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#2話〜アリス〜

食堂の一角、ユウトとメグミが座る席には今、小柄な少女アリスが放つ怒りのオーラで満ちていた。


「で?そこの人と話こんでいたら約束の事を忘れてしまったと?」

「そうなんだよ。仕方ないよな?」

「そうね。仕方ないわよね…なわけあるかぁ!」


そう言うとアリスは力任せにテーブルを叩いた


「痛っっ!」

「あ〜あ、痛かったんだろ?ほら冷やしてやるから」

「うん。ありがと…」


ユウトがアリスの手を冷やしているとアリスはハッとした顔をして


「てっ!違うわよ。危うく騙されるところだったわ」


アリスはメグミの方を指差して


「説明してちょうだいユウト。この人誰なの?」

「この子はメグミ、こっちの世界の人だ」

「こっこんにちは。」


さっきのアリスを見たからかメグミは若干引き気味だった。


「メグミにも紹介するよ。こいつはアリス俺と同じ向こうの世界の人間で、まぁ仲間と言うか相棒と言うか…」

「彼女です」


アリスの言葉に一瞬空気が凍りつく


「本当ですか?ユウトさん。それってロリコ…」

「まてまて!誤解だ!確かにこっちの世界に来てから一緒に暮らしてはいるが彼女じゃないぞ!?こいつが勝手に言ってるだけで…そんな目で見るなよ!」


メグミはユウトの事を犯罪者を見る目で見ながら


「ん?でも何で一緒に暮らしてるんですか?」

「まぁ成り行きでだな。こいつが道で食倒れてるのを助けたらそのまま住み着いちまったんだよ」

「でもユウトさん家事とかしなさそうですし、アリスちゃんがいてくれている助かるんじゃないですか?」


その言葉にユウトは渋面を作り


「逆だよ、逆。こいつ家にいても何も出来ないんだよ。皿を割るわ、掃除させると逆に汚くなるわで、この前なんか…」


また2人が話込みそうになったのを悟ったのか次は少し優しくアリスがテーブルを叩いた。


「そんな事より約束よ!や・く・そ・く!今からでも遅くはないわ。早く行くわよユウト」

「え〜今からか?もうすぐ夕方になりそうだぜ?」


ユウトを無理やりテーブルから引き剥がそうと引っ張るアリスにメグミが苦笑しながら聞いた。


「そういえば約束って何なの?」

「今日はお金稼ぎにモンスターを倒しに行くってユウトが約束してくれたのよ。そうしないと私お金ないし…」


メグミの質問に後半部分を小声になりながらアリスが言うと驚いたユウトが


「お前昨日金やったばっかりだろ⁉︎なんに使ったんだ⁉︎」


その言葉にユウトを引っ張るのを止め明後日の方向を見ながらアリスは


「あのね、怒らないで聞いてほしいんだけど…」


そう前置きしアリスは昨日の事を語り出した


「昨日お金貰ってから食堂に来たのよ。それでお腹空いたなって思ってメニュー見てたらどれも美味しそうだったから…」

「それで全部頼んだって言うのか?」

「うん…」


ユウトが金やるんじゃなかった…と思っているとメグミが驚愕の表情を浮かべて


「全部って本当⁉︎結構な種類あるのに…」

「こいつ小さい癖に相当食べるんだよ…たく…」


ため息を吐くユウトにアリスがおずおずと


「ユウト怒らないの?」


と聞いてくる。その言葉にユウトは微笑を浮かべながらアリスの頭に手をおいて撫でる。


「アリスにあげた金なんだ、怒る理由何てねぇよ。でも今度から食べたくても少しは我慢しような?」


うんっ!とアリスが嬉しそうにしているのをみながら親子みたいだなと思っていたメグミが2人に


「それで、結局モンスター討伐はどうするんですか?行くなら私も同行したいんですけど。」


その言葉にん〜と一瞬考えたユウトは


「メグミが一緒に行ってくれるって言うなら…仕方ない行くか!」


そう言いユウトが立ち上がろうとした時、食堂の扉が勢いよく開かれた。


食堂にいた全員の視線が注がれる。


そこにいたのは慌てた様子の本部の職員だった。


職員は息を整えて全員に聞こえる声で言った。


「たっ大変です‼︎街の正門付近にモンスターを連れた闇の軍勢が接近中です!戦える人達は至急集合して下さい!」


食堂にいた人達がざわめく中ユウトとアリスは


「アリス、良い金稼ぎができそうだぜ?」

「そうねっ!稼ぎまくっちゃいましょっ!」


笑っていた。








読んでくれてありがとうございました。

もし文字が間違っていたりアドバイスがあったりしましたら教えてくれるとありがたいです。

投稿ペースは1カ月に1話くらいです。

もし良かったら次も見てください。

それでわ!

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