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背徳の異世界家族計画  作者: carel
勇者救出計画編
31/95

30.BBQ?


 「皆さん、奴隷解放おめでとう。そして、ここまで、お疲れ様。」


 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「お疲れさまです。」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 「私は藤堂正臣とうどうまさおみと言います。初めまして、と言うべきでしょうか。琴音と鈴音の義兄をしています……。」


 軽く頭を下げる。


 「さて、私は先の2人の様に話が出来ないので、要点をまとめて話そうと思います。


 要点は、3つ。


 これからの、皆さんの生活基盤の確保について……。


 この度の、ダンジョン探索における被害について……。


 王国に対する処置について……です。


 皆さんの意見を尊重しますが……、この異世界に、放り出すのも気が引けますので、私の意見に、同調して貰えれば嬉しいです。


 まずは、生活基盤ですが、ここから、南に行った、キリフトス伯爵家と話が付いています。


 さっき、ピエロを演じてくれた、ノットくんの実家にあたります。


 そこで、安定した生活と、美味しい食事を保証します。


 皆さんは、そこで異世界の実情、生活方法を学び、自分自身の鍛錬を行なってもらいたい。


 冒険者になり、お金を稼ぐのも良いとおもいます。」


 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「お~~~。」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 「美味しい食事!」「安定した生活!」「自由に!」「冒険!」


 「まあ、皆さんには自由に生活して貰い、そこで地元民との交流の中から、学んでほしいと言うのもありますからね、ただ、余り箍を外さない様にお願いします。私達は、モラルある日本人なのですから、誇りを失わないでほしい……。」


 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「分かりました。」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 「それでは、そのモラルを失った、勇者王チーム大場くん、長谷川くんに登場して貰いましょう。」


 琴音、鈴音に2人を、皆の前に出すように促す。


 「この2人は自分勝手に行動し、多大な罪を犯しました……。


 まずは、勇者王、大場くん、彼は皆の奴隷解放阻害、準備して置いた転移魔法陣の破壊です。


 そして長谷川くん、彼はもっと酷いです。


 勇者王と共謀し、皆の奴隷解放阻害、転移魔法陣の破壊、近藤丈志こんどうたけし先生、橘彩香たちばなさやかさんの殺害実行です……。」


 「藤堂さん。先生達は、生きてますよ!」


 「そうですね。生きています……。それは、私が間に合ったからで、結果論でしかありません。


 あと数秒、遅かったら死んでいました。


 その時は、このダンジョンも、この王国も、この異世界も滅んでいたでしょうがね……!


 例えば、あなた達が殺されかけ、意識も無くなってたとします。


 そこでギリギリ、息を吹き返したとして、生きていたから良いじゃん、ってなりますか?」


 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「なりません!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 「でもそこは、橘彩香たちばなさやかさんの意向を汲んで、生きて償ってもらう予定です。


 既に、長谷川くんは無職、スキル無、適性無の犯罪奴隷になって貰ってます。


 そうしないと逃げてしまうからです。既に1回逃亡していますし、情状酌量の余地は使い果たしました。


 まずこれは、殺害実行の罰です。その他に、奴隷解放阻害、転移魔法陣破壊があります。


 そしてそれによる、被害総額13兆5000億ペロ、1ペロ1円と考えて下さい。


 それと、皆さんに迷惑をかけた慰謝料2兆500億ペロ、合わせて16兆ペロの損害賠償請求が決まっています。


 大場くん、長谷川くんの割り振りとしては、大場くん1兆7500億ペロ、長谷川くん14兆2500億ペロとなっている。」


 「えっ、俺は、それでいいのか?」


 勇者王は、相当な減額に驚いている……。


 「この2人には、借金返済まで借金奴隷としての契約もしていますので、変に情けを掛けないで下さい。誰かが肩代りしたいのであれば、私まで相談に来て下さい。」


 大場くんはまたしても皆を眺める。全員が目を背ける光景が見える。


 「居ない様なので、賠償額はこれで決定します!この慰謝料から、皆さんのお小遣いと生活費が、割り振られますので、皆さんもこの2人が逃げないように見張っていてください……。」


 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「はい!分かりました!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 「それでは2人に謝罪をして貰いましょう。」


