予定外
少し早めに投稿しました!
今度は間に合った…!
「起きないと殺すわよ」
「今起きた⁉︎」
起こし方が怖いわっ!もう少しまともに起こして欲しいんだが…、まぁ、極夜に殴って起こされるよりはマシか…
「起きたなら、他の人も全員起こして」
「は?何かあったのか?」
魔夜の顔が険しくなる。
「とりあえず起こしてくる。あとで何があったか教えろよ」
「………ええ」
俺は全員を起こしに行った。
起きた俺達は走って移動しながら魔夜から何があったのかを聞いた。
「まず、私達がこれから殺る盗賊に頭三つは飛び抜けた男がいるわ」
「レベル差はどんくらいに感じた?」
「村に移動をしている途中に、レベル40代の化け物を殺していたわ。しかも一瞬で」
「なるほどな、それで武器は何を使ってた?」
「大剣よ」
「なら、俺が殺す。他は任せてもいいか?」
「わかったわ」
「気をつけろよー」
魔夜と極夜は俺の言葉に賛同する。
「ちょっと待ってください⁉︎レベル差があるのに一人で行かせるんですか⁉︎」
「大丈夫よ、多分」
「死なねーだろ」
即答。これには水川も言い返せない。
「それよりも自分の心配をしなさい。あなたは今から何をするかわかっているの?」
「わかってますけど…」
「ならいいわ。とにかくこの話は終わりよ。早く行きましょう」
魔夜の言葉に俺と極夜、水川は頷く。
「よ、酔いそう…」
………紐で極夜に縛られて肩に担がれているハデスは吐きそうになっていた…。
「もっと飛ばすわよ!」
「⁉︎」
魔夜はニヤリと悪い笑みをしながらスピードを上げる。ハデス……、頑張れ!
結局ハデスは吐いた。
「ど、どうか娘だけは…!」
「ウルセェッ!」
ザシュッ
「お父さん⁉︎イヤァァァ!」
体に無数の切り傷を受けても、娘を守ろうとした父親は無残にも首を切られ死んだ。
「お前も黙ってろ!」
バシッ
「ブッ」
男は娘を叩く。他にもいろんなところで同じようなことが行われていた。
「お頭、村の男は全員殺しました。一人ご指名の女はすでに運んでいます」
「わかった。それにしても、哀れな村だよなぁ〜。お偉いさんに目をつけられたせいで村は壊滅、自分はゴミ野郎のペットになるんだからな」
「確かにそうですね」
二人の男はそんなことを言いながら、笑っている。心の中では同情心など微塵もなく、金と残りの女のことしか頭にない。
「そんじゃ、野郎ども!燃やして引き返すぞ!」
「お頭〜‼︎女共はどうしやすか?」
「持ってこい!ただし、先に食っちまうんじゃねーぞ!お楽しみは帰ってからだ」
お頭と呼ばれる男の言葉に、構成員30人の男達は下卑た笑みを浮かべる。
捕らえられた女達は絶望の顔をしながら男達の後ろをついていく。逆らえば殺され、ついていっても絶望しかない。男達はその表情に満足そうに笑いながら、村に火をつける。
村を出てしばらく歩いていると、白髪の青年が男達を睨んでいた。
「あん?何だお前?」
白髪の青年は何も言わずにただ睨みつける。その目は血走り、握りしめている拳からは血が滲みでている。
男達はその様子に恐れるでもなく、
「何だ何だ!怒ってんのかぁ〜‼︎」
「ガキはとっとと帰った方がいいぞー!もっとも、殺すけどな‼︎ギャハハハハ‼︎」
男達は挑発するが、お頭と呼ばれる男は額に汗をかいていた。
「(このガキ…殺気が半端ねぇ!こんな殺気は感じたことがねぇぞ‼︎)」
「お頭っ、やっちまってもいいですかね?」
「……ああ、殺れ」
「ヘヘッ、ありがとーこぜぇやす」
「(こいつで様子見をする。ヤバければ全員でこいつを殺す)」
お頭が様子見の生贄に差し出したとは思っていない哀れな男は意気揚々と白髪の青年の前に立つ。立ってしまった。
「そんじゃ、大人の厳しさでも教えてやるかなぁ〜!」
哀れな男は剣を腰から抜き、構えをとる。対して、白髪の青年は何の構えもせずに男達に問う。
「……なあ、楽しいか?」
白髪の青年は顔を俯かせながら聞いたので、顔は見えない。
「んなもん、楽しいに決まってんだろ!バカなこと聞いてんじゃねーよ!」
「……ハハ、楽しい、楽しいねぇ……ハハ、アハハハ、アハハハハハ‼︎」
突如笑い出した白髪の青年に、流石に気味が悪くなった男は、すぐさま殺そうとする。
「とっとと死ねぇ!」
バンッ
「………いつ、の、間に…」
ドサッ
様子見に出された哀れな男は、近づくこともできずに死んだ。白髪の青年は、狂気を宿した目とオーラを放ちながら笑う。その笑みは悪魔の笑みと言っても過言ではないかもしれない。
「殺戮を開始する。無様に死ねゴミ共」
次週は土曜日の午後6時くらいに投稿します!