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背徳の異世界家族計画  作者: carel
魔国領探索計画編
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69.夢魔族?


 翌日、魔国領への出立する為、会議堂に来ていた。


 ロストニア王国からの連絡はまだ来ておらず、時間が掛かりそうなので丁度いいだろう。

 

 魔国領出立メンバーは、俺、琴音、鈴音、彩香さん、吉田くん、母さん、親父である。


 「正くん、はいっ……。」


 母さんがそう言って手渡してきたのは、魔国領の詳細地図だった。


 「どうしたんだ?まだ世界地図で来てないだろ……。」


 「魔国領のマッピングは終わってたから、昨日あれから書き出したのよ……。」


 「そうか、助かる。」


 魔国領の地図には、町や村の所在地なども載っており、効率的に回ることが出来そうだ……。


 白面《斥候部隊》は魔国領に行ってなかった為、今回は魔国領とロストニア王国、国境近くのダンジョンからのスタートとなる。

 

 国境ダンジョンも攻略したいな……。


 などと思っていると……。


 「正くん、私達ダンジョン攻略しても良いかしら?」


 「いきなりどうしたんだ?」


 「私達が町に入ってもね~……。」


 「それはそうなんだが……。」


 確かに母さん達が町に入ると、問題が起きる未来しか見えない……。


 「分かった……。ダンジョン攻略頼む。」

 

 「ありがと~、正くん。」


 急遽、母さん達のダンジョン攻略が決まり、魔国領との国境へ転移した。


 「それじゃ、正くん行って来るわね。」


 「ああ、俺達は日帰りの予定だから、ダンジョン攻略次第だろうけど、安奈に報告上げてくれ……。」


 「ええ、期待してていいわよ。」


 母さん達と別れ、俺達は魔国領に入って行った。


 まずはマリルの居た夢魔族の村へ向かう予定だ。


 琴音、鈴音も要る事だし、酷い事にはならないと思うが……。


 いや、考えすぎか……?

 

 何か不安……。


 収納より魔導車を出し、村の近くまで行く事にする。


 村に乗りつけないのは、下手に刺激しないためだ……。


 この近くにもロストニア王国の村と言うか、砦があるようだが……、興味が無いので今は良いだろう……。


 取りあえず、地図を見てみるが見た限りそんなに遠くは無いようだ、マリルが言ってた様に少し早めに歩けば1時間位の距離か……。


 だが……。


 魔導車なら20分で行けるだろう。


 琴音、鈴音に上部ルーフから索敵をして貰いながら、夢魔族の村へ出発して10分索敵にアンデット系魔獣が引っ掛かったが、こちらに気付いていない様なのでスルーしている。


 村までもう少しと言う所で魔導車を降り、歩いて近づいて行く。


 そろそろ夢魔族から認識されると思うが、一見すると冒険者パーティーに見えるだろう……。


 そのまま近づいて行くと、村の方から空を飛んで誰かが近づいて来た。  

 

 「そこの者達、止まれ!」


 声を掛けて来たのは、夢魔族であろう布面積の少ない水着?下着?とも言えない扇情的な衣服?をした20代くらいの女性だった。


 まあ実年齢はもっと上だろうが……。


 「どうしましたか?」


 「きさま等、人間か!何しに来た!」


 「ええっと、強いて言うなら商売って事になります。これ以上は、この場で話せませんね……。」


 「本当だろうな……。王国の工作員って事は無いだろうな!あいつら馬鹿の一つ覚えの様に工作員寄こしやがる……。私等に魅了されて終わるんだがな……。」  

  

 結構口が軽いな……などと思いながら対話する。


 「それは無いですね……。私達はロストニア王国と敵対している人間ですので、その辺も踏まえて村の代表の方にお目通りをお願いしたい。」


 すると、夢魔族の女性は目を細め、こちらを値踏みするかのような視線を向けて来る。


 「ふっ……。嘘はついていない様だな……私は先に村に戻る。門の所で待ってろ話を付けてやる。」


 そう言うと、颯爽と村へ戻って行った。


 「何か慌ただしい人だな?」


 「あの人、魔眼かも……。」


 「とても弱かったけど……。」


 「魔眼って、魔王独自の物だろ……。」


 「制限有るのかも?」


 「ランクとか?」 


 「う~ん……どうだろうな?後で聞いてみるか……。それより村へ向かおう。」


 そして門までたどり着くと、夢魔族の男性が立っている。


 守衛なんだろうが……インキュバスでいいよな? 


