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復讐の夜  作者: 榊原灰人@vtuber
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復讐の一夜・3

少し短めの投稿です。

「………………」


見知らぬ天井。目覚めてまず思ったのはそれだった。


「ここは……っ!」


白夜は今の状況を確認しようと身体を動かすが痛みが走り動きを止める。そこでふと重みを感じる。そこには


「スー、スー……」


ハデスが白夜を枕代わりにして寝ていた。

ハデスは今回いい働きをしてくれた。使ったこともない『影移動』(シャドウドライヴ)のおかげで白夜を呼ぶことができ、時雨達も逃すことができたのだ。

白夜は寝ているハデスの頭を撫でる。ハデスは気持ち良さそうな寝顔を浮かべる。


「見て下さい魔夜お姉様。白夜のくせにカッコつけてますよ」


「ハデス様何をなさっているんですか⁉︎」


「タナトスうるさい〜。黙って見なきゃバレるよ」


…………ドアの隙間から時雨、夢、タナトスの3人がコソコソと言い合いながら白夜達を見物していた。


「あの白夜にモテ期が来るなんて思わなかったわ」


「余と魔夜の周りは煩かったが、白夜は何もなかったからな。余計に新鮮に感じるのだろうよ」


「そういうものかしらね」


白夜がドアから視線を外し顔を横に向けるとベッドの反対側、つまりハデスと逆の場所に魔夜と極夜が座っていたのだ。

それに気付いた白夜は顔を真っ赤に染めながらハデスを撫でていた手をどかす。


「ん〜………」


ハデスは頭の感触がなくなったことで不満気な表情をしながらも夢の世界から起きてはこない。


「あら、やめなくても良かったのよ?」


「からかうのはやめてくれ」


白夜は困ったと首を触りながら魔夜に頼む。魔夜はクスクスと笑うとドアから覗いていた時雨達を部屋に入れて表情を引き締める。

同時に極夜達も表情を変え、ピリッとした空気が場を支配する。


「それで、何があったの?」


魔夜は単刀直入に聞く。近くにいた時雨の表情からも誰がいて、なぜ白夜がボロボロなのかは知っているのだろう。それでも確認せずにはいられない魔夜は白夜に直接聞くためにここにいた。おそらく極夜も同じだろう。

それが白夜達が生きる意味で目的なのだから。


「魔夜、お前の復讐相手と殺りあった」


瞬間、白夜に無数の魔法が寸前で止められる。白夜は自身のステータスの耐久が0になっていることに感覚で理解する。

これをやった魔夜は白夜を睨みつけながら口を開く。


「殺していないでしょうね?もし」


「殺ってねーよ。日取りと場所を決めただけだ」


白夜は死ぬかもしれない状況に物怖じせずに答える。魔夜は白夜の言葉を聞き魔法を解除する。


「ならいいわ。それでどうだった?」


魔夜は白夜に復讐相手、テトの強さを聞く。


「時雨達から聞いてないのか?」


白夜は近くにいる時雨達の方に顔を向ける。

時雨達は苦笑いをしながら答える。


「一応説明はしたけど、私達は全力を出させることもできなかったから……」


「わいはメンドイから」


「私はすぐに気絶してしまいましたので……」


時雨、タナトスは申し訳なさそうな顔をしながら理由を話すが、夢は素直に面倒いと言い切る。

とにかく魔夜は同じくらいの実力を持つ白夜の感想を聞いた方が良いと考えたのだろう。白夜は1人そこまで考えると魔夜にテトと戦った感想を話す。


「まずあいつは弱い。スキル頼りの雑魚だ」


「「「え〜……」」」


この言葉に時雨達テトに負けた組は揃って残念な顔をする。テトを白夜は弱いと断言すればそれは時雨達も弱いということになると考えたからだ。白夜はそんな時雨達に首を振りながら自身の考えを話し続ける。


「別に時雨達は弱くない。あいつのスキルが強かっただけだ。スキルが同等ならお前らはあいつを倒してた」


白夜の言葉に時雨達は首を傾げる。時雨達の印象はスキルよりステータスの方が上だと思ったからだ。


「あいつはスキルを複数持っている。鑑定石が使えなかったし、『硬化』のスキルと『加速』のスキルを使ったのは確定だしな」


白夜は戦闘の最中に剣が通らなかったのと白夜のスピードについていったことが理由だ。

レベル差も考えたが、あの実力でそれはないと白夜は確信していた。


「とにかく、魔夜があいつを殺すからその後のことを考えるべきだ」


白夜が話を始めようとするが、魔夜が気になっていたことを聞く。


「白夜、その日取りと場所はどうなったのかしら?」


白夜は言うのを忘れており、その日付と場所を伝える。

白夜と寝ているハデスを除いた全員の顔が青褪める。


「え、なに?」


白夜は急に顔色が悪くなった魔夜達に声をかけるが魔夜達はそれどころではない。

なぜなら


「白夜、今の時間が何時かわかるかしら?」


「朝の10時だけど……」


魔夜は怒った笑顔を見せながら決定的なことを告げる。


「白夜が目覚めたのは一週間経ってなのだけど、どういう意味か、わかるわね?」


白夜は魔夜の言葉を反芻し、少しして同じように顔を青褪めていく。


ーーなぜなら、つまり


「今日じゃねーか!!!!」


テトと殺しあう日が一週間後の今日だったのだ。

できれば来週中に投稿します。

ハロウィンも近いので、学園編も入れるかもしれないのでよろしくです!

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