20.ジスト支部?
6人で風呂に入った、翌日。
俺は、頭を抱えていた。
……。
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不可抗力だから仕方ないとして、毎日、相手にするのも困る……。そして、彩香さんへの報告………………どうしよう……。
「「まっさおみさ~ん。」」
琴音と鈴音が起きたらしく、裸で抱き付いてくる……。
「ああ……。おはよ~……。」
「何を朝から。」
「不景気な顔。」
「私達が、上手くなかったから?」
「私達じゃ、不満?」
不安そうな顔で、見つめて来る。
「そんな事ある訳ないだろっ!俺が自慢できるのは、お前たち二人だけなんだから……。ただ、妹って意識がまだ抜けなくて、背徳感があるんだ……。」
「ビバ!妹。」
「萌える展開!」
「「呼び方も戻す?」」
「にぃ……。」
「しよ……。」
二人が朝から、にじり寄ってくる。
「回数こなせば。」
「心も麻痺する。」
「今、一瞬妹属性付くとこだったわっ!お前らの素は肉食女子だなっ!」
「違う、にぃ、だからっ!」
「見境はある。目標は、にぃ!」
「にぃ、臨戦態勢!」
「私達は、冒険者!」
「にぃの子種、採取する!」
「クエスト開始!」
クレア達は、ベット脇で俺達の全裸組手が始まっているのに、一向に起きない。
よっぽど疲れたのだろう。
それにしても、襲い掛かってくる二人の後ろには『ヒャッハー!』って効果音が見える……。
「これは、男の生理現象~だっ!」
二人を躱しながら、叫ぶ。
「「望むところっ!」」
このまま、流されても良いが……。調子に乗られるのも、どうかと思う……。
「お前達の、望みを叶えてやりたいが……。俺達の安寧が優先だ。それまでは、節制してくれ、未来の子供達の為に……。」
「「未来の子供の……為……。」」
「「私達の子供……。」」
「「了解、抑える。」」
これで、朝の一幕は終わりを告げるだろう。
「それじゃ、鍛錬に行くか……。クレア達も行くかな?」
クレア達にも強くなって貰わないと……。
その後、クレア達を叩き起こし、鍛錬に連れていく。クレア達は、昨夜、激しすぎたらしく、重い動きで鍛錬に励むが 筋トレで脱落した。
最後の、瞑想を一緒に行い、風呂、朝食と済ませた。
朝食後の歓談。
「そういや、ジストの冒険者ギルド、行ってなっかったな。」
「薬草、収納に入ってる。」
「顔だけ、出す?」
「そうするか……。クレア達は、冒険者になる気あるか?」
「私達は、騎士一辺倒だった者ですから、考えたことも無いですよ。」
「冒険者になって、身分を誤魔化すのも良いですね。」
「正臣さんが、望むならそうします。」
「そうか、藤堂家って権力は、表に出したくないからな、冒険者に登録して貰えるか?国家間の検問も通れるようになる……。」
「「「了解しました。」」」
「それじゃ、これからギルドに行くとするか。」
今日初めてゆっくりジストの町を見た気がする……。冒険者ギルドは、町の入り口の一番近くにあった。
「ライトは屋敷の牢に、入れっぱなしだから大丈夫だと思うが、皆テンプレに気を付けろ……。面倒くさい……。」
「「「「「了解!」」」」」
俺達は受付に行き、ギルドカードを提出後、薬草採取をしたと報告。
「へぇ~。あんたがトウド―さんかい?王都ギルドから報告受けてるよ。期待の新人、食を追求するために冒険者になった変わり者だってね。薬草採取
専門っても聞いてるよ。」
「そうですか。噂になってるんですね……。」
「噂にもなるさ。ここの領主の弟が帰って来て、風潮して歩いてたしね。卑怯者の罠にかかったってね。」
「あいつがね……。まあ、気にしてませんがね。」
「以外と、度量の大きい男だね。あたしは、メリエルよろしくな!」
「ああ、よろしく。」
「で、報告が来てから、こっちに来るまで時間が空いてるようだが、なんか有ったかい?」
「それは、食材探しと野営の訓練しながら、こっちに来たら、思ったより時間喰っちゃったんですよ……。それで、途中彼女たちと会って、パーティー組む
事にしたんだけど。彼女たち冒険者じゃないんで、登録に来たんだ。」
そしてクレア達を紹介し、登録して貰う。
「クエストは、受けないのかい?」
「薬草採取してくるよ。」
そう言い、出て行こうとする俺達に、声を掛ける奴が居た……。
「今聞こえたんだが、あんたがトウド―か?ライト様を嵌めた卑怯者は……。ライト様も甘いな、何をこんな奴にやられてんだ?」
またテンプレらしい……。注意した俺が絡まれるなんて……。190cm位の大男と取り巻きの男が5人いる。
「それで……。」
「見て分かんないのか?そっちの女どもを、置いて行けって言ってんだ。」
「なんで……。」
「良い事する為に、決まってるだろっ。」
