42.王女?
キルト達を保護したのち、王城への潜入となる。
目的は2つ、第2王女確保とキルトの仲間救出?
キルト達には、2重スパイを頼んでいたが、そこまでしているとは思わなかった。
戻って来なくなったのは、2日前らしいが……、それまでは、定期的に戻っていたらしい。
それにより僅かながら、情報が入っていた。
王城には、魔術による結界が張られていなく、潜入は可能……。
城内に、何らかの隠形看破の魔術が施されているかもしれない……。
キルトの仲間は、地下にいる様だ……。|(これは奴隷契約の恩恵。)
先に、キルトの仲間を救出し、城内の全容を把握する事にした。
潜入方法は、正面入り口、守衛の屯所からだ……。
前に、彩香さんを呼び出して貰って、会議室を使わせて貰った事があったな……。
俺達は、光学迷彩を発動し、城門脇の屯所へ向かう。
屯所は、直ぐに警備騎士が出て来れるように、扉が開け放たれている。
警備騎士の脇を素通りし、城壁内部へと侵入した。
一応は、防衛の為に内部に鉄柵が設けられており、真っ直ぐ王城には到達出来ない作りになっていたが、前に来た事のある会議室の方から、周って行けた。
城壁を抜け、後は城内への潜入だが……、魔力検知してみても、魔術的な防衛をしていない……。
俺達は、正面を避け外周を周ってみる、それだけで大体の構造を理解することが出来た。
そして、潜入は使用人達の多くいる、厨房からと決め、行動を開始した。
厨房は、警戒の色も無く、使用人達が忙しそうに動き回っていた。
何を作っていたか、覗いてみたが……、どれも、味付けが大雑把なようだ……。
こっちの世界に来たときは、王城の料理を食べたいと思っていたが、食材が増えつつある、今となっては魅力が感じられない。
厨房を出ると、すぐ隣が食料保存庫になっている様だった。
後で、没収しようと思いながら、地下への通路を探す、キルトの仲間が囚われているからだ……。
そう言えば、勇者召喚の魔法陣も地下だったな……。
王族がいる所は、外周を周った時に、何となく把握することが出来た。
そして気配察知、魔力検知しながら、探索していると地下への階段を発見した。
が……、奴隷の魔力を感じない……。
「ここじゃ無いみたいだが……。」
「ここに転移した……。」
「魔法陣潰す!」
「う~ん……。そうするか……。でも、複雑に魔力が絡んでるみたいだな。」
「「にぃ、気付いた?」」
「多分、何らかの仕掛けとか有るかもな。」
俺達は警戒しつつ、地下への階段を下りて行った。
途中で気付いたが、近くに宝物庫らしい厳重に管理された扉もあった。
俺達は、魔力の感じる方へ向かう、今回、宝物庫は保留として置こう……。
魔力の出処の扉、異世界に来て、最初に見た風景、忌まわしい気持ちになって来る。
扉の前には二人の警備騎士、取りあえず、眠ってて貰おう……。
睡眠の魔術を掛けるが、何らかの阻害を受ける様で、掛からない。
魔術無効エリアとか……?
面倒くさいので、ギリギリまで近づき、無拍子で後ろに回り込み、首筋に一撃……。
扉にも、封印が施されていたが……、面白い事に、封印は制約魔術で管理されており、扉をゴーレムと見立てると、納得がいく。
制約内容を闇魔術で強引に改変してやり、侵入に成功。
現在、勇者召喚の魔法陣は、仄かに光を宿し、周りを囲む大きめの魔石が、周期的に発光していた。
「魔素を吸収しているみたいだな……。」
「にぃ、壊す?」
「書き換え?」
「そうだな……。壊してしまうと、大事になるし、書き換えるか……。」
「「私達、やりたい!」」
「それじゃ、任せてみようか……。」
魔法陣の書き換えを、二人に任せ、俺は、魔素吸収装置らしき、魔石を見る事にした……。
最近、母さんの魔道具を見慣れた所為か、低レベルな物に見える。
「ふ~ん……。魔石で呼吸をするように、魔素を貯めて行くのか……。これじゃ、時間が掛かる筈だ……。」
「にぃ、マグロ召喚しても良い?」
「大間産黒マグロ!」
「いいけど、漁港からだと、泥棒になるだろ……。」
「言語互換、鑑定付与、書き換える。」
「召喚者は犯罪奴隷、契約者はマグロで……。」
「ダメだ……。魔素の代わりに金銭を代償にしろ……。」
「「足りない分で奴隷契約……。」」
「そんなに奴隷にしたいなら構わないが……。そうすると、この魔素吸収装置、要らないな……。」
「魔法陣のイルミネーションで……。」
「マグロの発着場的な感じに……。」
