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背徳の異世界家族計画  作者: carel
勇者救出計画編
32/95

31.帰還?


 ダンジョンの町ダラス、近郊の森


 勇者がダラスダンジョン突入してから、約1日半、夜が明けようとしていた……。


 よしっ!


 「それじゃ、皆、ダンジョンから脱出したか?点呼!各チームリーダー報告お願いします。」


 「新生徒会チーム4名異常ありません。」


 「元生徒会チーム3名以上ありません。」


 「勇者王チーム2名、長谷川いません。」


 「1年男子チーム5名異常ありません。」


 「1年女子チーム5名異常ありません。」   

 

 「藤堂家3名+ノットくんで以上だな。長谷川は、拘束を解きダンジョンに置いて来た、皆と顔を会せたくないそうだ。」


 「まあ、あんな事した後じゃ……。」


 「勇者王、人の事、言えないだろ?まあ、それはもういい、これからだ!勇者王チームは、元生徒会チームに吸収合併、勇者王のリーダー権限を剥奪、人盾とする。勇者王、皆を守ってやれ。」


 「はっ、はい!」


 「そして、これから山越えをして、キリフトスダンジョンを目指す。ノットくん道案内できるか?」


 「無理です。山越えなんてした事無い……。」


 「ノットくん……。それじゃ、魔獣の囮にしか使えないよ?」


 「囮は嫌です。」


 あれ?敬語になってる……?もしかして……。


 「ダンジョン宿営地で、BBQが待ってるんだが……。そうか、出来ないか……?」


 「善処させていただきます。」


 うん、確定だな……。餌付けされてる……。


 「皆!とりあえず、山に登ろう。そこで、簡易の拠点を作る。出来れば、頂上付近に置きたい……が、皆の体調が優先だ!調子の悪い者が居れば、無理せず言ってくれ!我々、日本人は我慢する傾向にある、周りの者も、気付いたら報告する様に!各リーダーは、特に目を光らせてくれ。」 


 「「「「「「「「「「「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」」」」」」」」」」


 俺とノットくんを先頭に、2列縦隊で、山頂を目指す。戦闘は俺が索敵をこなし、最後尾は琴音と鈴音が、しんがりを務め索敵をする。その前には彩香さんが俺との連絡役としている。   


 1時間ほど、歩いただろうか……。


 『正臣くん、右後方70m、魔獣22!囲むような動きをしてるって。』


 『了解!指揮官いるな!』


 「皆、敵だ!敵は包囲網を敷いてきている。前衛の出来る者で円陣を組む、後衛は中に入りサポート!敵は魔獣、生き物だゴーレムと違い、血と体液が飛び散る。残酷な光景を見る事になるだろう……。だが、躊躇すればそれが自分になる。迷ってる暇はない、心して迎撃せよ!」


