殲滅4
これからも頑張って投稿します!
できれば夏には毎日投稿できればいいな〜…
「親を…喰べる…?な、何を…言っているの…?」
「君が親を喰べるのだよ。これくらい言われてわからんものかね」
ハァァァ、やれやれだなと言いたげに溜め息をつく五神 慎士。
その様子に先程の言葉が冗談ではないと理解した。だがーーーー
「ふざけんじゃないわよ!私が親をっ、ママとパパを喰べるなんてことするわけないでしょ!!」
理解したからといって、とうてい受け入れられるものではない。親を喰べるなんて外道を受け入れる方がおかしい。ましてや、喰べるということは、親を殺すということだ。当然受け入れるわけがない。
「まぁ、君の意思は関係ないのだがね」
「は?何を言って…」
スパッ
五神 慎士は何を思ったか、腰にかけていた短剣で空音 夢を拘束具を斬った。
あまりにも突拍子な行いに思考がフリーズする空音 夢。対照的に五神 慎士は気味の悪い笑みを浮かべている。そして、五神慎士は空音 夢の頭を鷲掴みにすると
「『神経操作』」
「! な、何これ⁉︎体が…っ」
「ククククッ、君の身体は我により支配されている。この意味が、わかるか?」
「まさか…!」
空音 夢の身体を支配した。
サァァァッと顔が真っ青になる空音 夢。
身体を支配されているということは、つまり……
「君は、自分で親を殺し、その地肉を喰らうということだ!!!!
これほど愉快なこともそうそうあるまいっ
クハハハハッ」
五神 慎士は楽しそうに笑い、空音 夢は絶望した顔で五神 慎士に懇願する。
「いや、いや…、やめて…」
「無理だ」
空音 夢の懇願を一蹴した五神 慎士は命令する。
「空音 夢よ。親を殺し、地肉を喰らえ」
「いやだ、いやだぁぁぁぁぁっ!!!!」
しかし、身体は意思に反して五神 慎士の短剣を受け取る。
「誰かっ助けて!助けてぇぇぇぇっ」
「クハハハハッ。さぁ殺れ!貴様の手で親を殺すのだ、空音 夢よ!」
空音 夢は気絶している親の前に立ち、短剣を頭上に掲げる。そしてーーーー
「いやぁぁぁぁぁっ!!!!」
ザシュッ、ザシュッ
一振りで母の首を、二振り目で父の首を斬りとばす。
「あ…あ、ああっ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ⁉︎!⁉︎!」
思考がグチャグチャになり、殺してしまった罪悪感、喪失感、そしてこの現状を引き起こした五神 慎士に殺意が芽生える。しかし、まだ、終わりではない……
「さて、次はその死体を喰え」
「そんな…もう、やめてぇっ!これ以上私にママとパパを貶めさせないでっ!」
空音 夢は涙を流しながら再度懇願する。
「やれ」
懇願むなしく、無情にも、五神 慎士は命令する。
「やだ…やだやだやだやだやだやだっ、やだぁぁぁぁぁ!!!!」
だが、身体は操られており、残酷にも母と父の肉を手の短剣で切り取り……
モチュ、モチュ、モチュ……、ゴクンッ
「うぐっ…う゛う゛う゛う゛ぅぅぅ…」
喰べた。
それからも黙々と手が動き、口に運んで喰べる。それも、飲み込まないよう咀嚼させながら……
「フハハハハッ!愉快っ、実に愉快だ!『天使』のスキルを持つ者が人を喰うとはな!フハハハハハハハッ」
涙を流しながら、嗚咽をこぼしながら咀嚼させられている空音 夢を見て心底楽しそうに笑う五神 慎士。
「だ、旦那様!!!」
「何だ?せっかくの楽しみを邪魔するとは……お前も死ぬか?」
血相を変えて飛び込んできた執事の男に五神 慎士は苛立ちを含みながら返す。
「そんな場合ではございません!この屋敷が攻撃にされております!」
「何だとっ⁉︎」
この五神 慎士と空音 夢がいる部屋には防音魔法がかけられており、外には聞こえない。よって、外からの音も遮断されているのだ。この部屋は部下がヘマした場合や、拷問をする場合に使われるので、このような機能になっていたが、今回は裏目に出たようだ。
「それで、その攻めてきた馬鹿はどこの所属だ?可能性としては、十神か?」
十神とは昔から馬が合わず、過去に何回か抗争があったのだ。
「それが、ハデスのギルドでして…」
「待て、なぜハデスのギルドが攻めてくる?それにあそこにはこの前、ゼウスからの誘いを断った馬鹿な兄弟が初めて入ったばかりだろう。見間違いではないか?」
「間違いありません。特徴も、試合で使っていた能力も確認いたしました」
その言葉を聞いて、少し思案した五神 慎士は執事の男に告げる。
「フム、そうか…。まあいい、全て殺しておけ。我はこの娘が親を食し終わるまで見るつもりだからな」
「ハハッ」
一礼した執事の男は事態の鎮圧のため、移動する。
「ククククッ、それにしても、哀れよなぁ」
五神 慎士と執事の男が話している間も空音 夢は親の咀嚼を続けていた。いや、続けさせられていた。
「ひぐっ、う゛う゛ぅぅぅ…」
モチュ、モチュ………ゴクンッ
「ククククッ、喰べおえたか」
後に残ったのは、喰い荒らされた母と父の肉が付いていた骨のみになっていた。
「どうだ?親を、ククッ、喰べた感想は?」
「………………」
「フンッ、もはや言い返す気力すらないか」
空音 夢の目は虚ろで、最初の反抗心もズタズタに切り裂かれ、この世で最も愛していた家族すらも自分の手で失わされた虚無感で壊れていた。
「さて、では仕上げをするか」
おもむろに懐から取り出したのは、紅黒く染まった小さな結晶だった。
「これはな、お前のために作った特注品だ。なにせ、666人の人間を殺してこの石に血を吸わせたのだからな」
そんな恐ろしいことを告げられても、空音 夢は反応しない。それでも気にせず五神 慎士は話を続ける。
「お前を見つけた時は歓喜に震えたよ。あのお方に命じられて、『天使』のスキルを持つ人間を探して2年だぞっ。しかし、これであのお方も喜ぶ…」
五神 慎士は何か心酔したような顔で話す。
「無駄話もここまでにして、仕上げよう」
急にキリッと変わった五神 慎士は紅黒い結晶を空音 夢の額にかざし、
パリンッ
砕いた。
「喜べ。貴様はあのお方の道具として、これからの生を生きるが良い」
砕いた結晶から紅黒い血が飛び散り、その全てが空音 夢の口から入っていく。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!!!!」
やがて、結晶からでる血の放射も止まり、空音 夢は床に倒れ気絶した。
それを確認した五神 慎士は鑑定石を空音 夢にかざす。
空音 夢 LV19
筋力:360
魔力:1800
耐久力:240
敏捷力:670
スキル:天魔
空音 夢のスキルを確認し、思わずニヤける五神 慎士。
ドゴォォォォンッ
「これくらい自分で壊せよ白夜」
「極夜の方が筋力高いだろうが。それにしても何だこの部屋…、ヤケに防御かてーし、血生臭い、よう、な…」
そこに、金髪の青年と白髪の青年が侵入した。
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