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星野満の『ざまあ作品』シリーズ

直系伯爵令嬢を舐めると貴方たち大変な目にあいますよ!

作者: 星野 満

※ ざまあ作品第4弾です。お気軽にお読みください!

※ 2025/711 タイトル&加筆修正済み

※ 清坂さま、誤字脱字報告ありがとうございました。

◇ ◇ ◇ ◇



 私の名はアリス・メンデル。

 生家は由緒ある名門伯爵家の長女だ。


 「うちの家系は100年以上前は王女が降嫁した先祖もいる名門一族だ」と、私の義父と義兄は社交サロンで、誰から聞かれもしないのにやたらと吹聴していた。



 実父は私が10歳の時、突然急死してしまう。

 若くして寡婦となった母は夫の莫大な所領も屋敷も金銭など遺産を全て受け取った。


 

 莫大な遺産相続をしたはいいが、気弱な母は夫を失くし茫然自失となる。


 いわゆる母は男に頼るタイプの女人なので、父の一周忌が済むや否や、すぐに遠縁に当たる見栄えだけはいい貧乏男爵の(やもめ)と再婚してしまった。


 その義理の父には2人の子供がいた。

 義理の兄ロイドと、義理の妹イサドラだ。


 

 私は13歳だった。


 

 初め彼等は普通に家族として私とも穏やかに接してはくれたが、どうしても彼等を好きになれなかった。


 

 その理由として義父たちは母の知らない所で屋敷の家令たちに、少しのミスでも罵詈雑言(ばりぞうごん)を吐いたり時には暴力も振るっていたからだ。


 

 私は彼等の虐待する行いを目にすると、その場で義兄や義妹には注意したし、義父に至っては母から態度を改めるように伝えた。


 しかし母はあまり義理の父には、強く言えない気弱な人だった。



 私は新しい家族たちと生活を共にして分かったが、とても貴族には見えない品のなさと、何より我慢ならなかったのは怠惰(たいだ)だった。


 特に義父と義兄は領地の仕事も執事や管理者任せで、昼間から遊蕩三昧で暮らしている。




「アリス、私は失敗したわ。再婚した夫はお前の父親とは似ても似つかない人だった。あの頃夫が突然死去して気持ちが動揺していたのね。その結果、見てくれだけで私は彼を選んでしまった……今更だけど愚かだったわ」


 内心母も再婚を失敗したと、私に愚痴をこぼした。

 

 


 その母も昨年、私が16の時に高等学園に入った年に病いで亡くなってしまう。


 

 そのまま義理の父が否応なくメンデル伯爵家の当主となった。

 

 義兄のロイドも20歳となり、一部の所領を得て子爵となる。

 

 もしも直系の私が婿を貰わなければ、ロイドが伯爵家の次期継承者となる。



◇ ◇



「ちょっとアリス姉さま、いつまで寝てんの、早く起きなさいよ!」



 母の喪も明けないうちに、義妹のイサドラが私の部屋にズカズカと入り込んで叫んでいる。


「朝から……何?」

 

 私は母の死後なかなか寝付けず、朝方はとても眠かった。


「もう、寝ぼけて⋯⋯いい加減起きなさいよ! これからはこの部屋は私が貰うわ。アリスお姉さまのドレスやアクセサリーも私の方が良く似合うしね。既にお父様には了解済みよ!」

 

 何やら義妹は理解不能な理由をつけて、私の物を当然のように奪おうとした。

 

 

 私は寝ぼけ(まなこ)で何も分からぬまま寝間着だけで、住み慣れた部屋から冷え切った廊下に追い出された。


 だが、妹の仕打ちは不幸の始まりに過ぎなかった。



 母亡き後、私は召使のようにこき使われるようになっていく。


 

 自分の部屋もイサドラに取られた私は、1階の台所の隣にあるメイド部屋に放りこまれた。


 そこは私の専用メイドのアンナたち含め、他メイド4名が暮らしている。

 

 2段ベッドが3つある大部屋だった。


 

 私は理不尽な事をされていると重々承知していたが、義父に盾突こうにも無謀(むぼう)すぎるとすぐに悟った。


 何故なら最初、さすがに部屋を追い出されて憤慨して、私は一度だけ義父にイサドラの横暴を抗議したが、義父に平手打ちされたのだ。


「イサドラは悪くない、お前は娘のくせに父親の俺に生意気言うんじゃない!」と。


「ふふアリス、父さんには逆らうなよ。もう義母さんは死んだんだ、お前は今まで屋敷内で甘やかされ過ぎていた。前と同じだと思うなよ。妹の気持ちも推し量ってやれよ」


 去り際に義兄まで、私の叩かれた顔を見てニヤニヤと冷笑した。


 

 この時、私は口の中を切って血は出て頬は腫れあがった。


 痛みが酷くメイドのアンナに氷で冷やしてもらったこともショックだったが、何よりも義父たちの言葉に深く傷ついた。



──お母様がいた頃は、少なくとも義父様と義兄様は私を娘と、また妹として一応の礼儀は尽くしてくれていたのに⋯⋯なぜ?


