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背徳の異世界家族計画  作者: carel
勇者救出計画編
10/95

09.攻略対象?

 

 南門から町へ入りギルドへと向かう。


 ギルドへ到着し、扉を開けると閑散としてた午前とは違い、ギルド内は冒険者で賑わっていた。アサギさんのいる受付に並び、少し待つと順番が来た。


 「アサギさん、報告来ました。」


 「お疲れさま、トウド―さん。薬草採取でしたよね。一番端にある、買取カウンターで大丈夫ですよ。クエスト完了は、こちらで処理しておきます。私も、もうすぐ上がりますから、買い取り終わったら、その辺の席にでも座って待ってて下さい。」


 「そうさせて貰いたいんだが、薬草採取に夢中で、ちょっと遠出したらブルーウルフって魔物に襲われて、返り討ちにしたんだ。その素材の買取もそっちで良いのか?」


 「どこまで行ったんですか。ブルーウルフだと単体でEランク、複数だとDランク相当ですよ。」


 「南の森を周って、荒野が見えるあたりかな、一応、20匹位だったはずだ。」


 「ふぅ~~~。トウドーさん達だから大丈夫ですけど、普通Fランクでは挑みません。むしろ見つかったら殲滅覚悟です。とりあえず、素材売るんでしたら、同じ場所で構いません。売り終わったら、もう一度、ここに来てください。ギルドカードEランクへ更新しておきます。」


 俺達のギルドカードをアサギさんに預け、買取カウンターへ向かう。


 「これの買取頼む。」


 そう言って、カウンターに薬草300本、ブルーウルフの毛皮と牙、爪を21体分、積み上げていく。


 「アサギから聞いてるよ、今日、冒険者成ったばかりなんだろ。私はアイリスよろしくな。よくもまぁ、こんなに集めたもんだ期待の新人って言ってたからな………。これからも、アサギの事よろしく頼むよ、色々と訳ありだからさ………。」


 「初めまして、藤堂正臣です。後ろにいるのは、琴音と鈴音、婚約者です。担当の事なら、こちらから、お願いするつもりでいるよ。」


 「そっ、そうか、婚約者とパーティー組んでるのか………。よしっ……、買取金額出たぞ。全部で 二十四万ペロだ。Fランクが1日で、こんなに稼がないぞ普通………。」


 「まっ、そこは期待の新人って事にして置いて下さい。この後、アサギさんに呼ばれてますんで、失礼します。」


 『なんか意外と簡単に稼げるんだな。』と思いながら、アサギさんの所へ向かう。


 「アサギさん買取終わりましたよ。」


 「それじゃ、個人面談スペースへ行きましょうか。」


 個人面談スペースへ場所移動しギルドカードを受け取る。


 「はいっ、ギルドカード、これで正式に冒険者の仲間入りね。」


 「Fランクは仮だったんですか。」


 「ええ、そうよ。Fランクはクエスト受注の仕方、戦闘経験、採取経験等の、冒険者に必要な経験を積むところね。クエストもギルドが出してる物がほとんどよ。ギルドも信用が第一だから、経験が無い冒険者を、いきなり斡旋、出来ないのよ。」


 「そう言う事だったんですか。納得です、試用期間を設けるのは、冒険者にとっても良い事ですね。」


 「それで、晴れてEランクになったけども、担当にならせてもらえないかしら。私、今一人も担当冒険者いないのよ。どうかお願いっ!」


 アサギさんが、懇願する様に頭を下げる。


 「ええ、そのつもりですよ。いえ、こちらからお願いします。」


 「ありがとう。これからも宜しくね………。」


 「でっ、決まった訳だし、約束の食事に行きませんか。」


 「そうね、今日の仕事はこれで終了だし、すぐ準備してくるから、ギルドの前で待っててくれる。午前中から、美味しいの期待してたんだから。」


 そう言うと、ギルドの奥へ入って行った。俺達は、ギルドの前に行くとしよう。


 今回は、絡まれることは無かったが、琴音と鈴音を、いやらしい目つきで見てくる冒険者が何人かいた。結構、不快な気分になる。アサギを待っていなければ、自らフラグを立てに行ったかもしれない。5分程すると、着替えを終えてアサギがやって来た。


