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復讐の夜  作者: 榊原灰人@vtuber
22/83

殲滅6

1日遅れの投稿です、すみませんでした!m(._.)m


極夜が五神慎士を斬り殺す15分前


「ホント、メンドくさいこと押し付けてくれたわね」


ドゴォォォォン


「魔夜お姉様もそろそろ機嫌なおしてくださいよ〜。悪いのは全部あの2人なんですから〜」


「そうね、今夜の夕食はあいつらに強制でやらせましょうか」


ドガガガガッ


「前から思ってたんですけど、そんなに家事をしたくないんですか?毎回凄く嫌そうにしてますけど」


「それは見てからのお楽しみね」


喋りながらも魔法を連発し敵を蹴散らす魔夜。時雨は魔夜に『呪力』を使い援護にまわっている。


「魔夜お姉様、気分はどうですか?」


「いつもと変わらないわ。しいていうなら、思い切り惨殺したい気持ちくらいかしら」


「狂化状態ですし、しょうがないですよ」


時雨の『呪力』の影響で狂化状態になっている魔夜。狂化状態といっても、ただ思考力の低下と理性の崩壊といったものなので魔夜にはあまり効かない。なぜなら


「すでに『憎悪』で狂ってると言っても過言ではないのだし、変わりないわね…」


「何か言いましたか?」


「いいえ、それよりも本命の登場よ」


魔夜が促した視線の先には、今までの雑兵と雰囲気が違う人間が4人いた。


「時雨、ハデスをお願い。さすがに守りながらでは無理のようだから」


「わかりました。お守りは任せてください」


「お守り⁉︎時雨ひどくないっ⁉︎」


ハデスのツッコミを華麗にスルー。


「こんばんわ、五神家の皆さん。そんなに怖い顔をして、どうかなさいましたか?」


魔夜は微笑を浮かべながら五神家の4人を迎える。


「やれやれ、これだから野蛮な平民と関わるのは嫌なんだ」


メンドくさそうに言っているのは、まだ幼さが抜けていない14、15くらいの少年。

名前は五神ごかみ まことだ。


「父上の言いつけなのだから仕方ないだろう。早く済ませよう」


そんな少年をたしなめるのは見た目が秀才のような眼鏡をかけた、おそらく兄的な青年。こちらは五神ごかみ 優斗ゆうと

その後ろを歩いているのは執事服を着た男、五神ごかみ 信彦のぶひことメイド服の女性、五神ごかみ 早希さき


「(これは、少しめんどうかしらね)」


魔夜は臨戦態勢を整えつつ出方をうかがう。


「でも、あの女の人かなり美人だよね?僕もらっちゃっていいかな?」


少年が無邪気に笑いながら喋る。


「ふむ…、確かに。では、先に決定打を与えた方が貰うというのはどうだろうか?」


「言ったな〜!お兄様でも譲らないからね!」


さらりと人を物として扱い、その所有権を笑いながら話す五神家の2人。執事とメイドはその様子をただ黙って見ている。


「魔夜お姉様を、貰う…?フフフフ…、面白いこと言ってますね」


「時雨、予定変更。言わなくてもわかるわね?」


「仰せのままに」


「わ、私は魔夜の後ろにいるわね?」


魔夜と時雨は微笑を交わしながら、ハデスは冷や汗をびっしょりとかきながら話す。


「『呪力』『呪怨』」


『呪力』を使い魔夜のステータスを上げ、『呪怨』で五神家の4人に感覚麻痺の呪いをかける。


「ん、なんか身体がおかしい…?」


「感覚が…、貴様何をした⁉︎」


魔夜と時雨はとりあわず先制を仕掛ける。


「『風弾』『水弾』」


風と水の弾丸が数十個作られ、五神達に収束する。しかし、さすがは五神家の人間。慌てず対処する。


「4号、守れ」


五神 誠の声に応じてメイド服の女性が文字通り肉壁になる。魔夜の攻撃をその身で受けた五神 早希は、全身血塗れにされても表情を変えず棒立ちしている。