 勇者王大場くんが、前に出る。


 「今回の事で皆に迷惑を掛けてすいませんでした!俺は今まで、何も考えずに生きていた事が分かった。今回の事を教訓に、周りを見て、考えて行動出来る様になりたい……。皆も注意してくれると助かる。皆に償う機会を頂いた事に感謝すると共に、これを謝罪としたい。本当にすいませんでした……。」  

 堂々たる謝罪だ、皆にも言葉が届いただろう……。


 「では次に長谷川……。」


 まだ拘束されたままだ、猿ぐつわを外してやる。


 「おっ、俺は何も悪くない!悪いのは橘だ!皆も騙されるな!全部取られるぞ!……!しj;gb@」rlpsfゆnbr@glえlh。」


 「はい!皆さんの心にも響く、大変感動的な長谷川くんの謝罪でした……。」


 「何、あれ……。」「人殺しが……。」「……また、するんじゃ。」「近寄らない方が……。」「一緒に生活するの……?」


 「あんな奴と?」「いや……。」「大丈夫……。」「藤堂さんがいるし……。」「危険だろ……。」「犯罪者って、同じこと何回もするって……!」


 「私も聞いたことある……!」「テレビでやってたな、それ……。」「幼女殺害とか……。」「日本でもしてたんじゃ……。」


 「隣の町の、あれ……?」「あいつかも……。」「うわ……、まさか?」「そうよ……、絶対!」「犯罪者は何処でも犯罪者か……。」


 どんどん、長谷川の立場が悪くなる……当たり前か。  


 「長谷川、聞こえてるだろ……?お前の評価だ……。俺はお前を殺したい。彩香さんはそれでもお前を助けたい。どうすればいいと思う。」


 「………………。」


 「こういう時、日本人はこうする!」


 「?????」


 「みんな聞いてくれ。多数決を取りたいと思う。長谷川と一緒に住んでも良いと思う者は俺の右側、一緒に生活したくない者は左側に分かれてくれ!」 


 皆がにわかに動き出し、全員が左側に集まった……。


 「多数決の結果、全員の意見が一致した。長谷川は拠点には連れていかない事にする。ただし、借金の返済はして貰う。


 奴隷契約を強化し、毎月の返済が滞った時、徐々に身体が麻痺して行く事とする。


 長谷川!3回の遅れで、全身麻痺だ、俺の魔術は回復薬が効かないから、心して返済しろよ。 


 返済先は、冒険者ギルドにして置く、どこのギルドでも返済可能だ……。」


 後で口座、作っておかないとな……。あっ!口止めもして置かないと、ついでに即射も付けとくか……。賢者タイムでいれば、大人しくなるだろ……。 


 これで、彩香さんの想いも汲む事となる。これで良いだろう……。


 「正臣くん……。」


 「何も言わないで、彩香さん。殺さないだけマシと思ってくれ……。こいつの事は片が付いた……。」


 「そう……。分かったわ。」


 彩香さんの思いが、逆に生き地獄になると思わなかったのだろう……、俺はまだ許せないからな……。  


 それに多数決の結果だからな……、冷たくはあるが、合理的だ……。


 「それじゃ、次の議題に移ります。王国への対応です。先ほど吉田くんが言った宣戦布告ですが、すぐには行ないません。


 まずは、皆の安全、安心が最優先課題です。


 幸いノットくんの実家が、王国から離脱する予定です。」


 ノットは「聞いてないよ~!」と言わんばかりに目を見開いて、俺を見つめる。


 「それに、周りの貴族、ドリエル侯爵、ホーミル子爵、エネランド子爵も、これに賛同してくれてます。これを私達主体で王国南西部に独立国を立ち上げます。


 貴族領を、それぞれ私達の代表で管理し、自由に領地経営して貰おうと思います。


 そして、代表同士の会議で国全体の方針を決めると言った、具合の国が出来ればと考えてます。」


 「なるほど、評議国と言った所ですか……。」


 「生徒会の運営に似ていますね……。」


 「そうです。私達は日本人として、それを知って成長しています。わざわざ、難しい事をする訳でもないので、実行可能だと私は踏んでいます。


 何かあったら報告、連絡、相談です。一人で出来ない事も、みんなの知恵を出せば乗り越えて行けます。


 この世界で、最も信頼できる仲間達が居るのですから……。


 さしあたって、皆の安全、次いで独立国立ち上げ、そして王国滅亡です。


 まあ、この後には、教国、帝国も控えていますがね。


 取りあえずは、こんな感じです……。


 これから、ダンジョンを出て、山を越えて南に、向かってもらいます。その前に、腹ごしらえでもしましょうか?


