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背徳の異世界家族計画  作者: carel
魔国領探索計画編
65/95

64.訪問者?


 翌日、セレクト砦会議室。


 俺は、出掛けに安奈から渡された、書類を目にしていた。


 昨日の中に、来夢らいむが捕虜の名簿を、作成してくれていた……。


 「う~ん……。どうしたものか?」


 「藤堂さん、どうしますか?」


 「いや~……、騎士ははっきり言って、必要ないから返してもいいんだが……。魔術師って、割と希少なんだよな……。」

     

 「そう言われましてもね……。」


 「それに、魔術師団長って、俺の親戚筋なんだよ……。そして、ロストニア王国復興に役立ちそうだし……。」


 「確かに、頭の切れる者がいると、復興が早そうですね……。」


 「折角、宰相が更迭されてるのに、変わりに成りそうな者を返すのが勿体無いよな……。」


 「懐柔ですか……。」


 「まあ、魔術師なんて知識欲の塊だろうし、そこら辺を攻めれば何とかなりそうだけど……。」


 「ですが……。国としての体裁もありますからね……。」


 「いっそ、奴隷にでもするか?」


 「それも手ですけど……。王国に賠償の請求と捕虜返還金の請求してからで、いいと思いますけど。」


 「ロストニア王に来てもらうか……。そこで、捕虜の返還金が決まるか……。でもあいつ等、金持ってくるのか?」


 「日時と場所はこっちで、決めれますから……。それ以外は拒否と受け取れば、奴隷でも何でもして問題無いでしょう。」


 「よし!その案で行くか。早速、ロストニア王国との戦後処理だな!」


 東条くんと話をしてると、警備していた兵が入って来る。


 「失礼します!」


 「「どうぞ!」」


 「東条の旦那!王国側の門前に、王国の者と名乗る馬車が来てます!」


 「「???」」


 王侯側からの戦後調停の使者か?


 「取りあえず、来てもらえませんか?あっし等じゃ、対処しかねます……。」


 「まあ、そうだろうな。」


 「了解した!」


 俺と東条くんは、警備について行き、王国の者と名乗る者の所まで行く事にした……。


 で、門前に居る王国の者と対面している訳だが……。


 そこに居るのは、アイリスと女性冒険者御一行な訳で……。


 「よお!アイリス!」


 「よう!じゃないよ……。トウドーさん……。」


 「誰です?」


 「東条くんは知らないか?王都の冒険者ギルドで買取受付している。アイリスとその御一行様って所だ……。」


 「どうも初めまして、アイリスです。」


 「これはご丁寧に、東条です、以後お見知り置きを……。」


 「で、何しに来た?亡命か?」


 「そんな筈、無いだろ!あれ何なの!」


 「死体の事か?」


 「それ以外、無いだろ!」


 「昨日、戦争があったんだ、戦争って悲劇しか生まないよな……。」


 「………………、何を他人事のように……。どうせ、トウド―さんがやったんだろ?」


 「ソンナコト、ナイヨ……。」

 

 「藤堂さん、片言になっていますよ……。すいません、アイリスさん。それだと、1/4位が正解です……。」


 「いいえ大丈夫です。トウド―さんの事だから、関係している事は明確でしたから……。それにしても、1/4トウド―さんって事ですよね?」

 

 何故か、東条くんと会話になると、口調が変わるアイリス……。


 もしやとは思うが、つっこまないで置こう。


 「そうだけど、仕方ないだろ戦争したんだ……。こっちも、被害出さない様、必死だったんだ。」


 「やはりトウド―さんは、ストレンジ評議国側の人間だったんだな……。」


 「あっ!言って無かったな。もう、ある程度話しても大丈夫だろうから、お茶でも飲みながら中で話そうか……。」


 「そうして貰えると助かる。昨日から、ほとんど休み無しだから、ちょっと疲れてるんだ……。」


 「そうか……、ポーションも出そうか?」


 「是非、お願いします……。」


 そうして、セレクト砦会議室に移り、アイリス達と会談を行った。

 

