75話
「あははははっ！壊れにくい玩具ができて嬉れしいよ！」
魔王と意味の無い戦闘をしている。2人とも加減などせず本気でやり合ってるせいで周りは滅茶苦茶になっていた。床は崩れ、壁は無くなっていた。修繕は…考えたら負けだからやめておこう。
「なんでそんなに強いのに人間と一緒に居るの？」
「面白そうだから。さぁ、そんな事気にせずに続けようよ」
脇腹を蹴り、怯んだ所を狙おうとしたが魔王が腕を掴み投げられ追撃を許してしまった。
「あれれ？もしかして油断しちゃった？」
「寝言は寝て言いなよ。勝負はこれからだよ！虚月」
虚月を投げる。避けられるが回避先に[空虚の矛]を出現させるがこれも避けられる。
（避けないでよ。ちょこまかと動くせいで当てづらいじゃん。はぁ、[虚構の鎖]）
「何それ」
手に鎖を持ってるカナリアを見て質問する。魔王はその鎖の異質さを見抜いていたが鎖自体に効果なんて無く心配する必要は無かった。
「面白いことをしよう」
鎖を蛇腹剣に変化させる。その蛇腹剣を地面に刺し魔力を流す、すると地面から蛇と矛が無数に出てきて魔王を焦らせる。その焦りを見逃す訳もなく[空虚の矛]を四方八方から放つ。
「っ！？ふぅ、危なかっ、チィッ！？」
魔王は脇腹を蛇に噛み千切られ、矛に腕を持っていかれ、脚に鎖を巻かれ投げ飛ばされた。いつの間にか蛇腹剣が鎖に戻っていたようだ。これには魔王も驚いていた。そこらの人間や龍でもこんな事は出来ないからだ。その理解出来ない力と傷を負ったことに焦りを感じていた。そこを見逃すカナリアでは無く
「あはっ♪チョロすぎるんじゃない？こんな攻撃を避けれないとかやめたら？魔王を」
その目には純粋に愉悦を感じるという事しか考えていなかった。周りの状況を気にせずに権能を駆使している。思考は問題無いんだが動機が愉悦しか無いせいで魔王はこの戦闘の着地点を探すのに苦労していた。
「ね、ねぇそろそろやめない？」
「う〜ん・・・無理♪僕はそっちの誘いに乗ってあげたんだから泣きながら感謝して欲しいぐらいだよ」
「分かった。この一撃で終わらす」
魔王は脚にエネルギーを溜める。
それを見てカナリアは脚にエネルギーを集中させる。
魔王は地面を蹴りカナリアに近づき蹴りを喰らわそうとする。カナリアは回し蹴りを魔王の蹴りにぶつけると超常的な現象が起こる、近くに火山ができ、遠く離れた荒野が花畑に、砂漠が自然豊かな場所に、湖が蒸発し、村の地面が裂け建築物も人も落ちていく。
片方は全能神の眷属第一号、片方は[虚無]というイカれた概念を掌握し自身の神格にまで引き上げた神、その2人がぶつかり合った結果天変地異が起こった。ある国では人口の半数が消し飛んだり、ある国では建築物が豪華になったりと不可思議な事が起こっていた。
この事は世界中で起きた天災と恵みとして記録された。
や、やめろ…こ、こっちにく、来るな。や、やめᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂᓀ‸ᓂ