 

 いくら本当の娘ではないにせよ一緒に暮らして3年以上となるのだ。


 母を失ったばかりの自分に、義父から平手打ちを食らわされるとは思いもしなかった。

 

 私は義父に叩かれた痛みで頬以上に、心がとてもヒリヒリと痛かった。


 確かにこの家の令嬢としての矜持(きょうじ)も傷つけられたが、何よりも母を失った孤独感がどっと押し寄せてきた。




──ああ、私はお母様を失くして、本当に独りぼっちになったのね。


 私は現実を突き付けられた気がした。


 

 その夜、私はメイドたちに気付かれぬようにベッドの中、声を押し殺してずっと泣いた。




 (のち)に弁護士から聞いて分かったのだが、母親の遺言書には伯爵家の土地や領地の別荘や屋敷等を処分する際は、娘のアリスに一番分配を多く与えると記載されていた事だった。


 つまり亡き母の私対する愛情が、とことん彼等には気に入らなかったようだ。


 だがそれも、万一私が婿(むこ)を貰わずに他家へ嫁げば話は別である。



──そうか、私が他家へ嫁げば一部の持参金のみ私に渡して、残り全て義父たちのものとなる。


 

 その日から私は毎日がとても恐ろしくなった。


 

 今まで私の当たり前にあった日常は天国から地獄へと変わっていく。


 

 慣れない炊事や屋敷の掃除をさせられて、早朝から夕刻まで父親の言いつけで働かされた。

 

 そして1週間も経たない内に、私の手はあかぎれやしもやけだらけになった。


 それでも私が唯一救いだったのは食事時間だ。

 

 以前のような贅沢なご馳走は殆どなかったが、メイドたちと一緒に食べれたので、その一時(ひととき)だけは彼女たちと温かな団らんができた。

 

 またメイドたちと寝食を共にする事で、以前よりも親密な間柄になれたのがとても嬉しかった。

 

 

 むろん食事は残り物だったが、時々料理長や屋敷の庭で農園を受け持った農夫たちが、果物やデザートやパンを私たちに、こっそりと分け与えてくれた。私は屋敷の従者たちの優しさがありがたかった。



◇ ◇


 真冬に慣れない水仕事もきつかったが、アリスが一番辛かったのは、学園を中退させられた事だ。

 

 

 これまで通学していた高等貴族学園を義父は長女は病気療養の為として勝手に辞めさせた。


 私より3カ月遅く生まれたイサドラは貴族学園に通っているというのに。


 私は授業で学ぶ事も好きだったし、何よりも学園に行けば中等部からの友人がたくさんいて、彼女等と会えなくなるのはとても辛かった。


 

 またイサドラは、王宮で主催する茶会の招待状も全て私の箇所を欠席に丸をつけて勝手に返送してしまう。

 

「お姉さまはとても体が弱くて、王宮殿の茶会や舞踏会もとても無理で家からは一歩も出られませんの」

とイサドラは茶会などで大嘘をついていた。


 

 他にも後から知ったのだが、中等部からの友人たちが『アリス様のお見舞いに行きたい』と学園でイサドラに伝えたが、イサドラは友人たちに嘘をついた。


「姉の病気は人に移るとても恐ろしい病ですの。あなた方も当分、姉のお見舞いは控えた方が良いですわ」と勝手に私を感染症扱いした事も分かった。

 

 どれもこれも、後から聞いて(はらわた)が煮えくり返る話ばかりだった。



 ◇ 


 そんなこんなで私が令嬢からメイドに成り下がって半年が過ぎた。


 この半年、新たな一大事が起こった。


 我が家の財産はあっという間に底が突いたと会計士も執事も私に嘆いたのだ。


 そればかりか大切な公爵家の領地を次々と抵当に入っていて、借金のカタになっているともいう。

 

 

 本来公爵家の領地とはいえども、王国の土地にすぎない。つまり国王の了承をえなければ、抵当など勝手にしてはご法度なのだ。


 高位貴族なら誰でも知っている事だった。


 

 私は執事たちから話を聞いて驚愕した。



「どうしてそんな大事になっているの?」


「それがお嬢様、現在の旦那様と長兄様が賭博で大損ばかりして、借金を作っているのです」


「なんですって、義父たちが?」


 私は余りの理由で茫然自失となった。


 


 伯爵家は先祖代々の領地はいくつもあり土地も肥沃で天変地異もなく、領民も真面目に働いて税をきちんと納めている。

 

 

 領地は大切な財産であり、そこに住む領民たちを守って行くのが領主の勤め。それなのに領主が管理するどころか、領地を抵当に金を借りて挙句の果てには今住んでいるこの屋敷ですら抵当に入る寸前というのだ。



 一体、なぜたった半年でこんな酷い有り様となったのか?