「身体重いなぁ〜…。お兄様、これなんだと思う?」


「おそらく状態異常のスキルだ。4号に引き受けてもらうか」


五神 優斗は五神 早希の手を掴み、その腕に噛み付く。五神 誠も兄に習い、噛み付く。


「キモイ。死ね」


魔夜は侮蔑の視線を込めながら魔法を打ち続けるが、全て執事の男、五神 信彦に防がれる。


「チッ…さすがにこのままじゃヤバイわね」


「お姉様、彼奴らは何をしているのでしょうか?」


「時雨の呪いをあのメイドに移したのでしょうね。まあ、あまり変わらないけれど」


見ると、五神兄弟は身体の調子を確かめ終わり、笑みを浮かべている。それに対して五神 早希は無表情な顔に汗をびっしりとかき、ふらふらとした足取りでおぼついていない。


「あんたらさ〜、ちょっと調子乗ってるね。まさか呪いをかけるだなんて思わなかったよ」


五神 誠は笑みを浮かべながら話しかけるが、その手には短剣を持っている。兄の五神 優斗もどこからか取り出した長剣を手に構えている。


「同じ五神の人間に対して、随分と冷遇しているのね。そのメイド服の女性は仲間じゃないの?」


魔夜が話しに答える。五神 誠は魔夜の質問に心外だとでも言わんばかりの顔で返す。


「こんなどこの誰だかわかんない奴を仲間だなんて認めるわけないじゃないか。傭兵上がりだかなんだか知らないけど、ヘラ様も余計なことをしてくれるよ、全く」


「へぇ〜、傭兵上がり、ね…」


この傭兵とは「化け物」を狩ることで収入を得ている人達のことを指す。現在、人類が住んでいるのは日本で人口は2億弱。これでも大分増えた方らしい。前にアメリカやロシアがあった場所は「化け物」に攻められ、今はモンスターハウス的な場所に成り果てている。


「傭兵を引き込んだのかは知らないけれど、なぜそんな様になっているのかしら?」


そんな命のやり取りを生業にしている人達だ。当然強い、はずなのだが


「なんだって、アンタ達みたいなクズに利用されるのかしらね」


「僕達がお前ら弱者を、どう扱おうと勝手だね!お前らは黙って従ってればいいんだよ‼︎」


この言葉が癇に障ったのか、苛ついた顔で声を荒げる五神 誠。


「話す価値もないわね…」


話しながらも魔法を互いに打ち続けていた魔夜と五神家。魔夜は1人に対し、相手は3人。魔夜といえども魔力に限界が近づく。


「らしくないけれど、しょうがないわね」


「ああ?何を言っているんだ」


魔夜の呟きに五神 誠が反応するが、魔夜は取り合わずに突進する。


「自爆でもする気?バカなんじゃないの」


五神 誠が嘲笑いながら魔法を放つ。


「『地獄炎ヘルフレイム


凶々しい黒炎は魔夜に一直線に向かっていき、衝突すると同時に爆炎を上げ燃え盛る。


「「(魔夜)お姉様ぁぁぁぁっ⁉︎」」


時雨とハデスが爆炎を見て悲鳴をあげる。

その様を見て満足した五神 誠は笑い声を上げ、周りの五神家の人間も笑う。


「あはははっ、こんな呆気なく死ぬなんて思わなかったよ!仮にも魔導学園最強と、呼ばれていたのに、この様…プククッ、ダサすぎだよ!」


「弱すぎる。よく攻めようなどと思ったものだ」


五神 誠と優斗は魔夜をこき下ろしながら笑う。執事の五神 信彦も愉悦を抑えきれないのかその頬に笑みを刻んでいる。メイド服の五神 早希は以前、棒立ちのままで無表情だが。


「お兄様、そろそろ屋敷に戻りましょう。父上も片付けている頃合いでしょうし」


「そうだな、あのゴミを片付けたらな」


ゴミ呼ばわりされた時雨はその瞳に怨みを込めながら、現状の打破を考える。

魔夜は死んでいない。あれくらいで死ぬのならそもそも1人で相手取ったりせずに逃げていたはずだ。なら、これはお姉様の掌の上。私はそれに答えて行動するべき。ここで私が取るべき行動はただ1つ。時間稼ぎ。


