表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
背徳の異世界家族計画  作者: carel
異世界人建国計画編
60/95

59.チーム戦?


 2戦目が終了し、俺達が勝ち越している。


 彩香さんが、盾を押したのは、ブローリーに筋肉反射をさせたからだそうだ……。


 物理的力が掛かると、無意識に反対の力を掛けるらしい……。


 だから、意図せず手を広げたらしい……、そんな知識、普通持ってないって……。


 まあ、全勝で終わる予定だから、何の問題にもならないが……。


 すると、ゲシュタルが、こっちへ歩いてくるのが見える……。


 「M・T殿、頼みがある!」


 「断る!」


 「まだ何も言ってないだろう!」


 「予想を言うぞ、冒険者ギルドの面子もあるから、手加減、もしくは、そうだな……。チーム戦と行った所か?」


 「うっ……。その通りだ……。冒険者はパーティーで動くもの、1人より3人の方が、強さを発揮する……。だから……頼む!」


 「本当にいいのか?残り3人のチーム戦で……。」


 残りのタッグ戦となると、俺、琴音、鈴音のチームになる。


 知っている人なら、絶対、勝負は避ける……、だが。 


 「俺達を侮って貰っては困る。迅雷疾風は昔、俺の冒険者パーティーだった。年数は立っているが、連携は1流だ!」


 「本当にいいのか?」 


 「受けて貰えるなら、その方が良いに決まってるだろ!」


 「もう一度聞く……。本当にいいのか?」


 「くどい……。何度も言わせるな!」


 「了解した……。チーム戦を受けよう。」


 メリエルにそのことを報告、広報して貰う……。


 メリエルは、その事を聞くと……。


 「ああ~、もう駄目だ、あいつ!あんなのがギルド長なんてやってだぞ、(うち)の支部……。はぁ~……。」


 「最初の2戦見ても、気付かないもんだなぁ~。」 


 「馬鹿なんだよ……。まあ、決まったのなら仕方ねぇ~……。それと無く、正臣のオッズ上げてきてやるよ……。」


 そう言って、舞台中央へ行く。 


 「さ~って!ここで、ルール変更だ!


 皆も知ってると思いますが、冒険者が1番に力を発揮するのが、パーティー戦!


 ここに残ったのは、万能と疾風迅雷!かつては共にパーティーを組んでいた仲間、連携も超1流のS級だ!


 対するはE級冒険者夫婦が1組!


 超1流S級パーティーvs夫婦の絆、どっちが上かこの後、決まる……。


 勝負は15分後に開始だ!皆、賭け忘れの無い様にな!」


 メリエルの声が、広場に響いた……。


 俺は、皆と話をする。


 「と言う事だ、琴音、鈴音。何かあるか?」


 「あいつら馬鹿?」


 「連携勝負って……。」


 「皆まで言うな……。」

 

 「正臣くんと琴音ちゃん、鈴音ちゃんに、挑むなんて無謀ね……。」


 「安心感~半端無~。」


 「でっ、どうやって盛り上げるの?」


 「う~ん……。シンクロでもするか……?」


 「だと、棒がやり易い……。」


 「間合い調整しやすい。」


 「で、フラットスリーてな感じで……。演武しながら入場するか……。少林寺っぽくしながら。」


 「「にぃに合わせる!」」


 「うわっ!それで済むの?」


 「3人とも~凄いね~。」


 するとメリエルから、中央への呼び出しがかかる。


 「それでは、第三戦開始しま~す。選手の皆さん集まって下さ~い。」


 「それじゃ行くか……。」


 俺達は、6尺の木の棒を手に走って入場する……。


 そして、棒を地面に突き、前回転、着地と同時に前宙2回転捻り……。観客に向け構えを決める。


 それが、見事にシンクロする。


 「「「「「「「「「「……………………。」」」」」」」」」」

  

 一瞬の静寂……。


 「「「「「「「「「「お~!」」」」」」」」」」


 パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!


 パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!