 アイリスは、東条くんが元勇者と言う事に気付いていた様で、ロストニア王国と決別した経緯、勇者召喚の真相をを聞き驚いていた。


 それ故、ストレンジ評議国の建国を容認、ロストニア王国の戦争責任の追及、こちら正当性に納得がいったようで、王都冒険者ギルドの協力を約束してくれた……。


 と言うのも、アイリスはこう見えて、副ギルド長の立場にいるらしい。


 アサギについても、質問されたので、教会の裏側を暴露した……。


 アイリスも薄々気付いていた様だが、確証も無く教会を責める事が出来なかったらしい……。 


 教会=暗殺者ギルド、レイシス教は洗脳して暗殺者に仕立て上げる、悪質な集団で、孤児院が暗殺者養成施設、女の子達は司祭に夜伽を仕込まれている等を、住民に流布するとの事……。


 その流れで、アサギの両親、俺の両親、琴音、鈴音の両親の事を説明すると……。


 「………………、納得いったわ、2代目美食勇者……。」


 「いや勇者じゃないから!食の探究者って、名乗ってたんだ!」


 「それに魔王って……。」


 「神の使徒でも、あるんだけどな……。」  


 「それにアサギも、特別なのか……。」


 「そうでも無いぞ、アサギは普通だ。だが、教国に狙われているが……。」


 そして、ジスト支部の現状を話す……。


 「そうか……。依頼が無いのか……。冒険者の質の問題か……。」


 「そうだな。依頼の選り好みが一番だろう……。街道の安全なんてものは、本来国が背負うべき責務だしな……。冒険者に丸投げしてるこの世界がおかしいんだ……。冒険者なんだから、冒険してほしい所だが……。金が無ければ、盗賊にもなり下がるような奴等だ、信用なんて出来る筈も無い。」


 「厳しいな……。」


 「そうでも無い、信用は積み重ねてこそ、出来上がるものだ。俺が冒険者ギルドに行った時の事は、覚えているだろ?」


 「ああ、その度に絡まれていたな……。」


 「それが一人の冒険者だけでなく、ギルドその物の信用に関わっている事を、もっと認識すべきなんだよ。冒険者ギルドは面倒だから、その辺を放置している、それはギルドの怠慢なんだと……。商売と考えたら、致命的な欠陥だぞ。」


 「そう言われると、何も言えないな、思い当たる事が有り過ぎる……。」


 「そして、ジスト支部で依頼が無い、最もの理由が武闘大会で俺達が、ゲシュタル達S級冒険者達を瞬殺したからだろうがな……。多分これで冒険者の実力が露呈したからだろう……。」  


 「トウド―さん、あんた何やらかして、くれてるんだ!」 


 「だって、あの実力だと、ストレンジ評議国軍の歩兵部隊と、同等の実力ぐらいだよな?東条くんもそう思うだろ?」


 「そうですね……。経験不足な点は否めませんが、実力的にいい勝負になりますね……。」


 「てっ、言うと……。王国軍は、S級冒険者の集団に戦争を挑んだって事?」


 「そちらの認識ではそうでしょうが、歩兵部隊は評議国軍の中では、見習い部隊ですね。」


 「見習い……。」


 「まあ、分からないようでしたら、そちらの女性冒険者と、模擬戦でもさせて見ては、如何ですか?」


 「まっ、待ってくれ。彼女等は、私担当の信用のおける大事なパーティーだ……。壊されては困る……。」


 「その辺は大丈夫ですよ。模擬戦ですし、多少、怪我しても藤堂さんの魔術ですぐ回復できます、それにエリクサー並みの回復薬も、常備していますので安心してください……。」


 「はい?回復魔術?エリクサー?」


 「ああ、すまん。アイリスには言って無かったが、俺の職業、賢者及び錬金術師だ!」


 「賢者?錬金術師?」


 アイリスの後ろにいる、6人の女性冒険者が、アイリスにすがりり付いてくる……。


 「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと……。アッ、アイリス、こっ、言葉遣い!」


 「げっ、失礼しました……。藤堂様、知らないとは言え、礼儀を欠いていたようです。」


 土下座してくる、アイリスと女性冒険者達……。


 何してんの?これ?  


