43.後処理?
湯気が蔓延してる拷問部屋!
王女を裸に剥き、隷属魔術で奴隷契約をした……。
「うぇっ、うぇっ……。酷いです……。あっ……。」
「にぃ、非道……。」
「破廉恥王……。」
「藤堂様が……。こんな……。私も……。」
元暗殺者の少女は、顔を赤らめ、手で覆って首を横に振っているが……。
「お前らも、ノリノリだっただろうが!」
「「にぃ、彩ねぇに報告する。」」
琴音と鈴音が、さっきの行動を記録した魔石を手に、脅してくる……。
「くっ、ごめんなさい……。それだけは勘弁してください……。」
俺は土下座して、二人に平伏す……。
「「にぃ、今夜……。」」
「イエス!ユア!ハイネス!」
俺達のやり取りの傍らで、虚ろな目をした王女が呟く……。
「私……。これからどうなるのでしょう……。貞操も……。あっ……。」
いまだに裸で横たわっている……。
琴音、鈴音と同い年の筈だが、発育が良い……ただ、服を剥いただけなのに、いろんな物を垂れ流している……。
何故か、興奮してる様にも見えるが……。
「にぃ、こいつ変態……。」
「誘惑してる……。」
無造作に、二人が近づき踏みつける……。
「あっ、あ~~~~~~~!」
それだけで、頭がとけ、気絶してしまった……。
そして傍では、元暗殺者の少女が、顔を紅潮し鼻を引く付かせながら二人から預かった、映像記録装置で撮影をしていた……。
ああ~、お前らも全員変態だよ……。
特に王女!ここに入って来た時に、短鞭を持って高揚していた姿よりも、責められて、だらしなくなってる姿の方がしっくりくる……。
間違いない!こいつは、M女だっ!
眼福ではあるが……、いつまでもこの状況でいいわけがない……。
こいつ等が完全覚醒してしまう前に、掌握してしまわなければ、こちらにも被害が出る……。
俺は、王女に浄化魔術を掛け、収納より布を出し真ん中に穴を開ける、貫頭衣の出来上がりだ……。
王女に、貫頭衣をかぶせ、腰を紐で縛る……。
布が薄いせいか、ボディーラインが分かる、そして貫頭衣が膝上10cmまでしかない為いろんな物が見えそうで見えない……、逆に扇情的な雰囲気を醸し出した……。
「にぃ、これはこれで……。」
「エッ、エロい……!」
「このまま、連れていって謝罪させる。後は手を出すなよ……。」
「「了解!」」
俺は、収納より母さん達を出した。
「母さん、王女確保済。ホムンクルスの起動、教えてよ……。」
「ええいいけど……。それにしても、随分いやらしい格好させてるわね……。」
「「母さん、にぃの趣味!」」
「ちげ~よ!」
「ぴ~~~~~~~~!」
親父も何か言いたげだ……。でも、そろそろ元に戻しても、良いんじゃないか?
「それじゃ、正くん、ホムンクルスの抜け殻出して……。」
「これでいいか?」
収納より、抜け殻を出し、母さんに預ける。
「よく見ててね……。ここから、さっき魔石核抜いたでしょ……。ここに、同じように魔石を入れて、回復魔術で皮膚を閉じるの、そして、隷属魔術で指示を書き込むだけよ……。ゴーレム作成と同じようにね。心臓に魔石を埋め込むのは、全身に魔力を行き渡らせるためよ。」
「ありがとう、大体分かった……。」
だが起動する、その前に、王女から奪ったドレスをホムンクルスに着せ、装飾品を装着させる……。
「正くん、やりたい事は分かるけど……、物足りないわね……。」
母さんはそう言うと、王女の髪を一本抜き、収納より出した液体に浸ける……。
その液体に浸けた髪が、みるみる増えて行く……。
「母さんそれは?」
「まあ、培養液って所かしら……、正確には違うけど、そう思ってくれて構わないわ……。」
ある程度増えた王女の髪の毛を、ホムンクルスに移植する……。
<植毛>見る人が見れば、夢の技術が目の前で行われている。
「「次は、私達!」」
