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背徳の異世界家族計画  作者: carel
異世界人建国計画編
46/95

45.同士?


 これから、両親を紹介する……。


 憂鬱だが、情報を共有をして置いた方が、後で問題にならないだろう……。


 「皆、聞いてくれ!紹介したい人が居る……、って言っても、俺の両親だが……。」


 「えっ!藤堂さんのご両親が、こっちの世界に……。でも死んだって……。」


 隣にいる吉田くんが声を上げる……。


 「皆も知っていると思うが、俺達の両親は5年前の事故で、死んでいる……。それは間違いない!今から紹介するのは、両親の意識が宿っている物!と言う事になる。」 


 「物、ですか?」


 「まあ、そこにいるゴーレムなんだが……。 中身が、両親と同じなんだ……。」


 そう言うと、母さんと親父が前に出て来る。


 「え~っと!ただ今ご紹介にあずかりました。正臣の母こと、元美食勇者、兼!大錬金術師のコハクです!以後、お見知りおきを!」


 「ぴ~~~~~!」


 「ああ、ごめんなさい、あなた。声帯戻してなかったわね。」


 母さんが、皆の前で錬金術を行使する。


 「あ~、あ~、テス、テス!同じく正臣の父、大賢者ラクトだ!よろしく頼む!」


 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「………………、はい?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 「………………。」


 まあ、俺の嫁以外で知っているのは、大地さんとぺトラさん、サクさんとカレンさん、アレクぐらいだからな?


 「ちょ、ちょ、ちょっと、藤堂様!本当ですか?」


 「藤堂さん!どういう事ですか!」


 「藤堂さん!………………。」

 

 「……………………。」


 「………………。」


 「…………。」


 「……。」


 その後、しばらく質問攻めにあった……。



 「………………、と言う事なんだが、分かって貰えただろうか。」


 「それじゃ、橘先生が言っていた、信用できる帰還者って言うのは、藤堂さんの両親って事ですか?」 


 「そうよ、吉田くん。その情報があったから、今、こうして居られるでしょ。」


 「そうですね……。」


 「それじゃ、大体分かって貰えたと思うので、次に、琴音と鈴音について話したいと思う……。」


 「えっ!二人にも何か?」


 「琴音と鈴音は、俺の妹って事になっているが、俺と血の繋がりが無い、いわゆる義理の姉妹だ!故にこの世界で結婚まで踏み切っている訳だが……。」


 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 またもや、皆、同じ反応をしている。


 「まだあるから、質問は後にしてくれ……。それで、本当の両親だが、父が神の使徒、反逆の勇者ユウキ、母が前魔王レミだ、俺の両親と共に、王国、教国連合軍と戦った……。そして……、帰還の祭にこの世界に残った……。」 


 「それって………………。」


 「悲観しないでくれ……。この世界には魔術がある。万が一にも、生きている可能性がある……。落ち着いたら探しに行かせて貰いたい。」


 「藤堂様!それでは時間が掛かってしまいます。ここを国として立ち上げると同時に、情報網を構築していきましょう……。」


 「でも、それだと、国を私的に流用してしまう事に、なってしまう……。皆の迷惑になりたくないんだが……。」


 「藤堂さん!何言ってるんですか……。ここに居る異世界組は、感謝こそすれ、迷惑だなんて思ってる人はいませんよ……。それに、情報網の構築は、国を強固にするための、政策の一つですしね……。皆も良いだろ?」


 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「お~!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 「そう言って貰えると助かる……。」 


 すると、皆が二人に群がる。


 「琴音ちゃん!鈴音ちゃん!……。」


 「…………………………。」

 

 「……………………。」


 「………………。」


 「…………。」


 「……。」


 今度の、質問対象は琴音と鈴音だ……。


 「とっ、とっ、とっ、とっ、藤堂様~!」

  


 声を掛けて来たのはラウルだったが、その目には、溢れんばかりの涙が溜まっていた……。


 「ラウル、どうした?」


 「どうしたじゃ、ありません!神の使徒に魔王ですよ!」


 「お前には、初見の時に、それと無く言ったと思ったが?」


 「………………、あっ!……言っております……、言っておりますが……。」


 思い出したようだが……、納得いって無い様子でいる。


 「それに見ろ!キルト達なんか、動揺せずに凛としているぞ……。」


 ラウルと同じく、グレインガルドの住人であるキルト達は、直立不動でいる。


 「藤堂様……。お言葉ですが……。彼らは皆、顔を引きつらせて、発声も出来ない様子ですよ……。」


 キルト達をよく見ると、やたらまばたきをして、口角をヒクヒクと痙攣させている。


 「だからと言って、事実は変わらないし、お前達への態度も変わらないぞ。」


 「ですが……、立場が変わります!事実、琴音様と鈴音様は、魔国の王女と言う事になります……。」


 「そうなるな……。」


 言われるまで、王女と言う概念がすっぽりと抜けていた……。


 地球では、自慢の妹達でしかなかったし……。


 グレインガルドに来て、婚約者……、愛妻へと変わったものの……、この卑猥な肉食系姉妹と王女とでは、イメージのかけ離れた存在にしか見えない……。


 「無理だ……。こいつ等に王女属性なんて無い……。」


 「にぃ、ヒドイ!」


 「私達は、お姫様!」


 「「だから、にぃ、王様役!」」


 「それこそ無理だ!それに、役ってなんだ、役って……。」


 「藤堂様、その辺で……。それに藤堂様も、王、教王、皇帝と肩を並べる、立場になっています。」 


 「そうなのか?意味分からないが?」


 「藤堂様は大賢者ラクト様のお子様であれば、賢者の職業がある筈です。」


 「よく分かったな……。で、賢者がどうした……。」


 「150年前までは、伝説の大賢者ラクト様、意外にも各国に、1人は賢者様が居られましたが、50年前の教国の賢者を最後に、現存している賢者は皆無です。


 賢者様は、研究を生業とし、国の発展の為に各国が手厚く保護しており、当時の国のトップよりも、発言権が強かったと言われています。」


 「50年前?」

  