「魔石の中身は、光魔術で点灯する様にして置くか……。」
「「母さんにも聞く?」」
「面倒くさくなるから、止めよう……。」
これで100年後に、もし勇者召喚する事になったら、マグロが召喚される事になるだろう……。
美味しく活用されればいいが……。
そう思い、その場を後にした……。
1階に戻った俺達は、建物の構造を考える。
王城は左右対称に建てられているようなので、反対側にも地下室があるだろうと、俺達はそこに向かった……。
反対側の地下階段。
そこから、奴隷達の魔力が感じられた……。
「こっちみたいだな……。」
「にぃ、急いだ方良い……。」
「魔力と気配、弱い……。」
「そうだな……。急ごう……。」
地下へ向かう、途中、宝物庫と同じように、国庫らしき場所もあったが、今は寄って行く時間が無い……。
キルトの仲間がいると思わしき地下へ到着、入り口には二人の看守と堅牢な鉄格子、間違いないだろう……。
看守に睡眠魔術を掛け眠らせ、腰についている鍵を手に入れる……。
こっちは、魔術無効とかは無いようだ。
扉を開け中に入り4人を探す。
魔力の糸は別々の牢を指し示す……。
手前の方から解放して行くが、思ったよりも体力の消耗が激しいようだ、拷問でも受けたかのような傷が目立つ。
「おい、お前ら無事か……。」
「あっ……、あなたは?」
「俺だ……、忘れたかお前らの主人だ……。」
「とっ、藤堂様……。すいません、目が見えないので……。」
その者は、派手に殴られていた所為か、上目蓋が腫上がっていた。
「そうか、助けに来た……、他の奴らは……。」
「奥の牢に入っています……。取りあえずは、皆生きている筈ですが……。さっき拷問官が一人連れて行きました……。」
「了解した……。安心しろ、もう大丈夫だ……。琴音、鈴音、手分けするぞ!」
そう言い、回復魔術を掛け、立てる状態までに回復させる。
俺達は、各個回復を施したが、拷問部屋柄と連れて行かれた、あと一人が気になる……。
「おい、拷問部屋はどっちだ……。」
「一番奥の、分厚い扉の所です……。」
分厚い扉は、防音の為らしいが……、近づくにつれ、悲鳴が聞こえて来る……。
「ちっ、女か!」
俺は、部屋の外から、睡眠魔術を発動するが……。
「ちっ、レジストされた!琴音、鈴音!」
二人に合図を送り、分厚い扉を開ける。
そこには、意識なく両手を縛られ、天井より吊り下げられた10代後半の少女?傍らには、黒い布で頭を覆い目と口だけを出してる男性が倒れており、そして……。
「王女?」
「何者です、あなた達は!?」
髪を後ろに纏め、真っ白なドレスを身にまとい、白い肌を真っ赤にさせ、性的高揚感に浸って短鞭を振う、第2王女クリシュナの姿があった……。
「にぃ、妄想しない……。」
「私達がしてあげる……。」
「おっ、お前ら……、俺にその趣味は無いっ!」
俺達の事を、食い入るように見ていた、王女が叫ぶ。
「あっ!あなた達!勇者と一緒に来た一般人!」
「おう、覚えていたか……。」
王女をよく見ると、装飾品を数多く装備している……、魔道具、レジストの正体はそれか……。
「なんで、ここに居るんです?あなた達は死んだ筈です……。」
「へぇ~……。知ってるのか……。まあ、そんな事より琴音、鈴音!彼女を頼む……。」
俺は二人に、奴隷の少女の介抱を頼む、彼女の魔力が消えかかっている……。
よく見れば……、体中に傷と内出血の跡があり、爪も全て剥がされている……、顔も女性らしさを感じられない程、腫上がっていた……。
「何をしているのです!あなた達には関係が無いでしょ!それから、離れなさい!」
王女は自分の玩具を、取り上げ様としている、俺達に食って掛かる……。
「い~やっ!関係ある……。人の持ち物を勝手に、玩具にしないでもらいたい。この犯罪者がっ!」
「……私が犯罪者?………………何を言ってるのです、騙されません!その者は侵入者です!黒幕を暴くのに、拷問による取り調べは当たり前です!」
「その割には、お楽しみの様だったがな……。随分、興奮してるんじゃないか……?」
「「にぃ、それはセクハラ……。」」
二人が蔑んだ目で俺を見る……。
俺も言い過ぎた、反省だな……。
だが王女は、そんな事を気にせず、スカートを捲り上げ、自分の下着を確認している……。
「大丈夫です。思ったより濡れていません。セーフです……。」
「「「馬鹿だ………………。」」」
「あなたが、変な事言うから、確認しただけです。馬鹿ではありません!」