琴音と鈴音の番らしいが……。
二人は、収納より化粧品を出し始めたが……、ホムンクルスの顔は、シワシワにしぼんでいる。
それを見て諦めたのか、化粧品をしまい、代わりにパテとペンキを出した……。
そして、しわをパテ埋めして、平らになった所から、ペンキで塗装して行く。
「お前ら、それでいいのか?」
「女の化粧はこんな物。」
「肌への影響、度外視してるだけ。」
「「基盤工事からが基本!」」
「そうか……、好きにしたらいい……。」
何か危険な思想に聞こえたが……、化粧に騙されない様にしよう……。
出来上がったのは、顔を真っ白に塗り手繰って、口紅をチョコット付けただけの化粧とはかけ離れたものだった……。
「何……太夫?」
「物足りない?」
「隈取も付ける?」
「閣下にする?」
「だっふんだ!とか。」
「ドナルドでも……。」
二人が何やら相談し始めたが……、方向性が変わってきている……。
「それでいいよ……。俺も、魔術組み込むから……。」
「にぃ、妥協はダメ!」
「そう、インパクトが大事!」
「………………、分かったから早くしてくれよ。」
俺は、二人が試行錯誤を繰り返している間、外で待っていた、元暗殺者3人を拷問部屋へ引き入れた。
3人は、仲間の少女が無事な事を確認し、抱き合って喜んでいた。
元々、同じ孤児院出身の幼馴染だからな……。
落ち着いたのか、俺に話しかけて来た。
「「「「藤堂様!ありがとうございます!」」」」
「我々は、捕まった時点で、二度と4人で逢える事が無いと、覚悟して下りました……。」
「それなのに、五体満足で、逢える事が出来ました……。」
「この御恩は、藤堂様の役に立つ事で、お返しいたします……。」
「私達は、藤堂様の奴隷に成れた事、誇りに思います。」
う~ん……。やっぱり、こいつ等ずれているな……。
「まあ、そんなに気負うな……。お前達もキルト達と共に、やって貰いたい事がある……。それに、今回助けたのも、ついでの様な物だが……。この前、奴隷にした時点で、お前達が俺の指示を履行しようとした結果、捕まってしまった訳だ。俺達は余程の事が無いかぎり、部下を切り捨てたりしないから安心しろ……。それと今回、王城潜入の本命はそっちだ……。」
王女に指を向ける。
「なるほど……。ですが、助けていただいたのも事実!私達の忠誠も、強固になっております……。」
「そう思ってくれるなら、ありがたい。」
「私共には勿体無い、お言葉です。これからも、精進して行きたいと思います。」
「キルト達と合流後、これからの事を話す。脱出の準備も俺達がするから、今日はゆっくりしていろ。」
「「「「はいっ!」」」」
元暗殺者との話が一段落した頃、琴音、鈴音も化粧を終えたようだ。
「にぃ、これでどう?」
「なかなかの力作。」
チラチラ見ていたが、かなりの修正を行なっていた様で、白塗りの部分が層になっていた……。
そして、出来上がったのが、平安美人的なオカメになっていた……。
洋風のドレスにオカメ……、この意外な組み合わせ、これはこれで、セクシーなのだろうか……。
「………………まあ、悪くないんじゃないか……。」
これ以上、変えてもしょうがないし、これで行く事にし、俺はホムンクルスに魔石をセットする。
一つは水の生成、胃の中を水で満たすようにする、発動条件は心臓の魔石に依存、誰かが見つける事で発動。
もう一つは、高熱を発する様にする、これは火の生成でなく、熱の蓄積の為、そんなに魔力を消費しない、最大で1000℃くらいに抑えておくつもりだ。
これを、食道に付ける、体組織に被害が出ない様に、石材や金属を加工し温度が上がったら、胃に落ちて行く様にする。
これも、心臓の魔石に発動を依存する。
これで、体内で水蒸気爆発を、起こさせることが出来るだろう……。
見つかったら爆散、証拠隠滅、ふふっ……!
