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背徳の異世界家族計画  作者: carel
勇者救出計画編
17/95

16.ミノタウロス?


 俺達は、ダンジョンへ向かってた、そう牛肉の為に……。


 彩香さんには、ジェミニズリングでキリフトス家制圧済みと連絡。時間があれば、ファナとアサギにも、連絡して貰えるようお願いした。


 ファナとアサギも、食の為なら時間を惜しまないだろう。なにせ、俺達に餌付けされているのだから……。


 今日で異世界5日目だが、勇者達がダンジョン攻略に赴くのが、10日目の予定だ。


 キリフトス家攻略を前倒ししたお蔭で、時間に余裕が出来た。王都へは、前日に入ればいいだろう。それまで、ダンジョンに籠って、牛狩りだっ~! 

 

 気合を入れ直し、そんな事をしながら、ダンジョンがある場所へ、走っている。


 この世界に来てから、走ってばかりだが、魔素が濃いせいか不思議と疲れを感じない。


 キリフトス家、もとい藤堂家より約1時間走ると、騎士団が駐在しているのが見えた。きっと、あそこなのだろう……。全滅させても良いのだが、時間を掛けるのが勿体無い、光学迷彩を発動させ、ダンジョン入り口まで真っ直ぐ向かう。


 入り口には、扉が付けられていて、鍵が閉められていた。


 「どう言う事だ?」


 「殲滅確定。」

 

 「食べ物の恨み。」


 扉の近くにいた5人の騎士を、隠れて奴隷化した。その後、姿を現し、質問する。


 「おい、お前ら、なんで鍵が閉められているっ!」


 「だっ、誰だっ!」


 「質問してるのは、こっちだ。主人に向かって、その口の聞き方はなんだ。さっさと話せ。」


 少し、ぼぅ~っとした後、話し出す。


 「上層にミノタウロスが出現してきた為、氾濫の兆しがあると判断し、封印しました。」


 「判断したのは誰だ?鍵を持ってる者はいるか?」


 「判断したのは、駐屯騎士団の団長です。団長が鍵を持っています。」


 「何処にいる?」


 「あちらに見える、宿舎にいます。」

 

 「そうか……。琴音、鈴音、制圧開始だっ!」


 そう言い、キリフトス家同様、100人ほどの騎士団の奴隷化を始める。


 俺達を認識できない騎士たちを、瞬く間に支配下に置き、団長らしき人物からダンジョンの鍵を開けて貰う。


 「お前達は、すでに藤堂家の、奴隷になった。王国への忠誠は捨てて、藤堂家に仕えるように……。これから、俺達はダンジョンへ潜り、魔獣を掃討してくる。その間、王国にばれないよう偽装してろ。何かあったら元キリフトス家へ行くように、藤堂家の家臣団がいる判断を仰げ。」


 こんなものか……。


 「琴音、鈴音、今度こそ行くぞ。」


 少し手間取ったが、無事ダンジョンへ潜ることが出来た。


 「さて、どこから探す、魔石集めもあるから、1階層から隈なく殲滅していくか?」


 「氾濫してる。」


 「気配多数。」


 「そうか、それなら殲滅して行こう。武装は解禁で!道幅が限られてるから、囲まれる事は無いだろう、結界で突っ込んでみるか。」


 「それだと、ミンチになる。」


 「ハンバーグは、後でいい。」


 「1階層だと、ミノタウロス居ないんじゃないか?ゴブリンやコボルトなんて食べる気無いぞ。」


 「それもそう……。」


 「ミノさんのみ、回収。」

 

 「了解した。それじゃ、始めよう殲滅戦だ。」


 1階層は、それほど広くなく、曲がりくねった洞窟と言った感じで、所々に部屋の様な所が存在し、その中に魔獣10数体が巣くっていた。


 ゴブリンとの初邂逅である。


 琴音、鈴音は目をキラキラさせて、ゴブリンに喧嘩キックを炸裂させている。ああ、これはプロレス技で殲滅パターンだと思い、俺は傍観する事にした。


 琴音が、ドロップキックすれば、鈴音がフロントスープレックス、ああ、ジャイアントスイングでゴブリンに切り込んでいるよ~。片膝のゴブリンにはシャイニング・ウィザードだし。楽しそうだな……。