 

 理由は父と兄がギャンブル依存症だったからだ。

 

 男爵家が落ちぶれたのもそれが主な原因だという。


 以前は王都の繁華街の賭博場に頻繁に義父たちは通っていたが、大分借金がかさんでしまい店から締め出しを喰らったという。


 最近は場所を変えて、貴族の集う競馬場で賭けている。

 


 そして上級貴族の間で流行っている『賭け馬クラブ』に入会もしていた。


『賭け馬クラブ』とは貴族が所有する馬たちでレースをして、勝った馬主に負けた馬主が、クラブで決めたオッズの金を支払う社交の1つだった。



 これは王国の社交クラブでは、れっきとした公共のギャンブルで税も一部王国に治めていた。



 義父と義兄は先代の伯爵家が持ち馬を何頭か所有していたのを知り、2人は大レースで一攫千金を狙おうとしていた。

 

 週末,、義父たちは王都付近にある国立アスコッティ競馬場へ通っていた。



◇ ◇



 春うららの日曜日──。


 

 本日は年に1度の最強馬を競う大レースの大会だ。

 

 そのレースに大勢の人が詰めかけていて競馬場は人だらけだった。そのレースで一番人気の無敗馬がいて皆、その馬に大金を賭けていた。

 

 一番人気馬の所有者は品が良い老人だった。


 競走馬は全頭で12頭参加した。

 ここまで予選を勝ち上がってきた優秀な馬ばかりだ。

 

 

 その中に義父たちの所有馬も参戦していたがオッズは20倍と高かった。

 

 対して老人の本命馬のオッズはたったの1.5倍である。


 つまり義父の所有馬は弱く勝つチャンスは乏しい。

 だがもしその馬が勝てば大穴となり、義父にも所有者として大金が入るのだ。


 まさに競馬はギャンブルである。


 

 だが2人には所有馬に賭ける金すらなかった。


 なので無謀にも隣にいたその老人に、屋敷を抵当に入れて彼から金を借り入れた。


 老人から借金した後、その老人は義父たちに(ほの)めかした。


「このレースでお互いの所有する馬のどちらかが勝って、万が一、ワシの馬が負けたら本邸をあなた方に譲ってやっても良いぞ」と言うのだ。


 老人はよほど持ち馬に自信があるのか、意味深にフォフォッと変な笑い方をした。



「よし望むところだ、爺さん!うちの馬だって3歳になって一度も負けてないぜ、爺さんの屋敷は俺たちが頂くさ」

 

 と義兄のロイドは鼻息がとても荒かった。


 

 その老人は高位貴族で王都の一等地に、屋敷を構えているという噂があった。



 素性も良く知らない老人に義父と義兄は大金を借りて賭けをする。どこまでも危なっかしい親子である。

 

 この日、どうやら2人は競馬場で酒をしこたま飲んでいたらしく、わざわざ借用証書まで作ってその賭けに乗ってしまった。



◇ 



 結果は見事に老人の馬が1着で、義父たちの馬は10着と後ろから数えて2番目だった。


 せめて5着以内なら少しは所有者にも賞金が貰えたが10着では完敗である。


 大損して酔いもすっかり醒めた義父たちは、その老人にひれ伏した。



「申し訳ないがどうかなかった事にしてくれませんか」

 

 2人は土下座までして詫びた。



「いやいや借用証書も作りましたぞ。約束は約束ですからな」

 と老人は首を縦に振らなかった。


 だが、老人はにこにこ顔で1つだけ新たな提案をした。


「そうじゃな屋敷の代わりに、もし伯爵に若い娘がいるならその娘を私の家に嫁がせれば借金は白紙にしてやっても良いぞ」

と老人は人の良さげな顔をして凄い提案をした。


 だが、借金を白紙と聞いた義父と義兄は飛びあがって喜んだ。



「分かりました、()()()()()ですよね。ははは、さすが優秀な馬を持つ老人は精力ありますなあ、家にはとても若い娘がいますから、その娘を1人やりましょう」

 

 義父は満面の笑みを浮かべて即答で約束をした。




◇ ◇ 



 屋敷に帰宅した義父と義兄は早速私に嫁に行けと強制した。


 私を嫁にと望んだ老人は大金持の侯爵だった。


 侯爵は私を嫁に貰う時に1つ条件を付けた。


「まずは結婚証書を持って、娘1人だけで屋敷に来させなさい。そしてその娘をワシが気に入れば嫁に迎えよう」と。


「逆に娘を見て気にいらなければ、伯爵家の本邸の屋敷を抵当に貰うとしよう」と言ったという。



 私は、メイド服から義妹のお下がりの空色の美しい膝下のドレスに着替えた。

 

 襟元には白レースの縁飾りがついている。

 とても清楚で可憐なドレスだった。


 