王国はパニック、王女の死体と勘違いでホムンクルスを調査、国の政治が麻痺……。
ふっふふふっ……。
「「にぃ、また悪い顔してる。」」
「正くん……。そんな子に育てたつもり、無いんだけど……。」
そして、意外な人物から声がかかる。
「あっ、あなた達、私の身代わりを立てるつもりね……。そんなの私に似ても似つかないから、権力を握る事は不可能よ!今すぐ私を解放しなさい!」
さっきまでぐったりと虚ろな目をしていた王女は、意識を取り戻したようだ……。
「大丈夫だよ、王女様……。こんな国、どんなに頼まれても、要らないから……。」
「えっ!でも、王国よ!お!う!こ!く!」
「だから、要らないって!こんな泥船……。」
「なっ!何で……!」
「お前もう奴隷だし、身代わり立てるなら、お前を契約で縛った方が早いだろ……。」
王女の話に対処しながら、俺はホムンクルスを始動させる……。
そして、拷問官に目隠し猿ぐつわをして吊り下げ、ホムンクルスに短鞭で眉間を一定のリズムで叩かせる。
うんっ!完璧だ……。
「よしっ!帰るか。」
「「にぃ、……。」」
「正くん……。私そんな事教えてないわよね……?」
「ぴ~~~~!」
「藤堂様、何なんです?それだと、痛くないですよね?拷問に成っていないんじゃ無いですか?」
「う~ん……。マネされても困るけど……。今度この拷問官が、どうなったか調べてみると良い……。」
元暗殺者にそれだけ言い、転移魔法陣を発動させる。
「あなた、何してるの?あなた達、ハズレじゃないの……。それに、それって……。」
王女の言葉は無視する。
「琴音、鈴音、斥候頼む。転移後、裏庭で待機、全員集合の後、キルトの拠点に移動だ……。アレクにも断って置いてくれ。俺と王女は最後に行く。」
「「了解……、にぃ、時間無いから、王女を襲うなら急いで……。」」
「襲わねぇ~よ!」
「母さん達も、一旦戻ってくれ。」
「了解したわ……。正くん……、程々にね……。」
「だから、襲わねぇ~って!」
母さん達を収納にしまい、琴音、鈴音、元暗殺者の順に転移させる……。
「そんなに、私……、魅力ないですか……。」
顔を俯かせ、頬を紅潮させている。
二人きりになった事で、王女が口を開く……。まだ、ホムンクルスと拷問官が残っているが……。
あざとい……、篭絡しようとしているのか……?
「お前の処分は決まっている……。明日になれば分かる。」
「いや~~~~~~!………………。」
大声を出し、逃げようとするが、既に奴隷にしている……。
発声、目視の禁止、身体の自由30%減を罰則に入れる……。
王女はそのままへたり込む事になった。
俺は、王女の腕をつかみ、そのまま転移する事にした……。
「にぃ、遅い!」
「……、王女が汚れてる!」
「「にぃ、早過ぎ!」」
「してねぇ~よ!……王女が逃げようとしただけだ。」
失礼だ……。幾ら俺でも、5分はもたせられる……。
「アレクには、断ったか?」
「言ってある。」
「ただ、状況によって、迷惑かけるかも……。」
「だよな~。キルトの拠点に転移魔法陣、移すか……。」
「「その方が良い。」」
そして事の次第をアレクに言うが、義兄弟なんだから、気にしなくても良いとは言ってくれた物の、余計、迷惑を掛けたくない……。
どうせ近所に転移するし、お客さんに迷惑がかかる可能性も考慮してほしいと説得し、転移魔法陣を撤去した。
その後、キルトの所に向かい、正式とは言い難いが、王都での拠点にする事になった。
王女は、そのまま拠点に連れて行き、ロープで拘束した上でソファーに、寝転がらせている。
王城に囚われていたキルトの仲間にも、魔術付与した指輪を渡した。
「武装の統一とかしたいわね……。」
収納から出ている母さんがそんな事を言う。
「レンジャー系で!」
「忍者!」
「う~ん……。どれでも良いような気が……。それと、アイシャにも一人付けたい……。」
レンジャーにしろ、忍者にしろ、和風が良いのか?分かり易く、忍者にするか……。
「とりあえず、拠点の強化……。一旦全員、領地での再訓練、後に正式に斥候部隊の発足、その時までに武装を作ろう……。」
「あの技術レベルだと……。」
「宝の持ち腐れ……。」
「そう言う事だ……。何か意見あるか?」
そう言い、キルト達を見る。
「藤堂様が、そう仰られるのであれば、従うまでです……。」
キルト達には再訓練して、一端の斥候になって貰おう……。
まずその前に、拠点の防衛設備を整える為、行動を開始した……。
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