 幸いこのダンジョンに私達しかいませんからね……。琴音、鈴音、いつものするぞ!」

 

 俺達は、生徒達に肉を食べさせるべく、BBQの準備を始める。


 彩香さんは、俺に付き添い土魔術で土台を作り、俺は錬金でそこいらに転がっている、ミスリルゴーレムを鉄板に変える……。


 琴音、鈴音に女子たちが群がり、一緒に肉を切り始める。


 収納から、調味料を取り出し、土魔術で皿、フォークを作り、セッティングする。


 一通り準備が済んだところで、鉄板下に魔石を入れ火魔術を付与し声を掛ける。


 「これから、奴隷解放のお祝いにBBQを始めます、皆でこの世界を生き抜くため、肉を食べて親睦を深めましょう。」


 周りを見渡し、開始の宣言をする。


 「それでは、BBQを開始します。皆さん大いに楽しんでください!」 


 皆が、一斉に肉を焼く。


 じゅ~、じゅ~うぁ~、じゅ~、じゅ~うぁ~、じゅ~、じゅ~うぁ~、じゅ~、じゅ~うぁ~ 


 「うっ、うめぇ~……。」「これよ!これを求めてたの……。」「城で、こんなの出なかった……。」


 「あっ、ああ~……うっ、うっ……。」「なんだよこれ~……。」「やっ、やばいの、涙が……。」


 「藤堂さ~ん!凄いよ~……。」「もう、だめだ!」「もっと、もっとくれ!」「ちきしょ~!うめ~。」 

 

 なんか人それぞれだが、皆、喜んでくれているようだ。


 ちゃっかり、ノットも混ざっているようで、涙を流して肉を頬張っている。


 まあ、あいつも今回は、笑わせてくれたから良いだろう……。


 そして、長谷川はまだ拘束されたままで、地面を舐めている。


 「長谷川……。美味いか地面は?残念ながら敵に食べさせる食糧は、持っていないんだ……。自業自得だと思って、地面を噛みしめていろ!」

 

 長谷川を放置し、彩香さんと近藤の所へ行く。


 「近藤!彩香さんを、助けてくれてありがとう。」


 俺は、丁寧に頭を下げる  

  

 「……おっ、おう、気にするな。俺が助けたかっただけだ……。」

 

 「いや、それでも感謝している。この恩は必ず返す!さしあたって、第2王女を嫁に差し出そうと思うんだが……。女性の好みとかあるか?」


 「おっ、おまっえ、何を言ってる……。」


 顔を真っ赤に、答える。


 「第2王女は嫌いなのか……?そうすると、誰かいるかな……。う~ん。」

 

 考え込む振りをする。


 「ばっ、馬鹿……。そうじゃない……。」


 「はっ!もしかして男色か?」


 「違うっ!」


 「そうか良かった。もしそうなら、どうしようかと思っていたんだ。それじゃ、誰が良いんだ?」


 「……2…女……。」


 彩香さんの言ってた通り、女性関係には疎い様で、恥ずかしがり、もごもごとはっきりしない口調になっている


 「はっ?何て……。」


 「第2王女が、良いんだよ!」


 「そうか分かった。俺が何とかしてやる。王国への報復の一環だが、近藤が王女を一生守るって事にすればいいだろう……。ほぼ、プロポーズみたいになるしな。俺が悪役、近藤はお姫様を守る勇者で丸く収まる……。」  


 「なんでそうなる。」


 「いや~俺、本気で、王国を憎んでいるからな。近藤はお姫様が殺されて満足か?」


 「おっ、俺は姫さんが殺されるくらいなら、嫁に欲しい……。」  


 「だろ?俺は殺したい……。近藤は守りたい……。それで良いじゃないか。そのままの気持ちを伝えれば……。好きっていうのはいいぞ。幸せな気持ちになれる。」

 

 「そうなのか、幸せか……。」


 なんだろう、この乙女チックな近藤は?


