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復讐の夜  作者: 榊原灰人@vtuber
48/83

復讐の一夜・4

更新遅くてごめんなさいm(._.)m

短めです!

「まさか、闘技場の場所を聞かなかったなんて………」


「走るの疲れたぁ〜」


「全く使えんゴミだ」


「も、もうムリ……」


「ハデス様、もう着きましたよ」


「だから悪かったって!あと極夜、お前のは酷過ぎるからな」


現在白夜達は王宮の近くにある闘技場にいた。その姿は汗だくで疲労困憊の状態だった。白夜が試合の日に目覚めたおかげで場所を知らず通りの人に聞きながら走ってきたのだ。人に聞く必要があるためハデスの『影移動』(シャドウドライヴ)は使えず、魔夜の空間転移も使えなかった。


「今何時だ?」


白夜は時刻を過ぎて確認する。


「11時30分。少し休憩できますよ、魔夜お姉様」


時雨がそれに答え、魔夜に休憩できると報告する。魔夜は頷くと夢に話しかける。


「夢、頼むわね」


「あ゛あ゛〜っ、キツイのに〜……」


魔夜の言葉の意味を理解した夢は嫌々ながらも承諾する。


「とりあえず中に入るか。部屋くらい用意されてんだろ」


白夜は全員を促し、魔夜を先頭に闘技場の中に入っていく。白夜が一番後ろで全員を早く歩かせようと努力していると、ドンッと誰かにぶつかった。

白夜が振り向くとそこには小さな男の子がいた。男の子は白夜にぶつかった衝撃で尻もちをついていた。


「あ、悪りぃ。大丈夫か?」


白夜は謝りながら男の子に手を差し出す。

男の子は元気よくその手を取る。


「うん、大丈夫!僕もぶつかってごめんね!」


「気にすんな。気をつけて歩けよ」


男の子の元気で素直な態度に白夜も親切に返す。男の子は白夜の言葉に大きく頷きながら笑う。


「うん!それじゃあね、白髪のお兄ちゃん!」


「ああ、じゃあな」


手を振る男の子に手を振り返すと男の子は笑顔で闘技場の中に入っていく。白夜はそれを見て少し悲しくなった。闘技場にいくことは殺し合いを見るということだ。

あんな小さな、純粋で素直な子供がだ。

白夜はそのことに残念な気持ちになりながら、魔夜達の後を追っていった。



ーーーー闘技場・控え室。白夜達は中に入りすぐこの部屋に案内された。魔夜は横になり、夢が『天魔』で癒している。

白夜は試合が終わったあとのことについて伝える。


「魔夜がテトを殺したあと、必ず俺達は攻撃される。そこで王を殺させてパニックに陥れ、戻ってくる王子にその場を抑えさせる。これが今回の目的だ」


白夜は一息に言うとそれぞれの顔を見渡す。

全員落ち着いて白夜の話を聞き、実行する際の自身の動きを復習している。白夜は満足げに頷くと焦げ茶色の『魔銃』・【鷹】を作りタナトスに放り投げる。タナトスは急に投げられた魔銃をおっかなびっくりで受け取る。


「それ使っとけ。【鷹】は連射機能に特化してるから気をつけろ」


「ありがとうございます……」


タナトスは魔銃を構えて使い方を覚えている。タナトスは銃火器を一通り使えるので余程の曲者でもなければ十分に使える。

白夜はタナトスが確認をしているのを見ていると、タナトスの横にいたハデスが羨ましそうな顔をして見ているのに気付いた。

白夜は苦笑いをしながら新しく2丁拳銃の黒と紫でデザインされた『魔銃』を作り出しハデスに渡す。


「ほらよ」


「え、いいの⁉︎」


ハデスは白夜が『魔銃』を渡すと大はしゃぎで喜んだ。白夜は少し照れながらも『魔銃』を渡す。


「いいから貰っとけ」


ハデスは白夜から渡された2丁拳銃の『魔銃』を構える白夜はそれを見ながら説明を始める。


「それは【蟲喰】(ムシクイ)。魔弾使用で相手の魔力を喰いながら威力をあげる銃だ」


白夜の説明にハデスはキョトンとする。

白夜は頭をかきながらもう少しわかりやすく説明する。


「あ〜、あれだ。相手の放つ魔法にぶつけながら撃つとその魔力を吸収しながら進むってことだ」


白夜の説明を聞いてハデスはやっと理解したようで大きく頷く。白夜は理解したハデスの頭をつい撫でる。ハデスは突然のことに一瞬驚いたがなすがままだった。一方、頭を撫でている白夜の心境だが


「(ヤバイヤバイ!ついやっちまったどうしよう‼︎)」


軽くパニックに陥っていた。


「起きて早々これを見せられる気持ちも考えて欲しいわね」


「魔夜お姉様もそう思いますよね〜」


「どうでもよい」


「つ、疲れた………」


「ハデス様………」


声の方向を見ると魔夜が回復を終えてこちらをうんざりしながら見ていた。それに気付いたハデスは顔を一瞬で赤く染めながら白夜の手をどかさず、依然そのままだ。

白夜は最後にポンポンとハデスの頭を叩いて解放した。


「仕方ないだろ。ついやったんだから」


白夜の言い訳に魔夜と極夜がここぞとばかりに弄る。


「へぇ〜ついやっちゃうんだ〜。あれ、でも学園の頃にはなかったわよね?」


「それは…」


白夜は言葉に詰まる。事実学園ではぼっちを貫き、誰とも干渉せず過ごして来た白夜は学生の頃誰かの頭を撫でたことはない。そもそも女子の友達や知り合いなどいない。十一神のように目の敵にする人間は多かったが。

白夜が学生時代(トラウマ)を思い出していると極夜も魔夜に続く。


「彼女などできたこともなく、顔も余と魔夜に比べれば塵のようなものだ。それに性格も人の不幸を笑いながら喜ぶと悪趣味極まり、成績も平均より下。そんな人間に頭を撫でられて平然とする人間などいるはずなかろう」


「よしお前はぶっ潰すからそこなおれゴラァァッ!!」


「はいはい、今は何をするべきか考えて行動しなさい」


極夜のあまりの物言いに(ほとんど事実だが)怒った白夜と極夜のやりとりに魔夜が仲裁に入る。そのいつも通りな姿を見て他の面々は緊張を解す。

そこにノックの音がする。


「どうぞ」


魔夜が返事をすると入ってきたのは闘技場の職員だった。


「時間になりました。ご準備をして下さい」


それだけ告げると職員の男は足早に部屋を出て行く。

職員の男が部屋から出て行った後、魔夜は全員の顔を見る。魔夜は一人一人視線を合わせると軽く微笑を浮かべ、そして表情を変えた。冷たく、触れたら火傷では済まないような冷酷な表情を浮かべる。


「奴を殺す。そして私の復讐を果たす。全員力を貸しなさい」


全員が頷き、白夜達は闘技場の会場へと足を向ける。過去の清算を、復讐を果たすために。

次こそはバトルシーンですので!

報告ですが、修正を1話からするかもしれませんのでよろしくです!

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