称号:復讐者
遅れてすみません!
「魔夜お姉様〜、これどうやって調理するんですか?」
「それは白夜の勘に任せるわ。最悪白夜が死ぬだけよ」
白夜と夢が戻ると、そこにはいつもの魔夜、極夜、時雨、ハデス、タナトスがいた。
「………フツーだな」
白夜はその様子を見て、1人呟く。
さっきまでのシリアスはどこにいった。
「あ、白夜。戻ってきたんなら食事の前にすることをしておきましょう」
魔夜は白夜の顔を見るなりそんなことを言った。白夜は何のことかわからず首を傾げる。
「鑑定のことだ愚か者」
「ブチ殺すぞ?」
極夜のあまりな物言いに喧嘩口調で返す白夜。
「そんなことは後でしなさい」
魔夜はため息をつきながら諌める。
「じゃなくて! 何でそんな普通なんだよ?さっき殺そうとしてたのに」
白夜は疑問を魔夜と極夜、時雨にぶつける。時雨が操られているとわかっていたとしても時雨の態度が普通なのはおかしい。いつもの時雨なら申し訳なさそうな顔をして沈んでいるはずだ。何をどうすれば………!
「記憶がないのか?」
「正解。本人は夢って勘違いしてるわ」
白夜の考え通り、時雨にはあの出来事が夢だと勘違いしている。魔夜達はそれに気付き、
「ならいいか」と見逃したのだ。魔夜達は別に時雨を殺したいわけではない。ただ、あの事件は白夜達3人にとって今でも変えたい過去。それなのに白夜だけが死ねばいいなどと言われれば頭に血が上ってもおかしくない。時雨がそんなことを考えているわけがないのに。時雨は白夜達3人のことを認めている。でなければ魔夜がいるというだけでついてくるわけがない。(本当に魔夜がいるからかもしれないが……)
そもそも白夜は時雨に勝って実力を証明しているし、十一神みたいに白夜を毛嫌いはしていたがイジメには参加していなかった。嫌いだとしてもそれは意識誘導なのだから本人の意思ではない。嫌いというイメージはあるかもしれないが、それであの事件の被害者が白夜1人になれとは普段の時雨は思わない。なら、それは催眠術によって作られたもしもの時雨の感情であり、今時雨が思っている感情ではないはずだ………はず、だよね。
「ま、お前らが大丈夫ならいいか」
「時雨は攻撃されたことも夢と思っているから大丈夫よ」
「余らもさすがに反省はしている。あれは過剰な反応だったのでな…」
魔夜と極夜の申し訳なさそうな顔が珍しく、本気で反省はしているのだろう。
「反省しているからといって、見過ごしていいわけでもないけどな」
「「……」」
魔夜と極夜が反省していてもあの時の時雨の恐怖は本物(かなり震えてたしな)だ。それを無いものとして扱っていいのか?
白夜は一人そんなことを考えるが
「白夜遅い!魔夜お姉様を待たせるとか、どんな身分⁉︎自分の立場考えなさいよね!」
「(うん、知るかボケ‼︎)」
時雨の態度にその心配は消えるのだった…。
「鑑定始めるぞ〜」
「ええ」
「うむ」
白夜は鑑定石の前に座り、自身を鑑定する。
白夜のステータスはこうだった。
白崎 白夜 LV32
筋力:1720
魔力:1005
耐久力:1250
敏捷力:3010
スキル:殺意、空力脚、魔銃、加速、宿雷
称号:復讐者(???・拒絶)
「なんだコレ?」
白夜が言っているのは新しく表示されている称号:復讐者だ。レベルが上がったのはわかる。だが、この称号は意味がわからない。あのスキル欄に書かれていた???が見えるようになると考えていた白夜だが、この事態は想定していなかった。
「白夜の称号:復讐者は多分。私達もあるかもしれないわね……」
「あるであろうよ。あのことを忘れたことなど、一度たりともない…!!」
魔夜と極夜は白夜の称号を見て、あの事件を思い出す。復讐者とは正に今の白夜達を示すものだ。
「とにかく鑑定しましょうか」
「ああ……」
魔夜と極夜が鑑定する。
白崎 魔夜 LV29
筋力:430
魔力:5100
耐久力:250
敏捷力:400
スキル:憎悪、魔法適性、瞬間移動
称号:復讐者(喪失)
白崎 極夜 LV27
筋力:3400
魔力:300
耐久力:2100
敏捷力:2050
スキル:憤怒、炎帝、アンチ魔法
称号:復讐者(悔恨)
「なるほど……全員にあるけど、俺だけ???があるのか」
「何にしても、これを調べるのが先決かしら」
「余には何の不都合もないがな」
不気味だが、使えるなら使う。そして必ず仇を、復讐を果たす。そのためなら禁忌を犯そうと知ったことか。
白夜達3人は改めて決意をした。
この決意がこの先どんな悲劇を生むのか、知っていてなお……決意したのだった……。
今回は『化け物』との戦闘でした。これからもどんどん出てくるので、楽しみにしてください!
次回の投稿は20日です!よろしくお願いしますm(._.)m




