82話
(さて、お馴染みの読者諸君への語りかけ。あの肉体を複製体として、あいつと5時間…いや、30年か?まあ、良い、情報交換しつつ権能をどうにか取り戻そうとしたけど例のご都合主義パワーで取れなかった。これやってるの作者なんだぜ?独り芝居だよ。独り芝居。僕達という人形で遊ぶ子供だよ。)
「へぇ、結構楽しそうじゃん」
「そうでもないさ。じれったいことが多くてね。人間の常識でしか動けない鎖に繋がれた悲劇のヒロインさ」
「僕達カナリアは無性でしょ?」
「そうだね。だからこそ、男でも女でもなれる素晴らしい環境になったよね。こんなぶっ壊れ存在しても良いのかな?」
見た目が同じ2人が喋る。なんで複製体が意思を持ってるのかは・・・知らん。公式に聞け。それよりも!これ以上のメタ発言はダメ!死刑!
「で、どうする?僕と君が入れ替わる?」
「僕が本体なんだけど?」
「は?僕が本体だけど?」
ギスギスし始めた。これは難しいね、殻と味付けがされてないゆで卵が同じ見た目なのと同じ。え?違うやつもある?うるさい。
「そういうことだ。僕が本体ってことで」
「どちらも本体で複製体でしょ?なんでこんなにグチャグチャになってるのか。答えは簡単。作者っ」
カナリアは意識を失った。作者がこれ以上のメタは求めていなかったから。やり出したのにいきなり辞める。これが作者の駄目なところである。急にアクセルを全力で踏んでブレーキを全力で踏む。この急加速、急停止を繰り返すのが楽しいらしい。
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「やぁ、起きたかい?いきなり倒れるんだからびっくりしたよ」
「心配させてごめんね。その身体僕が使おうとしたんだけど、嫌そうだね」
「当たり前でしょ?僕の意識は作られたものだけど楽しむ事が出来ずに消えるとかお断りだね」
「じゃあさ、面白いことしてあげるから終わったらその身体僕が貰うけど良いね?」
(腐っても僕ってことね。笑うところは同じだし簡単だろうね)
(そう言うと思った。結局、僕は偽物でしか無いってことか。)
「それ、良いね。いつやるの?」
「いずれかな。今は…ルイ君達と居るつもりさ。最高のタイミングで裏切って仲間の1人を消してやるんだよ」
「それ、僕見れないんだよね。ここは何も無いでしょ?それで僕の肉体に魔力も何も無いから見て楽しむとかできないんだよ」
「僕の茶番が見れないってこと?損しか無いじゃん。ウケる」
「それ自傷なの気付いて話しなよ」
「ま、君の終わりは僕の始まりになると思うから楽しみにしてなよ」
「せいぜいオーディエンスを楽しませてよね」