「でも、濡れてたんだろ?」
「………………、ちょっとだけ……。」
親指と人差し指で、隙間を作る仕草が可愛らしかったが……。
「はぁ~……。それにしても……いい加減、気付いたらどうだ?」
「何をです?」
「俺達が、こいつらの主人の黒幕だって……。お前の敵……。分かるか?」
「…………………………、それ位、気付いていましたわ……。まんまと誘き出されましたわね!皆の者、であえ~!であえ~!」
いやここ……、防音結界、掛けてるけど……。
「「「………………。」」」
「なっ!なぜ、誰も来ないのです!」
「見棄てられたんじゃないか?」
精神的に揺さぶる事にした……。
「そんな筈はありません!私は勇者召喚の成功者です!」
「次の勇者召喚は100年後だ……。それに、この国に勇者はもう居ないだろ?」
「それでも、魔族との戦争の旗頭です……。それに、まだ長谷川様が居ります!今は、寝たきりですが……、きっと、目を覚まします!」
「あぁ~……それなんだが……。あいつ、借金背負って奴隷落ちしている。金額が金額だから、強力な隷属魔術だ。勇者制約、何かとは比べ物にならない位のな。それに今は罰則が発動しているだけだし、誰かが肩代りすれば、直ぐに動けるぞ……。」
「えっ?借金奴隷?何で?」
「色々あるんだろ?あいつも……。」
「私が肩代りします。幾ら何ですか?誰にお支払いを?」
「えっ!本当助かったよ……。それじゃ、俺に14兆2500億ペロ返してくれ。今からでいいか?」
「………………、はい?」
「だから、14兆2500億ペロだって……。」
「何でそんな額に……。」
「訳合って、エリクサークラスの回復薬を、数百本、駄目にしたって事かな……。」
「それだと納得しますが……、無理です。王国の国家予算2年分です。」
「そうか……。王女が嘘吐きなのは知っていたから、別にいいよ……。」
「嘘なんてついていません!」
「なら、払ってくれると……。」
「払えません!」
「もういいよ……。身体で払ってもらうから……。お前借金奴隷な……。」
「えっ!いっ、嫌です!」
「なら、どうしろと……。」
「諦めて、解放してください!」
「分かった……。」
「分かってくれましたか。」
王女が満面の笑みで、俺を見つめる……。
「優しく対応しても、何ともならないのが分かった……。琴音、鈴音!これからする事に他意は無い。」
王女の顔が絶望に染まり、顔を青白くさせる。
「なっ、何をなさるつもりですか……?」
「お前敵だし……。奴隷にしようと思うが、魔道具でレジストするだろ、だから剥く……。それに奴隷にそんな服は要らないだろ?」
「いやっ~~~~~~!」
王女は、出口に向かって走り出すが……、所詮王女、難なく捕まえることが出来た。
「やめてっ~!」
必死に抵抗する王女……。
仄かに汗と香水の混じった甘酸っぱい香りが、鼻孔を刺激し、背徳的な感情が芽生えそうだ……。
「にぃ、悪魔的な表情になってる……。」
「服、脱がせるの、手馴れてる……。」
「「これはこれで、魅力的……。」」
琴音と鈴音が、今の俺を見て惚けているのが見えるが……。
お前達にはしないからな……、て言うか、逆パターンなら有り得そうで怖い……。
ドレスを脱がせ、王女は下着姿となった……。
下着はそのままでもいいか……、って、それも魔道具か!
分析を掛けながら、脱がせていくが、確か琴音と鈴音と同い年、全くの他人を裸にして行く訳であって、興奮しない訳が無い……。
ああ~、俺、変態だ……。
琴音、鈴音は水魔法と火魔法を互いに使い湯気を生成して行く
「お前達は何してるんだ?」
「「18禁対策……。」」
琴音と鈴音は湯気を生成しながら実況する。
「にぃ、グッジョブ!」
「ショーツを先に脱がせて。」
「ハイソックス残す辺りが、エロい。」
「ロンググローブも残しているのが、ポイント高い。」
「「にぃ、ティアラも最後でお願い。」」
気付いた時には、二人は映像記録装置で撮影を始めていた……。
音声が無いだけ、まだましか……。
そして、意識が回復したキルトの仲間の元暗殺者の女性も、顔を真っ赤にして、俺の行為に見入っていた……。
お前達は、その記録映像をどうするつもりなんだ……。
心の中で、モザイクは入れてね……。
と思いながら、王女を、脱がせ終えた……。
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