 「ごめん、少し待たせちゃったわね。」


 「いいですよ。待ったっていう時間に入りませんから………。では、行きますか。」


 「それで、どこへ連れてってくれるの。」


 「えーっとですね。う~~~ん。………俺達の泊まっている宿屋?」


 「えっ、………レストランとか、食堂とかじゃないの?」


 「ここは食の探究者を信じて下さい。たぶん、初めての経験をすると思いますよ。」


 「「正臣さんに任せれば、初めてでも安心。」」


 「何か、もの凄く不安になって来るんだけど。本当に大丈夫なんでしょうね。」


 アサギさんが若干涙目になっている、からかうのはこのくらいにして置こう。


 「もう着きますよ。」


 「えっ、ここなの?」


 「ええ、ただいまー。」


 そう言って、中に入って行く。勢いよく出て来たのはファナだった。


 「おかえりなさい、あなたっ、お風呂にする、ご飯にする、それとも、わっ、たっ、しっ!」


 誰が教えたのだろう、他の客が居るのにも関わらず、そんな事を言い出す。


 頭が痛くなってきた。


 頭を抱えて、項垂れる。


 「トウド―さん、どう言う事?」


 「ファナは、4番目の婚約者。」


 「正臣さんは甲斐性ある。」


 「「問題ない。」」


 「え~~~。何人っ、婚約してるんですかっ!」


 「今の所、4人。」


 「アサギも入る?」


 「え~~~。なんで私も誘われてるのっ。」 


 「「大丈夫、許容範囲内っ!」」


 「「正臣さんは、このくにぃぃぃぃっ~~~~~~~~!!!」」


 二人にアイアンクローを決め、言葉を止める。このやり取りも終わらせたかったが、それ以上に、この場でのロストニア王国、壊滅計画をばらされると恐れたからだ。


 「ごめん、ごめん。余りにも、この宿が居心地良いんで、自分の家みたいに振る舞っちゃってね。琴音と鈴音も口数が多くなるんだ。」


 「そうだったんですか。てっきり、本気とばかり思ってましたよ。食の探究者がまさかね?」


 「「正臣さんっ、いっ、いっ、痛いですっ。そっ、そっ、そろそろ、やばっ、やばいっ!」」


 とりあえず、食事を優先させるため放すことにした。


 「ファナ。カレーを4つと、パンをスライスしたものを頼む。」


 「了解、あなたっ。注文は以上?」


 「サクさん、何か開発した?」


 「スパイス使って、肉を焼いたりしてます。」


 「それは、美味しそうだな。それじゃ、それも4つ。以上で頼む。」


 「了解、すぐ持ってくるわね。」


 アサギさんが不思議な顔で質問してくる。


 「ねぇ、おススメってのがカレーって事でいいんだよね。」


 「食べた事あるの?」 


 「昔の文献で見た事があるの、美食勇者の話だったと思うけど。そんな名前の料理が出てきてたわ。」


 「アサギさんには、話してるはずだけどね、俺達が求めるものを………。」


 「………美食勇者の軌跡、まっ、まさか失われた遺産を、復活させたの?」


 「いや、ここの厨房にはすべてが揃っていた。それだけだ。」


 「すっ、すごい。そこまで、食を追い求めていただなんて………。」


 アサギが感動していると、ファナが料理を運んできた。


 「そうなんですよ。正臣さんに着いて行けば、きっと美味しい物が食べられますよ。」


 「ごくりっ!」


 アサギが喉を鳴らし、頬を赤く染めてこっちを見てる。


