『三神』
1日遅れてすみませんでしたぁぁ!!m(__)m
「………………」
目覚めるとそこには
「何やってんだ、ハデス?」
白夜の額に自身の額をつけているハデスがいた。
「………………////」
ハデスは顔を真っ赤に染めるが動かない。羞恥にかられて身動きができないほどテンパっているのだ。互いの息遣いが聞こえるほどの距離。他の人が見れば勘違い必須。よって白夜がとった行動は
「【宿雷】」
「ピギィッ⁉︎」
一瞬だが電撃を浴びせてハデスを退かせる。
白夜は身体を起こすとハデスにジト目を向ける。
「お前が看病してくれてたのはわかるが、熱出してるわけねーだろ」
「で、でもうなされてたからつい……」
ハデスは未だに顔を赤くしながら弁明する。うなされていたということは、あの夢は現実で恐らく眼が燃やされたときにうなされていたのだろう。
現実でも眼が燃やされたのか?と白夜は疑問に思うが考えたくもないので今は無視しておく。
「ありがとな、ハデス」
白夜は看病してくれていたハデスにお礼を言う。白夜の素直な感謝の言葉にハデスは身体をクネクネする。
「ど、どういたしまして。それでね、ご褒美と言ってはなんなんだけど………」
「ご褒美?」
ハデスらしからぬ言葉に白夜はつい聞き返す。
「いや、嫌ならいいんだけどね!ただ、できればその、なんと言うか……」
ハデスは先程よりも顔を赤くしながらしどろもどろになっていた。白夜は訳が分からず首を傾げていたが、ハデスは意を決して言う。
「私と明日一緒にデー」
「起きたか白夜‼︎‼︎」
「…………………」
ハデスが固まった。神無はそやなハデスを無視して白夜の前まで来るとそのままダイブ‼︎
白夜は魔銃でその額にBang‼︎
神無は撃ち落とされのたうち回る。
「おでこが、おでこがぁぁ!」
空砲だが威力はかなりのもので神無の額は赤くなっている。白夜はハデスの頭をポンポンと叩くと立ち上がりそこであることに気づく。
「……………俺の服寄越せ」
白夜は上半身を包帯に巻かれてはいるが下着一枚の格好だった。白夜は即座にベッドに潜り服を渡すようハデス達に催促する。
ちなみに横にいたハデスはバッチリと見てしまい先程の頭をポンポンされたのもあってか熟れたリンゴのようになってしまった。
神無はのたうち回るのに忙しくそれどころではなかったが。
「さっさと着なさい」
「っと、あんがと」
白夜は黒いシャツとズボンを受け取ると魔夜に礼を言う。魔夜の後ろには極夜、時雨、タナトス、グロス、モルグと全員集合していた。
「とりあえず全員出てろよ。服着れねーだろ」
白夜の至極真っ当なセリフによって集合した全員は部屋から出された。
「…………それで、俺が気絶してからどうなった?」
白夜達はテーブルで朝食のパンを食べながら気絶後のことを聞く。すると魔夜は眼が全く笑っていない笑顔で白夜に微笑む。
「白夜、何か私達に言うことがあると思うのだけれど?」
白夜は冷や汗を流す。何か伝えてないこと?そんなものさっきのスキルくらいしかない。
何故知っているんだ⁉︎と白夜は思いながらも魔夜と極夜には話そうと思っていたのだし丁度いいと魔銃を生成する。
魔夜達は首を傾げる中、白夜は自身の腕に銃口を当て引き金を引く。
パンッと音が響き、白夜の腕からは血が流れる。魔夜達は突然の狂った行動に唖然とするが、白夜の傷が塞がるのを見て驚愕する。
「さっき手に入れた。はぁ、自慢しようと思ってたんだけどな」
白夜は少し残念そうに言いながら全員の顔を見るが、白夜を除いた全員は腕に釘付けだった。今は跡形もなく消えているが、間違いなく白夜は撃ち抜いたはず。それを魔法ではなくスキルで、しかも数秒で回復するなどレアスキルにも程がある。
「白夜、私達は時雨のことで聞きたかったのだけれど」
魔夜が多少顔を引き攣らせながら言った一言に白夜は?を頭に浮かべる。
「魔夜お姉様達に『三神』だってことなんで教えなかったの?」
時雨の言葉で白夜は納得する。言わなかった理由、それは
「どうでもいいと思ったし、『三神』に捨てられた時雨はもう関係ないだろ」
「相変わらずデリカシーないわね……。だからアンタは学園モテない男ランキング、不動の一位を守り続けているんでしょうけど」
その言葉を聞いた瞬間、極夜・夢・神無・モルグの4人は爆笑する。
「白夜、貴様はそこまで嫌われていたのか?憐れだなぁ、我が兄よ!クハハハハッ‼︎」
「学園一位!ヤバイじわる!ジワリティ高すぎ!アハハハハッ!!」
「白夜も人望がないのだな!私はそんなお前が好きだから気にするな!」
「ブッ、クククククク……」
極夜と夢は全力で馬鹿にし、神無は慰めているように聞こえるが顔は笑っているので苛つきは増す。モルグは必死に笑いを堪えているが耐えきれず度々吹き出している。
「………………」
白夜は無言でベッドから立ち上がり、極夜が認識できないほどの速度で肉迫する。
驚く極夜に白夜は裏拳で吹き飛ばし、その横にいたモルグは回転した勢いのまま蹴り飛ばされて2人は退出する。
「ーーほら、笑えよ」
白夜が底冷えのするような笑顔で夢と神無を見やる。2人はガタガタと震えながら眼で魔夜に助けを求める。魔夜はクスクスと笑いながら白夜に話しかける。
「そこまでにしておきなさい。それよりも、時雨が親に捨てられたというのはどういう意味かしら?」
魔夜の言葉に渋々頷きながら白夜は答える。
「まんまその通りだよ。水川は最初、三神を名乗って学園に入学する予定だった。けどそれを水川の父親が阻止した。理由は水川の魔夜への崇拝だ」
「…………………」
魔夜の眼が死んでいる。白夜の言葉に極夜達も驚きを隠せず時雨を凝視してしまう。それに対し時雨はモジモジと照れながらエヘヘと笑顔を浮かべる。
「時雨………貴方馬鹿なの?」
「そんな褒めないでくださいよ!照れちゃいますよぉ〜////」
「褒めてないから、微塵も褒めてないから!」
珍しく焦る魔夜に妄想へと意識を飛ばしてしまった時雨に白夜達はため息をつきながら眺めるのだった。
次の投稿こそ土曜日にします!