 俺達は円陣を、組み迎撃の態勢を取った。ノットくんが陣の前でウロウロしている、自分の立場が分からない様だ……。


 「真勇者神様は、陣の中央で大人しくして下さい!」


 「はい?」


 「冗談だ、ノットくんが一番弱い、黙って陣の中に入っていろ!」


 「すいません……。足引っ張ってしまって。」


 「早くしろっ!……来るぞっ!皆、迎撃!」


 魔獣は、狼……シルバーウルフ2体、他ダーク、レッド、ブルーウルフ20体だ。


 「ダークC、レッドD、ブルーE、そして、シルバ―ウルフは、Bランク相当だ!俺、琴音、鈴音で遊撃に出る!皆は陣の維持をしてくれ!」


 そして、吉田くんに俺が抜けた陣の穴埋めを頼み、遊撃に出た。シルバーウルフが後ろで指揮している筈。


 まずは頭を潰す、生徒達でも出来なくはないが、時間が掛かる。


 俺は、索敵しシルバーウルフの前に出る、もう一体は、琴音と鈴音が対処してくれている。


 武装は六尺棒、目の前で振ると、前足で攻撃してくる。それを躱し、しばらく煽っていると、噛み殺そうと跳びかかって来た。それこそ思うつぼだ……。


 アブレシブジェットで頭から真っ二つにした。琴音と鈴音は2人掛で相手していた為、既に決着しており、他の魔獣駆除に走っていた。


 その後、俺も魔獣を駆除して周り、すぐさま決着がついた。


 「皆さん、怪我はないですか……!」


 山城さんが、被害確認を行っていた。報告によると、ノットくんが魔獣にビビッて、転んで手を切ったくらいだった……。ノットくんに回復魔術を掛ける。


 「ノットくん、これは貸だからな……。」


 「はいっ!ご迷惑おかけします……。」


 「それじゃ、出発するが、皆は大丈夫か!無理するなよ!」


 「「「「「「「「「「「「「「「「「「はいっ!大丈夫です。」」」」」」」」」」」」」」」」」」 

 「あと少しで森を出る。そこから、頂上が見えるぞ!もう一息だ!」


 そして、隊列を組み歩き始める……。


 しばらくして、森を抜ける。


 「ノットくん、初めての山越えはどうだい?」


 「ここまで上がってくる人なんて皆無ですよ……。向こうに見える、山には飛竜とかもいますし、魔獣も多く、余り山に近づきません……。」


 「その情報は有用だな。山から攻めれば、ロストニア王国は直ぐ滅ぶぞ……。」


 「そうかもしれません。そんな事態は想定してませんし……。」


 「まあ、その前に転移魔法陣で、送り込んだ方が速いからな。」


 「転移魔法陣なんて、それこそ想定していませんよ。そんな、古代魔術。」


 そんな、事を話しながら気楽に上って行く。


 森とは違い視界が広がった為、索敵が容易になっており、皆の緊張も和らいでいる。


 そして、頂上に到着した。


 頂上からは、海まで見渡すことが出来、水平線が丸みを帯びているのが分かった。


 「ノットくん、この世界は球状なんだよ。」


 「はっ!またまた御冗談を、そんな筈無いでしょう、地面は平らですよ。」


 「それじゃあ、見てみたまえ。あの水平線を……。」


 そう言って、ノットくんに海を見るように促す。


 「どうだい、水平線が丸くなっているのが分かるだろ……。」 


 「そう見えます……。でも海の向こうには滝があるって……。」


 「誰から聞いたか分からないが、嘘を教えられたんだね。発信元は教国あたりか?」


 「何で知っているんです。王国の教本は、教国で作られています。」


 「あっははは~、教国も良くやるよ。嘘で塗り固められた国だな、まったく……。」


 そんな話をしていると、全員がたどり着いた様だ。


 琴音と鈴音が近づいて来た。


 「「藤堂領よ!私は帰ってきた!」」


 「は~い、二人とも俺達の国が出来る土地だからね。核兵器使って、破壊してはダメだからね!」


 「「は~い!」」


 「それじゃここに、拠点を作るから、土適性持ってる人は集まって!地面掘って部屋作るよ……。」


 俺、琴音、鈴音、彩香さん、他7名が集まった。まずは、俺が手本を見せ、王国で習った魔術を払拭する。


 皆、日本人だけあって、理解力が早い。


 外野で見ていた人達も、王国で習った魔術とは違うやり方に驚き、自分の適性魔術でいろいろと試していた。


 皆で作った為、偉い短時間で拠点があらまし出来。俺が錬金で補強を行ない、扉を取り付ける。8部屋の他に俺のこだわりとして、ヒノキ風呂を2つ作成、水と火の適性持ちに、魔石への付与を教えて、男女別に風呂場に取り付け完成した。


 「さて、皆、拠点も完成した。ここでひとまず休んでくれ、風呂の準備もしている。覗きは奴隷確定だからしない様にな……。振りじゃ無いぞ……。琴音、鈴音、女性陣が入浴中は交代で索敵、安心させてくれ。」


 「ちっ!あの二人が歩哨とは……。」


 「は~い、そこ!勇者王!お前は、契約で居場所が丸分かりだっ!それに、覗き行こうとしただけで、罰則発動するぞ……。」


 勇者王は地面に手を付き絶望に浸っている。


 「そんな~……。それじゃ、俺は何のために生きるんですかっ!」 


 「知らね~よ!借金返済の為だよ!」


 勇者王は放置し、俺達は風呂と食事の二手に分かれ、休息を取る……。


 異世界に来てから、皆、気が張ってたのだろう。


 風呂から上がった顔が、高校生らしい幼さが出ている……。


 「ここには、気兼ねせずに、話せる仲間しかいないからな……。……ノットくんが居たか……。」


 俺は、食堂でカレーを作り、来た人から、カレーを提供していた。料理スキルはもっていないが、この位なら、日本でも作っていた、問題無い。


 「藤堂さんは、料理も出来るんですね?」


 山城さんが、話しかけて来た……。どうやら、最初の食事班らしい……。


 「知ってると思うけど、俺達、日本じゃ3人暮らしだったから、これ位はな……。」


 「藤堂さんは、覚えて無いかも知れないけど、私、中学1年の時、ほぼ毎日、藤堂さんと会っていたんですよ。」


 「はいっ?そうなの……?ごめんっ……。覚えてない……。」


 「まあ、あれで覚えてろって方が、難しいですからね。」


 「どこで、あったんだ?それも毎日って……。」


 「藤堂さん、3年の時、図書委員だったでしょ。毎日、受付カウンターで本を読んでいたのを、覚えていますよ。」


 「あっ!そう言えば、図書カードに良く書かれてあった名前って、山城さんなのか?読む本、読む本に同じ名前があったから気にはなってたんだ。確か眼鏡かけてて、もっと地味な感じだったと思ったが……?でも、随分美人になったもんだな、見違えたよ……。」

 

