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クリスマスが終わったら
翌朝
『お世話かけましたぁ』
お巡りさんに声かける女性
『さぁさぁ帰りますよ乗ってください』
軽自動車に乗せられる老人
『ケガなくてよかったわ~』
『しかしどうやって施設抜け出したのかしら?』
問いに答えるでもなく
ボーッとしている老人
『聞いてもわかんないかぁ』
老人にシートベルトを着用させつつ
女性は少し
寂しげに笑いました
『施設にきた頃はお話もできたけど』
『一気に痴呆が進んじゃったものね』
老人は何の反応も示しません
『さぁ帰りましょうか』
車が老人保健施設に着きます
『着きましたよ~降りましょうね~』
『あら?何か付いてるわね』
老人の服のところどころに
赤い繊維と指の間には
何か動物の毛がついています
『何かしら?』
『お部屋行ったら着替えましょうね』
微かに老人が
空を見上げたようだったのは
多分気のせいでしょう