 私が着替えてエントランスに行くと、義父、義兄、義妹が待ち構えていた。



「いいか、良く聞けアリス、我が家の存続はお前1人にかかっている。絶対、粗相(そそう)のないようにに気を付けるんだぞ」

 

 義父がいう。凄い怖い顔。



「そうだぞアリス、相手はもうろくジジイでも、しこたま金のなる老木だと思え、そしてくれぐれも従順にして追い出されるじゃないぞ、分かったな」

 

 義兄がいう。凄い怖い顔。



「アリス姉さま、そのドレス私があげたんだから、今度そっちへ遊びにいったら何か高価な物を私にちょうだいよ」

 

 最後は義妹が飴玉をぺろぺろ舐めながらトドメを差した。


「わかりました。それでは義父様、義兄様、皆様行ってまいります」




──揃いも揃って似た物親子だわ。


 この3人は何処まで行っても金と物しか頭にない俗物な人たちだ。


 まるで私を『高額商品の受注1点承りました~!』のような眼でしか見えないのだろう。

 

 愚かでかわいそうな人たち。


 アリスは内心3人にはウンザリしたが、表面上はにこやかな笑顔を装った。



 そしてこれまた、屋敷の従者から借りたボストンバッグ1つだけを手に取って、自家用馬車でなく街から依頼したおんぼろ馬車に乗せられた。

 

 義父たちは家用の馬車のタイヤが擦り切れるのが嫌なのだ。

 

 家はタイヤすらも交換できない程貧乏になっていた。




◇ ◇


 そこから半時ほどだろうか、王都のお城がよく見える一等地にある侯爵家のお屋敷に着いた。



 私は馬車から降り立った時、自分の服装を改めて確認した。

 

 この服をイサドラから渡された時の事を思い出す。




 義父は珍しくイサドラを(いさ)めた。


「イサドラいいかげんにしないか。アリスは由緒正しい侯爵家に嫁ぐんだ。ぼろのメイド服では伯爵家の品位を疑われる。イサドラ、何でもいいからお前のドレスと靴をアリスに渡しなさい!」


「んん~もうお父様ったら……怖いわ」

 

 そう父親から命じられてイサドラはグズグズいいながら、一番質素なドレスと平靴を私に渡した。


 

 私はドレスを受け取った。


 

 なんだか嫌々渡されはしたけど……。


 イサドラ、あなた分かってる?


 元はと言えばこのドレスだって靴だって私のモノだったのよ。


 

 アリスはつくづくこの強欲な義妹に辟易した。




 

 馬車は門番の了解を得て、豪奢な正門が開かれ、邸内に入っていった。


 私は車窓から自分の屋敷より3倍くらいある大きな候爵邸の景観を眺めた。


 侯爵邸は荘厳ではあるが、それよりも何百年もこの土地に佇み品格があり屋敷を取り囲む芝生も、青い絨毯のように美しく低く刈られていた。




「本当、イサドラが派手好きで良かったわ。もし胸元のぱっくりと開いた華美なドレスを貰っていたらと思うとゾッとする。日中からそんな派手派手しいドレス、私はこの場所では絶対に着たくはなかった」


 思わずこの壮麗たる屋敷に入った途端、私は呟いた。



──ねえアリス、私がいま身に付けているこのドレスはとても縁起がいいと思わない?


 縁起?──なぜなの?


 だって、この少しだけ古びた水色のドレスは、私が中等学園の時に普段、いつも身に纏っていた制服代わりのドレスですもの。


 やはり、私は運がいい。


 そうアリスは確信した。


 はたから見ても、この屋敷に来てアリスの顔はとても朗らかになった。


 

 

 これまで義父も義兄もイサドラさえ意地でも褒めなかったが、アリスは美少女だった。


 金褐色の豊かな腰まで届く髪を櫛で綺麗に()かして、トパーズ色の瞳はいつになく輝いていた。

 

 色白の顔は幾分、働き疲れでやつれてはいたが、今日は薄紅色の口紅もアンナに借りて塗ったので、顔色はいつもより良く見えた。


 

 そしてアリスが中等学園でなじんで着た空色のドレスは、彼女の風貌が更に映えた。


 確かにこの半年で背丈も伸びて食事も質素になって痩せてしまったけれど。

 

 サイズの合わないドレスでやや丈が短かくとも、傍から見るとスッと背筋を伸ばしたアリスの姿はとても美しかった。



 ◇ 


 

 本来、いくら高位貴族の侯爵家とはいえ、デビュタントも済んでない若い娘が、年老いた男の家に嫁ぐのはとても嫌なものだろう。

 

 

 あの若いイケメン貴公子しか目に入らないイサドラが、拒否するのは火を見るより明らかだった。


 

