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背徳の異世界家族計画  作者: carel
魔国領探索計画編
78/95

77.王国貴族?


 50階層ボス部屋……。


 10数年前に出来たこのダンジョンは魔素溜りとしては、未熟なのだろう……。


 ボス魔獣……エクセルトロール、トロールの上位種なのだろう、魔術的には今までのトロールよりも強い、様々な魔術を使いこなす要素を持ち合わせ、回復力が段違いだが……。


 如何せん……、頭が弱く十全に使いこなすことが出来ていない、特に防御面と言った物を、まるで考慮せずに7体の各属性持ちであろう、色とりどりのエクセルトロールが向かって来る。 


 「クレア!お前達は見学!彩香さん、忍!行くぞ!」


 「「了解!」~!」   


 俺達3人は連携と言うよりも、各自戦闘と言った具合にばらける。


 各々が独自戦闘力に特化している為、近くにいると巻き込む恐れがあるからだ……。


 とは言っても、接近戦が得意の為そんなに周りに被害が及ぶ訳では無いが……。


 今まで会った知能の有る魔獣は、いきなり近づくと不用意に攻撃をしてくる。


 それが大きな隙となり、更にその攻撃を躱す事で致命的な隙になる。


 忍にとっても魔獣討伐の鉄板パターンだ……。


 そこからは、攻撃手段の無効化、後は確実に止めを刺すと言った具合だ……。 


 忍は属性に関係なくエクセルトロールを切り刻んで行き、魔獣の心臓、魔石を取り出す。


 まずは1体……次なる獲物に向かう……。


 そして彩香さん……。


 彩香さんの攻撃は、武術と言うよりも実験に近い、色々と攻撃方法が代わる。


 今回はワイヤーにに結界を張る実験の用だ……。


 器用に六尺棒を操り、エクセルトロールの魔石に向けドリルを射出、そして一気に魔石の周囲に結界を発動、エクセルトロールの胸にぽっかりと穴が開く……。


 後はドリルに付いた鉤爪で魔石を引っ掛け、手元に引き寄せる……。


 終了だ……。


 器用過ぎるだろ……それに効率化し過ぎじゃないか……。


 そして俺は、アブレシブジェットで両断して行く……倒れたエクセルトロールから魔石を取る。


 ………………。


 ………………。


 ………………。


 まあ、俺達の攻撃を防ぐ手段が無い時点で、こうなる事は目に見えていた……。


 すんなりボス撃破した事で、次なる階層に向かう事となった。


 一応はダンジョンマスタールームの予定だが……。


 どうなる事やら……。



 51階層、マスタールーム……。


 そこには貴族らしい男とメイド姿の女性使用人がいた。


 「やあやあ、ようこそいらした。君たちが初のダンジョン踏破者だ。僕はロストニア王国伯爵、クロイド・ゼス・リミュエールだ!」


 「そうか……。トウド―・マサオミだ。」

  

 「そうか、トウド―くん。君たちは初のダンジョン攻略者と言う事で、攻略報酬を上げる事としよう。何を望む、地位か?名誉か?それとも金か?」


 「全部持ってるものだな……。」


 「なら女か?それも持ってる様に見えるが……、まあ使い捨てだろうし……幾らいても困らないだろう。各種取り揃えている……好きなのを選ぶと良い!」


 はい!アウト!


 「ああ~、それ言っちゃったのね。」


 彩香さんが、答える。


 「女!口を慎め!発言を許可して無い!」


 はい!2アウト!


 「女は何処から……。現存の状態は?」


 「何だ知らないのか?王国で売っている。もちろん、直ぐに使える様調教済みだ!」


 はい!3アウト!チェンジだな……。


 「地雷~!」


 「そこの女!お前の発言も許可していない!」


 はい!4アウト!


 「はい、クロイド!ギルティ!ストレンジ評議国の重鎮に向かって、ロストニア王国程度の田舎貴族が何言っている!無礼だろ!」


 「えっ!重鎮?」


 「良くて、死刑だな……。」

 

 「えっ!何で……。」


 「不敬罪だな。ロストニア王国ではメジャーな罪だろ?」


 「ストレンジ評議国ってなんだ!グレインガルド四大国のロストニア王国伯爵に向かって!」


 俺はそんな発言を無視し、クロイドを拘束する……。


 「いつの話をしている?自分の立場が分かっているのか?ロストニア王国は世界最大の負債激貧国!大罪国ロストニアだろ!発言権があると思ってるのか?貴族は全て犯罪者だ!国の責任を取って貰う必要がある……。さらに先程の不敬な発言……。どれをとっても許しがたい!死罪は免れないと思え!」


 「そっ!そんな!?いつから……。」


 戦争中の敵国重鎮に向かっての発言……、拘束された時点で戦犯だろ……!


 「そこの使用人!お前はどんな経緯で連れて来られた……。発言を許す。」


 「わっ!私は……。クロイド様の奴隷です……。私は村が襲われその時奴隷に……。」


 「他の女も奴隷か?」


 「はい……。30人ほどおります……。何卒、情状酌量の余地を……。」


 「ストレンジ評議国では、犯罪者の奴隷は犯罪者にならない心配するな……。彩香さん!他の奴隷の状態把握、お願い!クレア、レイラ、エストは彩香さんの補助を頼む。」

 

 「私は~?」


 「忍は、ルー、エミルと、がさ入れ!ロストニア貴族の住居だ、罪状追加の証拠が確実に出て来る……。これだと思う物を確保して来い。」


 「は~い!」


 「で、クロイド状況確認だ!現在ストレンジ評議国領の、ここキリフダンジョン最下層にロストニア王国貴族がダンジョンマスターとして、ストレンジ評議国の土地を不法占拠していると言う事になっている……。ストレンジ評議国とロストニア王国は現在戦時中、ロストニア王国の敗北が確定し、降伏待ちの状態だ……。で、お前は戦争とは別に敵国内で犯罪を犯した……。ついでにダンジョン攻略されたダンジョンマスター……。立場はどうだと思う?」