げへへへっ!と、取り巻きの奴らが下品な笑い声をあげている。
「覚悟はあるか?」
「何言ってんだ。やるのに何の覚悟がいるんだ?」
「まあいい、ちょっと裏通りでお話ししようか。ここだとギルドに迷惑が掛かる。」
「いいぜ。」
「ちょっと、トウド―さん大丈夫かい?」
「大丈夫だよ。死体は森にでも、捨てて来る。」
メリエルが、後ろでギャーギャー騒いでいたが、無視して男達と、裏通りに行く。後ろには、琴音、鈴音、クレア達が着いてきてる。
「ところでお前は誰だ?」
「俺を知らんのか、C級冒険者カシムだ!」
「お前はどっちが良い。ライトと同じになるか、魔獣の餌。」
「それはお前の選択肢だろっ!」
いきなり、切りかかってくる。軽く躱し、琴音と鈴音が行動しようとしたのを、手で制した。
ここは、俺一人に任せてほしい。
大男に続いて、取り巻き達も剣を抜いた。
「本当に死にたいんだな……。ふぅ~。」
俺は解体用のミスリルナイフを抜き、ため息をついた。
右手にミスリルナイフを持ち、無防備に歩き出す。案の定、上段から振り下してくる。相手は鎧を着込んでいたが、剣を躱し、脇の下の隙間から、動脈部を狙いミスリルナイフを刺してやる。脇の下から血が垂れ出す。
「お前、こんな傷で怯むと思ったのか?俺達は冒険者だぞ!」
傷口だけを見ると、5cm位の傷なのだが、出血の量から見ると、確実に動脈を切っている。
他の男達も出血を見て興奮しだした。次々と剣を振って来る……が、躱しては、脇の下にミスリルナイフを刺していく。全員に刺し終った頃には、最初に刺した、カシムの顔色が変わっていた。呼吸も荒くなっており、後数分の命だと言うのが分かる。そりゃ、あれだけ出血してるのに、激しく動くんだから死期が近づくのは当たり前である。
「おい、カシム、家族はいるか?遺言聞いてやってもいいぞ。曲解して伝えてやる。」
「こんな傷で死ぬはず無いだろ……、あっ、あれ、目が霞む。」
「だから……。持って、後2、3分位だって。それと追加情報、回復薬使っても、手遅れかな。」
「いっ、嫌だっ、死にたくないっ!」
「死ぬの確定だから、遺言聞いてやるって、言ってるんだが。」
「たっ、助けて、何でもする。」
「お前に何かされても困るしな……。琴音、鈴音なんかして欲しい事あるか?」
「「特にない。」」
「クレア達は?」
「無いですけど……。」
「正臣さん……。」
「露骨すぎますよ。」
「そうか?でもほら町のゴミ掃除だと思えばねっ。」
そんな会話をしていると、後ろから叫んでくる人が居る。
「トウド―さん、大丈夫かい!んっ?ちょっと、カシム達、死にそうじゃない。」
「後1分位かな……?」
「なんで平然としてるんだよっ!」
「えっ、だっていきなり斬りつけられたしね~……。それに、6対1じゃね~……。今、やっと交渉の席に着いたんだけど、メリエルが交渉中断したからね~。責任とって片付けてよ。」
「えっ、なんで私が!」
「だって、カシムの交渉を、中断させたのメリエルでしょ?」
「それじゃいいや。見なかった事にするから、何とかしてくれ……。」
「それは、助けろって事ですか?」
「そう言う事だ……。」
「いいですよ。後で請求しますね。」
「いくらっ……………。」
メリエルが請求額を聞こうとしたのを、無視し回復魔術を掛ける……。血管を繋げるイメージで行う、傷だけならそんなに大きくないので、直ぐに血が止まった。それを6人に施した。
「回復魔術代として、1人金貨……そうだな?100枚でいいか。」
「そんな……出せる訳ないだろ。」
「教会だといくらなんだ。エクストラヒール?」
「えっ、エクストラヒール?って、お前っ。」
「知っていますよね、エクストラヒールですよ。あの状態からの回復だと、通常のヒールでは持って10分でしたのでね。」
「白金貨5枚だ……。」
「それじゃ、その値段で6人分お願いします。ギルドから借りれるでしょ。」
「値段吊り上がったじゃねえかっ!それに、この街のギルドが潰れちまうっ!」
「俺としては、そんなに困んないな……。盗賊斡旋ギルドなんて、無い方良いだろ。一旦、解体するか……。」
「にぃ、容赦ない。」
「にぃ、面白そう。」
「よしっ!解体しよう!メリエル、ギルド長に会わせてくれ。」
「そんな簡単に決めるなっ!あたしの日常がっ~。」
発狂しているメリエルと、まともに歩けないでいる6人を連れ、ギルドに戻った。ギルドに入ると何事かと、ギルド内は騒然となった。
「責任者を呼んでくれ。」
メリエルの上司になる、受付のまとめ役である、30歳くらいの女性が出て来た……。
「メリエル、何かあったのかい?」
「いえっ、あの~っ……。」
口を紡いでしまった、メリエルの横から口を出す。
「多分、あなただと話にならないと思いますが……。説明聞きますか?」