 だがアリスにはこの屋敷の中は福運が詰まっているとしか思えず、心が躍るくらい、ワクワクして馬車を降りて屋敷へ歩こうとした。



「ちょっとお嬢さん、金支払ってくれよ。銅貨5枚さね」


と、馬車の御者がぶっきらぼうに催促した。




──ああ、そうだった。私が乗ってきた馬車も街の貸馬車だったっけ。


 私は御者に銅貨5枚を支払った。

 

 

 義父と義兄はその銅貨ですらケチってくれなかったので、私はメイドのアンナにお金を借りたのだ。


 でもいい、もうこんな惨めな思いを2度と私はしないだろう。


 

 ああ、愛するアンナ、あなたのお金は何十倍も返してあげられるわ。




◇ ◇


 

 そして、アリスを正面玄関の前で出迎えてくれたのは、その義父たちと競馬で賭けをした老人が、彼女の目の前に立ってにこやかに笑っていた。



「アリス様、お待ちしておりました!」


「ジョージさん、お久しぶりです」


 私は侯爵とされた老人のジョージに笑顔で握手をした。


「さあさあ、お疲れでしょう。よく1人で出てこれましたね。どうか中へ入って一休みしてください」


「ええ、ありがとう」

「さあ、アリス様、その持ち物を私めに寄越してください」


「ええ……ありがとう。ジョージさん」


 老人は黒色の紳士服姿だったが、侯爵の出で立ちには見えなかった。

 

 どう見てもこの屋敷の執事に相応しい恰好だ。


 

 大きなエントランスを、ジョージに案内されて大居間の入り口にアリスが入ってきた時──。



「アリス!」


「ユーフォ!」


「アリスちゃん」

「アリスちゃん!」


「叔父様、叔母様!」



 そこにはアリスの幼馴染で()()()()()()()()()()と、彼の父親と母親がいた。



 ユーフォルブ・ドレスデン侯爵令息。

 

 彼は王族とも親戚のドレスデン家の嫡男だった。


 昔ドレスデン侯爵家はアリスの伯爵家の隣に別邸を構えていた。

 

 アリスとユーフォルブはその時から幼馴染でもあった。

 

 

 ユーフォルブはアリスよりも3歳年上で、今は20才。

 

 成人した立派な貴公子であり、ドレスデン子爵となっていた。



「ああ、ユーフォ、とても逢いたかったわ!」


「ああアリス、アリス!僕もだ、この一時まで、どんなに君のことが狂おしいほど心配だったか君にはわかるまいよ」

 

 とユーフォは感極まったのか、アリスの体をギュッと強く抱きしめた。


 アリスもユーフォルブの顔を見て、今までじっと耐えてきた何かが緩んだのか、頬に行く筋も涙が溢れだした。



「まあまあ、ユーフォったら恥ずかしげもなく……独占しないで私にもアリスちゃんを抱かせてちょうだいな」


「あ、ゴメン母様……」


「ああ、叔母様……」

 

 ユーフォルブの母親のガーネットもアリスをギュッと抱きしめた。



「アリスちゃんいいのよ、たっぷりと泣きなさいな。本当に苦労したわね。ごめんなさいね、貴方を助けるのが遅れてしまって……」


「いいえ、まさか叔母様たちが私をこんな早く助けてくださるなんて……ドレスデン侯爵家と聞いてピンときました!」



「おいおいお前たち、ワシにもアリスちゃんを抱きしめさせてくれよ」


「ああ、叔父様……」

 

 と今度はユーフォルブの父親、エンリケ・ドレスデン侯爵もアリスをギュッと抱きしめた。



「本当に久しぶりに見て綺麗になったなあ。君の母親が亡くなったと聞いた時すっ飛んで行きたかったのだが、私たちは外交で隣国にいたからね。すぐに帰国できなかったんだ。ユーフォも同国で留学していたし、妻も一緒だった」


「ええ、承知してましたわ。でも叔父様たちは、こうして私を助けにきて私に道を示してくださいました」


「さあ、父上~。もういいだろう。アリスも疲れてる。まずはみんなで、ゆっくりとお茶でも飲もうよ」


「ああそうだな、そうしよう」

 

 ユーフォルブはすかさず父親の侯爵からアリスを奪うように離して、そのまま彼女の腕と腰を取りエスコートした。



 そのまま4人は、陽光煌めくサロンへと場を移動する。


 先頭を歩くアリスと息子のユーフォルブ。


 ドレスデン侯爵夫妻は息子のユーフォルブがとても大切にアリスをエスコートしている姿を見ながら、万感の思いをはせた。



◇ ◇


 

 このカラクリは実に単純だった。

 

 全てはアリスの直感から始まったのだ。


 


 アリスは母が亡くなった時、義父の家族からとても嫌な予感がしたので、すぐさま隣国へ留学していた婚約者のユーフォルブに、事の詳細を手紙に書いて送った。

 

 そして母の喪が明けたばかりに、アリスが義父たちから理不尽な仕打ちを受けている事も、家が彼等の賭博の借金で火の車になってしまった事も、ちくいちユーフォルブに知らせていた。