 いやっ、そんな見つめても、餌付けするつもりは無いんだ。


 「料理も来たことだし、冷めないうちに食べよう。」


 「「「「いただきます。」」」」


 どれっ、サクさんの研究成果はどうなっただろう。


 「うん、うまいな。1日でここまで完成させて来るとは、さすが、サクさんだな。」


 「「正臣さん、これならバリエーションが増えていきそう。」」


 「ベースが、しっかり出来てるからな。」


 2人ともご満悦で頷き合っている。そして、アサギさんなんだが………。

 「トッ、トウド―さん………………。一生着いて行くわ。」


 「餌付けされんじゃねぇ~よ!」


 「ンガッ!」


 抱き付いて来ようとする、アサギさんにチョップをくらわす。


 まず、この人は放っておこう。肉のスパイス焼きが食べたい。


 「やっぱ、カレーって万能だな、スパイスの風味が食欲をそそる。」


 「「匂いだけで涎が出て来る。」」 

 

 そして、1口食べてみる。


 「うん、これも良いものだ。サクさんって、実はすごい料理人だったんだな。」


 「「これで、あと10年は戦える。」」


 「トッ、トウド―さん………………。だっ、抱いてっ!」


 「だから、餌付けされんなって!」


 「ングッ!」


 またしても、チョップをくらわす。


 アサギさんは放っておいて、食事に舌鼓を打つ事にする。



 満足した食事も終わり、アサギさんと歓談する。


 「どうでしたか?」


 「美味しかったです。食べてる途中で、精神崩壊するところでした。」


 「いや、してたから。」


 「こんなに、美味しい物が食べれるんでしたら、本気で婚約も考えちゃいますね。」


 「「アサギなら、いつでも受け入れる。」」


 「二人ともっ!」


 手をゴキゴキと鳴らして、琴音と鈴音に威嚇しておく。


 「それで、アサギさんは俺達に、言わなければならない事があるんだろ、担当冒険者が居ないってのも疑問だしな。」


 「………。」


 「ここで、話しづらいなら、部屋で防音結界張るけど?」


 


 「………それで、お願いします。」


 そう言い、部屋へ向かう事にする。部屋ヘ入り、防音室をイメージして結界を張ってみる。琴音に確認して貰ったが、初めてにしてはうまく行ったようだ。


 「これで、大丈夫だろう。洩れる心配はない。」


 「ありがとう、気を使ってくれて……。」

 

 適当に座るよう、促して話を聞きに入る。


 「でっ、訳ありなんだろうけど、俺達が力になれればいいが?」


 「単純にお金が入用なの。それで、担当をお願いしたの。」


 「なんで必要なのか聞いても?」


 「………実は私、教国出身なんだけど、両親が元冒険者で、ドンドン体が動かなくなっていく呪いを受けているの。教会にいって、呪いを解いて貰おうとしたんだけど、お金が足りなくてね。現状維持の聖水を毎週買うのに、ギルドで建て替えて貰ってて……。」


 「お金が必要なのは、分かった。なぜ、王国に居るんだ。教国にもギルドは在るだろうに。」


 「両親が呪いを受けたのが7年前、私が11歳の時なの。その時、私は教会に助けを求めたわ。

 そして、お金の代わりに私の身請けを提案してきたの。私が迷っていた所を、毎日のように教会の人が勧誘に来たわ。そしたら、両親の冒険者仲間だった人にギルドで働かないかって話を貰って受付をする事になったわ。

