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ツキミソウ  作者: 高槻泉
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自由な心

この作品は自身で書いた「アネモネ」という作品の別目線から描いた物語です。彼らの思う真相がこれを読むことにより、より深まると思います

「友情。友達」とはなんなのだろうか。

定義も知らないこの二つの言葉を再定義できるものは果たしているのだろうか。


例えば友達の場合。手を繋ぎ、楽しく話し合い気が会ったら友達と仮定しよう。その場合だと相手がもしも生徒と校長、新人社員と社長だとしたらそれは立場的に成立しない。


それならば、一緒にいるだけで安心する人と置いて考えてみよう。こちらの場合ももし電車の中で運良く座れたとして、電車が発する1/fのゆらぎの効果で安心したならば隣に座っている初対面のおじさんやおばさんなどとも自動的に友達ということになってしまう。



私は恐らくこんなひねくれた考えを持ってしまう性格だから友達が少ないのだろう。

学校に行かなくなってから1週間近くたつ。高校一年の時は体育を除いてオール5だったから学校に行かずとも成績にさほど影響してないと私は思っている。



とにかく私は学校にいきたくなかった。その理由を言うと嫌な奴だと言われるだろうが実際のところ私は悪くない。私はほぼ女子校の学校に通っているのだが私が可愛すぎる故に彼女たちの嫉妬が私に降りかかってしまった。


友達の(私が思ってるだけかもしれない)ゆりちゃんは毎日のように家に来て私の顔色や体調などを伺い、今日あったことを話してきてくれる。私を不登校に追いやった人達が反省してると言っていたが私には信用できない。なおさら学校に行きたくなくなった。


「そういえばさ、私ビジュアル系好きじゃん?」


初耳だ。


「それでreilaってバンドがめっちゃかっこいいから今度ようつべで見てみてよ!感想聞かせてね!じゃあ私は帰るね。学校早く来てくれないと寂しいよ。それに引きこもってちゃ可愛い顔が台無しよ!」


そう言って家を出て行った。ゆりちゃんには悪い所がある一つ目は人の話を聞こうとしないところ。

私的には自分から話すよりも聞き手に回っていた方が楽なのだが他の人から見たら話聞けよと思われるかもしれない。


二つ目。頭が悪い。天然を通り越してあればアホだyoutubeをそのままローマ字読みしていることで少しは察したかもしれない。まぁ、ようつべと実際に読んでる人はどこかしらにはいるだろう。


今の生活ではゆりちゃんと話すことだけが唯一の楽しみだ。家では引きこもりの時間も利用し、多少の勉強と将来の夢を叶えるための努力をしている。


将来の夢は花屋だ。これは高校生になってからゆりちゃんにしか話していない。小学生の時からの夢で小学生の時はみんなに認めて貰えたが、中学生になるにつれ、ぶりっ子してるだのなんだの言われ、本当に信頼してる人にしか言わないように心がけた。


花には花ごとに様々な花言葉がある。私の好きな花、クロッカスは色によって意味が異なる。あなたを待つ。じれったい。青春の喜びなどが一般的だが、紫色のクロッカスは後悔の愛。黄色のクロッカスは私を信じてほしい、という意味がある。

私の1日の流れは多少の勉強と多少の将来のための勉強。それを午前3時から午前9時までする。そしてそこからご飯を食べ、午前10時から夜までは私の趣味をする。


その趣味はチャットアプリで男のふりをすることだ。そして尻軽な女たちを釣ってやる。プロフィール画像は私の男装を使っている。自分で言うのもアレだがまぁまぁイケメン。もともとショートへアーだから髪のセットはしやすかった。

尻軽な女達は私がグループに入るなりプロフィール本人ですか?と声をかけてくる。もちろん本人だから「はい」と返事をする以外ない。すると必ず「かっこいいですね」と言われ甘える言動を言うようになる。


こういういい男にだけ媚を売る女は嫌いだ。私は女だが。だから性格のひねくれている私はこういう女を釣って心をへし折る。正確にはまだヘシ折らずに数名キープしている状態だ。私のプランでは直接会って女でしたと言って逃げる。もちろん男装をして。


それが一番相手の心をへし折れる最適な処理方法だと思う。元々私の声はどちらかというと男っぽい声だ。別に低いというわけではなく声の高い男の人の声に似てると思う。これは自分で望んだ結果だからいいと思っている。キャピキャピ話している女を見るとはらわたが煮えくりかえる。


しかし、もう釣るのはやめようと思い始めてきた。なぜかというと一度釣った相手に会いに行ったことがある。待ち合わせ場所に立っていたのはゆりちゃんだった。私の友達であるゆりちゃんがこんなことをしているとは思わなかった(こんなこと間をしているやつを釣っているのは私だが)やはり、会いに行った時に自分の知り合いにあった時の対処法がわからなかったのでその時はドタキャンしてまぬがれた。


それからはゆりちゃんとチャットのやり取りをしていない(アプリで)毎日ゆりちゃんが話してくる恋をしたという話はおそらく私に惚れていることになる。聞くたび心が痛む。友達だから。


今日釣った相手で出会い厨狩りを卒業する。ということでまず適当にグループにはいってみた。


しかし、アニメの話や好きな俳優の話をしている自分の好きなものに没頭できている人たちの中に出会い厨はいないことを察した。


だからいつも通り暇人のグループに入る。私が入ったグループは今さっき作ったであろう、まだ一人しかメンバーがいないグループ。


グループの主は女の子、情報を集めるべくプロフィールを見ると名前はみずき、17歳、学校がつまらなくて最近不登校。ちなみにプロフィール画像はかわいいクマのぬいぐるみだった。



私がグループに入ると彼女は積極的に話しかけてきた。なんて呼べばいいか。名前の由来。好きな趣味。彼女とは趣味が合った。小説を読むということだ。


私が好きな「ゼラニウム」という本があり、それを彼女も知っていた。私は叙述トリック物の本が好きなため彼女がこの本を知っていることに少しばかりテンションが上がった。思わず口走り「イニシエーション・ラブ」という本を進めてしまうまでに。


そんな話をしているのはグループではなく個人チャットでだった。チャットを始めたとき、彼女からしつこく個人チャットの申請が来たが、すぐ承認してしまうと焦らし効果が使えないので充分焦らしてから承認した。


私は彼女に相当好かれたみたいだ。文面からそう読み取れる。私は彼女に会うことにした。どうせ釣りをするのもこれで最後。最後の餞として彼女に会って心をへし折る。


「ねぇ、合わない?」大半の女はすぐに会いたいと言うが彼女は違かった。

「レイラさんとは気があうしとてもいい人だとは思いますけどもしもの事を考えたら危険なのでごめんなさい」

なんて純粋な子なんだろう。ますます私は彼女にあって心をへし折りたくなった。そこからは私の猛アタック。心を女から男に変えて僕は彼女にチャットで「会いたい」それだけを伝えた。


そして、知り合ってから4日目。やっとOKしてもらえた。どうせ尻軽女のくせに長引かせてんじゃねぇと私は思ったが、まぁいい。明日が楽しみだ。どうせ来る子は私よりもブスだから情けはない。私よりも可愛い子なら少しは手加減して心を折る作業をする。ちなみにゆりちゃんにはもうすぐ学校行くからもう家に来なくていいと嘘をついて跳ね除けた。


5月7日チャット相手のみずきと会った。デートという名の出会い厨狩りが終わった。もしかしたら私は彼女に恋をしたのかもしれない。




次回もみてください

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