 「しっ、知らない!僕は何も知らない!」


 「まあ貴族の知らぬ存ぜぬが通用するのは、金と権力の及ぶ自国平民に対してだけだ……!そう言えばダラスダンジョンのダンジョンマスターはホムンクルスだったが、お前はどうだ?」


 「僕は教国に選ばれた神の使徒だ……!ホムンクルスな訳ないだろ!そっ、そうだ!僕に何かあったら教国が黙って無いぞ!」


 「なっ、なんてこった!」


 「ふっ!流石に教国には手が出せない様だな……。僕は教国の第12使徒でもある!」 

  

 「ぷっ!そうか……。これで教国の犯罪が確定した!お前の死体に罪状を付けて、表立って戦争出来るな!こんな簡単に、切っ掛けが出来るとは助かったよクロイド!」


 「えっ!?」


 「だから……。お前が戦争の引き金を引いたんだよ。」

 「なっ!な、な、な、な、何で~!」


 「元々、ストレンジ評議国は教会の締め出しをしようとしていたからな、丁度いい理由が出来た。魔国領での情報収集の手間が省けたって訳だな……。」



 「魔族とつるんでるのか……。」


 「人聞きの悪い事を言う……。ストレンジ評議国は他種族国家だ……種族格差なんてある筈無いだろ!人権の尊重は国の国是だ!例え種族が違ってもそれは変わらない。もちろん奴隷は犯罪奴隷のみだ!それ以外は違法奴隷、それを所持しているお前は犯罪者……。罪状追加だな!後はお前の所持奴隷が健康を害していない事を祈ってろ!少しでも傷者になっていたら罪状追加だからな……。とは言っても犯罪奴隷以上確定だから、今すぐ奴隷にしてやるよ……。」


 俺はダンジョンコアとクロイドの契約を解除し、奴隷契約をクロイドに施す……。


 「なっ!何をした!」


 「奴隷契約……。魔力阻害、運動阻害、各8割って所か……。」


 クラウドのステータスを普段の2割に抑える。


 これで万が一拘束を解かれても、女性使用人でも抑えることが出来る。  

 

 で、フリーになったダンジョンコアだが……先程クロイドとの契約解除で位置を把握している。


 ダンジョンコアは部屋の壁に埋め込まれていた。


 取りあえず、俺が契約しておくか……。


 ダンジョンコアに手を当て、契約魔術を施し、分析を掛ける。


 ダンジョンコア /5,562DP /属性:擬 /所有:藤堂正臣(とうどうまさおみ)

          

 ダンジョンスキル / ・魔獣生産   


 「上手く契約できたみたいだな……。それにしても、このダンジョン弱いな~。」


 属性”擬”ってのは、まさか擬人化って事か?


 牛の擬人化がミノタウロス……、それで良いのか……?


 ならトロールはなんだ…………。


 そんな事を考えていると、クロイドが呟く……。


 「なっ!どうして……。祝福の儀式は……。」

            

 「何言ってる?」


 「だってそうだろ!ダンジョンマスターになるには祝福の儀式と本人の資質が必要だ!」


 「本当に何を言っている!ダンジョンコアとの制約魔術だけだぞ!隷属魔術でも可だ!ダンジョンコアを支配下に置けば済む話だ……。」


 「何でそうなる!僕は選ばれた人間なんだ!そんな筈はない!」


 「そりゃ良かったな、おめでとう……。だけどいいのか?今のお前ダンジョンマスター廃業して、ただの死刑囚だぞ……。早くて数分後に死ぬのにそんな事考えていていいのか?」


 そんな話をしていると、彩香さんと女性使用人がやって来た。


 「彩香さん状況は……!」


 「ここにいる女性奴隷は31名、全員がここで傷物にされてるわね。うち部位欠損が8名、|四肢欠損1名、視力欠損1名、聴力欠損1名、指欠損3名、内臓欠損2名、部位欠損全員が魔族だったわ……。残りの人種12名はともかく、亜人種12名は欠損はしていないけども体中に傷跡が有ったわ。今はクレア達が見ているわ。」


 「はぁ~……いつも通りか……。価値観の違いは分かるが……こうもロストニア王国貴族の定番だと嫌になるな……。更に種族間の差別、胸糞悪い……。」


 「流石にあれは、人の尊厳を踏み躙り過ぎね……。」


 「ああ、罪状追加だな!」


 するとタイミング良く、忍がやって来る……。


 「出て来たよ~。」


 そして忍が書類の束を、寄越す……。


 その書類には、奴隷の購入履歴詳細が掛かれていた……。


 購入数86名……、現在31名……………………?


 「数が合わないね?」


 「多分~…………。」


 女性使用人の顔を見ると……、目をそらされた……。


 これは十中八九、クロイドに殺されたで間違いないだろう……。


 「クロイド……。楽に死ねると思うなよ…………。」


 「ひぃっ!」


 取りあえず、クロイドには被害者と同じ、拷問からの部位欠損と55回の死亡を経験して貰おう……。


 自分がして来た事だし……進んで受け入れるだろう……。


 ついでに呪い付けて、ロストニア王国売り付けるか……。 

 

 神の使徒で貴族だし……。


 ロストニア王国も喜んでくれるだろう……善意の冒険者による保護なのだから……。






訳あって1週間ほど投稿、休みます。

次回は8/5から再開します。


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