復讐の夜
2ヶ月ぶりの更新……。
本当にすみませんm(_ _)m
「それで師匠はなんでここに?」
「あ、ああ……私がここへ来たのは用事があったからだよ」
「用事?」
「君達以外に何があるかね?」
「「「………」」」
「そんなに嬉しそうな顔をされると、なんだ、照れるな」
「アホか」
「ない」
「戯言を」
「よしそこに並べ。全員吹き飛ばしてやろう」
「「「嬉しいです」」」
「素直でよろしい!」
「「「………」」」
笑顔でうんうん頷くアイリスに白夜達はジト眼を向ける。
アイリスは笑うのをやめると今度は真剣な顔に変わる。
「これから君達には色々とやってもらうことがある」
「また唐突になんで?」
「ふむ、理由は説明できない」
白夜の疑問には答えられないとアイリスは首を振る。しかしこんなことはしょっちゅうだったので白夜達は深く追求せず話を聞く。
「君達にしてもらうことは全部で2つだが、今はその最初の目標を言っておこう」
「2つ?」
「まず3体の『究極』を超えた『超越』の討伐だな。頑張りたまえ」
「「「………?」」」
白夜達は首をかしげる。『究極』の上ということは国と戦う以上に厄介で強力な『化け物』ということになる。
だからこそ白夜達は理解できなかった。
なぜそんな『化け物』と自分達を戦わせるのか。
「師匠。俺達は復讐のためにここにいるんですよ。そんな『化け物』の相手なんて」
「私の頼みを聞けば、ご両親が生き返るといってもかね?」
「「なっ⁉︎」」
「…………」
アイリスの言葉に白夜と極夜は食いつき、魔夜は訝しげな眼を向ける。
アイリスはゴホンッと息を吐くとドヤ顔で宣言する。
「神に直接交渉したから安心するといい。私は嘘はつかない!!」
「「「…………」」」
「おや、どうしたのかね?あまり嬉しそうではないようだが……」
思ったより反応が薄い3人にアイリスは少し悲しそうな眼を向ける。それだけアイリスは今回裏で暗躍し、色々と動いていたのだ。弟子達のためならばと。
「師匠……ホントに、生き返るんですか?」
「………本当だとも」
「また……会える?」
「一緒に生活できる……」
反応が薄いのは嬉しくないからではなく実感がなかったからだ。死者を生き返すなど聞いたこともないし白夜達も最初は調べていたのだ。
しかし結果は不可能。そんなことより復讐に力をいれたいと考えていたので動揺していたのだ。
「…………師匠」
「なんだね?」
「その提案、受けます」
「頼む。しっかりやり遂げたまえよ、我が弟子達」
アイリスの言葉に白夜達は歓喜する。
母と父が生き返るのだ。
なにをしてもやり遂げる必要がある。
「魔夜、極夜。絶対に生きかえらせるぞ」
「言われるまでもない」
「極夜の言う通りね。チッ、口調が…」
白夜は魔夜達に向き直ると剣を抜き頭上に掲げる。それを見て魔夜達も白夜の行動の意味を理解し同じように武器を頭上に掲げる。
「屍の山を築こうと必ず遂げる」
「邪魔者は全て燃やし尽くす」
「目的のためなら外道になることも躊躇わない」
頭上に掲げていた武器を床に思い切り突き刺す。
そして最後の誓いの言葉を叫ぶ。
「「「復讐をやり遂げる!残酷に冷酷に無慈悲に、生きたことを後悔させるほどの絶望をその身に刻み、絶望の淵で殺す!」」」
憤怒を、憎悪を、そして殺意を込めて誓う3人の復讐者。
その誓いは彼等のこれからの指針であり変えることのできない破滅と絶望、血生臭い修羅の道を定めた。
1人の復讐者はその身に宿る憤怒を燃え上がらせ、周囲の人間ごと焼き尽くした。
1人の復讐者は闇を纏い、希望などない絶望と恐怖の中で嘲笑した。
1人の復讐者は敵と認識した者全てを殺し、その関係者諸共殺戮した。
その数は夥しい屍の山ができる程だった。
彼等の姿は後に後世に異端の伝説として語り継がれる。
そして彼等はこう呼ばれる。
ーーーー惨劇の復讐譚、『復讐の夜』。
今回で『復讐の夜』は完結になります。
ここまでお読み頂いた読者様方には本当に感謝してもしきれません!
初めて投稿してから1年……今思い返すとあっという間でした。
『復讐の夜』は完結しましたが、まだ物語は終わっていません。
急展開で完結となっているのは話が噛み合わない場所があったり、書き方が変わったりしてしまったのでそれを書き直してまたいつか続きを書きたいと思ったからです。
しかし区切りは区切り。
ここで一旦完結とさせていただきました。
最後にもう一度、今まで読んでくださった読者様方、本当にありがとうございました!!
ちなみに、新しい小説を明日あげますので興味が湧いた方は是非読んでみてください。
『妹狂・弟狂の兄と弟妹による異世界物語』