 メリエルは、一番近くで見ていた所為か、感極まって拍手しながらピョンピョン跳ねてる。


 「すご~い!すご~い!すご~い!」


 そして、普通に歩いて入場して来たゲシュタル達は、気まずそうに立ち尽くしている。


 「よう、どうしたギルド長?」


 「お前ら、結成1月立ってない、冒険者パーティだよな?」


 「そうだけど、問題あるか?」


 「無いんだけど……。何でそんなに息が揃ってる……?」


 「今それを聞くのか……。」


 「すまん、忘れてくれ……。だが、そんな見世物で俺達は騙されん!冒険者はそんなに甘くない!」


 「そうか……?まあいい、始めよう。」 


 そしてメリエルが開始を宣言する。


 「第3戦、チーム戦!レディ~ゴー!」


 開始と同時に俺達は、幅2m空け、琴音、俺、鈴音の順で横1列になり、棒を中段に構える。


 一方、ゲシュタル達は、疾風、迅雷を左右前に、真ん中やや後ろにゲシュタルと言った布陣だ……。


 鶴翼の陣とも言うのだろうが……、人数が足りなく陣になっていない。


 それに、一人を囲もうとする意図が、見え見えだ……。 


 すると、ゲシュタルが魔力を練ってるのが分かった……。


 待っていてやるか……。


 「はっは~!警戒しすぎたな!M・T!」


 そう言って、疾風、迅雷二人に魔術を掛ける。


 「アクセルブースト!」


 あっ!これどう見ても、加速魔術だ!


 「ディスペル!」


 速攻で、俺は魔術効果を消してやる……。


 「げっ!何て事するんだ!」


 「当たり前だろ!戦闘中なんだから……。魔術勝負でもいいんだが、つまらん結果になる……。こっちから行くぞ……。」


 俺達は、疾風、迅雷、万能の3人のタイミングを見て、同時に無拍子で接敵する……。 


 カッ!!!


 S級は伊達じゃない様だ……、3人とも反応して来た。


 そして鍔迫り合い……等する筈も無く、俺、琴音がバク転、鈴音がバックステップ、俺達は鈴音が相対していた迅雷に3人で攻撃、これには、ゲシュタル達が反応出来ず、3本の棒が迅雷に突き刺さる。


 「ぐえ!」


 迅雷が、前から崩れる……。


 「おっ、お前ら……。何者だ!」


 「E級冒険者のE級パーティーです。クエストでの連携は、索敵1人、薬草採取2人位しかした事無いぞ!」


 「嘘だ!」


 「本当だよ。クエストは2回しかした事無い……。お前らの物差しじゃ、E級冒険者で間違いないさ……。」 


 「はっ……。どう言う事だ?」


 「それじゃ、勝ったら教えてやるよ、ギルド長様!」


 俺達の次の標的は、疾風!


 3人で疾風の拍子を盗む……。


 3本の棒は、疾風の腹に刺さる。


 「ぐえ!」


 疾風が、前から崩れる……。


 兄弟仲良く同じ声で、気絶する……。


 「さて、あと一人だぞ……。」


 「くっ…………!」


 「ちょっと待ってろ……。」


 俺は、琴音と鈴音を呼び誰がやるか、決める事にした。


 「ジャンケンな!」


 「「負けない!」」


 「「「最初はグ~!ジャンケン!ポン!」」」

 

 琴音が勝った……。


 「んじゃ、後任せた……。」


 「任された……。」


 そして、棒を鈴音に手渡し、ゲシュタルへ向き直る……。


 「さあ、相手してやる……。」

 

 うわ!また、ブルース・リーしてる……。


 右半身に構え、右手をフリー、左手は顎の下、琴音好きだからな~……。


 で、袴着てるから足さばきも分からない……、これ最強じゃね~……。


 「来い!」


 「………………、馬鹿にしてるのか……?」


 俺に向かって、ゲシュタルが言う……。


 「前見ろ……。相手は俺じゃないだろ……。」


 琴音が話す。


 「来ないなら、こっちから行くぞ。」


 スッ~~~!


 3mは有った、距離が音も無く、無くなる……。


 無拍子とは別の技術、忍が使った技術と同じものだ……。


 俺と鈴音は横で座って見ているから気付くが、相対した本人は見ていても、接近に気付かない……。


 「なっ!」

 

 割と早く気付いた様だが……、もう目の前に居る。 

 

 ゲシュタルが持っているのは、大型の両刃の剣、振るスペースが無い……。


 ゲシュタルは強引に腕を振り回す…………が、悪手だ!


