兄弟の訓練
少し遅れての投稿です!
時間通りに投稿できなくて申し訳ございません!
互いに全力で相手に向かう。
俺は宿雷と加速のスキルを併用して極夜に突っ込む。
「死ねっクソ極夜!」
「お前が死ねゴミ野郎‼︎」
俺と極夜の拳が衝突する。しばらく拮抗していたが、
「オラァァッ‼︎」
「グハッ」
極夜の拳に押し負けてそのまま吹っ飛ばされる。俺は『空力脚』を使い、態勢を立て直す。
「『竜王の焔翼』」
極夜の背中に焔の翼が生え、俺と同じ高さまで飛んできた。しかし、極夜に魔法の才能はあまりない。……ないはずなんだが、この『竜王』に関してだけは使える。それもかなり高度に。使えても魔力量が少ねーから長くはもたねーけど…
「『憤怒』発動‼︎」
「やっぱそーくるよな!」
極夜の『憤怒』はいわゆる自身強化なんだが、このスキルは俺と魔夜と違ってレベルがある。俺のスキル『殺意』は俺の殺意によって上限なく上がり続ける。魔夜のスキル『憎悪』は憎んだ者に対して使える。ようは一度でも憎めば使える。だが、極夜にはレベルが5まであり極夜はまだ5まで出したことがない。極夜が出せる最高レベルは4なんだが、俺が『殺意』の全力じゃなかったとはいえ、かなりギリギリで勝ったくらいだ。魔夜は負けた。しかもこの『憤怒』は極夜と相性が半端ない。なぜなら
「オラッ、来やがれ白夜!」
「………、あっつ…」
ーーーなぜなら、極夜のスキル『炎帝』は感情の高ぶりによって威力が上がる。つまり、怒れば怒るほど威力が上がり続け、『憤怒』でさらに上乗せされていく、正にチートコンボなのだ。
「ビビってんのか、カス野郎!」
「あ゛あ゛っ‼︎ぶち殺すぞ三下がぁぁっ‼︎」
コイツはぶち殺す‼︎
即座にスキル『殺意』を発動、『キリングコート』と『加速』を使い、極夜に再度特攻する。
「しゃらくさいっ!」
極夜は俺を迎え撃つ。俺は極夜に右拳を全力で放つが、左手ではじかれ極夜の右膝蹴りがくる。俺は勢いを殺さずその場で回転蹴りの要領でかわしつつ反撃。それを左手で掴みとった極夜は俺を下に投げつける。俺は『空力脚』があるので、途中で立て直し、再度睨み合いを続ける。
「魔銃『雷電銃』」
俺は『魔銃』のスキルを使って一丁の銃を生み出したが、今回のは今までのとは別物だ。この『雷電銃』は俺の『宿雷』と組み合わせてしかできないとっておきの一つだ。この『雷電銃』の能力はスピード、破壊力はもちろんのこと、もう一つ能力がある。
パンッ
「チッ、『竜王の顎』」
俺が撃った弾を極夜は炎で喰らう。
俺はそこに立て続けに銃をぶっ放す。
パパパパパパンッ
計6発ぶち込み、即座に魔法を発動した。
「『紫電』!」
紫の雷は極夜の『竜王の顎』に向かっていき、
ドゴォォォォンッッ
触れた途端大爆発を起こした。極夜は爆発の中から下に落ちていった。これが『雷電銃』の能力、蓄電だ。『雷電銃』で撃たれたものは蓄電し、そこに雷魔法をぶつければ威力が段違いに上がる。まぁ、鉄とか人にしかできないんだけど…。
「『overkiller』」
あれくらいで倒れる極夜じゃない。まだ気絶してないだろう。
「こんの、クソカスやローガァァー‼︎‼︎‼︎‼︎」
うわ〜、ブチ切れてるよ…。
「『憤怒』レベル3‼︎‼︎」
極夜の体から禍々しい赤いオーラみたいなのが出てくる。極夜は膝を曲げると、
ドンッッッッ
地面を砕きながら突っ込んできた。極夜に『雷電銃』を撃つが、全て届く前に極夜の『炎帝』にかき消された。極夜はそのまま直進し魔法を使う。
「『竜王の炎弾』!」
『空力脚』を使って回避するが、周り込んだ極夜に捕まり
「『炎帝の逆鱗』」
ドゴォォォォンッッッッ
重い一撃をくらう。
「ガハッ……、んのクソ野郎が…!」
咄嗟に『キリングコート』を使い、ダメージを軽減しても重い一撃だった。
「殺すっ!…、絶対にぶち殺す…『殺意』発動」
『殺意』を発動してさらにステータスを上げる。極夜にやられたダメージで殺意が湧き上がり、どんどんステータスが増える。
俺が地面に降りると極夜も降りてきた。
地面に足がついた瞬間、一斉に駆ける。
「そこまで!」
ーーー駆ける、が魔夜が間に割り込み、俺達は急停止する。
「あぶねーだろ。何で止める?」
「ああ、まだ終わってなかったのに」
俺と極夜の抗議に魔夜はため息をつきながら返す。
「あんな殺意と怒りをばらまいてたら本気ってことくらいわかるわよ。殺し合いじゃなくて訓練よこれは。ったく、少しは仲良くしなさい」
「「無理」」
「……ハァァァ」
極夜と仲良くする?無理だ。そもそも俺達全員仲良くないしな。
「せっかくの兄弟なんだから、殺し合いはやめてほしいわね」
ハデスも途中で話に入り込む。
「魔夜、あんなことはいつもやってるの?」
「ええ、その度にこのバカどもは本気で殺そうとしてますね」
「魔夜…、何でそんなに仲が悪いの?」
「………、さぁ?」
俺と極夜は魔夜とハデスの態度に不満顔ながらも納得はできるのでおし黙る。
「ハデス様も魔夜達も、今日はこのくらいにして帰りましょう」
タナトスの提案に気絶している水川を除いた全員が頷く。
「魔夜、極夜…」
俺は険しい顔をしながら、魔夜と極夜に呼びかける。2人も険しい顔をしながら振り向き、頷く。そして、
「最初はグー、ジャンケンポンッ!」
魔夜ー(チョキ)
極夜ー(チョキ)
白夜ー(パー)
「「皿洗いよろしく〜」」
「負けたぁぁぁぁっ‼︎‼︎」
皿洗い当番を決めた。
「……、仲、悪いの?」
「さぁ?」
ハデスとタナトスはそんな俺達の様子に首を傾げながら、魔夜の瞬間移動でギルドホームに転移した。
次週の投稿は土曜日の午後6時頃にしようと思います。