 元々、ドレスデン侯爵家とメンデル伯爵家は昔からの懇意の仲であった。


 アリスの家の隣家がドレスデンの別邸だったせいで、幼い時からアリスとユーフォルブはとても仲が良かった。


 

 特に令息のユーフォルブはアリスを溺愛した。本人も絶世の貴公子といわれていたが、20才になるまでアリスしか女性と付き合った事はなかった。



 アリスとユーフォルブの仲睦まじい姿を見て、両家の父親たちも2人が大きくなったら、婚約させようと口頭では約束していたのだ。



 だがその後、アリスの実父は死亡、寡婦となった母親も動揺してその事をすっかりと忘れていた。




 またドレスデン侯爵も外交官の仕事で隣国諸国を何年も廻り、家族単位で隣国へ行ってたので、母国に戻ってきたのは、今春であった。


 

 ユーフォルブも、アリスが大変な状況だと手紙を読んで知っても、留学の卒業試験で直ぐには帰国できず、アリスが義父たちから不当な扱いを受けていることに身悶えしながらもジッと耐えていた。


 

 

 しかしアリスの母親が亡くなり、義理とはいえ今のアリスの保護者は血のつながらないが義父である。

 

 義父と義兄が社交界でも、元貧乏男爵で伯爵家の寡婦と再婚したのは皆も承知していた。



 彼等が高位貴族の仲間入りをしても、成り上がりのガラの悪さは変わらず、金遣いが荒く伯爵家の領地を担保に次々と高利貸しから金を借りていたことも、ドレスデン侯爵は彼等の調査を水面下でしていたので、情報を把握していた。

 

 実はドレスデン侯爵は個人の莫大な資産で、伯爵家の領地を密かに買い戻していたのだ。


 

 そのため、旧友の伯爵の土地を死守はできたが、問題はこの義父たちのアリスに対する悪質さであった。

 



 このままではアリスはただの金儲けの駒扱いにされて、成金の平民高利貸にでも嫁にやりそうな勢いだったからだ。


 それを制しながらドレスデン一家は義父含め3人を何とかして懲らしめたかった。


 

 それで思いついたのが、義父たちがギャンブル狂いという噂を知り、そこに目をつけて執事のジョージを侯爵に演じて、競馬場で賭けの芝居を打ったのだった。


 

 案の定、酒びたりの2人は競馬の賭けに乗ってくれた。


 侯爵家の無敗の馬を出走させて、彼等を敗れさせたのだ。



 そして否応がでも『お前の娘を嫁に寄越せ』と催促したのは、イサドラは若い男が好きだから、いくら金持でも可愛い実の娘を、老人には嫁がせないだろうと目論んで、まんまとアリスをドレスデン侯爵家の嫁に承知させたのだった。




◇ ◇



「しかし本当にうまくいったもんだな」


 ドレスデン伯爵はサロンのソファーで美味しそうに、アールグレイのアイスティーを飲んでいた。



「だけど、父上、僕はアリスをこんなにやせ細らせてしまった奴らをどうしても許せない!」


「そうよ、アリスちゃん、しばらく見ない内にとっても大人びて綺麗になったけど、よく見るとやつれたわ」


「叔母様、大丈夫です。食事だけはアンナたちと、一緒に食べていたし、他のメイドたちも私のことを心配して皆の食事を私に与えてくれました」


「まあ、なんて良いメイドの娘ばかりなんでしょう。後でしっかりと、私からも褒美しないとね」


 ドレスデン侯爵夫人は少し涙ぐんだ。



「でも、母様さっきアリスの手を取った時、僕はびっくりしたよ。とても令嬢の手とは思えない程、赤く腫れて痛まし過ぎる」

 

 ユーフォルブは、アリスの両手に巻いた包帯を見て悲しげに、彼女の手に触れた。




「もう、ユーフォったら大丈夫よ。包帯も大袈裟すぎますわ。こちらのメイドさんがしてくれたのはありがたいけど──あかぎれなんて軟膏を塗れば直ぐによくなるわ。それに今回のことで私、屋敷の家令たちがいかに大変な水仕事や、野良仕事をしてるか身に染みて分かったの。だからこれも1つの社会勉強になったわ」


 アリスは両手をパタパタと(かざ)してなんでもないわよと、にこやかに微笑んだ。


「もうアリスはお人好しすぎるよ。僕がどれほど君のことを隣国で心配したか、君はちっとも僕の気持ちをわかってくれないなぁ」

 

 ユーフォルブが身を乗り出してプラチナブロンドの髪が横に揺れた。


 


 ユーフォルブは母親そっくりで、銀の前髪から見え隠れする長い睫毛と、深い深淵のような黒い瞳。

 

 少しエキゾチックな美顔で、彼にじっと見つめられたら面食い令嬢ならば、一発でノックアウトされそうだ。

 