 琴音は、軽く腕を躱し、その手に手を添え誘導する。もう片方の手で背中を引き、(たい)を入れてやる。


 あ~ら不思議……。ゲシュタルがお空を飛んでる。


 そのままゲシュタルは背中から着地!  


 ドフッ!


 うお~!良い音立ててる~! 


 「グフォ!」


 「さて、戦闘不能にしなきゃね……。」


 琴音はそう言うと、両手の人差し指を立て、頸動脈を抑える……。


 10秒後、ゲシュタルは敢え無く落ちた……。


 「メリエル。」


 「戦闘不能により、勝者!チームM・T!」


 「「「「「「「「「「「……………………。」」」」」」」」」」 

 

 あっ!やっぱ、こうなるよね……。


 「それでは勝利チームの報酬として、冒険者引退が受理されます!」


 「「「「「「「「「「「はぁ~。ギルドはそんな約束してるのか!」」」」」」」」」」 

  

 「えぇ~っと、冒険者ギルドジスト支部を辞めるには、ギルド長ゲシュタルを倒さねば成らないそうです。


 ギルド長の権限で決まりました。この機に便乗したい方は、ただいま、気絶中ですので、ボコってくれて結構です!


 もう一回言います。これは、ゲシュタルの独断です。


 職員は一切この件に関わっていません。冒険者の自由はゲシュタルが握っています。


 殺しても、お咎め無ですので、ボコって下さ~い!」

  

 メリエルの言葉は間違ってはいない、そう言う条件にしたのは、ゲシュタルだ!


 自由を愛する冒険者が、ゲシュタルの枷に嵌められている……。


 それでは、ジスト支部の冒険者は、ゲシュタルの奴隷と同じ事だ……。


 ゲシュタルは、分かっていないだろうな……。


 それに、メリエルも相当鬱憤がたまってたんだろう……。


 「「「「「「「「「「「「お~!」」」」」」」」」」」」


 相当数の冒険者が、舞台上のゲシュタルを踏み(ストンピング)始めた。


 まあゲシュタルも丈夫だろうし、死なないだろ……。


 俺は嫁達を連れ、美食亭屋台に向かった……。


 そこには、ファナがいる。


 「お疲れさまです、皆さん!」


 「いや~、面倒だったな~。」


 「これ、取ってたので、どうぞ!」    


 俺達は、ファナからカレーパンを受け取る……。


 「取っていたって……。どう言う事だ?」


 「500食、完売です……。売り切れる前に正臣さん達の分取ってたんですよ。」


 「気が利くな……。」


 「いいえ~、それ程でも~。」


 ファナの頭をなでると、子供らしさが出て来る。


 「そう言えば、初めて皆さんの戦いを拝見したんですが、あれどうやってるんです?」


 「どれの事だ?」


 「あの近づくの?」


 「それも何種類か、してるからな~?琴音、鈴音、俺は同じだし、彩香さんは、ただ歩いただけだろ、忍のは、正直驚いた!ファナはどれが気になった?」


 「ゲッ!違うの?」


 「外から見ると同じに見えるのか?」


 「うん……。皆、綺麗な動きしてた……。」  


 「正臣くん、体幹の事じゃない……。」


 「「にぃ、正中線。」」


 「それは~、私も意識してる~。」


 「そう言う事か……。上半身がブレ無く動いていた事か……。確かにそれなら皆同じだな……。でもこれって対人戦用の技術だから魔獣にはな……。まあ、明日の鍛錬で皆にも教えるか……。」


 「本当!やった~!」


 「それじゃ、明日のために、さっさと屋台片付けるか……。」 


 そして、屋台を片付け美食亭へ向かう……。


 美食亭には、安奈達異世界組も待ち合わせしており、今回の対抗戦の賭けで皆、大儲けしていた。


 胴元をしていた、商業ギルドだが殆ど儲けが出ず、ただ働きしたような物だったらしい……。


 そしてまた、明日から建国に向け、俺達は動いて行く……。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