 「びっ、美人って……。」


 顔を赤くして、右手で顔を扇いでいる。


 「それに頼り甲斐がある。」


 「これは、藤堂さんの影響です……。前に、藤堂さんが同級生に前生徒会長の事、話していたの聞いてた事があるんです。今さらですが、すいません。盗み聞いてました……。今思うと、橘先生の事、話してたんだと思います。その話に出て来た生徒会長がかっこよくて、つい、高校デビューしちゃって、今に至ります……。」


 「わっははは~。憧れちゃったんだね!でも本当に、いい意味で変わったね。美人で格好良くて、冷静で……。彩香さんの若い頃にそっくりだな、惚れちゃいそうだよ!」


 「誰が年寄ですって!」


 後から、彩香さんが近づいていた……。

 

 「何を笑っているかと思えば……。人を年寄り扱いですか!」


 「ちっ、違うよ彩香さん。彩香さんの魅力が完成して来たって事だよ。」


 「そうよね、まだ、22歳だし、姉さん女房だし、正臣くんは私の魅力にメロメロよね?」


 「当たり前ですよ……。それに、山城さんも……。って、あれ?」


 山城さんを見ると俯いて、ぶつぶつ言ってる……。


 「美人……。格好良……。冷静……。惚れるって…………………っ。うふっ!」


 「……正臣くん、……また?」


 やっぱり、そう思いますよね……。


 「俺、彩香さんとイチャラブ!しか、してないいんだけど……。」


 「そうには見えないわよ……。」


 さっきまで、山城さんと、話していた内容を教える。


 「実はですね、山城さんと中学の時の話してて、俺の影響で、彩香さんに憧れて、生徒会長したらしいんですけど……。褒めたらこんな感じに……。」


 「それって、正臣くんの、好みの女性に成りたかったんじゃないの……。って、自分で言ってて恥ずかしくなって来たわ……。」


 「つまり、それって、俺の事が好きだったと……。」


 「多分ね……。」


 「でも、それだと俺が彩香さんの事を、好きだったのも知っていたって事になるんじゃ……。」


 「そうね……。本人に、聞いてみようか。」


 そう言うと、彩香さんは、惚けてる山城さんに声を掛ける。


 「山城さん!あなた!今も正臣くんの事、好き?」 


 「はいっ?なっ、何の事でしゅ……。」


 「う~ん?それじゃ、安奈ちゃんは正臣先輩が好きですか?」


 「でも、橘先生がいるし……。正臣先輩とお似合いだし、正臣先輩が橘先生を好きな理由もわかるし、私では橘先生に勝てませんから……、そっとして置いて貰えると、助かります……。」


 「安奈ちゃん、重婚の事は教えているよね?安奈ちゃんが作るんじゃなくて、入ればいいのよ。丸く収まると思うよ……。」 


 「正臣先輩と結婚……。」


 山城さんがチラッとこっちを見る。


 「既に、正臣くんは私を含めて11人と婚約してるわ。山城さんが、それを受け入れるならって条件は付くけどね。」

 

 「じゅ、11人……。私、12人目……。」


 山城さんは、俯き考える。


 「独り占めは出来ないけど、好きな人と、一緒になれるって考えると、悪くないわよ。正臣くんなら、全員、大切にしてくれるしね!」


 「彩香さん……。琴音と鈴音の影響、受けすぎてないか?」


 「否定しないわ……。私も正臣くんの大奥に、付き合うつもりだしね……。」


 「男性陣からは、不評を買いそうだよ……。」


 顔を上げ、山城さんが話す。


 「わっ、私も、正臣先輩と一緒になりたい!日本では諦めてたけど、異世界だと問題ないんでしょ?私、正臣先輩の事、ずっと好きでした。……ので……、出来れば……、その……、貰って……、いただけたら……と……。」


 「ふぅ~。了解した。これからも、よろしく頼むよ、安奈ちゃん……。」


 「不束者ですが、よろしくお願いします。」


 また1人、俺の嫁が出来た……、大体1日1人のペースで増えている……、最終的に何人になるのか……?


 俺は、食堂を後にし、風呂へ向かった……。


 少し俺も、ゆっくりする事にしよう……。


 風呂に入りながら考える……。


 ああ、ウィルにも会いに行かないとな……。


 勇者全滅って事に、なってるだろうし……。


 王国との、決別も計画練らないと……。


 領地も発展させないとな……。


 米も、早く食べたい……。

 

 アサギとファナも待ってるだろうし……。


 アイシャ、ルー、エミルも琴音と鈴音が狙ってたからな……。


 マリルは店、移転したんだろうか……?


 王女の拉致もあるか……。


 他にも、考えないとな……。 

 

 俺は、湯船に浸かりながら、次なる計画を考えて行った……。






読んで頂き、ありがとうございます。

区切りとして、『勇者救出計画編』終了です。

次回から、第二部、入りますので、

引き続きご愛顧の程、宜しくお願いします。 

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