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復讐の夜  作者: 榊原灰人@vtuber
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国落とし・前日

「戦い方を、教えて欲しいの!」


ハデスは覚悟を決めた表情で白夜に頭を下げてお願いする。そして言われたお願いされた当人である白夜は


「…………はい?」


困惑していた。


「(いや神様戦うとかアリ?スキルは強いし、レベルも低いわりには魔力がかなり高いから魔法特化タイプでいける………あれ、アリじゃね?)」


ハデスの否定材料を探していた白夜だが自問自答する中で否定材料より肯定材料の方が多く何も言えない。


「(まぁ、戦闘員は多い方がいいか。普通に育てたら強そうだし)」


白夜はそう考えると席を立つ。


「ちょっと来い」


「どこに?それよりも戦い方を」


「それを話し合うから来いって言ってんの。どの道今すぐには無理だ」


白夜がそう言うとハデスは渋々納得して白夜についていく。


2人は魔夜の寝室の前に来ていた。

白夜はドアを叩くと中から「どうぞ」と返事が返って来たので白夜とハデスは部屋の中に入る。魔夜は寝間着に着替えており魔杖の手入れをしていた。


「メンドイから直球で話すぞ。お前どこまで知ってた?」


白夜の不明瞭な質問に首を傾げるハデス。しかし魔夜は理解しているようで微笑を浮かべる。


「どこまで、というのは?」


「仮定だが、お前最初からハデスが神じゃなくなってたの知ってただろ。水川が三神の人間ってことも、空音のことも」


「惜しいわね。あと1つ」


魔夜はからかうように笑う。いやからかっているのだろう。兄弟としての付き合いから理解する。


「………確証はない。ただ俺達は『外の世界』の人間だって今は思ってる」


「正解よ。馬鹿なりに頑張ったじゃない」


「黙れ。それで、魔夜と極夜はあの日の出来事で何が本当で嘘かもわかってんのか?」


「それは流石に、ね。誰が頭を弄ったかもわかってるのでしょう?本人に元に戻すよう交渉するしかないわ」


魔夜は肩を竦めて返す。白夜も心当たりがあるので仮にそうなら無理だと判断する。


「だな。そのために魔夜はこの国に来たんだろ」


「ええ。残念なことに既にいなくなっていたけれどね」


魔夜はチッと舌打ちして悔しさを露わにする。白夜としても同じ心境なので苦い表情で同意する。


「何の話をしているの?」


それまで置いてけぼりされていたハデスが存在を主張する。


「悪い忘れてた。魔夜、頼みがあんだけど」


「何かしら?」


白夜は先程までハデスと話していた内容を伝える。魔夜もハデスが戦うことには特に文句もないようで頷く。

そしてここからが本題だった。


「ハデスとタナトス、てか俺ら全員弱すぎるから鍛え直さないか?」


「………ハァ、気乗りしないけれど。しょうがないわね」


「どういう意味?」


「それは後のお楽しみ」


ハデスは白夜に聞くが誤魔化されて詳細がわからない。確かなのは全員が鍛えられるということだった。


「んじゃこの国落として、極夜を王にしたら行くか」


「そうね。手っ取り早く終わらせましょうか。『化け物』の大群の方が手を焼くことになるでしょうけどね」


さらっととんでもないことを言う2人だがいつものことなのでハデスは何もツッコまなかった。



ーー翌日


「とりあえず弁明を聞きましょうか?」


「「「「「…………」」」」」


時雨、夢、モルグ、グロス、そしてリーフの5人は正座して魔夜の前に座っていた。リーフは捕虜的な立場なので並ぶ必要などないのだが流れで正座することになってしまった。そして魔夜の笑顔という名の威圧を受けている4人は怯えていた。


「時雨、私が頼んだことは何だったかしら?」


「……王の暗殺、又は誘拐」


「そうよね。で、ここにいる男は誰かしら?夢」


「………執事っす」


「偽物と見破ったのよね。なのになぜ連れて来たのかしらモルグ。教えてくれないかしら?」


「…………とりあえず必要かと思い」


「無関係の人間が必要と思うなんておかしいわよね?そこのところどう思うグロス?」


「意味がないな」


「ええその通りよ」


魔夜は額に青筋を浮かべながら微笑む。


「極夜、やれ」


「『竜王炎弾』」


「「「「「ギャァァァァッ⁉︎」」」」」


極夜の『竜王炎弾』により吹き飛ばされる5人。それを見ていたハデスとタナトス、神無は恐怖していた。次は自分達だと。


「それで、ハデス達は『王印』は見つけた?」


「無理でした。おそらく本物の王が持っているでしょう。それほど大事なものですから」


タナトスは失敗を淡々と告げる。魔夜も元々無理だと思っていたので王宮にないとわかっただけでも収穫だと判断する。


「それなら本物の王を見つけるのも予定に入れるとして……とりあえず王女を捉えましょうか」


「てかフェルミナの話は本当なのか?『化け物の祭り』(モンスター・フィリア)なんて俺達見たことも聞いたこともねーぞ」


白夜の疑問に時雨達も首を傾げる。


「そういえば言ってなかったわね。既に見て来たのよ。『化け物』の大群を」


さらっと爆弾発言をする魔夜に白夜、極夜、ハデスは呆然とする。


「総数1000を超えているのは確か。『完全』も20体はいたかしら?」


「「「……………」」」


もはや言葉も発せないくらい驚愕している白夜達に時雨達は頭に疑問を浮かべるばかりで要領を得ない。

そこで魔夜は優しく教えてあげた。

『化け物』の大群が来るからその前に国を落とすわよ、と。


「「「………………」」」


結果、白夜達の仲間入りを果たした。


「どうしたのかしら?あと一週間もしないで『化け物』が来るのだから、その前に『王印』手にいれて王女に落とし前をつけてもらうわよ」


魔夜は凄くいい笑顔で宣言するのだった。

久々に余裕を持って投稿できた……!

次回はバレンタインデーに投稿します。

チョコ貰えたらいいなぁ……まぁリア友いないんですけどね!_:(´ཀ`」 ∠):

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