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背徳の異世界家族計画  作者: carel
異世界人建国計画編
48/95

47.襲撃者?


 ジスト中央広場 公開処刑場


 そこには、処刑台の上には断頭台ギロチンが5台準備されている。


 周りでは、多数の住人が公開処刑の開始を待っていた。


 俺は最前列に位置し、俺の隣に、彩香さん、琴音、鈴音と順に並んでいる。


 そして、俺達の前に特別席として、拘束し全身黒い布で覆われ、視界だけ解放されている、第2王女クリシュナを座らせている。


 ラウルが壇上から演説を始める。


 「皆の衆、今日は、我が弟ライトとその仲間たちの、公開処刑を行なう。我が弟ライトは、冒険者としてC級まで上がったのは、皆が知っている事であろう。だがしかし、その裏では、我がキリフトス家3男として、権力を振りかざし、強姦、殺人、奴隷の強要等の凶悪な犯罪を犯していた。この事について、私は、ライトが成人した時点で、個人の責任と高を括り、放置していたのも事実である。領主として、皆に迷惑をかけた事、誠にすまなかった……。」 


 一旦話を区切り、ラウルが頭を下げる……。


 ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!


 ロストニア王国では領主自ら、頭を下げるなど、初めての事かもしれない……。  


 それほど住民にとっては衝撃的な出来事だった……。

 

 「そして、このライトと言う犯罪者を放置していた事が、私の罪だと諭してくれた方により、ここに謝罪と責任を果たす事となった。故に、弟ライトの公開処刑を踏み切った……。そして、今後の領地経営をについても、住民達の生活向上を目指し、改革して行こうと思う。不出来な領主であるが、皆に付いて来て欲しい……。これは、領主としての命令で無く、お願いだ……。よろしくお願いしたい!」


 そう言って、またもやラウルが頭を下げた……。


 ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!…………。

 

 一旦、騒然となった広場だったが……。


 パチッ!……。


 パチッ!パチッ!パチッ!……。


 パチッ!パチッ!パチッ!パチッ!パチッ!パチッ!パチッ!パチッ!パチッ!パチッ!パチッ!パチッ!……。


 皆が容認したかの様に、拍手が鳴り響いた……。


 今までのお飾り領主が、今、初めて住民に認められた瞬間だった……。


 まあ、お飾りは、これからも変わらないが……。 


 「それでは、処刑を行う……。死刑囚をこちらへ……。」


 木材で出来た首枷で、首と手を拘束されている死刑囚達が、処刑場に連れて来られた……。


 強姦好きな5人組だから、余程、裸が好きだろうと、全裸での登壇を提供してやった。


 まあ、本人の了解を得てはいないが……。


 あまり見ても気分の良い物ではないが……、5人の男性器は縮こまり、皮が被っていた……。


 「ぶわっ!はっは~!あんなんで強姦してたんだぜ!あいつ!よく目を凝らさないと見えね~ぞ!」


 「正臣くん、駄目よ!ここは静かにしなきゃ!」


 「にぃ!あれじゃ、処女膜、破れない!」


 「襲われた女性の、貞操守られてるかも!」


 「いや~!でも、納得いった!ち〇こ、振り回せないから、権力、振り回してたんだな。」


 「きっと恥ずかしがり屋!」 


 「皮まで被ってる!」


 俺達が、最前列で大声で騒いでると……。


 「アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~!」

 

 「アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~!」


 「アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~!」


 「アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~!」


 公開処刑を観に来ていた住人達が、笑い始めた。


 中には、指を差している連中もいる、一応元貴族共だよな。


 そして俺の隣で、また人一倍豪快に笑っている、俺の奥さん。


 「ブファファファファファファ~アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~!」

   

 「アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~!」


 「アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~!」


 「アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~アハッハッハッハッハッハッ~!」


 「アッヒィヒィヒィヒィヒィヒィ~アッヒィヒィヒィヒィヒィヒィ~アッヒィヒィヒィヒィヒィヒィ~。」


 「「フッ~フッ~フッ~フッ~~~。………………。まっ、まっ、正臣くん!これ処刑の雰囲気じゃないわよ……。」


 「いいんじゃないか……。恥をさらしたまま死んで終っても、ダンジョンの餌なんだから、何も問題ない……。それに、未練残して、化けて出て来たら、捕まえて見世物にでもするさ。」