 そして、ギルドからお金を借りることが出来たんだけど、教会がそれでもしつこく話を持って来るもんだから、ギルドに異動願を出して、両親と一緒に王国へ移ってきたの。」


 「今まで、どうしてたんだ。担当冒険者、いなかった訳じゃ無いだろ?それに『呪怨の』ってのは、どう言う経緯でついたんだ。」


 「それを広めたのは、ライトよ。彼は私がこの国に来て最初の担当冒険者なの。

 初めのころはそうでも無かったんだけど、Dランクに上がった辺りから、しつこく求愛してきてね。私は両親の事があるから断っていたのよ。

 そして、私がなびかないと思ったのと、Cランクに上がった事で、天狗にでもなったのでしょう。私の担当から外れて、『呪怨』なんて付けられたわ。

 それ以前も、私の担当同士で良く揉めていたわね。冒険者同士のいざこざだから、ギルドとしては関与しない事になってて気にも留めてなかったけど………………。


 あいつが原因かっっっ!」





 今、気付いたらしい、アサギは顔を真っ赤にして憤怒の表情をしている。


 「ろくでもない奴だな………。」


 「「拠点候補。」」


 「そうだな。アサギさん、ライトってどんな奴なんだ。しばらく冒険者出来ないだろうが、面倒は回避したい。」


 「そうね。トウド―さん達に、またちょっかい出されても、困るしね。」


 いやっ、こっちがちょっかい掛けていいかの確認なんだが。


 「名前は知ってると思うけど、確認ね。ライト・ハジ・キリフトス 伯爵家3男、長男ラウルが家を継いで、次男ノットは近衛騎士団にいるわね。

 この王都より南西に土地を所有している領地貴族よ。この国が出来た時からある名家って話で血統優位のこの国ではそこそこ発言力のある地位を確立してるわ。

 最近の話じゃ戦争で優位に功績を上げようと、帝国から奴隷を買い漁ってるみたい。先代は隠居して、王都の別邸で暮らしてるはずよ。」


 「領民からの評判とかはどうだ?」


 「領民からは、可もなく不可もなくって感じかな。敵国と接してもいないし、特に経営が変わるって訳でもないから、上が変わっても気付かないんじゃないかしら。」


 「よく言えば無難、悪く言うとつまらないってことか。それでいて、特権階級にあぐらをかいてる………か。」


 「「拠点決定。」」  

 

 「えっ、何の話?」


 「いや、何でもない。それと、アサギさんの両親の事も聞いていいか?色々、確認したいこともある。」


 もしかしたら、解呪が可能かもしれない。親父から、魔術の可能性を示唆されている。


 「そう?呪いに掛かったのが7年前、教国発注のクエストで魔族による魔物の氾濫を食い止めてくれって、内容だったはず。

 当時、私は病弱でよく教会のお世話になってて、両親がクエストに出向く時とか預けられてたの。クエストを無事に終えて、迎えに来てくれたんだけど……。

 次の日、両親が呪いで倒れてしまってから、さっき言った話に繋がるわ。

 司教様は、魔族の呪いって言ってたわ。」


 「なんか引っかかるな。」


 「「怪しい。」」


 「えっ、だって、聖レイシス教会の、司教様の見立てよ。」 


 「明日で良いから、俺達に診させてもらえないか?」


 「ええ、いいわよ。何とかなるなら、何にでもすがるわ。」


 「あまり期待しないでくれ。俺達も呪いを診るのは、初めてだからな。」


 「ええ、担当にしてくれただけでも、十分助かってるんだから。」


 「それじゃ、明日ギルドの繁忙期、終わったころにでも暇もらえるか。」


 「そうね、今日来てくれた時間だとぬけれると思うわ。」


 明日の予定を話し合って、分かれる事にした。送って行こうとしたが、ギルドの近くらしく冒険者もほとんどが顔見知りで、この時間だとまだ出歩いている冒険者がいっぱいいるので、特に危険は無いと丁重の断られた。 