 それほどユーフォはこの身が蕩けそうなくらい麗しかった。



 だが本人は母親似の自分の顔が嫌いだった。


 子供の頃から女の子に間違えられるたびに、もっと男らしい風貌にユーフォルブはなりたかったのだ。


 

 なので顔だけで寄ってくる馬鹿っぽい令嬢たちにも嫌気がさしていた。



 その中で1人だけアリスは違った。



 彼女は子供の時からユーフォルブのドジな点や、気の弱さなどの欠点も含めて、おおらかに自分を愛してくれた。


 あくまでもユーフォルブの内面を重要視してくれたのが嬉しかった。




「でも私、久しぶりにユーフォを見たから、随分美丈夫になって背も遥かに高くなって、ちょっと麗しすぎて⋯⋯面食いの人の気持、私⋯⋯少し分かるかも⋯⋯」


アリスは改めて幼馴染を見ながら、ウットリと頬を染めた。



「嫌だなぁ⋯⋯アリス、そんな事言うなよ、君はあのミーハー令嬢たちと同類じゃないんだから」


と、ユーフォルブはアリスの鼻をちょこんと指で突いた。


 だが内心、ユーフォルブのその仕草は嬉しさの余りのテレ隠しだった。



 実はユーフォルブは隣国へ留学してから勉学も励んだが、アリスにカッコいいと言われたくて、剣の習得も身に着けて筋骨逞しい令息になったのだ。


 

 アリスみたいな軽い体重の女性なら、今のユーフォルブなら軽々とお姫様抱っこできるだろう。



 王宮殿の絢爛豪華な大階段をユーフォルブはアリスをお姫様抱っこして、悠々と登っていく。


 そんな妄想をデレデレ〜と彼は思い描いていた。



『ああ、はやく2人きりになって、アリスをずっと抱きしめていたい!』


 と彼の心の声が聞こえるくらい、ユーフォルブは大人の美しさを身につけたアリスを見つめながら、どうにもウズウズと触れたくて仕方なかった。



 

 もしも此処に超面食いのイサドラがユーフォルブが侯爵家の息子だと、最初から知っていたら?

 

 たとえアリスの婚約者であれ、イサドラならあらゆる手段を使って、ユーフォルブを奪おうとしただろう。


 それだけユーフォルブの出で立ちは、面食い令嬢たちが好む顔立ちであった。




「ユーフォ、心配してくれてありがとう。でも私だってこのままでは許せないわ」


「アリス……」


 ユーフォルブは悩ましげにアリスを見つめた。



「ええ、何より亡き父が大切に守ってきた伯爵の領地を担保にした悪人義父たちを、絶対に私もぎゃふんと言わせたい。そしてあの意地悪な妹にも!」




「大丈夫だよアリスちゃん。叔父さんが仇はしっかり取ってやるからな!──そうだ、こうしちゃおれん、まずは国王と兄の宰相に、あのエセ伯爵の内情と筆頭相続人のアリスにした仕打ちを報告せねばな」



 ドレスデン侯爵は立ち上がって、執事のジョージを呼びつけ馬車に乗って王城へと出発した。



◇ ◇


 

 こうして数日後、事態は一転した。



 王宮の使者からメンデル伯爵に通達がきて、王宮治安部(おうきゅうけいさつ)にこれまでの賭博による領地の無断担保や、長女アリスに対する虐待などが明白となり、厳しく裁判にかけられた。



「俺が悪いんじゃない、ギャンブルは病気なんだ、おれのせいじゃない!」

 などと、メンデル伯爵はのたまわっていたが、誰も彼の話を納得はしなかった。



 たとえ100歩譲ってギャンブル依存症が病気だとしても、それならなお一層の事、ギャンブルを止めなければならないだろう。

 

 いかなる理由があろうとも、自分の犯した罪は償わなければならない。



 非情にも、メンデル伯爵は数年間牢屋に入れられる判決が言い渡された。

 

 もちろん、義父は伯爵位の剥奪、貴族の称号から平民に降格された。

 

 並びに義兄にも同じように平民となり伯爵家の後継者取消となった。



 

 義妹のイサドラに至っては、アリスを虐待した淑女品格の欠如と、アリスを感染症とでっちあげた虚偽報告を学園や王宮殿にしていた事が、アリスの証言から発覚して高等学園は退学となった。


 

 本来ならアリスが妹のイサドラを、寛容に許せば姉妹として伯爵家に残る事も可能だったが、アリスは断固拒否した。




「イサドラ、あなたが私にした仕打ちも然る事ながら、メイドや従者たちに何年も暴言や暴力を私が注意しても、あなたは治さなかった。それらにしても私は断じて許さないわ。だからあなたには悪いけど、今後姉妹の縁を切らせてもらうわね」