 あっ、ツ―プラトン攻撃始めた……琴音っ投げた……鈴音のフランケンシュタイナー決まった~。……顎に一撃入れて、フラフラのゴブリン立たせ……左手のサポーター直したっ……走った……クロ~スボンバ~……からの、テキサスロングホーン「「ウィ~。」」


 一通り遊んだみたいで、立っているゴブリンはもういない。


 魔石の回収だけ行ない、死体は放置した。魔石は魔獣の心臓付近に埋め込まれているらしく、魔力察知で、場所を把握できると母さんに聞いていた。


 ダンジョンで放置した死体は、いつの間にか消えるそうで、ダンジョンが死体を取り込むらしい。もちろん、人の死体もだ。

  

 「そう言えば、ダンジョン潜ってると、時間の感覚、無くなりそうだな。」


 「収納に時計無い?」


 「私の、お腹は正確。」


 「腹時計は信用できん。収納探すよ……。」


 収納を探してみると、さすが母さん。用意周到だ、腕時計が出て来た。……が、何か怪しい。


 『鑑定』



 腕時計型麻酔銃


 説明:オリハルコン製の腕時計なのだが、実は麻酔銃にもなる。見掛けは子供な探偵も使ってる。

     ドラゴン、ベヒモス、ケルベロスも一撃……。蝶ネクタイも同時発売!    


 付与:音速射出


 ああっ、麻酔針が音速で刺さったら死ぬよ、普通……。


 「「正臣さん、どうした?」」


 「時計、と言う名の殺人兵器、見つけたよ……。時計としても使える様だから。」


 「やはり、母さん。」


 「ネタ、仕込む。」 


 「収納の中身は、危険だから、鑑定してから使うように……。」


 「「は~い。」」


 元気に返事をする二人、ちょっとかわいい。


 時間の把握が出来るようになったので、ダンジョン探索を開始する。


 1階層には、ゴブリンだけしか居らず、殲滅後、2階層へ向かった。




 2階層もゴブリン、3階層もゴブリン、4階層もゴブリン、いい加減、ゴブリンばかりで飽きて来た。すでに300近いゴブリンを狩っている。ダンジョン内装も、あまり変わり映えせずに、洞窟って雰囲気が続いている。


 4階層を降り、5階層へ行くと雰囲気が変わった、壁が青白く光っていたのだ。ヒカリゴケの一種みたいで、十分な光量が確保されていた。だが出て来た魔獣は、またしてもゴブリン、6尺棒を横薙ぎに一閃、6匹のゴブリンが灰燼に帰す。魔石を回収する。またこれの繰り返しである。


 「そろそろ、違う魔獣出ても良いよな……。」


 「そう、牛肉。」


 「ミノさん。」


 そんな愚痴を呟きながら、奥へと進むと一際大きな部屋に出た。


 「おっ、パターンで言えば、階層主か?」


 「でも、低階層。」


 「多分ゴブリン何とか。」


 と言いつつ、部屋の中心に進む。奥から出て来たのは、ゴブリンナイト、ゴブリンマジシャン、ゴブリンクレリック、ゴブリンソルジャー、ゴブリンアーチャー、ゴブリンリーダーの6体だった。


 「どこのパーティーなんだよ……。なんか意図的なもの、感じるんだが。これダンジョンマスターいるな。」


 「インコム使う。」


 「即、掃討する。」


 琴音が手裏剣に風魔術を乗せ、ゴブリンパーティーを切り刻んでいく。多分、最短記録であろう、向かって来た所で、細切れになっていた。

 

 魔石は、ノーマルゴブリンより、気持ち大きいだけだった。階層主?を倒しさっさと進んで行く、ミノタウロスとの出会いを求めて……。


 6階層、何故か石畳に煉瓦の内壁、所々、燭台が掛けられ光が灯っている。


 「随分、趣が変わったようだな……。」


 「悪魔城シリーズ。」


 「ミノさん、期待できる。」


 気配察知を発動させると、ゴブリンとは違う魔獣の気配がする。この階層はそれなりに広い様で、魔獣の気配が拡散している。


 「それじゃ、近くの魔獣からサーチ&デストロイでっ。」


 「逃げる奴は、魔獣。」


 「逃げない奴は、訓練された魔獣?」

   