 「教国なのか、その司教なのか、どちらかが裏に居そうだな。」


 「あまりにも、都合がいい。」


 「アサギ、騙されてる。」


 「まぁ、明日になれば分かるか。」


 アサギさんの話は、これくらいにして、次の案件に移る


 「それじゃ、彩ねぇに連絡。」


 「母さん達も呼ぶ。」


 「了解、拠点候補の話だな。」


 ジェミニズリングで、彩香さんに呼びかける。その間、魔石も出し親父たちに出てきてもらう。


 『彩香さん、聞こえる。』


 『………ええ、聞こえるわ。』


 『今、大丈夫?』


 『宰相達との調整中よ。声が聞こえないから問題ないわね。』


 『それじゃ、こっちは繋いだままにするから。聞くだけ聞いておいて。』


 『分かったわ。後でまとめて質問するわ。』


 「彩ちゃんとは繋がったのね。ジェミニズリング触りながら話すと、私達の声も聞こえるはずよ。」


 「「「分かった。」」」


 「それじゃ、俺から話すとしよう。拠点候補についてだ。勇者救出後に宿舎としての、拠点が必要となる。母さん達の体を作るにしろ必要だ。そこで、王都より南西にある、キリフトス伯爵領に目を付けている。冒険者ギルドで、琴音と鈴音を奪おうとした貴族の家だ。」


 不意に、彩香さんが入ってきた。


 『ちょっと良い。正臣くんを殴った、近衛騎士の家でもあるわよ。』


 「王城で俺を殴った、近衛騎士の家でもあるそうだ。」


 「「「「決定!」」」」


 「と言う事で、満場一致で決まった訳だが、あまり早過ぎても、晩過ぎてもダメだ、王国に知られてしまう。」


 「死人に口なしって、言うじゃない。全滅させてダメなの?それにまだあの家あったなんてね………。」


 「それだったら、王都を全滅させた方が速い。今、キリフトス領では奴隷を買い漁ってるそうだ。領内で訓練でもしてると思う。それをゴッソリ頂く、ついでに領主も奴隷にする。次男と3男は、いらないから殺しても構わない。王都からの連絡役を現領主の元から出してれば、しばらくは、偽装できるだろう。 領民はトップが変わっても、分からないって事らしいが、この辺は様子見だな。………領主の奴隷化は早くても構わないか。領城の制圧は、ダンジョン攻略日の明け方辺りがいいだろう。後は、勇者たちが、どの位ダンジョンに居るかだな。」


 「なんか面倒なことするのね?」


 「だって、被害が少ない方がいいだろ。敵は王侯貴族なんだから。建物も造るのが面倒だし、貴族なんだから屋敷とか広いだろ。戦利品を活用しないとすぐに破綻する。」 

 

 「それじゃ、ダンジョン探索までに、領城の全ての人を奴隷化して、後は悠々と救出後に入るってのはどう?」


 「それの方が簡単か。琴音と鈴音はどうする。」


 「この世界は、時間が緩い。」

 

 「計画は簡単、明確に。」


 「準備に9割。」


 「後は、臨機応変。」


 「それなら、ちゃちゃっと奴隷化して、彩香さん達の連絡待ちって事でいいか?ついでに、ダンジョン行って騎士団も奴隷化しちまうか。」


 「あとは、王侯貴族だけ、首落とせば良いんじゃない。異世界人に戦争を仕掛けたとかって、理由でいいと思うわよ。勇者の中に、為政者とか居ただろうし、後は任せてもいいんじゃない。あっ、でも賢者の知識は必要かも。正くん頑張ってね。」


 「王国に組みする一般人は、貴族と一緒に奴隷化か処刑、奴隷たちは希望を聞いて、解放って感じか?………この計画でいくか。」


 「「明日からキリフトス伯爵領、攻略!」」


 「決まった事だし、私達は戻るね。」


 なんか簡単に、決まってしまった様だ。後は、彩香さんの意見を聞こう。

 

 『彩香さん、そっちはどうなってる。』


 『ダンジョン攻略の日にちが決まったわ。7日後だそうよ。』


 『話し合いは終わり?』


 『ええ、今終わる所。これから、部屋に戻るわ。』


 そして、部屋に戻るのをしばらく待つ事にする。


 『計画聞いてたけど、大丈夫なの。正臣くん達のステータスって一般人並みだったでしょ。』


 『ああ、その事も話さなきゃいけないか。』


 『『私達はパーフェクト超人。』』  


 『お前らは黙れ、話が進まなくなる。』


 『どう言う事?』


 『ええと、ぶっちゃけ、俺が賢者、錬金術師、魔闘術師の3職持ちで、琴音と鈴音が共にメイド、心眼使い、魔眼使い、魔闘術師の4職持ちって事になってる。たぶん、俺から彩香さんへ黒帯渡すと、魔闘術師はすぐに出るよ。』