 「拠点戻ったら、俺が姫さんをさらって、本気で責任を追及する。それを近藤、お前が止めろ。……いや、本気で止めて見せろよ!」


 「おっ、おう、受けて立つ!」


 なんだか、やる気が出たようで……。


 「正臣くん。本当乗せるの上手ね……。」


 「今晩は、彩香さんに乗るけどね……。」


 「私が乗っちゃダメなの……?」


 「おっ、お前ら……、人前でよくもまあ……。」


 「そこ、にぃと彩ねぇ!」


 「イチャつかない!」


 「「風紀が乱れる!」」


 「しょうがないだろ、一日千秋の思いだったんだから、それに死んでたかもしれないと思うと、どうしても一緒に居たくて……なっ。」


 「そうなのよ、私も……、死に掛けて子孫繁栄本能が目覚めたと言うか……ねっ。」 


 「分からなくも無い。」


 「でも、人前!」


 「「腕組む位にしなさい!」」


 「「はい……。分かりました……。」」


 琴音と鈴音に、よもや彩香さんと2人で怒られる事になるとは……。


 「「それと、にぃと彩ねぇにお客さん。」」


 「「「お兄さん、橘先生、さっきは有難うございます。」」~。」


 声を掛けて来たのは、百地忍ももちしのぶ斉藤雫さいとうしずく斉藤双葉さいとうふたばの3人だった。


 「「どう致しまして。」」


 「それで~、橘先生に~、これを~返そうと~……。」


 そう、渡してきたのは、彩香さんの婚約指輪だ。


 「もう体の方は大丈夫かい?」


 「ええ~、おかげ様で~全快です~。お肉も~美味しく~頂きました~。」


 「そう、それは良かった。」


 俺は指輪を受け取り、改めて彩香さんの左手薬指に指輪をはめる。


 「きゃ~~~。」「ウフフッ。」「ファ~~。」


 「何か、正臣くんと二度婚約したみたいで、変ね……。」

 

 外野の反応を軽く流し、彩香さんに答える。


 「良いじゃないか。何度でも!一緒になれるんだから。」


 「フフッ……、そうね……。」


 彩香さんは、頬を染め指輪を見つめ直している。


 「それで、斉藤さん姉妹も、用があるんじゃないのか?」


 「えぇ~っと!琴音ちゃんと鈴音ちゃんから聞きました。」


 「この世界は、重婚が主流だと……。」


 「はっ?」


 「「藤堂さん!私達も、貰って下さい!」」


 琴音、鈴音を振り向き見る!


 二人はソッポを向いて、音の出ない口笛を吹いている……。


 ふゅ~~~~。ふゅ~~~~。


 「くっ!お前ら……。」


 「正臣くん……、雫さん、双葉さんの気持ちもあるし、貰ってあげて良いんじゃない?今さら、何人増えようと……。それに、正臣くんなら、何人来ても大事にしてくれるでしょ……。それと……、百地さんも一緒に貰ってあげましょうよ。一度、正臣くんと婚約した事になってるしね。」


 「はい~?どう言う事でしょう~?」


 「この指輪は特殊でね、婚約の制約魔術が施されているの……。王国の奴隷契約と同じで、勝手に婚約する訳ね。命の危機だったとは言え、一度、婚約したのは変わらないわね……。」


 「彩香さん、今そんな事言わなくても……。」


 「今だから、言ってるの。結婚って勢いも大事でしょ。だから私達は時間が、かかったのよ……。八年間も同じ想いでいたのに……。」


 「確かに、そう言われると……。」


 「百地さん。勢いで縁談まとめちゃうけど、どうかな?それとも正臣くんの事、嫌だったかな?」   

 

 「嫌~では、無いです。むしろ私で~良いのかと~?」


 「ほら、正臣くん……。女の子が三人困ってるわよ……。」


 「困らせてるのは、彩香さんだろうに……。ああ、分かった。三人とも婚約する。ただし俺達は、お互いの事を知らなすぎる……。だから、結婚はまだ先と言う事で納得してくれ……。」


 「「「うぁ~、ありがとう。正臣さんっ!」」~」


 「俺の方こそ、よろしくな!……そして、琴音!鈴音!」


 二人の名を叫び振り向く。……そこには2人の姿は無く、10m位先を逃げてく姿があった……。俺はその場に彩香さん達を置いて、2人を追いかけた。



 「仲良いですね……。」


 「羨ましいです~……。」


 「そうですね……。」


 「あなた達、正臣くんの婚約者になったでしょ。覚えておくと良いわ、あの3人の関係は特別よ……。私も羨ましいと思う事があったけど……。あそこには私でも入れないから……。」