「メリエルの上司としての、責任がありますから、お願いします。」
「責任ね……。良かったな、メリエル、責任肩代わりして貰えるぞ。」
「んっ、つまりどう言う事でしょう?」
「あなたに、借金が付いたって事です。責任ありますからね。」
笑顔でそう答える。
「なっ!」
「メリエル、8人で白金貨30枚だと、払えるんじゃないか?」
「無理に決まってるでしょ!」
「メリエルっ!いったい何したの!」
「あたしがしたんじゃない……。そいつらよ元凶は……。」
「カシムじゃないの……。偉く調子悪そうだけど……。」
「そして、彼はトウド―さん。ライトの話、聞いたことない?」
「あっ!」
「そう言う事……。このギルドもお終いか……。」
「何言ってるんだ、ギルドは存続させるぞ、そうしないと、金が入ってこないだろ。ただでさえギルドにも、迷惑料が発生してるんだしな。」
「まだお金取るの!」
「正規の料金、教えてくれたのは、メリエルだろ。ライトと同じ事されたんだし、同じ金額の慰謝料が発生するのも、道理だと思うが……。」
「そうなんだけど……。」
「メリエル、私達じゃ対処できないわ……。ギルド長に相談に行きましょう。」
「俺達も連れていけ、そしてカシム達もな……。何ならカシム達の首、落としてギルドからの報奨金でもいいが……。」
「そうすると、回復魔術代はチャラ?」
「そんな筈ないだろ。もう使ってるんだから、メリエルの頼みで……。」
「そっ、そうだよな……。」
そして、冒険者ギルド、ジスト支部ギルド長室に向かったが、関係者が14人もいた為、入り切れず会議室に向かった。
俺達が先に入り、待ってると口髭をたくわえた男が入ってくる。こいつがジスト支部のギルド長なのだろう。
「さてトウド―さん、どう言った御用ですか?」
メリエル達から話を聞いたであろう、ギルド長が何も知らない、といった装いで話しかけて来る。
「あなたは、誰です?」
「私は元S級冒険者で、現在、冒険者ギルド、ジスト支部を任されているギルド長のゲシュタルです。」
「初めまして、E級冒険者の藤堂正臣です。話は既にご存じのはずでは?」
「いいえ、聞いておりません。」
「それじゃ、用件だけ伝えます。3億500万ペロ、支払って頂きたい。」
「理由はっ!」
「メリエルに聞くと良い。冒険者ギルドの、信用問題だからな。」
いい加減、面倒くさい……。
「信用ですか……。」
「そうですね、冒険者に対しての信用と、顧客に対しての信用が、掛かってますね。ここで支払わなければ、冒険者の誰も仕事しなくなりますよ。そうすると顧客はどう思いますかね……。」
「脅しですか。」
「そう受け取られるのは勝手ですが、既に負債が発生していますよ。まず金を払ってから、あなた方で考えたらどうですか?資金の調達は、あなた方の仕事でしょ……。」
「トウド―さん達も冒険者ですよね。ギルドが運営、出来なくなっても良いんですか?」
「今の所、困りませんね。むしろ、来るたびに盗賊から、絡まれるのも嫌ですし、潰れても良いと思ってます。冒険者の自由を優遇するのは構いませんが、盗賊行為を斡旋するのは、冒険者ギルドとしての怠慢ですよ。分かってるんですか?ギルド長である、あなたの責任だと言ってるんです。」
「…………勘弁してください。ギルドの運営が、止まったら困る人もいるんです。」
「ギルドから、迷惑を掛けられる人もいます。」
「なら、どうしろと……。」
「金払えって、言ってるんだが?」
「だから、そんな金無いって言ってる。」
「借りたら良い。」
「そんな大金、すぐ出せる所なんてあるか!」
「領主にでも、頼んだらいいだろ。」
「ギルドの運営に、政治は持ち込ません!」
「それじゃ、有り金全部出せ、足りない分はギルド責任者から、率先して奴隷になって貰おう。」
「奴隷って、飛躍しすぎだろ……。本気か……?」
「ああ、金無いんだろ。借りるのも嫌なら、奴隷になって貰う他、無いからな。元ギルド長だと高く売れるのか?」
「「こんなおっさん、誰も買わない。」」
「それじゃ、二束三文で鉱山にでも行って貰うか。丁度、領主の所に奴隷商が来てると情報にあるからな。」
「ちょっと待って下さい。領主と交渉してきますので……。」
元S級冒険者と言えど、借金を背負わされれば、こんなものである……。知名度とかある分、その地位にしがみつくのに必死なようだ。
ゲシュタルはそう言い残し、領主屋敷に向かった……。
後はラウルに言って、口裏合わせればいいだろう。
これで、陰ながらギルドの運営に、口が出せる様になる、冒険者のモラルに付いて容赦なく切り込んで行く事にしよう……。
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