 ライト達を見ると、声は聞こえる様にしているので、羞恥心にさえなまれている。


 いや~、お前達の存在が恥だったろうに……。


 一人侮蔑の目で見ながら、断頭台を見てみるが、処刑人は現れない……。


 あいつ、さぼりやがったな……。


 まあ勇者王に伝わっているかも怪しいが……。


 「彩香さん!俺、処刑人してくるよ……。」


 「大丈夫?正臣くん……。」


 「問題ない。覚悟話決まっていたしな……。それに、あいつら殺しても罪悪感は生まれないしな。」


 「そう、気を付けてね……。」


 「ああ、それと琴音と鈴音も、準備してくれ……。」


 俺は、一旦、舞台裏に姿を消し、仮面で顔を隠し壇上へと上がる。


 壇上にいたラウルは直ぐに俺だと気付いたようで、予定を進める。


 壇の下では、住民たちが大爆笑の真っ最中だ……。


 断頭台ギロチンは、首枷がそのままセット出来るようにしている。|(藤堂正臣作)

  

 ラウルの合図で、一斉に刃を落とす予定でいるが……。


 着々と、5台の断頭台ギロチンに、ライトとその仲間をセットする。 

 

 そして、ラウルが片手を高々を上げ、後は振り下すだけとなった……。


 ヒュッ!


 ラウルに向かい、矢が飛んできた……。


 パシッ!


 俺は、慣れない刃物で、その矢を弾く。


 やっぱり来たか……。


 「藤堂様!」


 「大丈夫だ!」

 

 『にぃ、見つけた!3人』


 『こっちも!4人』


 『速やかに、拘束!もう2箇所にもいる!』


 『『了解!』』


 何事かと、ラウルが困惑している……。


 「すまんなラウル、囮みたいになってしまって……。」


 「いえ、藤堂様のお考えなら、このくらい……。」


 「とっ!そうも言ってられない見たいだな……。」


 群衆の中から、不穏な動きをするやからが、壇上へ向かって来た……。


 上からだとよく見える。

 

 不穏分子は、それほど実力も無い様だが、奇襲する事で何とかなるだろうと思ってるらしい……。   


 俺は、8人ほどの不穏分子を把握し、壇の側ギリギリまで、おびき寄せ排除に掛かる……。 

 

 まずは、右側の3人組に接敵、裏当て3発。


 その場で、膝から崩れ落ちる……。


 左側からも、3人来ている……。


 短距離転移で、接敵し裏当て……、膝から崩れ落ちる……。


 正面から2人、多分、リーダーとサブリーダーって所だろう……。


 俺は正面に回り込み敵対するが……。


 不穏分子の後ろから、彩香さんが猛虎硬爬山に似た発勁で、一回り体格のいいやからの背中に一撃。


 「ウグッ!」


 こちらに体が倒れて来るが、軽く手で払い、その場で崩れる……。


 彩香さんに気付いた、もう一人が振りむこうとするが……。


 彩香さんによる、鉄山靠……?


 「ウギャッ!」


 もう一人の不穏分子が、変な悲鳴と共に、5mは吹っ飛んだ……。


 なんで、そんなことできるんだ……? 


 『『にぃ、終わった。』』


 そんな事を思っていると、琴音と鈴音から連絡が来た。


 あっ!こいつ等の影響か……。


 『了解、回収班を出すから、壇上に移送してくれ。』


 『『無駄はいい、転移で送る。』』


 『そうか……。頼む。』


 俺が、周りの不穏分子を壇上に投げ込む……。


 琴音と鈴音からも、壇上に不穏分子が送られてきた。


 どう見ても、全員が冒険者だ……。


 ラウルには、領主への反逆者として、この場で冒険者ギルドへの追求する様に、命令する。


 「これはどう言う事か?ここに居る23人の者は、冒険者ギルド在籍の冒険者に見えるが……?冒険者ギルド総意での、領主への反乱!そう受け取っていいか!ギルド長ゲシュタル!説明を求む……。」


 群衆の後方より真っ青な顔をして、壇に近づいてい来る、壮年の男性がいる。


 後には、ギルド職員達10数名が続き、アサギ、メリエルの姿も見える……。


 そして、最前列まで来ると、全員でひざまずく。


 「さて、ゲシュタル!どう言う事だ!冒険者の犯罪履歴と素行調査資料の提出が滞っていたが……。今回の襲撃!まさか、借金踏み倒す為にした訳ではないだろうな!事の次第によっては、反逆者としてお前も、ここに登って貰う事になる。」


 ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!…………。


 ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!…………。


 周りが、一気に騒然としだした……。


 冒険者ギルドの裏話を住民に暴露したのだ、当然だろう……。


 「滅相もございません!私共の存じ得ぬ所で事が、起こっております。その者達の、私怨でございましょう。」


 「だがしかし、この者達にも、担当者が付いていたのだろう?そのものが知らない筈が無いではないか!」


 見ると、二人のギルド職員の顔が、見るからに青ざめている……。


 「うっ!ですが、私の所には報告が上がっていません。何かしらの妨害があったと考えられます。」


 「そうか……。ならば、今回の件については、こちらで調査しよう……。現時刻をもって冒険者ギルド、ジスト支部の業務停止をこの場で言い渡す。お前達ギルド職員は、しばらくの間、我が屋敷で軟禁生活をして貰う。今回の件が片付くまで、冒険者も町からの外出禁止とする。尚、冒険者への依頼希望の者は、全て騎士団(魔闘部隊)の方で引き受ける!皆、しばらく窮屈な思いをさせるが、安心してくれ!」


 「ラウル様、いくら領主様でも、冒険者ギルドの行動を制限する権限は、ございません!」


 ゲシュタルが言う!


 「だまれっ!お前達、冒険者がしでかした事、このジストでそれを行使し、住民の不安を煽った事、それだけでも、冒険者ギルドは領地転覆の容疑が掛かっているのだっ!住民の安全を考えれば、お前達を野放しにして置くことは出来ん!それも分からないのか!お前達は、疑われているのだ!私達、領地経営の立場からも!住民からも!そんなに、拘束されるのが嫌ならば、ここに上がって来るがいい……。人の生からも解放してやろう!」 


 「ぐっ……。ラウル様せめて、他のギルドへの連絡を……。」


 「許可しよう。ただ解放する職員は、こちらで選ばせて貰う。この前、王都より異動してきた者がいる筈だな……。その者と、その担当冒険者を今回の拘束から外そう……。来たばかりで、今回の件に関わる事は出来なかっただろう……。その者、前に出よ。」


 アサギが、ラウルの前に出る。


 「はい。」


 「ゲシュタル、この者で間違い無いな。」


 「はい、間違いございませんが……。こちらに来て日が浅く、ジスト支部の事を正確に伝えれるとは……。」


 「ならば、その隣の者!そなたも前に出よ!」


 「はい。」


 前に出て来たのは、メリエルだった……。


 「この者はどうだ……。」


 「それならば、問題ございません……。」


 「そうか……。なら、騎士団(魔闘部隊)に案内させる。今の二人以外は、屋敷に行ってくれ……。」


 そう言うと、ちらりと俺の方をラウルが見る。 


 俺が頷くと、ラウルが処刑を再開させる。


 「皆の者、すまない!皆を危険な目に合わせてしまった様だ!この23人は、調査終了次第、処罰する!差し当たり、このまま予定を履行する。」


 23人の冒険者を拘束し、会議堂地下牢へ連れて行かせ、ライト達の処刑を再開した。


 ライト達は最後の望みだったのだろう、目の光が無くなり、虚ろな目をしていた……。


 まあ、ライト達の仲間、舎弟だったのだろうと、予測はついていたが、そのお蔭か、冒険者ギルドジスト支部を、完全に掌握できそうだ……。


 ニマニマと笑いがこぼれそうな事を隠し、断頭台ギロチンの側に立つ。


 ラウルの手が上げられ、そして……。


 今、振り下された。


 ザッ!


 ライト達の首が、胴から離れる……。


 首は転がり、特別席から動けない王女を見つめる様に、停止した……。 


 異世界組を見ると、目を背けている。


 すると辺りに、アンモニア臭が漂い出す、王女が失禁した様だ……。


 近藤がスカトロ趣味なら、大喜びだろうな……。


 近藤、お前の性癖を変えるチャンスだぞ……!


 等と、ふざけた考えしか浮かばない……。


 ああ、やっぱりライト殺しても罪悪感なんて微塵もわかないな……。


 ラウルに、合図し閉めてもらう。


 「皆の衆、これでジストは一つ平和になった、この犯罪者に苦しめられた者もいただろう。私は皆が互いに手を取り合い、共に歩んで行ける町を目指して行く、今日は、皆ご苦労であった!これにて、公開処刑は終了する。解散してくれ!」


 本日のメインイベント(公開処刑)が終了し、思わぬ副収入と言うべき(ジスト支部)も手に入った……。


 それでは、次のサブイベント(近藤のプロポーズ)に向けて、準備をするか……。 



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