「『水槍ウォーターランス』」


時雨は槍を生み出し攻撃する。五神達は魔法を使わず、身体を捻るだけで避ける。

時雨は間髪入れずにどんどん水槍を生み出しては攻撃し、五神達はただ避け続ける。おそらく魔力切れを狙っているのだろう。ならば


「『水竜乱舞』」


何十体もの水の竜が現れ、五神達に襲いかかる。これには驚いたのか全員が目を見開く。


「やるねぇ〜、君。でも、そんなものじゃ殺せないよ?」


しかし、五神 誠は余裕の表情で水竜の群れを跳ね返す。


「『炎盾』」


時雨の水竜は炎の盾に突っ込むが全て蒸発し、消えていった。


「ハァッ、ハァッ、ハァッ……さすがに、荷が重い、ですね」


息も途切れ途切れになる時雨。魔力を使い果たして身体中が悲鳴をあげている。


「君にしてはよくやった方じゃないかな?ご褒美に僕のペットにしてあげるよ!」


無邪気な笑顔を浮かべて吐く言葉がこれなのだから、もはや染まっていると言っていい。それにーー


「(魔夜お姉様もそろそ準備が終わった頃かな?)」


時雨が五神 誠の言葉を無視していると、苛ついた表情で時雨を睨みつける。


「ホンットに、よく僕を無視なんて真似できるね。そんなに殺されたいのなら殺してあげるよ」


「やれやれ、後始末がメンドウだ」


弟の言葉に兄は嘆息するだけで止めようとしない。両方とも腐っている。

時雨はそんな2人を睨みつける。


「何その目?僕を、バカにしているのかぁぁぁぁっ!!」


どうやら五神 誠の琴線に触れたらしい。五神 誠から膨大な魔力が溢れ出す。


「肉の一片も残らず消してやるよ!『極炎龍』」


時雨の水竜とは比べものにならない、いるだけで存在感を示す龍が出現する。大きさも力も完全にこの龍の方が上だ。この龍を生み出した五神 誠も満足した表情でべらべらと喋る。


「どうだ、これが僕の切り札だ!お前のちっぽけな水竜なんかとは格が違うんだよ!やれ、『極炎龍』」


命令を受けた龍は時雨に爪を振り下ろす。


「っ、『水盾』!」


咄嗟に防御魔法を使うが、僅かな魔力では少ししか持たず龍の爪に腹部を切り裂かれる。


「かっ、ああぁぁぁぁっっ⁉︎」


腹部の痛みに絶叫する時雨。夥しい血が溢れ出し、時雨の意識も薄れていく。


「あはははははっ、無様だねぇ。さっきの女といい、君達は身の程を知らなきゃ」


「蟻が象に敵わないのと一緒だ。お前達では勝てない」


「旦那様の仰る通りでございます」


五神達は時雨に近づきながら好き勝手言い放題。時雨はそんな五神達を見て


「お前、なぜ笑っている⁉︎何が可笑しい!」


笑う。侮蔑と嘲笑を込めた笑みは五神達の精神を逆撫でする。


「やれ、『極炎龍』!」


即座に時雨を殺そうとするが、龍は動かない。


「なんで動かない?これは僕の魔法で生み出した龍なのに、どうして⁉︎」


突然動かなくなった龍に思考が混乱する五神 誠。そんな中、突如龍が消える。あっさりとまるでいなかったかのように。


「な、なぜ消える⁉︎どうして⁉︎」


「それは私が途中から幻覚に変えていたからよ」


ドスドスドスドスッ


「へ……、なん、で」


五神達の胸から短剣が貫いていた。短剣は心臓を貫き、致命傷となっている。


「いつの、間に…ゴフッ」


五神 優斗は息も絶え絶えなりながらも思考する。自分達と彼奴らではレベルの差は歴然。人数もこちらが多い。それにあの女は、あの黒髪の女はさっき殺したはずだ!なぜ生きている⁉︎

五神 優斗は黒髪の女ーー魔夜を睨みつける。


「あら、怖い顔。どうかなさいましたか?」


「なぜ、生きている…、お前は、さっき」


「死んだはず?三流もいいところね」


「こんの、クソアマがぁぁぁぁっ!!」


「なんて野蛮なのかしら。これだから肥え太った三流貴族とは関わりたくないわね」


五神 優斗の怒りの形相を見て楽しむ魔夜。

しかし、五神 優斗は徐々に顔を苦痛に歪め青褪めていく。


「そのまま這い蹲って死になさい」


魔夜はそれだけ告げると踵をかえし、時雨の元に向かう。


「こんな、とこ…ろ、で…」


傷を治そうとするも上手くできず、意識も薄れていき、死んだ。

戦闘描写が上手く書けない…。

それと次の話は逃げた白夜と空音 夢の話になります。

あと、感想とか、欲しいとか言わないんだからね!(チラッ、チラッ)

ふざけるのも終わりにして次の投稿は次週の土曜日午後6時にします!

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