 あれ……?そう言えば、ラウルが何か言ってたような……って、確か国のトップ並みの存在だったか……。


 「ああ、すまん。気にしないから、頭上げてくれ。アイリスと俺の仲だろ……。いきなり態度変えられると、俺も困る。口調もそのままで良い。」


 「そっ、そうか……。でっ、でも賢者様……何だろ?」


 「そう言う職業が、付いているってだけだ、食の探究者の方が気に入っているよ。」 


 「そう言って貰えると助かる……。いや~いきなりだから……。ビックリした……。首が飛ぶかと思ったよ。」


 「幾らなんでも、アイリスに、そんな事しないよ……。」


 「いや~。あの死体見た後だったしな……。ここに来るのも、実はかなりビビってたんだ……。だからトウドーさんが居てくれてホッ!としたのも束の間、死を覚悟したよ……。」    


 「幾らなんでもそれは無い……。アサギの恩人って位置づけだぞ。俺の中では……。」 


 「そんな大した事、してた訳じゃ無いんだけど……。気に掛けてた位だしな。」


 「それが十分、助けになってたみたいだからな……。妻の恩人だ丁重に扱うさ。所でどうする?模擬戦……。」


 「その前に、決めなくちゃいけない事もあるから、そっちを先に済ませてほしい。後で、彼女達に勉強させて、貰えると助かる。」


 「そうか……。で、何だ?」


 「戦後処理の事だな……。多分、戦争の被害を、冒険者ギルドに報告寄こしたのトウド―さんの指示だろ?」


 「そう言えば、そうだな……。」


 「そこで、冒険者ギルドが第3者として、仲介役をする事を了承して貰いたい。」


 「ああ、それ助かるな……。賠償請求も出しやすいし、捕虜の受け渡しも楽そうだ、事実の公表も出来るしな。正式にこっちから依頼するか?東条くんも良いか……?」

 

 「ええ、問題ないですが、会議に掛ける事案だとも思います。」


 「そうだよな……。それじゃ、一旦、ジストに帰るか……。アイリス達も行くか?」


 「えっ!いいの?」


 「別に構わないと思うが……。交渉に来てるんだし、客人扱いで問題ないだろ。住民登録するとなると、こんな簡単には行かないけどな……。」


 「それでは、私は王国の警戒をして置きますので、会議には藤堂さんと同意って事で、進めて下さい。」


 「了解した。」


 「えっ、東条さんは行かないのですか?」


 「ええ、警戒がありますので……。ジストも大分変わりましたから、ゆっくり見て来てください。」


 何で、こう口調が変わる?


 アイリスの後ろで、女性冒険者たちがニヤニヤしている……。


 これはやっぱりそうなのか……?   


 「アイリス、評議国への就職考えて置いてくれ……。」 


 「何だ?唐突に……。」


 「いや、実はな……。」


 アイリスに耳打ちする……。


 「東条くんの所に、永久就職と言う案がある……。」


 アイリスは顔を真っ赤にして、答える……。


 「にゃ、にゃんで、それを……。」


 「あっ!やっぱり……。まあ、急ぎでも無いし、考えてくれ……。」


 そして、女性冒険者達に向き直る。


 「こう言う事だよな?」


 「「「はい!」」」


 「アイリス、分かり易いから……。」


 「その時は、私達も評議国に、お願いします。」


 「考えておくよ……。」


 女性冒険者達との会話も終わり、ジストへ向け出発する事にする。


 さすがに転移は、早計すぎるし、地下道も整備していない。


 アイリス隊が乗ってきた馬車は、セレクト砦に置いて行き、装甲馬車での移動にした……。


 


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