 『えっ、あれ魔闘術って武術なの?それと何、その職業の多さ?ステータスは?スキルとか適性は?パーフェクト超人って何?「地獄のネジ回し」でもしちゃうの?』


 『『いやっ、それは出来ないっ!』』


 『パーフェクト超人は、置いといていいからっ!』


 その後、彩香さんに検証結果を報告した。

 

 『彩香さん理系専門でしょ、もっとすごい魔術作れるよ。』

  

 『そうね。なんでも出来そうな気がするわ。でも琴音ちゃんと鈴音ちゃんが、魔族のクオーターって方が驚きかしら、そして王国と教国もね。』


 彩香さんも王国と教国に、ご立腹のようだ。


 『彩香さんの方は、何かあった?』 


 『今日は、あれから魔術の講義があったけど。今の話聞いた後だとねぇ………。子供だましも良い所かしら。訓練にしたってねぇ……、正臣くんから教わったのを、続けた方がよさそうね。得物は杖でもいいかしら。』


 『渋い所選びますね。杖術も基本は同じですから、攻撃を避ける事に念頭をおいて、隙あれば打つ事を心掛けて下さい。その動作が流れるように出来れば、杖術スキル出るんじゃないですか。サブで槍とか長物選んで、薙刀のように使うのも有りですね。体を動かしながらも、気を練る要領で、魔力を練って下さい、同時に行う事も、魔闘術師の要件だと思いますから。』


 『こっちに来てから、気の流れが分かるようになったから、大丈夫だと思うわ。やってみるね。』


 『訓練の方は、それでいいと思います。』


 『個々の訓練なんだけど、魔術の訓練で良いかしら。』


 『訓練より、理科の実験って思った方が、良いんじゃないですか。ただ、やり過ぎないで下さいね、切り札を隠すのを、忘れないように。』

 

 『そうね、気を付けるわ。魔力少なめで制御重点にしてみようかしら………。あっ、そう言えば、婚約の事を、近藤先生にだけ話したわ。』


 『なんか、変化有りました?』


 『項垂れてた気がしたけど?』


 やっぱり、彩香さんに気が有ったのか?


 『元の世界に、帰れない事も話したんですか?』  


 『ええ、話したわ。帰っても立場が無いってね。生徒達にはまだ話せないわ。』


 『その方が良いでしょう。それと、まだ考え中なんですが、拠点の貴族の屋敷は没収確定なんですが。生徒達一人一人に、この国の貴族の屋敷を提供しようと思ってます。使用人付きでね。最低でもそれぐらいはしないと、許せませんから。』


 『まずは、近藤先生の嫁探しからかな?』


 『王女でも当てがいますか?この国を潰してから、王家の血を残したかったら一緒になれって。』


 『それいいかもね。近藤先生を懐柔してみるわ。』


 『乗ってきますかね?』


 『大丈夫よ。王女と話すとき、目を合わせられないでいたから。チラ見はしてたけど。あれで結構純粋なのよ。』


 『『正臣さん、悪い顔してるよ。』』


 『アハハッ!正臣くん、そちも悪よのぅ~?』


 『いえいえ、彩香さんほどでは。』


 『『ぷっはっはっはっ~~~~!』』


 2人で、声も出さずに、頭の中で笑いあってる。傍から見たらさぞかしシュールな絵面だろう。


 『『正臣さん達だけの世界ずるい。』』


 『お前らはいつも一緒に居るだろう。この時間は彩香さんに譲ってくれ。』


 『ええ、大丈夫よ。私も琴音ちゃんと鈴音ちゃんと喋りたいし。これからは第一婦人同士だし、ねぇ~。』


 『『ねぇ~。』』


 『なんか、それ楽しそうだな。』



 そんな他愛もない話をしつつ、夜が更けていくのであった。



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