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背徳の異世界家族計画  作者: carel
異世界人建国計画編
56/95

55.お花畑?


 本格的に、国造りに従事し1週間……。


 さらに嫁が増えた……、女子会にて、決定したと言う……。


 増員メンバーは、沼津愛美ぬまづまなみ御厨来夢みくりやらいむ来栖翠くるすみどり氷室沙希ひむろさき大山弥生おおやまやよいの5名。


 異世界人をコンプリートしてしまった……。 


 まあその話とは別に、俺はジストの町を、これでもかと言うくらい走り回っていたと思う。


 現在、農林部では田んぼに水が張られ、本日から田植えの真っ最中である……。


 ハウス内の育苗床は近藤の頑張りもあり、青々と苗が生い茂っている……。


 近藤には、魔道田植え機を渡しており、日本で見た事のある、田植え機を模して作成した。


 近藤からは、回転式の爪を説明されたが、いまいちピンと来ず、試行錯誤を繰り返し……、ようやく、出来上がった力作である。


 今から、収穫が楽しみだ……。


 そして、軍部なのだが……。


 新市街の区画整備が終了、新市街を囲むように高さ10mの外壁を造っている。


 旧市街との境にも、住民を選別する関係上、壁を設置している。


 この壁も結界魔道具を使って、住民登録者以外の出入りを規制している。


 もう少し、出来上がって来たら、住民登録促進の為、新市街内覧会を開こうと思っている。


 住宅の方も、元奴隷達の住居から徐々に建てられ、今は旧市街からの移住者用の建物に着手している。


 次に、教育部はと言うと……。


 教師予定現地人《執事長、他数名》の教育が、加・減まで進み、これから乗・除なのだと言う。


 こちらも、直ぐに結果が出る訳ではないので、順調なのだろう。


 総務、財務部では……。


 独自通貨の草案が出来上がり、新市街での運用から開始する予定となっている。


 法律も簡単な物から、整備していくようで、会議の議題によく上がる様になった。


 で、治療院……。


 ここが一番忙しい……。  

 

 受付での住民登録はもちろんだが……。


 病人の余りの多さに、双葉の方も、毎日大変そうだった。


 双葉には、裏技として生命の原液を、さりげなく患者に投与するように言ってある……。


 生命の原液は1滴あれば、全快する優れものだ……。


 投与後に、双葉のヒールで落ち着かせるだけで今の所は、対処できている。


 マリルも活躍している様で、最近では症状に合わせて、調合も始めており、調合師職が出たそうだ……。


 余談だが、吉田くんと付き合い始めたようで、順調に関係を築いているらしい……。 


 で、問題がある。


 現在、治療院の隔離施設は、牢屋代わりになっており、元冒険者が150人ほど入っている……。


 はっきり言って、どうでも良い。


 犯罪奴隷として、住民に貸し出そうかとも思っている。


 教会に依頼されて襲撃に来たようで、丁度良いのでジスト教会も冒険者ギルド同様、締め上げ、子供達を解放することが出来た……。


 孤児院の子供たちは何も分かっていなかったようで、司祭に憧れていた少女も驚愕して、泣き縋って来たが……。


 一緒に犯罪者になるかと聞いてみた所、さすがに犯罪者には成りたくなかったようで、引き下がってくれた。


 その少女も含め、司祭に性的玩具にされていた子もおり、俺達の道徳に抵触した為、司祭を容赦なく拘束した。


 教会地下には、拷問設備などもあり、教会の裏の顔が見えた……。


 司祭はじめ、教会関係者は、会議堂地下牢に拘束されている。


 後で、こいつ等も公開処刑予定でいる。


 内政干渉、領地転覆、殺人、強姦、拉致監禁等の罪で良いだろう……。


 沼津さんは、これで若草寮の運営を始められると喜んでおり、昨日から運営が開始された。


 そして今日からは、会議堂で保護している部位欠損の少女達も、追加される予定でいる。 

   

 追加と言うのも、本日、欠損部位の移植が行われるからである……。




 会議堂……。


 2階1室では簡易手術室を作って、移植の準備が進められており、ホムンクルス技術で、各々の細胞から作られた部位が持ち込まれている。


 再生治療を行なうのは、俺、琴音、鈴音、彩香さん、母さんの4人と1体だ……。


 回復魔術の使えない彩香さんがいるのは、解剖学に詳しいからで、不測の事態に対してのアドバイスを貰う為だ。


 「それじゃ、始めようか……。」


 「一人づつ、入ってきて……。」


 彩香さんが、部位破損少女を部屋の中に入れる。


 最初の娘は、両腕……。


 「怖いと思うけど……。直ぐに済むから……。安心して。」


 彩香さんが、少女に声を掛けると安心したのか、表情が和らぐ。


 全身に麻痺を掛け、欠損部の皮膚をそぎ落とす、すかさず再生部位を付け、骨、神経、血管等を、回復魔術で繋げて行く……。

  

 琴音は殺菌洗浄、鈴音は肉体活性の魔術を行使……。


 彩香さんが、助手……。


 母さんが、再生部位の管理……。


 まずは1本……。


 「思ったより、簡単に繋がったが、何か不備は無かったか?」


 「私が見た限りでは、大丈夫そうだったけど……。私も、初めてだから……。」


 「「にぃ、大丈夫!」」

     

 「そうね、正くん。問題なかったわよ……。」

 

 「そうか……。それなら、よかった。この娘の体力はどうだ……。」

 