 「訓練はされて無いだろうし、使う相手が違うだろ……。」


 なんか小さい頃、セミの抜け殻探しに、こんな事してたと思い出していた……。


 親父達の事、言えないな……。


 俺達も遊びで、ダンジョン攻略だからな。


 6階層では、ミノタウロスを1体発見する事が出来た。他はコボルトだけだったが、広いだけあって数もそこそこいた為、魔石の回収は効率的だった。


 ミノタウロスは鈴音のアブレシブジェットで、首チョンパされ一瞬で片が付いた。


 「正臣さん、マツザカ違う。」


 「水牛種。」


 「美味しいんだろうか……。黒毛和牛欲しいな……。」


 「ビフテキ。」


 「ローストビーフ。」


 「まあ、時間も時間だし、6階層掃討後、場所作って休憩しよう。」


 そして、6階層の魔獣掃討も粗方終わり、下りの階段手前の部屋に陣取り、土魔術で3畳くらいの小部屋作った。中には水魔術、火魔術で風呂を張り、交代で使う事にする。

 

 外では、竈を作り、串に肉を差し、料理の準備を始める。


 最初に俺、次に琴音、鈴音の順に風呂に入り、さっぱりした所で食事になる。


 周りに誰もいない為、収納の調味料を使うことが出来る。


 料理は、スキル持ちの琴音と鈴音に任せ、俺はマップ作成を行う。


 何故か収納に入ってる、アナログな製図道具、製図机は下から、光るようにもなっている。確かに、マップ作製以外の使い道もあるが、母さんにしては大人しい。後で聞いてみよう……。


 簡単なマップを作った所で、食事の準備が終わったようだ。


 「どれ、食事にしようか。」


 「正臣さん、久々の牛。」


 「塩コショウ。」


 久しぶりの牛肉?に舌鼓を打つ。


 「これはこれで、美味しいな。」


 「料理したのが、私達。」


 「素材もそれほど、悪くなかった。」


 「こうなると、米も欲しくなる。勇者達も米は食べたいだろうから。捜索隊でも選抜するか?最優先事項で……。」


 「大豆も必須。」


 「後は、糖類。」


 異世界に来て、こんなにもゆっくり出来たのは、初めてかもしれない。思えば、働き過ぎてる気もする。この3日間は、何も考えずに牛追い祭りに勤しむとしよう……。気分は、カブトムシ捕りかな。ついでにダンジョン攻略てな感じで……。


 小部屋の風呂を撤去し、壁には結界を付与した魔石を、埋め込み発動させている。時間的には21時を回ったぐらいなので、3人で横になる事にした。


 明日は、7階層からの探索になる。大量の牛肉確保に向け、英気を養う事にした。



 只今、午前4時……。


 今日は早めの起床、ダンジョン内で3時間以上も、睡眠取る人なんていないだろうが、それはそれ、俺達のペースで攻略する。


 琴音、鈴音を起こし、水魔術で顔を洗う……。そういや、光魔術に浄化とかあると聞いていたので、使ってみる事にした。全身スキャンする様に、光の膜が通り過ぎて、気持ち体が軽くなった気がした。


 うんっ、これは楽かも知れない、ダンジョン探索には欠かせない魔術だ。


 琴音と鈴音にも浄化を教え、出発準備を完了する。


 気配察知を発動するまでも無く、さっきから、ガツガツと音が聞こえて来てる。


 結界に阻まれて、小部屋に入って来れないでいた魔獣共が、結界に攻撃を仕掛けている。23時過ぎた頃から聞こえていたが、部屋に防音結界を張った為、今の時間までゆっくりしていた。


 気配察知を発動すると、やはり部屋の外は魔獣でびっしりの様だ。おおっ、ミノさんが5体もいる。これはあれだ、夜中にカブトムシの罠を仕掛けて、朝方取りに来た感覚に似ている。


