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復讐の夜  作者: 榊原灰人@vtuber
21/83

殲滅5

次で今回の殲滅は終わります!

「………時雨…、これはどういうことかしら?」


「えーとですね…、なんと言いますか…」


魔夜はニコリと、それはそれは、ニコリとした顔で時雨に詰め寄る。


「ま、魔夜お姉様っ、目が笑っていませんが⁉︎」


「いい〜え〜、笑ってるわよ〜。でも、それもいつまで持つかしらね〜」


「………、あ!ハデスです!ハデス様が全部知ってますっ!」


「売ったわね時雨っ⁉︎」


魔夜はくるりと振り返り、傍観に徹していたハデスに詰め寄る。


「それで、五神家当主を除いた全ての構成員と私達で殺れと?近接戦できる人、この中にいるかしらね〜?」


周りを見回すと敵、敵、敵、敵だ。


「まあ、やるしかないわよねぇ…。ハァァァ」



時は遡り、10分前ーーーー


「それじゃ、やりましょうか」


「あいよ」


「ああ」


「「ちょっと待てぇぇぇぇ⁉︎」」


「「「何か?」」」


意気揚々と正面の扉を蹴破ろうとする白崎兄弟にストップをかける時雨とハデス。


「何か?、じゃないですよっ!なんで堂々とケンカ売りに行ってるんですか⁉︎せめて侵入にしましょうよっ」


「「「こっちの方がスカッとする」」」


「わお、フリーダム!!」


泣きながらツッコミを入れる時雨。

その時雨の肩をポンとハデスが叩く。


「あとは私に任せなさい」


「ハデス様…」


ハデスは魔夜達に向き直ると、


「五神潰すならこの家貰えるのに勿体無いことしちゃダメでしょ!」


「「「その手があったか⁉︎」」」


「あるかぁぁぁぁっ⁉︎⁉︎」


ハデスも影響を受けているようだった…。


「もうっ、ふざけるのも大概にして真面目に話しましょうよ!」


時雨がヤケになりながらも提案する。さすがにこれ以上はマズイと思ったのか全員は真面目な顔つきになる。


「とりあえず、それぞれ転移で飛ばしましょうか。あと、一回が限度だから極夜を飛ばすわね」


「え、あれに限度とかあったのですか?」


時雨が驚いて魔夜に尋ねる。


「もちろんよ。体調にもよるけど、1日に10回あたりが平均ね。魔力が回復しようとしまいとこれくらいしか使えないのが難点なのよ」


「制限があったんですか…、確かに何回も使えたら強力ですもんね」


「瞬間移動は目に見える範囲だけだけど、何回でも使えるのが利点ね。おかげで転移が使えなくてもこっちで代用できるわ」


「さすがですっ、魔夜お姉様!」


時雨の褒め言葉に満更でもない魔夜。事実、強力すぎて困る。


「あれ、でも転移は極夜に効くんですか?魔法耐性ありましたよね」


時雨の疑問に魔夜は得意げに答える。


「確かに極夜には効かないわ。でも、誰かを中継にしたら使えるのよ」


「?」


「そうね、時雨が極夜の身体のどこかを……」


魔夜が時雨に説明をする間に俺と極夜は裏で話し合う。


「極夜、少し頼みがあんだけど」


「ああ?何?」


「水川じゃなくて俺が行っていいか?」


俺の提案に少し考える極夜。


「お礼に次の飯作りと食器洗いは俺がやろう」


「乗った」


「成立な」


よし、これで極夜は懐柔できた。


「……私は何も聞いてないわ。何も聞こえてない。ないったらない!」


あとはハデスか。


「喋ったら髪を燃やすからな」


「扱いが違いすぎない⁉︎私、神様なのよ!」


「知ってる」


「知っててその扱い⁉︎」


とりあえず念はおしたし、喋らないだろう。喋ったら……、うん、燃やそう。


「それじゃ行くわよー」


魔夜が俺達に呼びかける。

水川は説得できてないが、俺には秘策がある。


「時雨、極夜の二の腕でいいから掴んで」


「はい」


時雨は言われた通りに極夜の二の腕を掴む。


「3・2・1、でいくわよ」


魔夜が転移のタイミングを教え、かけ声をかける。


「3」


「2」


今だっ!


