終幕~未来へ向けてのキックオフ!~
一学期の終業式が終わり、陽介は部活は無いが夏休み期間の校内練習と対外試合のミーティングがある為、サッカー部の部室に向かっていた。あの日、あのタイヨウが太陽神としての役割を終え太陽に戻った月光学園との決勝戦の日――テンプレ学園は敗北した。
陽介とタイヨウの放った最後のフリーキックは大きくゴールを外れタイムアップになった。その後、テンプレ学園のチームメイトも相手の月光学園も、タイヨウに関わった全ての人間がタイヨウの存在を忘れた。誰もあの日からタイヨウの話をする事も無く終業式を迎え夏休みを迎える。
部室にはすでに全員揃っており、後は前田監督が来るのを待つだけである。キョロキョロと周囲を見る陽介は苛立つ顔をし、キッドの横に立つ。すると、前田監督が現れ夏休みの予定を話し桐生の話で締めになる。そして、前田監督は新しいメンバーを迎えると言い入って来なさいと言う。フッと笑う陽介はその赤毛のチャラそうな自分に似ている少年を見た。自己紹介をしようとする赤毛の少年に陽介は目の前に立ち傲岸不遜の顔で言った。
「やっと来たか。遅いんだよ。シエルもニャーニャー夜泣きがうるさくて寝れやしねー。お前のガリガリ君は買ってある。とっとと帰って来い」
「……な、何で? 記憶は消したはずなのに。俺っちに関わった人間全ての記憶は確かに消した……」
今、現れたタイヨウは紛れもなくタイヨウそのものであった。太陽消滅回避の功績を称えられ太陽神としての百年の役割を果たし、太陽神としてのこれからの役割を自分の息子に任せ、太陽神ゴッドサンライトはタイヨウとしてまた地球に戻って来た。それは無論、関わった全ての人間の記憶も消した故、一からまたこのテンプレ学園のメンバーと関わって行く覚悟をしていたが、この目の前の少年だけはタイヨウの事を覚えている。
「記憶が消える? バカ言ってんじゃねぇ! 俺達が都大会で決勝まで行き負けた……それは赤毛のバカ野郎がいなきゃ出来なかった事なんだよ! お前が俺達の記憶を消そうがな、今までにお前と経験した痛み、苦しみ、喜び、感謝、このチームの愛……その全てがお前の存在を忘れさせない……もどってくんのが遅せーんだよ、ダボが」
その言葉で、チームメイト達は徐々に過去の記憶を取り戻して行く。
そして、その赤毛の少年タイヨウはサッカー部の面々にメチャクチャにされる。
暑い陽射しが照りつける中、テンプレ学園の新たなる挑戦が始まった。