 「こんにちわ~。」


 「………………。」


 返事が無い……ただの屍の様だ……って訳でもないので断りを入れる。


 「すいません、待たせて貰います。」


 気まずい空気が流れる中、誰もが無言で夢魔族の女性が来るのを待つ。 


 少しすると、夢魔獄の女性がやって来た。


 「すまんな、待たせて!」


 「いえ、お気遣いなく。こちらの方こそ、お手数お掛けしてすいません。」


 「では村長宅へ行こうか……。」


 「ご案内、よろしくお願いします。」


 そして俺達は、門をくぐり村長宅へと向かって行った。


 村の中に入ると、人族の村とそんなに変わりない建物が並んでおり。


 人族と魔族の生活に違いが無いように見受けられる。


 そうして村長宅の前まで来たが、村長宅は集会場も兼ねている為か、周りと比べ一回り大きな建物になっている。


 夢魔族の女性に建物内へ案内され執務室に入る。


 執務室には誰も居らず、先程の女性が俺達に向き直り口を開く。


 「ようこそ、ルノ村へ。私が村長のプロスです。」


 「すいません。挨拶が遅れてしまい……。私達はストレンジ評議国より来ました。私は藤堂正臣と申します。」


 俺に続き、皆が自己紹介して行く。


 「ストレンジ評議国?聞いたことの無い国だな……。」


 「先日、ロストニア王国より独立し、建国したばかりですので……。」


 「と言うと……。ロストニア王国の国力は弱まっているのか……。攻め時か……。」


 「物騒な事言われますね。」


 「現在進行形で人族とは戦争中だからな……とは言っても一方的に攻め込んで来るだけだし、たまにはこっちから攻めても良いだろ?」


 「私達の国に被害が無ければ別にいいですよ……。」


 「随分、冷めた意見なんだな……。」


 「いえ私達はストレンジ評議国の幹部でして、つい先日、ロストニア王国から戦争しかけられたばかりなんですよ。」


 「…………って、お前等こんなとこ居て良いのか?戦争中なんだろ!」


 「まあ大丈夫です……今の所、ロストニア王国軍は壊滅していますし、降伏の使者待ちですから……。」 


 「ちょっと待て、そんな情報言っていいのか?一応、魔国領だぞ……。」


 「別に構いませんよ……。攻めるとしてもロストニア王国でしょ……。私達にとっても敵国ですし……、ただ占領されるのは止めた方が良いですね。」 


 「どうしてだ?」


 「今現在、ロストニア王国は四方を他国に囲まれています。その内教国を除いて、三方が敵国になっています。ロストニア王国を占領すると言う事は、敵国が増える可能性があると言う事ですよ……。それだったら、疲弊しているロストニア王国を無視して、交易した方が良いんじゃないでしょうか。どうせ手も出せない程弱ってますし、民間人が戦争したいって訳でもないですからね。」


 「確かにその通りだが、夢魔族と違い血の気の多い魔族もいるぞ……。」


 「ああ、それはそれで構いませんよ。それで少し確認したいんですが……。」


 「何だ?」


 「前魔王レミについてです。」


 「くっ!人族が何を知っている!」


 おや?地雷踏んだか……。


 「いえいえ、殆ど知らないから聞こうと思ったんですけど……。知っている事と言えば、魔族を裏切ったって文献に残っていた事と、何年か前にこの近くで発見されたって事ですね。それと夢魔族出身の魔王って事ですか……。」


 琴音、鈴音に関しては敵愾心を確認してからだな……。


 「くっ!あれは裏切りでは無い!妖魔族に嵌められたんだ!あいつ等、人族とつながっていやがる!」 


 「ああ、やっぱりですか……。念のために言っておきます。ストレンジ評議国は夢魔族と敵対する意思はありません。」


 素直に納得した俺に、プロスは疑問を抱く。


 「はぁ~?どう言う事だ。」


 「私達の知っている魔王の情報は、ロストニア王国発信の物です。私達がそんな裏付けの無い虚報は信じませんよ。それにストレンジ評議国は多種族国家を目指してます。少数ですが魔族の方達も住民として保護されています。まだ、手探り状態での国家運営ですので上手く言っているとは言い難いですが、他の人族国家よりは優遇しているつもりです。」


 プロスは目を細めこっちを見つめる……。


 魔眼か……余り気持ちの良い物でも無いな……。   


 「それで我々に何を求めるんだ?」


 「その前に良いですか?魔眼を発動しているようですけど、止めて頂きたいのですが……。」 


 「っ!き、気付いていたのか……?」


 「そりゃまあ、気付きますよ。」


 そう言って、琴音、鈴音に目で合図する。


 琴音、鈴音は魔眼を発動し、プロスを見る。


 「怯えてる?」


 「混乱してる?」


 「「プロス、結構小心者!」」


 「と言う事です。」


 「にゃ、にゃ、にゃ、にゃ、にゃんで……。魔眼…………あれっ?…………違っ!?。魔王様?」


 混乱が絶頂に達しているプロスが、落ち着くのを待って説明する……。   


 「………………そう言う事だったんですか。従来、夢魔族は魅了の魔眼を全員持っています。ただ十全に使いこなしたのはレミ様だけでした。私の魔眼は魅了と魔力の色が多少わかる程度の物です……。それに力を籠めなければ、それすらも見えません。」


 あれだな、近眼の人が良くやってる。


 「実を言うと、私……レミ様の元側近でして、それでですね……。レミ様なんですが……。その~……。」

 

 何か聞いた事のあるような気もするが……言い辛そうにしているのも気になる。


 その後、プロスよりもたらされた情報に、俺達は驚愕する事となった……。





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