 「ええ、何でも<聖レイシスの福音>と言う儀式を、教会と共に行ったとか……。無理な儀式の影響で、その年の暮れにお亡くなりになったそうです。」


 ここでそう来るか……。


 大地さんはもちろん、親父と母さんの影響もありそうだ……。


 「ですので、権力はございませんが、立場上は同位と言う事になります……。ただ、クロスティール諸国連合では、一概にそうとも言えませんが……。」

 

 「まあ、俺達が作ろうとしている国も、王侯貴族みたいな特権階級を置くつもりは無いがな……。」


 「そうですか……。私はてっきり藤堂様が王に成られるかと……。」


 「ガラじゃない。」


 「あはははっ!藤堂さんが、王様になったら男が皆、敵になりますよ。」


 「へぇ~……、吉田くんは、そんな事を言うのか~。そうだね、付いてくるとしたら吉田くんみたいな、特殊性癖の持ち主だろうね。」


 「そっ、それを、どうして……。」


 「マリルから、相談受けてるんだよ……。」


 「マリルさんが?」


 「知ってるだろう、マリルが俺の弟子って言うのは……。ついでに言うと、隷属契約も結んでいるんだよ……。」


 「どっ、奴隷なんですか?マリルさん……。」


 「まあ、契約しているのは、琴音と鈴音なんだけどね。親同士が主従契約を結んでてね、子供同士でもって事で……。」


 「そう言う事ですか……。てっきり、藤堂さんが……、って、魔王ですよね……。でも主従関係って……。」


 「気付いて無かったのかい、マリルの種族……。」 


 「はい……。」


 「でも安心していいぞ、マリルは魔族とのハーフだから、特に問題無いだろ……。魅了スキルの持ってないサキュバスハーフだ……。」


 「サキュバスって、男を食い物にするって言うあれですか?私も魅了されて……。」


 「だから魅了スキル無いから!サキュバスにとっては、致命的な欠陥品だぞ……。」


 「それでも私は……。」


 「それって、ただの幼女趣味ロリコンだから、魅了どうのこうのじゃ無く、ただの性癖だからな……。」


 「吉田様は、幼女趣味でいらっしゃるのですか?」


 「そうだ!吉田くんは幼女趣味ロリコンだ!そしてラウル、お前もケモミミ幼女趣味ロリコンだ!」


 「ラウルさんが……。」


 「吉田様が……。」 


 見つめあう二人……。


 互いに、意思の疎通が出来たのだろう……。


 同士と認め合った二人……。


 自然と差し出された右手を、握り合っていた。


 数年後、この世界グレインガルドの裏で暗躍する、世界規模の巨大な秘密教団(幼女至上主義)を作り上げる事になるとは、まだ誰も知らない……。

 


 吉田くんとラウルの話は置いておくとして……。


 その後、それぞれ、現況報告をして貰い、最後にキルトから、ケモミミ勇者について話して貰った。


 内容はこうだ。


 キルト達と仲間の親達は、亜人大陸から連れて来られた奴隷だった。 

  

 親達は、亜人大陸で帝国と戦い捕まった、いわゆる敗戦奴隷……。


 帝国との戦闘におもむく際、人族にして、亜人大陸の最長老サラに挨拶に行ったらしい……。 


 その最長老サラが、元ケモミミ勇者と言う事らしい。


 その話が本当なら、170歳位の年齢になる……。


 何か秘密がありそうだが……。


 直ぐに会いに行くことも、無いだろう……。


 母さんの肉体が、出来てからでも遅くない。


 そして、食の安定、領地防衛線の構築が終わらない事には、安心して出歩けない……。


 考える事は増えたが、琴音と鈴音の父、神の使徒ユウキの現存の希望も見いだせる、有用な情報だった……。


 そして今日の会議を終える事にする……。


 明日は、朝から色々と立て込む事になる、皆にゆっくりと休む様に促し、俺達も屋敷へ帰った。


 だが、俺と母さんは、明日のために、屋敷地下研究室で、異世界組人数分の覆面と外套、キルト達の仮面、武装、モフモフの槍、水晶振動子出の魔力通信装置の製造、そして会議堂地下のダンジョン化計画の設計草案を練っていた。


 途中、母さんが、建国するなら、独自通貨を作った方が良いとの指摘を受け、王国貨幣より上等な金属とミスリルを混ぜ込んだ合金で、偽造対策をする事等の案が出た。


 通貨については、今度の会議の議題にする事にし、明日のイベントに必要な物の作成を急いだ。


 全て作り終えた頃、既に日をまたいでいた……。


 明日の……、既に今日なのだが……、今日行われるイベントは、この世界で生きて行くための覚悟を見る為に、皆に課せられた試練だと思っている。


 問題は、勇者王が会議に顔を出さなかった事だ、さすがに勇者王も人殺しは、出来ないだろう……。 

 俺の方でも、覚悟をして置こう……。


 でも、ライトだからな……、特に覚悟無くても殺れそうだ……。


 そんな事を考えつつ俺は、微睡みの中へ落ちて行った……。 




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