変わらない。
放課後、私は眞と一緒に屋上でファルを待っていた。
「遅いね。ファル。」
「そのうち来るだろ。早く魔術が使えるようになりたいな~。」
眞は鼻歌交じりに空を見上げ、足をぶらぶらする。
それをみて、私はずっと思っていたことがぽろっと口に出た。
「眞は本当に変わってないんだね。」
それを聞いて、眞は少し驚いた顔をした。
「どうした? 急に。」
「眞、中学入って急に性格が変わったと思っていたけど、変わってなくて良かったなあって。」
眞は中学に入ってから、中二病な要素が少なくなった。昔の明るさがなくなって、静かになった。けれど、この楽しそうな顔を見ていると本当に何も変わらないと実感する。
「ばーか。やめろよ急に。恥ずかしいだろ。」
眞はぷいっとそっぽを向いた。
私はそれをみてクスっと笑う。
それを見て眞は少し驚いたような顔をした。
「お前も中学入ってから暗くなったと思っていたけれど本当に変わらないな。」
「あ~。確かに。友達ができたからかな。」
「友達って、ファルのことか?」
「うん。ファルはいつも優しくて、いい友達なんだよ~。」
「お前が元気そうで良かった。」眞が小さく微笑んだ。
すると、屋上の扉を開けてファルが入って来た。
「おっ。噂をすれば。」
眞が嬉しそうな顔をしてファルを見た。
「これでやっと魔術を教えてもらえる!」眞が嬉しそうに走ってゆく。
すると慌てたようにファルが口を開いた。
「すみません。眞さん。僕、眞さんに魔術を教えられません。」
「えっ⁉」
それを聞いて眞が固まった。