 早速、結界を解除、タイミングを合わせ、琴音と鈴音がアブレシブジェットで横薙ぎにする。大部屋の魔獣共を一掃したが、まだ通路から、続々侵入してくる。


 俺達は、魔獣殲滅、肉、魔石回収、死体処分をローテーションしながら、気配察知で魔獣がいなくなるまで、その場で作業を続けた。


 死体の片付けが面倒で、ミノさんは収納行きなんだがコボルトは要らない。最初は小部屋をバラシ、そこに山にして行ってたが、壁一面がコボルトの死体で埋め尽くされてしまったので、殲滅者が通路で戦い、後ろで、魔石回収、部屋に死体を投げ込む言った作業になった。200体位で掃討が完了した。


 「ふぅ~。この魔獣どこから来たんだ?」


 「沸いた?」


 「7階層?」 


 「う~ん、考えても仕方ないか。とりあえず、7階層へ向かおう。」


 収納から、昨日の残りの串焼肉を出し、朝食をとりながら、7階層への階段を下りて行った。

 

 今日は、朝から、ミノさん5体確保し機嫌がいい。相変わらずの水牛種なのだが、このまま狩って行けば、黒毛和牛に当たるかもしれないと、改めて気合を入れ直した。


 7階層は6階層と変わらない景観だったが、気配察知に引っかかる魔獣に、ミノさんが多く、テンションも上がっていた。


 「琴音、鈴音狩場だ。」


 「「了解、総取りする。」」


 琴音、鈴音も気合を入れ直したらしく、移動速度が速くなってる。


 7階層には、35体のミノさんと、20体のコボルトが居た。すべて殲滅し、8階層へ向かう。


 8階層はミノさんとコボルトの上位種が居た、コボルト上位種はゴブリンパーティーと同じく、コボルト何とか、となっていて、特殊攻撃が増えたくらいだった。難なく殲滅でき、今までと同じペースで、ダンジョン攻略が進んでいく。唯一時間を取られたのが、ミノさんの回収だろう。まだ、オークキングレベルには出会っていない。


 8階層攻略も終わり、9階層へ向かう。


 「正臣さん、ミノさん1色です。」


 「来ました。第1回牛追い祭り。」


 「よっしゃ~。狩りまくれっ!手分けするぞっ!」


 9階層で、やっと来た。


 手分けして食糧確保に専念する。ミノさんに後れを取る事は、万に一つも存在しない。


 3人とも、この階層で、捕食者の職業を出すつもりでいる。


 ・

 1時間経ったところで、階層のミノさんが居なくなった様だ。10階層へ行く階段の前で二人を待つ事、5分、二人がやって来た。


 「成果報告~!。俺、22体。」


 「琴音、報告しま~す。25体。」


 「鈴音、24体で~す。」


 「今回の優勝者は琴音で~す。おめでとうございます。琴音様。それでは、第1回牛追い祭り、終了で~す。」


 と言う事で、合計71体のミノさんを、狩ることが出来た。


 「でっ、どうする。すでに100体以上、牛肉確保してるんだが。豚も200近くあるだろ。」

  

 「10階層で、チャンピオン牛確保。」

 

 「階層主、倒す。」


 「やっぱり、階層主はチャンピオン牛だと思うか?」


 「そうで無いと、おかしい。」


 「パターンとしては、鉄板。」

 

 「よしっ!チャンピオン牛、ゲットして帰るぞ。」

 

 そんな期待を胸に、10階層へと足を進める。若干、青白く光っている。5階層と同じだ。ミノさんを15体ほど狩った所で、一回り大きな部屋に出た。


 「おっ!主部屋だな。」


 「「チャンプッ!チャンプッ!チャンプッ!チャンプッ!」」


 「お前ら、ノリノリだな!」

  

 部屋の真ん中まで進むと、奥から魔獣が出て来た。コボルト上位種8体だっ!


 「うすうす、そんな気はしてたんだよ。残念フラグ立ったって……。」


 「期待はしてた……。」


 「ここは、その裏を行って欲しかった。」


 皆、フラグが立った事には気付いてたが、チャンピオン牛の期待も有り、口には出さ無いようにしてた。


 まあ、この苛立ちは、コボルトに向けられるんだが……。


 その後、コボルトをミンチ、魔石回収、地上への帰路に着いた。





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