「オラッ」


シュバッ


「そんじゃ行ってくる」


「1って、何してっ」


俺と極夜は魔夜の空間転移の魔法で飛んだ。



「それで、部屋の中で厳重そうなとこを探してたんだが、まさか1発で見つかるとはな…」


目の前には五神家当主・五神慎士と血塗れで倒れている空音 夢。だが、それよりも気になるのは…


「オイ、その骨はなんだ?見たところ人骨なんだが……」


しかも、注意深く見ると肉が所々ついている。おそらく俺達が来る前までは骨だけじゃなく、肉もついていたはずだ。


「………極夜…」


「ああ……」


俺と極夜は互いに目を合わさず、かけ声で頷きあい…


「ブッ殺す!!!!」


「『激怒』発動!!!!」


即座に行動する。


「『加速』」


俺が『加速』を使う間に間合いを詰める極夜。五神慎士はそれを余裕の表情で眺める。

極夜が拳を突き出す。


ズドォォォォンッ


「な、に…!」


極夜の拳は止められていた。五神慎士はそのまま腕を掴み、背負い投げを見舞う。


「こ…んにゃろっ」


極夜は足を踏ん張り、背中を打ち付けずに着地し、足払いを行うもかわされ距離を取られる。


「『炎帝剣』」


極夜は巨大な炎の剣を生み出し、五神慎士に距離が離れたまま振り切る。炎帝剣はその切っ先を伸ばし五神慎士に斬りかかる……が、


「甘いぞ若僧」


拳を振って炎を消した。


「クソが、レベル差ありすぎだろ」


「貴様程度、我には遠く及ばん。それにしても手間を取らせる」


この五神慎士の手間を取らせるとは、この部屋に極夜と五神慎士しかいないことが理由だ。


「あいにく、テメーは俺が殺るってのが条件であいつにも来んの許可したんだよ」


「…貴様、我を侮るかっ!」


「知るかバカ。俺はテメーを殺す。それだけだ」


「貴様…!その侮蔑、死をもって償わせてやろうっ!!」


「その言葉使いはなんかいいな…、俺もそんな口調にかえてみようかな…」


極夜は何を思ったのかそんなことを呟き……


「余が直々に相手をしてやるんだ、光栄に思え、愚図がっ!」


………、物凄く生き生きとした顔で王族のような言葉を使った。違和感は欠片もなく、むしろ馴染んでいた。


「貴っ様ぁぁぁぁっっっ!!」


極夜は笑いながら、五神慎士を迎え討つ。


「貴様の家族もあの小娘と同じ目に合わせてやろうっ!後悔しろ平民っ、貴様は取り返しのつかないことをしたぞ!」


「同じ目に合わせる…?どういう意味だ?」


言葉を交わしながらも、戦闘は行われている。五神慎士はその圧倒的なステータスで極夜を追い込む。極夜は余裕の表情を浮かべているが、実際には追い込まれており、全く余裕がないのだ。それを悟ったのか、五神慎士は嗜虐的な笑みを浮かべながら語る。


「あそこの死体が何かわかる、か⁉︎」


「っっっ!」


言い終わると同時に極夜を殴り飛ばす。いくら学園では強かったとはいえ、まだ卒業したばかりのひよっ子。『化け物』の討伐などをしている歴戦の戦士に簡単に勝てるわけがない。


「あれは空音 夢の父母だ。この意味がわかるか?」


「…………、目の前で殺したのか?」


極夜は五神慎士の真意が読めず、聞き返す。


「我が手を下すはずもなかろう。あれは空音 夢自ら殺したのだ。最も、我に操られていたからだがな」


「…………………」


「どうした、身体が震えているぞ」


極夜は五神慎士の言葉を聞き、身体を震わせていた。それを恐怖したゆえに起きた震えと認識した五神慎士は言葉を続ける。


「あの時の苦悶の表情っ、嘆きと絶望に彩られたあの小娘の表情には、中々にそそられるものがあったぞ!クハハハハッ!」


五神慎士は高笑いを上げながら、スキルを発動する。


「『神経操作ナーヴコントロール』」


五神慎士は極夜の頭を掴もうと迫る。

が、それは幻覚で作られた偽物。本物は極夜の後ろから迫る。


「これで終わりだぁぁぁぁっ!」


勝利を確信し、そのまま突っ込む。対して、極夜は俯いていた顔を五神慎士の手が頭に触れる直前にあげる。

刹那ーーーー



(………天井…?なぜ我は天井を見て…、いや、これは…倒れている?なぜ我が倒れて……」


「不思議そうな顔をするでない。当然の結果だ」


五神慎士が顔を上げると、極夜は身体に金色の焔を纏い、体格も少し大きくなっている。


「貴様…、何だそれは?」


「冥土の土産に教えてやろう。これは余の切り札の1つ、『金龍化』だ」


「に、人間が、龍になる…だと⁉︎」


「龍人、といった方が正しいがな。さて、余は飽きた。そろそろ終幕とさせてもらおうか」


極夜は掌に金色の焔の剣を生み出す。


「遺言はあるか?」


「クソ……、貴様ら如きにっ…貴様ら如きにぃぃぃぃっ!」


怒りと憎しみと殺意を込めた目で睨みつける五神慎士。それを極夜は鼻で笑い


ーーーー微塵の容赦もなく斬り殺した。


他の五神の前に決着させちゃった…(大汗)

白夜はどこに逃げたのか、魔夜達はどうなったのかを次でまとめて書きます!

次の投稿は次週の土曜日午後6時くらいです!

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