「そんな……アリスお姉さま、お父様は牢獄に入れられて、お兄様も高利貸しの従者の住込み商人となった。私は1人でどうやって生きて行けばいいの?」


「安心なさい、あなたの大好きなお金持ちが、あなたを嫁に貰いたいと縁談が来てるわ」



「え、本当ですの! ああ、お姉さまあ、嬉しい……やはり私を見捨てなかったのね」




──ええ、イサドラ、もっと大いに喜びなさい。

 

あなたにピッタリな嫁ぎ先だから。



 アリスは不吉な笑みをこぼしながら発した。


「イサドラ、あなたの嫁ぎ先は王都から離れた小さな田舎の商会だけど、けっこう繁盛してるそうよ」


「え、貴族ではないの?」


「悪いけど貴方は学園も退学になった、貴族社会では評判が悪すぎて、とても生きていけないわ」



「あ……確かにそうだ、いいわ。平民でお金持ちの商会なら、貴族みたいにうっとうしい品格とか、注意しなくてもいいしね。ああ良かったわ~!」

 


 そうねイサドラ、でもお相手の殿方の事は聞かなくていいの?

 

 その人は(やもめ)で年は45歳、でっぷりと太った体型で頭の毛も薄いとか。


 おまけに双子が2組。4人も小さなヤンチャな男の子がいるけどいいの?


 使用人たちはわんぱくな子供たちに手を焼いて皆、一斉に逃げてしまったとか──。

 

 


 まあガサツなあなたなら、4人のわんぱく盛りの子供たちを、叱り飛ばしてゲンコツ叩けば、何とか手名付けられそうね。

 

 私としてはイサドラがヤンチャ坊主たちに髪の毛を掻きむしられながら、ボロボロになって泣きじゃくる姿も見てみたいけど。


 と、アリスは自分の前で(ひざまず)いて泣いているイサドラを見て、これまで見た事もないくらい“悪女”の表情をしていた。




 こうして悪徳の義父と義兄と義妹を実質上、葬り去ったアリスは、初めて心が清々(せいせい)したのだった。





──祝・エピローグ。



 そして6月。


 前日まで大雨だったのが、嘘みたいに快晴となった午後。


 本日はアリスとユーフォルブの結婚式だ。



 王都の大聖堂では司祭の前で真っ白なベールを纏ったアリスと、これまた真っ白な正装姿のユーフォ―ルブが結婚式を挙げていた。


 

 丁度指輪交換の後で誓いの接吻をする瞬間だった。


 ユーフォルブはアリスの顔にかかる雪のような白ベールをゆっくりと持ち上げて、そっとアリスに口づけをした。



◇ ◇



 教会の外には親族や王族含めた貴族、そしてアリスの学園の友人たち、子息令嬢たちがひしめきあって人道を作った。



 新郎新婦が人の道を歩く度に、彼等は花びらシャワーで祝福していた。


 次々と顔に夏の花びらを浴びるアリスとユーフォ―ルブ。


 ジューンブライドのアリス。

 


 花のようなウェディングドレスを纏ったアリスは誰よりも輝いていた。


 あまりにも美しいので、よもや6月の女神が天からアリスを奪ってしまうくらい美しかったので、新郎のユーフォルブは気が気でなく、常に彼女の華奢な手を片時も離さなかった。



 ようやく人道から抜けたアリスは、ふと雲一つない青空を見た。



「あ、ユーフォ、空を見てちょうだい!」


「どうしたアリス?」


「ほらあそこ、とても綺麗な虹がかかっているわ」

 

 アリスは白いグローブを付けた指で大空に輪を描いているレインボーブリッジをさした。


「本当だ!わお、見事な七色の虹だね」


「ええ、まるで私たちを天空が祝福してくれてるみたい!」


「そうだな。ねえアリス!」


「何、ユーフォ?」


「!」


「誰よりも君を愛してるよ。この先、永遠に僕は誓う!」


「ユーフォ……私も貴方を愛してるわ。マイダーリン!」

 


 ユーフォルブはアリスの顔を自分に向けさせて、おでこにチュッとキスをした。




──完──








※ 最後までお読みくださりありがとうございました。ざまあシリーズ第5弾も投稿しますので、その時はまた宜しければ一読くださいませ。後ざまあシリーズこれで4作。もしよろしければ、短期連載完結の前の3作も良かったら暇つぶしに一読下されば幸いです。


※ 図々しいお願いですが、最後まで読んでくださった方、「まあ少しだけ面白かったかな」と思ったら★1つでもいいので、ポイントをポチッとして頂けると、今後の励みになります。

どうかよろしくお願い致します!(ꈍᴗꈍ)!

※今回も目指せ100ポイントです、一瞬でもいい、異世界短編ランキングの片隅に入りたい!


※ ポイント&ブクマつけて下さった方、大変ありがとうございました。

今回も100ポイント達成しました。本当に感謝いたします。また第5弾投稿しますので、その時宜しければ一読くださいませ。

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