 「何かあったんですか?」


 「あの3人の境遇は知ってる?」


 「はいっ。ある程度は……。」


 「そう、それじゃ、少し説明しようか……。


 正臣くん達は、5年前に両親を亡くしてるの。


 当時の年齢が、正臣くんで15歳、琴音ちゃんと鈴音ちゃんが10歳よ……。


 私も何か手伝える事があればと、正臣くんの家に、行く事があったけど、何も出来なかったわね……。


 誰一人、泣き言なんて言わずに、3人で支え合って生きていたんだから。


 3人とも、2人の為に何かするって意思が、伝わって来て、あの時は悔しかったな~。


 ……だって、言葉を交わさなくても、意思の疎通が出来ているんだからね。


 だから私は思ったの、3人で1人なんだって……。


 私が教育実習で学校にきて、琴音ちゃんと鈴音ちゃんが残念姉妹だって、聞こえて来た時は思わず、笑っちゃったわ……。


 足りないのが、正臣くんだって直ぐに分かったから……。


 でっ、それが分かっちゃうと面白いのよ、私達、正臣くんの婚約者でしょ、だけど何故だか、琴音ちゃんと鈴音ちゃんの婚約者の様な気もするのよ……。


 不思議なのよね~。それに意外とその方が、しっくりくるのよ……。」


 「橘先生~、そのけがあるの~?」


 「無いわよ、百地さん!私は15年間、正臣くん一筋よ!」


 「でも、なんか分かる気がする。私達も、そう言う所あるからね。」 


 「そうだね、お姉ちゃん。」


 「あっ!琴音ちゃんと鈴音ちゃん、捕まったみたいね。」


 「あっはははは~!アイアンクローされてる!」


 「「うぁ~、痛そ~。」」


 「あれが何時ものやり取りよ。見た事無いでしょ?」


 「「「初めて見たかも。」」~」


 「これから、しょっちゅう見る事になるわ。楽しい家になりそうでしょ。」


 そんなこんなで、正臣くん達が戻って来た。



 「何話してたんだ、楽しそうだったが……。」


 「正臣くん達が、楽しそうだって話してたのよ。」


 「そうか?いつもの事だが……。」


 「それが楽しそうなのよ。」


 「彩香さんもアイアンクローされたいのか?そう言う趣味なのか……。ちょっと、引きそうになってるぞ……。」


 「ちっ、違うわよ。私はノーマルよ!正臣くんが扉を開かない限りは……ねっ!」


 「その言い方はズルいぞ。一瞬、開こうかと思った……。」


 「そっ、それは、二人で色々……、試して……その……ね……。」


 「「だから!にぃ、彩ねぇ!」」


 「世界を作らない!」


 「みんなの前っ!」


 「「ごめんなさい。」」


 またしても、琴音と鈴音に怒られてしまった……。


 一通り、BBQも終わり、皆が歓談をしている。


 俺は、壇上に上がり、BBQを締める事にする。


 「宴もたけなわではございますが、そろそろお開きとさせて頂きます。二次会は、拠点にて行う事としましょう。このBBQで、この世界で生き抜くために、皆との親睦、絆が深まったと思います。そしてこれからの明るい未来の為に一本締めで締めたいと思います。皆様お手を拝借……。」


 「いよ~お!」


 パン!


 「ありがとうございました!」


 「それでは、後片付けが終わったら、転移魔法陣を作り、地上へ行って貰います。ダラス近郊の森に出ますので、皆が出るまで待機して下さい。」


 そして、俺、琴音、鈴音の3人で、鉄板と食器を手分けして、収納に入れる。あっという間に片付き、今度は転移魔法陣を作る、今回は設置タイプでなく、足跡を消すために持ち運びタイプにした……。


 そして、魔法陣を発動後、最初に琴音と鈴音で斥候に出て貰い安全を確認、次いで山城さん、吉田くんを筆頭にドンドン外に出てもらう。


 もちろんノットくんもだ、大切なピエロを置いて行くわけにはいかない。


 最後に、長谷川の拘束を解き、俺が出て魔法陣を解いた。


 長谷川のみ、ダラスダンジョン10階層に、置き去りとなる……。


 そろそろ、ゴーレム達も復活する頃だ……運が良ければ、外に出られるだろう、出た所で借金返済が待っているが、何もしなければ三日で全身麻痺になる。


 まあ、そう言う契約を、奴が望んだのだから仕方ない……ああ、仕方ない、チャンスを全て捨てたのだからな……。



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