 「活性、掛けてるから問題ない。」


 「それじゃ、次に取り掛かるか……。」


 確認後、もう一方の腕に取り掛かる。


 先程の要領で、もう一方を繋ぎ、一人目の少女の手術を終了する。


 最後に、麻痺を解き、生命の原液を繋ぎ目に塗布する。


 覚醒した少女は、横になったまま目を開け、俺達を見上げる。


 「痛い所ある?」


 彩香さんが少女に声を掛ける。


 少女は首を振る。


 「もう終わったわよ……。」


 彩香さんがそう言い、少女の背中に手を添え、起き上がらせる……。


 そして、少女の手を握り、声を掛ける。


 「どう?私の手の感覚、分かるかな?」


 「あっ……!」


 どうやら感覚があるらしい……。


 「握れる?」


 少女は彩香さん呼応する様に、手を握ろうとするが……、苦悶(くもん)の表情を見せる。


 「まだ、感覚が追い付いて無い様ね……。」


 「リハビリが必要そうだな……。今日中の若草寮、入寮は延期だな……。」


 心配そうな目をしてる少女に、彩香さんが語り掛ける。


 「大丈夫よ……。ゆっくり直していけばいいから……ね。」


 そう言って、頭を撫でる。


 少女は、うなずき自分の両腕を擦る。


 肘までの感覚があるようだから、そう遠くないうち握れるようになるだろう。


 そうして、1人目の少女が部屋から出ると、心配そうに、沼津さん、双葉、雫が他の部位欠損少女達と共に待っていた……。 


 「部位再生は成功したが、感覚が追い付いて無いみたいだ。もう少しリハビリが必要だと思う。」


 結果内容を待っていたであろう皆に、報告する……。


 「そうですか……。」


 沼津さんは落ち込んだようだ……が。


 「良かった、動く様になるんですね?」

 

 双葉は素直に、欠損箇所の回復を喜ぶ。

 

 「多少時間が掛かるが問題ないだろう。後は、筋肉と神経を鍛えればいい。」


 「ほらっ、沼津さんも喜んでくださいよ……。皆、見てますよ。」


 雫が励ます……。


 「そっ、そうよね。もう両腕は有るんだし、喜ばなきゃね……。でもリハビリは何処でするんですか?」

   

 「そうだな……。まだ、一人で出来ない事も多いだろうし、会議堂で良いんじゃないか?ここだと使用人も、多数いるから苦にならないだろう。」


 「それでしたら、治療院から看護師見習いとして、何人か交代で派遣したいのですが……。」


 「あっ、そうか……。若草寮からも、保育士見習いで派遣します……。」


 俺は、欠損少女達を見て、語り掛ける。


 「あっははは~!良かったな、手術終わったら、お姫様みたいに至れり尽くせりになるぞ……。さあ、さっさと手術済ませて、お姫様生活だ!」  


 沼津さんが反応する。


 「なっ、リハビリがメインですから、そこまでしませんよ~、もう!藤堂さん!」


 「「マナミンは、皆のお母さん。」」


 「二人も何言ってるんですか、お姉さんにして下さい……!」


 そんなやり取りを見て、欠損少女達も緊張が取れて来たみたいだ。


 「その続きは、手術後にしようか……。」


 そして、順に手術を再開する……。


 中でも、目、舌の再生治療が面倒だったが、それも彩香さんのアドバイスにより、簡単に終わらす事ができ、2時間ほどで全員の手術を終えた。


 今の所、全員が部位移植の拒絶反応も出ず、改めて自己細胞のホムンクルス技術で作られた、部位の凄さを認識した……。


 「さすが母さん凄いね……。拒絶反応すら出てない……。」


 「当たり前でしょ、本人の身体なんだから……。正くんだって、あの短時間で、全員の手術終えるんだから、相当な物よ……。」


 「「にぃも凄い。」」


 「はっ?お前達だって、的確に処置してただろ。彩香さんのアドバイスも助かったし。」


 「そうよね……。私なんて口しか出してないわよ。それに比べて3人とも手術中、凄かったわよ。まるで、三位一体……。」


 「ジェットストリームアタックね……!」


 彩香さんの、話を母さんが横取りした……。


 「母さん、台無しだよ……。」


 「そう、彩ねぇは、ゲッターと言いたかった。」


 「FEのデルタアタックも有り!」


 「「にぃが、ルミナス役でも可!」」


 「マックスハートかよ!」


 俺達はいつもの感じになってしまっていた所……。


 「あの~。藤堂さん?」


 沼津さんに呼ばれる。

 

 「あっ、ごめん……。はしゃいじゃって。」


 「いえ、良いんですけど……。全員、手術成功って事で、裏の石碑に、報告行きませんか?」 

 

 「ああ、それは良いな……。みんなで行こう。」


 そして、皆で石碑に向かう……。


 そこは、石碑の下に眠る少女達が、手術の成功を祝ってくれてるかのように、満開の桜が咲いており、そこへ向かう道端にも、春の花が咲き乱れていた。


 情緒ある風景に、感情が刺激される……。


 そして改めて、生き残った少女達の、これからの幸せな生活を誓う。


 王侯貴族達の、犠牲者……。


 教会の犠牲者……。


 冒険者達の肉盾……。


 奴隷の末路を考えると、胸糞悪くなって来る……。


 どうして、この世界は、子供達に優しく出来ていないのか……。


 どうして、誰も何も言わないのか……。


 どうして、こんな事になっている……。


 巡り巡る、思いを胸に……。  


 そして、少女達を使用人達にお願いし、仕事へ向かう。




 次なる仕事、会議室でのお花畑(勇者王)の吊し上げだ……。


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