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復讐の夜  作者: 榊原灰人@vtuber
15/83

小遣い稼ぎ

少し早めに投稿します。

夜に出し忘れることが怖いので…!

4月3日、ギルドに入ってからまだ3日しか経っていない今日この頃、普通のギルドならクエストなどに行って実力をつけたりするのだが……


「「「…………」」」


ハデスのギルドには一切依頼がこなかった。


「ここまでとはな…」


「う、うるさい!仕方ないでしょっ、私達も依頼を取れるよう頑張っても無理なんだから!」


俺の呟きにハデスが過剰に反応する。

ハデスはこの世界をこんな命のやり取りが普通になる世界に変えたのだから仕方ないといえば、仕方ないかもしれないが…。

ついでにタナトスは少し遠出をしている。


「ハァァァ、仕方ないわね。盗賊のアジトでも潰してお金をもらいましょうか」


「「りょーかい」」


魔夜の提案に俺と極夜がのる。


「アホかぁぁぁぁ⁉︎⁉︎」


案の定、ハデスが反対する。


「ワイルドな魔夜お姉様……ウェヘヘ…」


……水川はよだれを垂らしながら、一人薄気味悪い笑みをしていた…。


「何故ですか、ハデス?」


「呼び捨て⁉︎まだ3日なのにもう呼び捨て⁉︎⁉︎いや、今はそんなことはいいわ。盗賊のアジトに攻め込むなんて危険な真似、認めるわけないでしょ‼︎」


「大丈夫ですよ」


「何でそう言い切れるのよ!」


どうやら見えていなかったようだ。よかったよかった…。

ハデスは俺達の心配をして必死に止めようとしているが、無用な心配だ。


「「「盗賊のアジトはお小遣い」」」


「…………」


ハデスはツッコム気力をなくしたのか、その場で項垂れていた。


「どうやら決まりのようですね。それじゃあ、行ってきます」


「……待ちなさい」


ハデスは顔を上げると、


「私も連れて行きなさい」


とんでもないことを言い出した。


「ハデス、いくらいつも小遣い稼ぎに盗賊を潰し回っていた私達でも「いつも⁈」身の安全は保障できません」


魔夜の言葉を聞いてもハデスの顔は変わらなかった。ちなみに途中で驚いたのは水川だ。

それと、ハデス達神様は力が使えない。力がなくなったわけではないが、神様の住む神界でしか力が使えない、ということだ。3、4人の神様が力を合わせれば使える可能性もあるが、まあ、どうでもいい。とにかく、ハデスは自分の身を守ることができないということだ。


「わかりました。ただし、私達の誰かから絶対に離れないで下さいね」


「わかったわ‼︎」


こうして俺達は小遣い稼ぎ(盗賊狩り)に行くことにした。



「オイ!てめーら今月の納金の低さは一体なんだ‼︎‼︎」


「す、すんません、お頭…」


「謝罪が欲しいわけじゃねーんだよ、この無能が‼︎」


「ヒイイィィッ」


盗賊、スレイツ団。盗賊首領ボルナ・スレイツを筆頭に麻薬、強奪、売春を中心に活動している。ボルナは昔、傭兵をしており腕っ節が強い。その上頭も少しばかり切れるため、今までの犯罪は一切ばれてない。


「ったく、どいつもこいつも使えねぇーなぁ‼︎」


ボルナの言葉に俯く構成員達。


(少しデケェ山でも狙うか?)


ボルナは今月の納金の少なさに焦り、大きい仕事をするか悩み、


「オイてめーら聞けぇ!」


ボルナの声に一斉に俯かせていた顔を上げる構成員達。ボルナは全員の顔を見渡した後、薄汚い笑みを浮かべながら最悪の提案を叫んだ。


「今から小せえ村を襲って金品と女を奪う!男は一人も生かすなっ、村人全員ぶっ殺せ!」


「「「おお〜っ‼︎」」」


スレイツ団の雄叫び声がアジトに鳴り響いていた…。




「今日はこいつらを潰しましょうか」


「誰が殺る?」


「いつもどおりでいいだろ」


俺に魔夜、極夜、ハデス、水川は魔夜が放っていた蜘蛛から入手した情報だ。この蜘蛛は魔夜の魔力で動き、目に写したものをもう一匹の蜘蛛から照射される画像から見ることができる。それを見てスレイツ団を潰すことにしたのだ。


「今日は四人でやるわよ」


「わ、私もですか⁉︎」


「そうよ、水川さん」


水川は自分もやるとは思っていなかったらしく、突然のことに慌て始める水川。

俺は水川の緊張を解くためにとっておきのリラックス効果がある(水川専用)言葉を水川に囁く。


「頑張れば、魔夜が下の名前で呼んでくれるかもよ?」


「どいつから殺します?」


「「切り替え早っ⁉︎」」


水川の切り替わりの早さに驚く極夜とハデス。魔夜は俺の水川に囁いた言葉が聞こえたのか思い切り俺を睨む。まあ、スルーだけど


「水川に殺らせるってことは、俺達は見学?」


「見学というより、バックアップをするってところかしらね」


それなら万が一の時にも対応ができる。


「私と白夜で水川さんのバックアップ、極夜はハデスの護衛よ」


「はあっ⁉︎何で俺がコイツのお守りをしなきゃいけないんだよ⁉︎」


「アンタと魔法で勝てるやつは私意外にいないからよ。暗殺も接近戦もアンタ相手に無理でしょ?」


「そりゃそうだけどよ…」


「なら決まり。決行はスレイツ団がどこかの村を襲う前の段階で行うわ」


極夜の反論を全て論破した魔夜に渋々従う極夜。決行も相手次第だからそれまでの間は暇だ。


「とりあえず、交代で寝るか?」


「そうね、1時間したら白夜を起こすわ」


「了解。んじゃ、全員寝るぞ」


「ああ」


「わかりました」


「わかったわ」


魔夜を除いた全員がそれぞれの部屋にーー


「ホント、全員で雑魚寝ってなれませんね」


「……ワタシだって、フカフカのベッドで寝たいわよ‼︎」


ーーそもそも部屋一室しかないので全員で雑魚寝するしかない。俺と極夜は今までの生活で、ハデスは地球に降りてきて200年もこの生活だから慣れているのだが、普通に裕福な暮らしをしていた水川には辛いかもしれない。


「そういえば、水川は親とかに言ったのか?このギルドにくること」


水川は自分は大丈夫、とか言って結局親のところに行ってなかったような…?


「言ってないわよ。メンドくさいし」


「メンドくさいって、言わなきゃダメだろ」


「いいのよ、別に…」


水川はそう言うと完全に黙り込んだ。

まぁ、人それぞれ家庭の事情もあるし、もう言わないほうがいいか。


「んじゃ、おやすみ〜」


そして全員が仮眠に入った。

次も来週の土曜日に投稿します(=゜ω゜)ノ

締め切りに追われる作家の気持ちが少しわかるこの頃です…!

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