りあえる様に俺が結界張ってやるよ。」


 「おお~!ラクトが結界張ってくれるなら、安心して全力出せるな……。それで何処のどいつだ?」


 「「にぃ!全力で殺っちゃって!」」


 「すいません。挨拶が遅くなりまして、琴音、鈴音の旦那の正臣です。」


 「…………正臣くんなのか…………。」


 「はい、俺も琴音、鈴音とは、生涯連れ添う覚悟でいますので……。全力で当たらせていただきます……。」


 そうして先代勇者、神の使徒ユウキVS藤堂家家長、藤堂正臣の対決が決まった……。



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